太田述正ブログは移転しました 。
www.ohtan.net
www.ohtan.net/blog/
太田述正コラム#7955(2015.10.7)
<皆さんとディスカッション(続x2773)>
<太田>(ツイッターより)
また祝!「ノーベル物理学賞に輝いた梶田隆章…東大宇宙線研究所<長>…
埼玉大を卒業後、東大大学院に進学…」
http://www.sankei.com/life/news/151006/lif1510060041-n1.html …
東大に久しぶりにいいニュース。
また、2夜続けて地方国立大学の重要性が明らかになった。
だが今が日本科学の絶頂期なのかもなあ。
<太田>
関連記事だ。
こういう子供はノーベル賞を目指せ!↓
「・・・<梶田氏は、>漢字を覚えるのが苦手など、記憶より考えることが好きで、科学への道は「消去法」で選んだ。・・・ずばぬけた成績ではなかったがすごくまじめだった。・・・」
http://mainichi.jp/feature/news/20151007k0000m040133000c.html
戸塚サンを忘れないようにしよう。↓
「・・・物質を構成する素粒子の一つ「ニュートリノ」に質量があることを示す「ニュートリノ振動」は、故戸塚洋二・東京大特別栄誉教授が率いる国際共同プロジェクトで発見され、梶田隆章さんは実験のまとめ役として活躍した。・・・」
http://mainichi.jp/feature/news/20151007k0000m040106000c.html
今が絶頂期である一つの根拠が下掲だ。↓
<具体的な数字が欲しかったね。(太田)↓>
「・・・00年以降の受賞者数を国籍別でみると、米国に次いで2位を誇る。・・・
<この数字自体はそう深刻に受け止める必要はないかも。(太田)↓>
大学院の自然科学系で博士課程への進学率は低下傾向にある。93年に15・2%だったが、13年は8・9%に下がった。・・・
<これこそ、問題の核心。(太田)↓>
日本の研究論文数は年7万本前後でここ10年は横ばい。文科省の科学技術・学術政策研究所の分析では、論文の質を示す引用回数の多い論文は、ほぼすべての分野で世界ランキングが低下している。他の先進国と比べてもその傾向は際立っている。・・・」
http://digital.asahi.com/articles/ASHB56H8KHB5ULBJ01G.html?_requesturl=articles%2FASHB56H8KHB5ULBJ01G.html&rm=348
日本の報道は、共同受賞者のことや研究自体の意義についての説明が少な過ぎるんで、以下で皆さんも補って欲しい。↓
<共同受賞者のことも説明されているが、これだけじゃ、なんで、3年も後発のカナダ組も受賞したのかが分からない。(太田)↓>
・・・Takaaki Kajita and Arthur McDonald led two teams which made key observations of the particles inside big underground instruments in Japan and Canada.・・・
In 1998, Prof Kajita's team reported that neutrinos they had caught, bouncing out of collisions in the Earth's atmosphere, had switched identity: they were a different "flavour" from what those collisions must have released.
Then in 2001, the group led by Prof McDonald announced that the neutrinos they were detecting in Ontario, which started out in the Sun, had also "flipped" from their expected identity. ・・・
http://www.bbc.com/news/science-environment-34443695
<どうやら、後発組は、太陽の内部で起こっていることをある程度明らかにできたらしい。
これは、(現在世界中が協力して行っている)核融合研究に役に立つかもしれないってんだな。ビンゴ!(太田)↓>
・・・In the process of analysing neutrinos coming from the sun, McDonald’s team were able to verify processes going on in its core. That work could have practical applications in developing nuclear fusion.・・・
http://www.theguardian.com/science/2015/oct/06/kajita-and-mcdonald-win-nobel-physics-prize-for-work-on-neutrinos
<次に、研究成果そのものの説明だ。↓>
・・・ the number of captured neutrinos was only about one-third of what they had expected, ・・・
<太陽の熱エネルギーが地球に到達するには何十万年もかかるが、ニュートリノは殆んど即時に地球に到達するところ、地球上で感じられる太陽の活動状況(何十万年も前のもの)の3分の1の活動状況のニュートリノしか地球上では検知できない、という難問・・地球の「凍死」の到来は極めて近い?・・が生じていた。↓>
Although it takes many hundreds of thousands of years for the energy generated in the sun’s core to fight its way to the surface and then fly to Earth, the neutrinos come straight out.・・・
