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太田述正コラム#8501(2016.7.22)
<階級社会米国(その8)/私の現在の事情(続x81)>(2016.11.5公開)
何十年にもわたって、元南部連合<に属した地域>のアフリカ系米国人達のわずかに1%しか、諸選挙に参加することができなかった。・・・
欧州の政治は階級に立脚しているのに対し、米国の政治は人種的(ethnic)である、という観念が広範に抱かれている。
しかし、実際には、米国では、人種(race)と階級は絡み合っていて、そのもつれをほどくことは困難なのだ。
『眠れる巨人(Sleeping Giant)』の中で、その著者のタマラ・ドラウト(Tamara Draut)・・左がかったシンクタンクたるデモス(Demos)の役員・・は、自分は、米国全域にわたる、階級に立脚した運動が始まっているのを探知した、と信じている。
その彼女の勤労階級の定義は、年間諸給与(salaries)ではなく時間決め諸賃金を支払われている人々、と単純だ。
この尺度では、米国の勤労者10人のうち、殆ど6人がそれにあたる、ということになる。
更に単純な目安(test)は、上司達にトイレに行く許可をとらなければならない人々、というものだが・・。・・・
『アンクル・トムの小屋(Uncle Tom’s Cabin)』の著者である、著名な奴隷制廃止論者のハリエット・ビーチャー・ストウ(Harriet Beecher Stowe)は、『ドレッド(ドレッド(Dred, A Tale of the Great Dismal Swamp)』<(注12)>という、貧しい白人達についての、余り知られていない作品も書いている。
(注12)ハリエット・エリザベス・ビーチャー・ストウ(Harriet Elizabeth Beecher Stowe。1811〜96年)。著作:『アンクル・トムの小屋』(1851〜52年)、『ドレッド』(1856年)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A6
ちなみに、上掲には「第2作『ドレッド・・・』も、奴隷制に反対する物語である。」とあるところ、どうやら、間違いなく主題はその通りらしい
https://en.wikipedia.org/wiki/Dred:_A_Tale_of_the_Great_Dismal_Swamp
ことから、この書評子は、かなり誇張した表現をした、といったところか。
ストウは、奴隷達にたいしては同情(compassion)を示したけれど、白人達は、劣化した(degenerate)階級であって、犯罪、不道徳、そして、無知、への性向がある、と描写した。
彼女の、胸をむかつかせ(sickly)身の毛をよだたせる(horror)という風に想像力を掻き立たせるところの、貧しい白人観は、今日においても、なお、<米国の>大衆文化の中に生き続けている。・・・
貧しい白人達が、貧しい黒人達と経済的連合を組んで米国の政治をひっくり返すという観念は、昔も今も現実から全く乖離している。
多過ぎる白人達が、それが何を意味しているのかはともかく、自分達の国を取り戻そうと欲している<ことは確かだ>。
しかし、それは、アフリカ系米国人達、ないし、他の少数人種達、によって共有された目標ではない。
<例えば、>抗議運動であるところの、黒人の命だって大切だ(Black Lives Matter)<(注13)>にとっては、未来を実現させることが全てだからだ。
(注13)2013年に、アフリカ系米国人たる10代のトレイヴォン・マーチン(Trayvon Martin)を射殺したジョージ・ジンマーマン(George Zimmerman)が釈放された後、インターネット(social media)上で、ハッシュタグ#BlackLivesMatterを用いて始まった運動。
この運動は、2014年に、ファーガソンとニューヨーク市において、それぞれ1人のアフリカ系米国人達が死んだことで発生した抗議諸活動と騒擾を契機に行い始めた街頭諸デモによって全米的に知られるようになった。
https://en.wikipedia.org/wiki/Black_Lives_Matter
ドナルド・トランプという、予期せぬ扮装を纏った形で、米国のジャクソン流の叛乱は、<今もなお、>生き続けている。
しかし、それは、<従前のもの同様、>究極的には失敗する運命にある。
南カロライナ州選出の共和党上院議員のリンゼイ・グラハム(Lindsey Graham)が喝破するように、「運動を持続させる(stay in business)に十分な数の怒れる白人連中を我が国は生み出してはいない」、からだ。」
⇒欧州における、過去から現在に続く、反ユダヤ人、反ジプシー、そして、(かつてもレコンキスタ時代等にあったけれど、)現在の反イスラム信徒、感情、及び、迫害、を想起すれば、欧州と米国は、人種主義と階級、によって特徴づけられる点が極めておぞましくかつ似通った、二つの文明をそれぞれ体現している、と言っていいでしょう。
欧州の方は、このおぞましさを緩和するために、文明を欧州文明からプロト欧州文明へ回帰しようとしている、というのが私の見方ですが、米国のほうは、緩和のための方向性すら見出し得ていない状況です。
私は、米国は、国の在り方の全面否定、ひいては英国からの独立の撤回による、できそこないのアングロサクソン文明から純正アングロサクソン文明への回帰を目指すしかない、と考えています。
おぞましさにおいて、相対的な違いであると同時に決定的な違いが、人種と階級両面にわたって、米国と、拡大英国たる加豪の間にある、ということに照らし・・。
