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太田述正コラム#8258(2016.3.6)
<トランプの対日政策(続)/生態系について(その2)>(2016.7.7公開)
--トランプの対日政策(続)--
ご紹介したコラムの筆者は、コリ・シェーク(Kori Schake)という、現在、スタンフォード大フーヴァー研究所のリサーチ・フェローたる女性であり、彼女は、かつて対ソ冷戦の理論的支柱を提供したことで知られる、米シンクタンクのForeign Policy Research Institute(機関紙Orbisを発行)<
https://en.wikipedia.org/wiki/Foreign_Policy_Research_Institute
https://en.wikipedia.org/wiki/Orbis_(journal) >
の諮問委員会の委員も務めています。
シェークは、スタンフォード大卒で、メリーランド大で修士号・博士号を取得し、国防省に勤務し、ブッシュ前大統領の時に国家安全保障会議、国務省のポストを歴任し、2008年に、マケイン上院議員の大統領選出馬の際に上級顧問を務めています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Kori_Schake
まことにもって、共和党の主流の対日政策を含む対外政策とトランプのそれとがいかに違うか、を痛感させられますね。
また、それらと、民主党の、とりわけ、オバマのそれとが、またまた、全く違う、ということも・・。
彼女が、大統領選に関与した時の副大統領候補はペイリンであったところ、今回、彼女が非難しているところの、トランプに対する支持をペイリンが表明していることは、面白いねじれである、と思います。
-------------------------------------------------------------------------------
--生態系について(その2)--
(2)二人の先覚者
ア キャノン
ー「・・・この本に登場する最初の英雄は、軍人にして科学者であったウォルター・キャノン(Walter Cannon。1871〜1945年)<(注3)>だ。
(注3)[Walter Bradford Cannon。]「<米国>の生理学者。・・・[ハーヴァード大医学校卒。]1906年から<同>[医学校]の教授を務めた。・・・生活体が生命を維持するために自律系や内分泌系の働きを介して体内平衡状態を維持するというホメオスタシスの考えを提唱した。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BBB%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%8E%E3%83%B3
https://en.wikipedia.org/wiki/Walter_Bradford_Cannon ([]内)
第一次世界大戦中に米陸軍衛生隊に勤務していた彼は、負傷がどれほど速く生化学的連鎖(cascade)の引き金となってショック状態に陥らせるかを見た。
キャノンは、単純な抗ショック諸処方を導入し、フランスの諸戦場における大勢の負傷兵達の命を救った。・・・」(A)
「・・・彼が発見したところによれば、ショック患者達は、通常90mmHg未満の異常に低い血圧になっていた。
彼らの血流の中の重炭酸塩(bicarbonate)イオン群を計測した後、彼は、それが一様に失われていることを発見した。
患者達は、通常はアルカリ性の血液が、より酸性になっており、酸性度が強ければ強いほど、この患者達の諸血圧は低かった。
そこで、彼らのpH諸水準を高めるため、キャノンは、重炭酸塩ナトリウム(sodium bicarbonate)をショックの犠牲者達に投与し始めた。
それは効果を発揮した。
第一次世界大戦が悍ましい最後をついに迎えるまでに、数限りない兵士達が救われた。
[戦後、ハーヴァード大に戻ると、]彼は、身体の殆どの諸器官がどのように、一般に互いに相反する諸信号(inputs)を二重の神経系から与えられているかを強調しつつ、新たな言葉である、「ホメオスタシス<(注4)>」をひねり出した。
(注4)恒常性。「生物および鉱物において、その内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする傾向のことである。・・・恒常性は生物のもつ重要な性質のひとつで生体の内部や外部の環境因子の変化にかかわらず生体の状態が一定に保たれるという性質、あるいはその状態を指す。生物が生物である要件のひとつであるほか、健康を定義する重要な要素でもある。生体恒常性とも言われる。恒常性の保たれる範囲は体温や血圧、体液の浸透圧やpHなどをはじめ病原微生物やウイルスといった異物(非自己)の排除、創傷の修復など生体機能全般に及ぶ。恒常性が保たれるためにはこれらが変化したとき、それを元に戻そうとする作用、すなわち生じた変化を打ち消す向きの変化を生む働きが存在しなければならない。これは、負のフィードバック作用と呼ばれる。この作用を主に司っているのが間脳視床下部であり、その指令の伝達網の役割を自律神経系や内分泌系(ホルモン分泌)が担っている。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%81%92%E5%B8%B8%E6%80%A7
「この二重規制(dual regulation)は、生理学の核心的問題だ」、と彼は結論付けた。
[彼が、『身体の智慧(The Wisdom of the Body)』(1932年)という有名な本の中で、この自然の自己規制システムを強調したことは、医学の実践とより広範な世界の双方において頗る影響力を持った。]
こうして、生理学者の役割は、ホメオスタシスの強化ないし回復、になったのだ。・・・」(D。[]内はA))
