太田述正ブログは移転しました 。
www.ohtan.net
www.ohtan.net/blog/

太田述正コラム#8846(2017.1.11)
<皆さんとディスカッション(続x3219)>

<太田>(ツイッターより)

 <昨>日のディスカッションで紹介した、中共でのボールペン・ペン先国産化成功がBBC電子版でも大きく取り上げられている。
http://www.bbc.com/news/business-38566114
 軍事宇宙分野以外の精密工学の遅れ、日独に比した匠の精神の希薄さ、の象徴の克服にようやく目途がついたとお祭り騒ぎなのね。

 「将棋連盟がスマホ不正疑惑で指した“悪手”を検証する…第三者委員会<の>…「不正はなかった」のに「処分は妥当」はありえない…」
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e5%b0%86%e6%a3%8b%e9%80%a3%e7%9b%9f%e3%81%8c%e3%82%b9%e3%83%9e%e3%83%9b%e4%b8%8d%e6%ad%a3%e7%96%91%e6%83%91%e3%81%a7%e6%8c%87%e3%81%97%e3%81%9f%e2%80%9c%e6%82%aa%e6%89%8b%e2%80%9d%e3%82%92%e6%a4%9c%e8%a8%bc%e3%81%99%e3%82%8b/ar-BBy7QBn?ocid=iehp#page=2
 「「処分は妥当」なのに「不正はなかった」はありえない」とも言えるだろ。
 この委員会は大人の裁定をしたんだよ。

<太田>

 補足すると、三浦九段の疑惑は濃厚だが決定的証拠がなく、彼が裁判に訴えたら確実に負ける、と同委員会委員長で元検事総長の但木さんらが判断した結果、ああいう言い回しになったんじゃないかってこと。
 (逆に、三浦九段が対局中席をはずしていた時間が短かったことも、彼のスマホやパソコンにおかしな痕跡が(復元しても)なかったことも、彼の潔白の証明には全くならない。)
 だから、谷川理事長らが減俸処分の形でペナルティを自分達自身に課す必要もなかったんだけど、三浦九段に絶対に裁判提起をさせないように、念には念を入れてあえて課した、というのが私の読みだ。

<5KncHntE>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

 イギリス人って、個人主義が行き過ぎて、相当、病んでそう。
 行ったことないから想像だけだけど。↓

 「赤の他人と抱擁4200円 独身者に安らぎ、英で人気・・・」
http://digital.asahi.com/articles/ASJDK1DN5JDJUHBI046.html?rm=865

<mimigusa>(同上)

 長征→壇ノ浦の戦い 承久の乱
 党軍→鎌倉幕府軍  得宗専制 
ということかな?
 ------------

 長征→壇ノ浦の戦い 承久の乱
というよりは
 長征→奥州合戦 承久の乱
のほうがふさわしいのかな。

<1hZwdX0M >(同上)

 長征、上の書き込み同様に武家政権確立のあたりが気になっちゃうね。
 たしかに承久の乱もありそうだけど、その前の治承・寿永の乱の方が石橋山の戦いに負けて安房国に落ち延びつつ東国で勢力を確立するあたりが長征にイメージかぶるかな?

<9Ml/5Xt6>(同上)

 多分、mimigusaさんの意見が基本的に正しいのでは?
 長征とは、語感から受けるイメージとは違って、全滅を避けた逃亡劇である。
 毛沢東は逃亡中の現状を流浪の源頼朝に見立てた。
 農村から都市を包囲する作戦・少数のシンパを作りながら逃亡していくのは、各地で反平氏の反乱が起こり、上洛されて平氏が堕ちのびていくエピソード から着想された可能性がある。
 天下を取った共産党が作る政体は武家政権である。

 毛は天下取りの秘策と国家体制を源平の興亡と武家政権からヒントを得た。
 毛は日本が長い間、外国の支配を受けなかった理由の一つが、武家政権にあると考え共産党自体を軍事政体にすべきだとした。
 党軍が国軍になっていないのは、国家の中枢は軍事政体であるべきという信念を反映しているからである。
 太田さんは、諸事情により軍事を軽視しがちだった歴代の中国政権の宿痾を封じた
毛沢東の思惑に気づき、畏敬の念を抱いているのだろう。

<1hZwdX0M>(同上)

 軍事政体というよりは文武両道なんじゃないのかねえ。

<Y3laMSO6>(同上)

 軍事政体というかなんというか、何と言ったらいいのかねー、
 中共の場合、トップが中央軍事委員会主席とかを兼ねているケースがほとんどで、例外は、劉少奇が国家主席、毛が中央軍事委員会主席だった時等の一部だ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%85%B1%E7%94%A3%E5%85%9A%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A
 要するに、元首格の人間はすべて軍事のトップにつかなければならないわけで、国防大臣を任命する必要はないわけだ。