そのためにも、米国人達は、クリントンではなく、過去の全面否定の継起を包含している、いわば一種の劇薬であるところの、トランプを次期大統領に選出すべきだ、とも私は考えている次第です。
(完)
-------------------------------------------------------------------------------
--私の現在の事情(続x81)--
1 新しいTVについて
8年前のTVと違って、今度買ったTVは、インターネット対応になっているのですね。
昨日、無線LAN接続を行い、YouTubeを視聴してみました。
設定の際に、無線LANの暗号キーを打ち込むのが、慣れるまでエラく大変で、東芝のサポートの力をちょっとだけ借りましたが・・。
なお、ハードディスクを繋げば、録画もできるようになると謳われているのですが、東芝純正の専用ハードディスクはバカ高そうですし、東芝動作保証の他社製品については、「Z700X・・・シリーズの接続確認については実施中です。確認が取れ次第、順次掲載いたします。」
http://www.toshiba.co.jp/regza/support/relate/regzalink.htm
という状況なので、しばらく様子を見た方がよさそうです。
動作保証対象であれば、ケーブルTV会社のJ:COM提供の録画用ハードディスク・・セットトップボックスに装着済みだが未使用・・を転用するつもりでいます。
本日の昼には、このTVをネットに繋いで使用すると使用態様によってT-POINTが貯まる、という設定を行うと共に、TSUTAYAと契約し、同社からいつでも映画をダウンロードして鑑賞できるようにしました。
(見放題の方ではなく、単品ごとに代金を支払う方式の方を選んでおきました。
同社のネット上での作品の品揃えをご覧になれる方で、私に映画評論をさせたいと思われた、(コラムでまだ私が取り上げていない、)作品があったら、ご推薦ください。)
これも、クレジットカードの登録をするのがエラく大変でしたね。
ちょっと大げさかもしれませんが、こういうことをする気になり、実際、手間を厭わず、この2日間にわたってやり遂げた、ということは、私の気力・体力がほぼ元の状態に戻りつつあることを示すもの、と言えそうです。
2 ポケモンGOについて
本日から、日本でもボケモンGOが遊べるようになったというので、夕刻、私のスマホに、そのソフトをダウンロードしました。
ID・パスワード登録中に、混雑中という画面に切り替わってしまい、それ以上の作業を行うのを断念しましたが、このゲームのアイコンは、しっかりとスマホの画面に表示されています。
このゲームを実際にプレイすることは、まずないでしょうが、我ながら物好きなことです。
<階級社会米国(その8)/私の現在の事情(続x81)>(2016.11.5公開)
何十年にもわたって、元南部連合<に属した地域>のアフリカ系米国人達のわずかに1%しか、諸選挙に参加することができなかった。・・・
欧州の政治は階級に立脚しているのに対し、米国の政治は人種的(ethnic)である、という観念が広範に抱かれている。
しかし、実際には、米国では、人種(race)と階級は絡み合っていて、そのもつれをほどくことは困難なのだ。
『眠れる巨人(Sleeping Giant)』の中で、その著者のタマラ・ドラウト(Tamara Draut)・・左がかったシンクタンクたるデモス(Demos)の役員・・は、自分は、米国全域にわたる、階級に立脚した運動が始まっているのを探知した、と信じている。
その彼女の勤労階級の定義は、年間諸給与(salaries)ではなく時間決め諸賃金を支払われている人々、と単純だ。
この尺度では、米国の勤労者10人のうち、殆ど6人がそれにあたる、ということになる。
更に単純な目安(test)は、上司達にトイレに行く許可をとらなければならない人々、というものだが・・。・・・
『アンクル・トムの小屋(Uncle Tom’s Cabin)』の著者である、著名な奴隷制廃止論者のハリエット・ビーチャー・ストウ(Harriet Beecher Stowe)は、『ドレッド(ドレッド(Dred, A Tale of the Great Dismal Swamp)』<(注12)>という、貧しい白人達についての、余り知られていない作品も書いている。
(注12)ハリエット・エリザベス・ビーチャー・ストウ(Harriet Elizabeth Beecher Stowe。1811〜96年)。著作:『アンクル・トムの小屋』(1851〜52年)、『ドレッド』(1856年)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A6
ちなみに、上掲には「第2作『ドレッド・・・』も、奴隷制に反対する物語である。」とあるところ、どうやら、間違いなく主題はその通りらしい
https://en.wikipedia.org/wiki/Dred:_A_Tale_of_the_Great_Dismal_Swamp
ことから、この書評子は、かなり誇張した表現をした、といったところか。
ストウは、奴隷達にたいしては同情(compassion)を示したけれど、白人達は、劣化した(degenerate)階級であって、犯罪、不道徳、そして、無知、への性向がある、と描写した。
彼女の、胸をむかつかせ(sickly)身の毛をよだたせる(horror)という風に想像力を掻き立たせるところの、貧しい白人観は、今日においても、なお、<米国の>大衆文化の中に生き続けている。・・・