(続く)
<トランプの対日政策(続)/生態系について(その2)>(2016.7.7公開)
--トランプの対日政策(続)--
ご紹介したコラムの筆者は、コリ・シェーク(Kori Schake)という、現在、スタンフォード大フーヴァー研究所のリサーチ・フェローたる女性であり、彼女は、かつて対ソ冷戦の理論的支柱を提供したことで知られる、米シンクタンクのForeign Policy Research Institute(機関紙Orbisを発行)<
https://en.wikipedia.org/wiki/Foreign_Policy_Research_Institute
https://en.wikipedia.org/wiki/Orbis_(journal) >
の諮問委員会の委員も務めています。
シェークは、スタンフォード大卒で、メリーランド大で修士号・博士号を取得し、国防省に勤務し、ブッシュ前大統領の時に国家安全保障会議、国務省のポストを歴任し、2008年に、マケイン上院議員の大統領選出馬の際に上級顧問を務めています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Kori_Schake
まことにもって、共和党の主流の対日政策を含む対外政策とトランプのそれとがいかに違うか、を痛感させられますね。
また、それらと、民主党の、とりわけ、オバマのそれとが、またまた、全く違う、ということも・・。
彼女が、大統領選に関与した時の副大統領候補はペイリンであったところ、今回、彼女が非難しているところの、トランプに対する支持をペイリンが表明していることは、面白いねじれである、と思います。
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--生態系について(その2)--
(2)二人の先覚者
ア キャノン
ー「・・・この本に登場する最初の英雄は、軍人にして科学者であったウォルター・キャノン(Walter Cannon。1871〜1945年)<(注3)>だ。
(注3)[Walter Bradford Cannon。]「<米国>の生理学者。・・・[ハーヴァード大医学校卒。]1906年から<同>[医学校]の教授を務めた。・・・生活体が生命を維持するために自律系や内分泌系の働きを介して体内平衡状態を維持するというホメオスタシスの考えを提唱した。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BBB%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%8E%E3%83%B3
https://en.wikipedia.org/wiki/Walter_Bradford_Cannon ([]内)
第一次世界大戦中に米陸軍衛生隊に勤務していた彼は、負傷がどれほど速く生化学的連鎖(cascade)の引き金となってショック状態に陥らせるかを見た。
キャノンは、単純な抗ショック諸処方を導入し、フランスの諸戦場における大勢の負傷兵達の命を救った。・・・」(A)
「・・・彼が発見したところによれば、ショック患者達は、通常90mmHg未満の異常に低い血圧になっていた。
彼らの血流の中の重炭酸塩(bicarbonate)イオン群を計測した後、彼は、それが一様に失われていることを発見した。
患者達は、通常はアルカリ性の血液が、より酸性になっており、酸性度が強ければ強いほど、この患者達の諸血圧は低かった。
そこで、彼らのpH諸水準を高めるため、キャノンは、重炭酸塩ナトリウム(sodium bicarbonate)をショックの犠牲者達に投与し始めた。
それは効果を発揮した。
第一次世界大戦が悍ましい最後をついに迎えるまでに、数限りない兵士達が救われた。
[戦後、ハーヴァード大に戻ると、]彼は、身体の殆どの諸器官がどのように、一般に互いに相反する諸信号(inputs)を二重の神経系から与えられているかを強調しつつ、新たな言葉である、「ホメオスタシス<(注4)>」をひねり出した。
(注4)恒常性。「生物および鉱物において、その内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする傾向のことである。・・・恒常性は生物のもつ重要な性質のひとつで生体の内部や外部の環境因子の変化にかかわらず生体の状態が一定に保たれるという性質、あるいはその状態を指す。生物が生物である要件のひとつであるほか、健康を定義する重要な要素でもある。生体恒常性とも言われる。恒常性の保たれる範囲は体温や血圧、体液の浸透圧やpHなどをはじめ病原微生物やウイルスといった異物(非自己)の排除、創傷の修復など生体機能全般に及ぶ。恒常性が保たれるためにはこれらが変化したとき、それを元に戻そうとする作用、すなわち生じた変化を打ち消す向きの変化を生む働きが存在しなければならない。これは、負のフィードバック作用と呼ばれる。この作用を主に司っているのが間脳視床下部であり、その指令の伝達網の役割を自律神経系や内分泌系(ホルモン分泌)が担っている。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%81%92%E5%B8%B8%E6%80%A7
「この二重規制(dual regulation)は、生理学の核心的問題だ」、と彼は結論付けた。
[彼が、『身体の智慧(The Wisdom of the Body)』(1932年)という有名な本の中で、この自然の自己規制システムを強調したことは、医学の実践とより広範な世界の双方において頗る影響力を持った。]
こうして、生理学者の役割は、ホメオスタシスの強化ないし回復、になったのだ。・・・」(D。[]内はA))
(続く)
太田述正ブログは移転しました 。
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