⇒後3分の2歩くらいまで行った。惜しいー!
 毛沢東はもちろん太田コラムは読んでないし、日本史学が戦後(日本の人文社会科学の中では例外的に)挙げた諸業績も知らないっていう前提でもうチョイ頭を巡らせばゴールだよ。
 いずれにせよ、毛が、「奥州合戦」だの「壇ノ浦の戦い」だの「承久の乱」だのといった細い話を記憶にとどめていたとは考えにくいし、そもそも、彼はスケールの大きい人間だったんだから、マクロ的(俯瞰的)に日本史を捉えていた、と思わないかい?(太田)

<VEG9BSfo>(同上)

 トランプ元年明けましておめでとうございます。
 新年早々、トランプ神帝陛下とハリウッド大女優のいざこざ。
http://www.youtube.com/watch?v=_8JqT2atxD8
http://www.youtube.com/watch?v=BwrOr74d2ME
 要は、無能な人が「あたふたする仕草」を使ってトランプ陛下は任意の無能な相手方批判を選挙演説で繰り返していた。
 選挙演説で、手首が曲がった障害があるジャーナリストの無能無責任さを批判するに際しても「あたふたする仕草」を使った。
 「あたふたする仕草」の手首の曲がり方とジャーナリストの手首の曲がり方の類似性のみを切り出して、商業メディアがトランプ陛下の障害への意図的な愚弄と認定ー流布ー大量反復による真実化。
 つまりLATが高度知的分析をしたところで事実認定レベルで完全誤認がある。
 なのに事実誤認を指摘すらしない高度な知的自己批判能力の欠如。
 結果、赤子にメディア不信・意図的世論操作観が蔓延するだけ。偽ニュースならぬ偽知的分析。滑稽。

 参考
 オバマスペシャルオリンピックジョーク
http://www.youtube.com/watch?v=_E-EdGul8nI
 当時のメディアの反応
http://youtu.be/4RxrrBQ9iPs?t=4m44s
 ------------

 民意操作大作戦展開中のイーロンマスクがトランプ政権に接近中!
 ハイパーループについて鉄道工学助教授の嘆き
https://youtu.be/08RPlJdlIx4?t=10m5s
 ハイパーループ構想を仕掛けたイーロンの本当の狙いってとこですかね。
http://www.inverse.com/article/25199-elon-musk-donald-trump-administration-job
http://www.inverse.com/article/26050-elon-musk-steve-bannon-donald-trump-meeting
 イーロンマスクがトランプ政権に近づいてることからも、一度も輸出に成功したことのない小日本新幹線はおろか輸出優等生チャイナの高速鉄道も先手を打たれたってことかな?
 チャイナならロシア並みの民意操作大作戦を展開できそうだけど、ド鈍感小日本はもう打つ手がないだろうね。
http://www.pcworld.com/article/3153310/techology-business/tesla-forces-hard-speed-limits-on-its-autopilot-self-driving-system.html
 テスラ自動車がクルーズコントロールの時速設定に神経質になってることからしても....やっぱり自動操縦高速自動車道路網が狙い?

<太田>

 それでは、その他の記事の紹介です。

 東大文学部は、(中退だが)ホリエモンのイメージだったが、森下佳子
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%AE%E4%B8%8B%E4%BD%B3%E5%AD%90
が相当イメチェンに貢献するな。↓

 「「掟破り」の大河直虎、脚本森下佳子氏に聞く・・・」
http://www.asahi.com/and_M/interest/CCfumtp017010800011.html?iref=comtop_fbox_u04