The most obvious solution was that the sun’s nuclear reactions had dropped to just one-third of their former levels. This was not readily apparent as the older radiation was still percolating out but sometime in the next few hundred thousand years, the brightness of the sun was going to drop indicated by the neutrinos, and that meant Earth was going to suffer a premature, freezing death.・・・
<しかし、仮にニュートリノには光子(フォトン)とは違って質量があるとすると、検知できる姿とは異なる2種類の姿に形を変えることができる。となれば、3分の1しか検知できなかったという問題が解消し、地球の過早の「凍死」を心配する必要もなくなる。↓>
It had been assumed that neutrinos were essentially massless particles, like the photon particles that carry light. However, if neutrinos did possess a small mass it was theoretically possible that they could change into one of three guises, only one of which would be detectable・・・
<まさに、これを日加両組は証明したのだ。目出度し目出度し!↓>
・・・this is what Kajita and McDonald have just been awarded the 2015 Nobel prize in physics・・・
http://www.theguardian.com/science/across-the-universe/2015/oct/06/nobel-prize-for-physics-2015-how-neutrinos-saved-the-world
<太田>(ツイッターより)
シリア、イラク、リビアで撮影されたIsisの宣伝ビデオには必ず重火器を搭載したトヨタのハイラックスやランドクルーザーが登場するので米財務省が入手ルートの調査を実施しており、トヨタもこれに協力しているとさ。
http://www.haaretz.com/news/middle-east/1.679102
だから日本人殺すなよ。
<PLli2SQw>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
国連総会元議長を賄賂と脱税の容疑で逮捕
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151007/k10010261771000.html
こんなの氷山の一角だろ。
<太田>
何度も言ってるように、国連は、やや大げさに言えば、活動はタテマエに過ぎず、実態は、巨大な・・そう巨大でもないか・・、先進国から後進国への所得移転機構なんだわさ。
<globalyst>
≫男女の脳の違いは、受容化学物質の違いだけによる可能性が出てきたってこと。≪(太田。コラム#7885)
まあ、これも↓「分子レベルで異なる」可能性があるということなんだろうけど…。
「男女の脳の働きは分子レベルで異なることが、『ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス』誌に発表された最新研究により報告された。」
http://www.excite.co.jp/News/odd/Karapaia_52202127.html
<太田>
それでは、その他の記事の紹介です。
出だし部分は、私見と同じで、拍手喝采だが・・。↓
「・・・中国は南シナ海で米艦艇との事件を引き起こし、フィリピンとベトナムが領有権を主張する海域で弱い漁船を略奪し、多くの人工島を建設・軍事化を進めている。これは、それ自体が目的なのではなく、各国の対中脅威感を最大化し、中国にとっての危険を最小化するための慎重な行動なのである。
<ここからが、筆者がアメちゃんなんで、当然ってば当然だが、まるでダメ。
中共当局は台湾進攻なんて全く考えてないでー。
いや、考えたところで、日本列島とおんなじで、米国の核の傘に条約上(日本)、ないし、事実上(台湾)、ある場所目がけて、渡洋攻撃なんてできないのよ。(太田)↓>
これは中国の主な戦争計画を考えてみれば分かることである。そもそも、中国の軍拡は、台湾侵攻のためであって、南シナ海のためではない。国防総省 と海軍情報局からの報告書によれば、台湾侵攻は、人民解放軍の核心的な任務である。なぜならば、中国の権威主義的なリーダーシップは非常に不安定であり、 そのような中で、台湾は中国共産党による支配を政治的に揺るがしかねない存在だからである。つまり、台湾は中国語圏における自由の灯台であるがゆえに危険なのである。
中国にしてみれば、米国の勢力圏から台湾を奪取しない限り、大国としての歴史的な台頭は完了しない。その時、ようやく中国は、日本と韓国を支配し、地域における覇権を握るために第1列島線を突破することができるようになるのである。・・・
<そうじゃなく、米国は、相対的国力に見合ったラインまで引く以外にないのさ。(太田)↓>
<それなのに、>台湾に本来投資されるべき米国の外交・軍事的資源(演習・訓練・支援)が、中国にとっては台湾よりも重要性の低い南シナ海に投入されてしまっている・・・」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44915?utm_source=editor&utm_medium=mail&utm_campaign=link&utm_content=top
VW問題小特集だ。↓
<どうやら、VW歴代上層部は無罪みたいね。↓>
・・・It was about a small group of managers who wanted to develop the engine of the future・・・
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/24a9c128-6b5a-11e5-8608-a0853fb4e1fe.html#axzz3npcx9Swr