貧しい白人達が、貧しい黒人達と経済的連合を組んで米国の政治をひっくり返すという観念は、昔も今も現実から全く乖離している。
多過ぎる白人達が、それが何を意味しているのかはともかく、自分達の国を取り戻そうと欲している<ことは確かだ>。
しかし、それは、アフリカ系米国人達、ないし、他の少数人種達、によって共有された目標ではない。
<例えば、>抗議運動であるところの、黒人の命だって大切だ(Black Lives Matter)<(注13)>にとっては、未来を実現させることが全てだからだ。
(注13)2013年に、アフリカ系米国人たる10代のトレイヴォン・マーチン(Trayvon Martin)を射殺したジョージ・ジンマーマン(George Zimmerman)が釈放された後、インターネット(social media)上で、ハッシュタグ#BlackLivesMatterを用いて始まった運動。
この運動は、2014年に、ファーガソンとニューヨーク市において、それぞれ1人のアフリカ系米国人達が死んだことで発生した抗議諸活動と騒擾を契機に行い始めた街頭諸デモによって全米的に知られるようになった。
https://en.wikipedia.org/wiki/Black_Lives_Matter
ドナルド・トランプという、予期せぬ扮装を纏った形で、米国のジャクソン流の叛乱は、<今もなお、>生き続けている。
しかし、それは、<従前のもの同様、>究極的には失敗する運命にある。
南カロライナ州選出の共和党上院議員のリンゼイ・グラハム(Lindsey Graham)が喝破するように、「運動を持続させる(stay in business)に十分な数の怒れる白人連中を我が国は生み出してはいない」、からだ。」
⇒欧州における、過去から現在に続く、反ユダヤ人、反ジプシー、そして、(かつてもレコンキスタ時代等にあったけれど、)現在の反イスラム信徒、感情、及び、迫害、を想起すれば、欧州と米国は、人種主義と階級、によって特徴づけられる点が極めておぞましくかつ似通った、二つの文明をそれぞれ体現している、と言っていいでしょう。
欧州の方は、このおぞましさを緩和するために、文明を欧州文明からプロト欧州文明へ回帰しようとしている、というのが私の見方ですが、米国のほうは、緩和のための方向性すら見出し得ていない状況です。
私は、米国は、国の在り方の全面否定、ひいては英国からの独立の撤回による、できそこないのアングロサクソン文明から純正アングロサクソン文明への回帰を目指すしかない、と考えています。
おぞましさにおいて、相対的な違いであると同時に決定的な違いが、人種と階級両面にわたって、米国と、拡大英国たる加豪の間にある、ということに照らし・・。
そのためにも、米国人達は、クリントンではなく、過去の全面否定の継起を包含している、いわば一種の劇薬であるところの、トランプを次期大統領に選出すべきだ、とも私は考えている次第です。
(完)
-------------------------------------------------------------------------------
--私の現在の事情(続x81)--
1 新しいTVについて
8年前のTVと違って、今度買ったTVは、インターネット対応になっているのですね。
昨日、無線LAN接続を行い、YouTubeを視聴してみました。
設定の際に、無線LANの暗号キーを打ち込むのが、慣れるまでエラく大変で、東芝のサポートの力をちょっとだけ借りましたが・・。
なお、ハードディスクを繋げば、録画もできるようになると謳われているのですが、東芝純正の専用ハードディスクはバカ高そうですし、東芝動作保証の他社製品については、「Z700X・・・シリーズの接続確認については実施中です。確認が取れ次第、順次掲載いたします。」
http://www.toshiba.co.jp/regza/support/relate/regzalink.htm
という状況なので、しばらく様子を見た方がよさそうです。
動作保証対象であれば、ケーブルTV会社のJ:COM提供の録画用ハードディスク・・セットトップボックスに装着済みだが未使用・・を転用するつもりでいます。
本日の昼には、このTVをネットに繋いで使用すると使用態様によってT-POINTが貯まる、という設定を行うと共に、TSUTAYAと契約し、同社からいつでも映画をダウンロードして鑑賞できるようにしました。
(見放題の方ではなく、単品ごとに代金を支払う方式の方を選んでおきました。
同社のネット上での作品の品揃えをご覧になれる方で、私に映画評論をさせたいと思われた、(コラムでまだ私が取り上げていない、)作品があったら、ご推薦ください。)
これも、クレジットカードの登録をするのがエラく大変でしたね。
ちょっと大げさかもしれませんが、こういうことをする気になり、実際、手間を厭わず、この2日間にわたってやり遂げた、ということは、私の気力・体力がほぼ元の状態に戻りつつあることを示すもの、と言えそうです。
2 ポケモンGOについて
本日から、日本でもボケモンGOが遊べるようになったというので、夕刻、私のスマホに、そのソフトをダウンロードしました。
ID・パスワード登録中に、混雑中という画面に切り替わってしまい、それ以上の作業を行うのを断念しましたが、このゲームのアイコンは、しっかりとスマホの画面に表示されています。
このゲームを実際にプレイすることは、まずないでしょうが、我ながら物好きなことです。
太田述正ブログは移転しました 。
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