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <近未来の中共の姿として真剣に日本が現在抱える問題をフォローする習ちゃん。↓>
 「大学に通うお金も結婚するお金もない日本の若者たち・・・
 このように絶望している若者が、日本の深刻な社会問題である「少子高齢化」を解決することなどできるのだろうか。」
http://j.people.com.cn/n3/2017/0109/c94473-9164412.html
 <以下、サーチナからだが、最初のは、上と同じ問題意識のもの。↓>
 「・・・界面・・・記事は、大分県が2015年に、温泉でシンクロナイズドスイミングをする「シンフロ」をテーマとするユニークな宣伝動画を制作、発表したと紹介。奇抜な動画が多くのファンを獲得し、翌年には作品第2弾として「シンフロ」に青春を捧げる少女たちを描いた「ゆけ、シンフロ部」を発表したと伝えた。また、同県にある別府市も「温泉遊園地」のPR動画を制作、公開からわずか3日ほどで再生回数が100万回を突破したと説明した。
 さらに、鹿児島県でも志布志市が特産のうなぎを「うな子」として美少女に擬人化、プールを養殖場に見立てて「うな子」を養い、最終的に「うな子」が蒲焼になるという奇抜な宣伝動画を発表したことも紹介している。
 そのうえで、地方自治体がこぞってこのような宣伝動画を発表する背景について分析。「決して楽しく愉快な話ではないのである」とし、動画制作のきっかけが決して観光客の呼び込みにあったわけでなく「故郷を離れて東京に出てしまう日本の若者」をターゲットにしていたと説明した。
 東京への一極集中が激化する一方で、若者の流出が食い止められない地方は大きな危機を迎えることになったと紹介。そこで安倍晋三政権が14年に地方創生の概念を打ち出し、5年以内に地方における若い労働力を増やし、出生率や転入率を大きく高めることが掲げられたとした。この流れから、各地方でも若者を呼び込む、あるいは故郷に呼び戻すためのPRが盛んに行われるようになったとしている。
 記事は、地方自治体による宣伝予算には限度があるため、それぞれがユニークなアイデアを絞りだして勝負する努力をしているとする一方、「これらの努力の成果は、地方自治体の当初の希望からは、なおもかけ離れている」と説明。「東京には希望が満ちている。若者を故郷に戻すのは、短い時間ではほぼ成し得ないことだ」とした。」
http://news.searchina.net/id/1626845?page=1
 <これもそう。↓>
 「・・・今日頭条は・・・「日本の高齢化から、間もなくやって来るより大きな経済危機について考える」とする記事を掲載した。
 記事は、980〜90年代の中国において日本は最先端の代名詞だったが、現在では自動車分野を除く、携帯電話や家電など優位性を持っていた分野において中国市場から追い出されてしまったと紹介。
 世界的にも人口が密集し、資源に乏しく、しかも、地震などの自然災害が頻発する日本では、イノベーションに対するモチベーションが自然と高くなり、苦労に苦労を重ね、他人よりも努力をすることで世界最先端の成果を挙げてきたことを説明した。その一方、「しかし、今は中国人や韓国人が同じようなモノを作るようになり、日本と同じ速度で進むようになった」としている。
 そのうえで、日本の凋落が「日本人が怠惰になったため」という見方を否定。高齢化がその大きな原因であり、「疲れ知らずで走ってきた日本人は今、何とか生きながらえることで精一杯であり、下の世代を育てる余力がないのである」と解説した。
 翻って中国では、多くの技術者を国内に呼び込んだうえで、低廉な労働力と豊富な資源を頼りに製品を生産、時間をかけて技術を自分たちのものとし、最終的に海外の専門家を追い出して大量の技術コストを省くとともに利潤の最大化を実現してきたと紹介。また、特許の保護権がないようなものであり、他人が自分のやり方を自由にコピーできてしまう状況であるとした。こんな状況では技術者は全く育たず、高齢化の波が押し寄せれば日本よりも深刻な状態になる可能性があることを指摘している。」
http://news.searchina.net/id/1626828?page=1
 <これは、従来型の日本礼賛。対象は日本車。↓>
 「・・・今日頭条は・・・「日系車のクオリティが高いのはなぜか?」というテーマについて論じており、記事を読み終わればその理由に納得できるだろうと読者に訴えかけている。
 最初に記事は、日系車のクオリティは世界トップレベルであることは、すべての中国人が知っていると説明、日系車は故障やメンテナンスでの気苦労はほかの車に比べて圧倒的に少ないと指摘し、「日系車は中国で本当によく売れている」と伝えた。
 では、日系車のクオリティが高いのはなぜだろうか。記事はこの理由の1つとして、「日本人は何事においても妥協をせず、すでに十分優れているものにに対して更に磨きをかけようとする」と絶賛。従って日本人は自動車製造の現場では常に厳格な検査を行い、もし不合格であれば無条件で新たに製造し直すと説明、それゆえに故障が少ないと指摘した。