<私自身が示唆してきたように、欧州の自動車会社全体が沈没の危機に直面しつつある。↓>
「・・・欧州連合(EU)の試験の抜け穴を見直す動きは、すでに量産能力の限界にあるディーゼルエンジン製造コストがさらに数十億ユーロ膨らむことを意味しており、VWより小規模の自動車ブランドが最も大きな打撃を受ける可能性がある。・・・
<むしろ、VWが相対的には一番危機度が低い、とさ。↓>
不正問題によるVWの金銭的負担が現在の投資判断を難しくさせる一方で、高級車アウディ部門と同社の事業規模はハイブリッド競争において優位になるとみられる。
・・・中核ブランドで新型ハイブリッド車を発売するVWは今年、開発費として119億ユーロを投じる。この額は、フィアット、ルノー、プジョーの3社を合計した額よりも65%上回っている。・・・」
http://news.infoseek.co.jp/article/06reutersJAPAN_KCN0S001D/
<日本の自動車情勢だ。今年もモーターショーにアメ車の姿はない。日本市場に売り込もうと言う意欲は皆無。↓>
The biannual Tokyo Motor Show will open its doors to the public at 12:30 on Friday, October 30. Showgoers will see wares offered by all 14 Japanese manufacturers. From abroad, 17 manufacturers will put 27 brands on display. The big American makers will be AWOL<無届欠勤> as usual.・・・
At the Tokyo show, you will see how much GM and Ford want to sell in Japan: Not at all.・・・
<(それなのに、米自動車メーカーは日本の市場の閉鎖性を非難してきた。)
TPP合意成立により、アメ車は危機に。なぜなら、世界で最も市場閉鎖的な米国が最も市場開放的な日本に合わせなければならなくなるから。↓>
・・・the TPP ministerial meeting finally reached a deal in Atlanta. Detroit desperately tried to prevent that. In the past days, an old trope was trotted out in a last-ditch attempt to torpedo TPP: The closed Japanese car market. Japan in fact has one of the world’s most open car markets, mostly due to American pressure. Zero percent tariff. 5,000 cars per year and model can be brought in with next to no paperwork. Try that in the U.S.A., where Detroit’s cash cow, the light utility vehicle, is protected by a 25 percent tariff and a huge wall of other trade barriers. Japan can open its market as wide as can be, Detroit and its shills won’t stop their closed market lies.・・・
The USA imposes the highest number of protectionist measures・・・
<日本でドイツ車が人気があるのは、先の大戦で同盟国で(?!(太田))、米国は日本に核投下・絨毯爆撃したから(そう思うだろな。実はそんなこと忘れてんだけど。(太田))↓>
Japan’s vibrant import market is firmly in the hands of the “G3,” as Daimler, Volkswagen, and BMW are called in Japanese auto circles. Consider a historical preference to cozying up to Germany, and a certain reluctance when it comes to a country that nuked and firebombed you, and you understand why BMWs sell better in Japan than Buicks.・・・
<実のところ、日本での輸入車のシェアは欧州におけるそれより高い。↓>
The market share of imported vehicles in Japan actually is quite high. Some 10% of registered cars are imported. Including kei cars, a segment where no imports compete, the import share is around 7 percent.・・・
<なのに、米自動車メーカーが欧州市場の閉鎖性を非難したことはない。↓>
In Europe, the share of cars imported from outside of the EU zone is around 4 percent. I haven’t heard Detroit complaining about a closed EU market.・・・
<ま、米国の共和党支持者の54%がオバマはイスラム教徒だと信じてるような有様じゃ、民主党支持者にだって、日本市場が閉鎖的だと信じてる輩がいるのも当たり前かも。↓>
In a society where 54 percent of Republicans firmly believe that Obama is Muslim, you will always find a few Liberals who believe that wide open Japan is in fact closed.
http://dailykanban.com/2015/10/uk-radical-will-sell-this-in-japan-while-detroit-cant-stop-bitching-about-closed-markets/
中共初のノーベル科学賞受賞の背景が詳述されている。↓
<毛沢東が1967年にベトナム戦争を戦っている北ベトナム支援のために、マラリアの特効薬を見つける秘密プロジェクトチームを立ち上げさせた。↓>
・・・in 1967, Mao ordered the creation of the secretive 523 program -- named for the date it of its inception, May 23--to find a cure for malaria that would help China’s allies in North Vietnam fight South Vietnam and U.S. troops.・・・
<今度受賞した女性がチームリーダーになった。↓>
In 1969, Ms. Tu was named director of the program・・・
<このチームは、漢方の文献を渉猟して特効薬を探し、見つけ出した。↓>
In searching for a cure, Ms. Tu and her team scoured traditional Chinese medicinal manuals for remedies that might yield a useful drug.・・・
<抽出方法も、4世紀の文献を手掛かりに見つけた。↓>
Modifying instructions from a 4th century tome called the “Manual of Clinical Practice and Emergency Remedies,” Ms. Tu and her team found a way to extract artemisinin from the plant--a feat that would go on to revolutionize treatment of malaria.
<こうして、特効薬のアルテミシニンが生まれ、世界のマラリアの死者を20%減少させることに成功した。↓>
Artemisinin-based therapies have reduced mortality rates from malaria by more than 20% and saved more than 100,000 lives each year in Africa alone・・・
<これは秘密プロジェクトだったので、以上の事実は公開されなかった。
知られるところとなったのは、最近のこと。↓>
Because of the secret nature of the malaria program, the Project 523 team never published their findings・・・. Only in recent years has Ms. Tu been recognized as the lead scientist in the discovery of artemisinin. That development rankled some who see the drug as the joint accomplishment of a large team of researchers.・・・
<当局自体は、この機会もとらえ、中共の科学研究体制のや意識の刷新を期しているように思われ、日本のノーベル賞受賞者が民間企業や民間機関から出ていることを例に引いている。(あらゆることを日本礼賛に結び付けとるね。(太田))↓>
Meanwhile, the Communist Party’s flagship newspaper People’s Daily appeared to side with critics who describe China’s scientific community as in need of an overhaul. Ms. Tu’s Nobel was a reminder, the newspaper said in a Tuesday editorial: “To these scientists, a more flexible, more diverse system of evaluation and encouragement is crucial. In Japan, many Nobel recipients come from business or civil organizations.”・・・
http://blogs.wsj.com/chinarealtime/2015/10/06/chinas-new-nobel-laureate-new-attention-to-an-old-science-problem/
(速足で歩くといった)運動を毎日30分、とされてきたオススメ、全然足らないことが分かったとさ。(どーしてくれる!(太田))↓
New study says 30 minutes of・・・moderate-intensity exercise・・・a day is not enough. ・・・
https://www.washingtonpost.com/news/to-your-health/wp/2015/10/06/new-study-for-optimal-heart-health-americans-should-double-or-even-quadruple-the-amount-of-exercising-theyre-doing/
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太田述正コラム#7956(2015.10.7)
<中共が目指しているもの(その7)>
→非公開
<皆さんとディスカッション(続x2773)>
<太田>(ツイッターより)
また祝!「ノーベル物理学賞に輝いた梶田隆章…東大宇宙線研究所<長>…
埼玉大を卒業後、東大大学院に進学…」
http://www.sankei.com/life/news/151006/lif1510060041-n1.html …
東大に久しぶりにいいニュース。
また、2夜続けて地方国立大学の重要性が明らかになった。