 さらに記事は、日系車は中国車のように頻繁に部品交換をする必要が生じないとし、その理由について、日本の自動車メーカーは部品メーカーの製品が長期間にわたって行われたテストの結果、本当に信頼できることを確認して初めて、そのメーカーをパートナーとして選ぶと指摘。また、他国の自動車メーカーのように部品メーカーを頻繁に替えないことも、日系車の信頼性が安定している理由だと説明した。
 この記事に寄せられた中国ネットユーザーのコメントも日系車のクオリティの高さを絶賛するものが多く、なかには日系車を10年運転したが何の問題も生じず、バッテリーやライトすら一度も交換していないと説明する意見があった。また、「日系車のクオリティは一流だ!」と絶賛するコメントも多く見られ<る。>」
http://news.searchina.net/id/1626814?page=1
 <以下、まあ面白い、客観記事2篇。↓>
 「・・・今日頭条はこのほど、・・・シンガポールとマレーシアを結ぶ越境高速鉄道・・・の入札は2017年第4四半期に行われる計画であることを伝え、日本と中国のみならず、韓国、ドイツ、フランスなどの企業も入札に参加する見込みだと伝え、「これまで何度も受注競争を繰り広げてきた日中が再び東南アジアでぶつかることになる」と報じた。
 記事は、<この>高速鉄道は東南アジアで初となる越境高速鉄道だと伝え、プロジェクト総額は150億ドル(約1兆7379億円)規模に達する見込みと紹介。全長350キロメートルのうち、15キロメートルはシンガポール国内に建設され、残りはマレーシア国内に建設されるとし、同様に8つの駅のうち7つがマレーシア国内に設置されることになると紹介した。
 続けて、多くの企業が同高速鉄道に大きな関心を示しているとしながらも、「最有力候補は日本と中国と見られている」と主張。シンガポール側は高速鉄道の運用経験豊富な日本を高く評価しているとしながらも、高速鉄道建設の費用の大半を負担するマレーシア側はコストの安い中国高速鉄道を評価していると紹介、新幹線と中国高速鉄道のどちらを採用するかについて、シンガポールとマレーシア両国で意見が割れている可能性があることを伝えた。
 また記事は、同高速鉄道には課題もあると指摘し、それは「空の便」との競争であり、シンガポールとマレーシア・クアラルンプール間の路線は毎日45便も存在すると伝え、「高速鉄道の乗車券が高すぎれば利用客を集めることができず、安すぎればコストを回収できない」と指摘。そのため、高速鉄道路線の沿線都市の開発など、乗車券以外でも収益をあげることが必要だとしつつ、「沿線都市の開発では日本は豊富な経験を有している」と警戒感を示した。」
http://news.searchina.net/id/1626813?page=1
 「・・・今日頭条・・・記事は、日本の鉄道は中国に比べて「複雑」であると伝えている。
 中国の鉄道は主に「火車」、「高速鉄道」、「地鉄」、「軽軌」の4つに分類できる。「火車」は一般の鉄道を表し、時には高速鉄道も含めることもある。また「地鉄」は一般的に都市の地下を走る鉄道であり、日本語の地下鉄に相当する。さらに「軽軌」は高架あるいは地上を走る輸送量が小さな鉄道を指す。
 日本人からすれば、中国の鉄道分類も複雑に感じるのだが、記事は、日本の鉄道は中国に比べて「複雑」であるとし、日本の鉄道は主に「新幹線」、「JR」、「私鉄」、「地下鉄」、「その他」に分類できると説明。「JR」は日本の以前の国有鉄道であり、「新幹線」は日本の高速鉄道、また「私鉄」はJR以外の企業が管理する鉄道、「地下鉄」は都市地下に建設した鉄道であり、また「その他」には第三セクターの鉄道が含まれると説明した。
 ここで記事は、日本社会では新幹線を除く鉄道を「電車」と呼ぶことが一般的であり、中国人にあまり知られていない日本の常識であると紹介。また、4つに分類される中国の鉄道はそれぞれの車両が走る路線が異なっているが、日本の鉄道の場合はJR、私鉄、地下鉄それぞれが連携しあい、これらを乗り換えることによって希望の目的地に達することができ、利便性が高いと説明した。
 記事は、このように日本と中国で鉄道の分類方法が異なるために、多くの中国人は中国の「火車」に相当するのが日本の「JR」であり、「軽軌」に相当するのが日本の「私鉄」であると間違って理解していると指摘した。」
http://news.searchina.net/id/1626817?page=1
-------------------------------------------------------------------------------

<K.K>

≫・・・プチフリバスター・・でしたっけ・・がDellではうまく機能したけれどEpsonではしていないのではないか、という気がちょっとしますね。≪(コラム#8844。太田)

 メモリ関連のトラブルっぽくて、少し厄介な気がします。
 簡易NASの方も含めて、来週以降(オフ会以降)解決を試みるということでお願いします。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

太田述正コラム#8847(2017.1.11)
<米支関係史(その3)>

→非公開

太田述正ブログは移転しました 。
www.ohtan.net
www.ohtan.net/blog/