だが今が日本科学の絶頂期なのかもなあ。
<太田>
関連記事だ。
こういう子供はノーベル賞を目指せ!↓
「・・・<梶田氏は、>漢字を覚えるのが苦手など、記憶より考えることが好きで、科学への道は「消去法」で選んだ。・・・ずばぬけた成績ではなかったがすごくまじめだった。・・・」
http://mainichi.jp/feature/news/20151007k0000m040133000c.html
戸塚サンを忘れないようにしよう。↓
「・・・物質を構成する素粒子の一つ「ニュートリノ」に質量があることを示す「ニュートリノ振動」は、故戸塚洋二・東京大特別栄誉教授が率いる国際共同プロジェクトで発見され、梶田隆章さんは実験のまとめ役として活躍した。・・・」
http://mainichi.jp/feature/news/20151007k0000m040106000c.html
今が絶頂期である一つの根拠が下掲だ。↓
<具体的な数字が欲しかったね。(太田)↓>
「・・・00年以降の受賞者数を国籍別でみると、米国に次いで2位を誇る。・・・
<この数字自体はそう深刻に受け止める必要はないかも。(太田)↓>
大学院の自然科学系で博士課程への進学率は低下傾向にある。93年に15・2%だったが、13年は8・9%に下がった。・・・
<これこそ、問題の核心。(太田)↓>
日本の研究論文数は年7万本前後でここ10年は横ばい。文科省の科学技術・学術政策研究所の分析では、論文の質を示す引用回数の多い論文は、ほぼすべての分野で世界ランキングが低下している。他の先進国と比べてもその傾向は際立っている。・・・」
http://digital.asahi.com/articles/ASHB56H8KHB5ULBJ01G.html?_requesturl=articles%2FASHB56H8KHB5ULBJ01G.html&rm=348
日本の報道は、共同受賞者のことや研究自体の意義についての説明が少な過ぎるんで、以下で皆さんも補って欲しい。↓
<共同受賞者のことも説明されているが、これだけじゃ、なんで、3年も後発のカナダ組も受賞したのかが分からない。(太田)↓>
・・・Takaaki Kajita and Arthur McDonald led two teams which made key observations of the particles inside big underground instruments in Japan and Canada.・・・
In 1998, Prof Kajita's team reported that neutrinos they had caught, bouncing out of collisions in the Earth's atmosphere, had switched identity: they were a different "flavour" from what those collisions must have released.
Then in 2001, the group led by Prof McDonald announced that the neutrinos they were detecting in Ontario, which started out in the Sun, had also "flipped" from their expected identity. ・・・
http://www.bbc.com/news/science-environment-34443695
<どうやら、後発組は、太陽の内部で起こっていることをある程度明らかにできたらしい。
これは、(現在世界中が協力して行っている)核融合研究に役に立つかもしれないってんだな。ビンゴ!(太田)↓>
・・・In the process of analysing neutrinos coming from the sun, McDonald’s team were able to verify processes going on in its core. That work could have practical applications in developing nuclear fusion.・・・
http://www.theguardian.com/science/2015/oct/06/kajita-and-mcdonald-win-nobel-physics-prize-for-work-on-neutrinos
<次に、研究成果そのものの説明だ。↓>
・・・ the number of captured neutrinos was only about one-third of what they had expected, ・・・
<太陽の熱エネルギーが地球に到達するには何十万年もかかるが、ニュートリノは殆んど即時に地球に到達するところ、地球上で感じられる太陽の活動状況(何十万年も前のもの)の3分の1の活動状況のニュートリノしか地球上では検知できない、という難問・・地球の「凍死」の到来は極めて近い?・・が生じていた。↓>
Although it takes many hundreds of thousands of years for the energy generated in the sun’s core to fight its way to the surface and then fly to Earth, the neutrinos come straight out.・・・
The most obvious solution was that the sun’s nuclear reactions had dropped to just one-third of their former levels. This was not readily apparent as the older radiation was still percolating out but sometime in the next few hundred thousand years, the brightness of the sun was going to drop indicated by the neutrinos, and that meant Earth was going to suffer a premature, freezing death.・・・
<しかし、仮にニュートリノには光子(フォトン)とは違って質量があるとすると、検知できる姿とは異なる2種類の姿に形を変えることができる。となれば、3分の1しか検知できなかったという問題が解消し、地球の過早の「凍死」を心配する必要もなくなる。↓>
It had been assumed that neutrinos were essentially massless particles, like the photon particles that carry light. However, if neutrinos did possess a small mass it was theoretically possible that they could change into one of three guises, only one of which would be detectable・・・
<まさに、これを日加両組は証明したのだ。目出度し目出度し!↓>
・・・this is what Kajita and McDonald have just been awarded the 2015 Nobel prize in physics・・・
http://www.theguardian.com/science/across-the-universe/2015/oct/06/nobel-prize-for-physics-2015-how-neutrinos-saved-the-world
<太田>(ツイッターより)
シリア、イラク、リビアで撮影されたIsisの宣伝ビデオには必ず重火器を搭載したトヨタのハイラックスやランドクルーザーが登場するので米財務省が入手ルートの調査を実施しており、トヨタもこれに協力しているとさ。
http://www.haaretz.com/news/middle-east/1.679102
だから日本人殺すなよ。
<PLli2SQw>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
国連総会元議長を賄賂と脱税の容疑で逮捕
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151007/k10010261771000.html
こんなの氷山の一角だろ。
<太田>
何度も言ってるように、国連は、やや大げさに言えば、活動はタテマエに過ぎず、実態は、巨大な・・そう巨大でもないか・・、先進国から後進国への所得移転機構なんだわさ。
<globalyst>
≫男女の脳の違いは、受容化学物質の違いだけによる可能性が出てきたってこと。≪(太田。コラム#7885)
まあ、これも↓「分子レベルで異なる」可能性があるということなんだろうけど…。
「男女の脳の働きは分子レベルで異なることが、『ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス』誌に発表された最新研究により報告された。」
http://www.excite.co.jp/News/odd/Karapaia_52202127.html
<太田>
それでは、その他の記事の紹介です。
出だし部分は、私見と同じで、拍手喝采だが・・。↓
「・・・中国は南シナ海で米艦艇との事件を引き起こし、フィリピンとベトナムが領有権を主張する海域で弱い漁船を略奪し、多くの人工島を建設・軍事化を進めている。これは、それ自体が目的なのではなく、各国の対中脅威感を最大化し、中国にとっての危険を最小化するための慎重な行動なのである。
<ここからが、筆者がアメちゃんなんで、当然ってば当然だが、まるでダメ。
中共当局は台湾進攻なんて全く考えてないでー。
いや、考えたところで、日本列島とおんなじで、米国の核の傘に条約上(日本)、ないし、事実上(台湾)、ある場所目がけて、渡洋攻撃なんてできないのよ。(太田)↓>
これは中国の主な戦争計画を考えてみれば分かることである。そもそも、中国の軍拡は、台湾侵攻のためであって、南シナ海のためではない。国防総省 と海軍情報局からの報告書によれば、台湾侵攻は、人民解放軍の核心的な任務である。なぜならば、中国の権威主義的なリーダーシップは非常に不安定であり、 そのような中で、台湾は中国共産党による支配を政治的に揺るがしかねない存在だからである。つまり、台湾は中国語圏における自由の灯台であるがゆえに危険なのである。
中国にしてみれば、米国の勢力圏から台湾を奪取しない限り、大国としての歴史的な台頭は完了しない。その時、ようやく中国は、日本と韓国を支配し、地域における覇権を握るために第1列島線を突破することができるようになるのである。・・・
<そうじゃなく、米国は、相対的国力に見合ったラインまで引く以外にないのさ。(太田)↓>
<それなのに、>台湾に本来投資されるべき米国の外交・軍事的資源(演習・訓練・支援)が、中国にとっては台湾よりも重要性の低い南シナ海に投入されてしまっている・・・」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44915?utm_source=editor&utm_medium=mail&utm_campaign=link&utm_content=top
VW問題小特集だ。↓
<どうやら、VW歴代上層部は無罪みたいね。↓>
・・・It was about a small group of managers who wanted to develop the engine of the future・・・
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/24a9c128-6b5a-11e5-8608-a0853fb4e1fe.html#axzz3npcx9Swr
<私自身が示唆してきたように、欧州の自動車会社全体が沈没の危機に直面しつつある。↓>
「・・・欧州連合(EU)の試験の抜け穴を見直す動きは、すでに量産能力の限界にあるディーゼルエンジン製造コストがさらに数十億ユーロ膨らむことを意味しており、VWより小規模の自動車ブランドが最も大きな打撃を受ける可能性がある。・・・
<むしろ、VWが相対的には一番危機度が低い、とさ。↓>
不正問題によるVWの金銭的負担が現在の投資判断を難しくさせる一方で、高級車アウディ部門と同社の事業規模はハイブリッド競争において優位になるとみられる。
・・・中核ブランドで新型ハイブリッド車を発売するVWは今年、開発費として119億ユーロを投じる。この額は、フィアット、ルノー、プジョーの3社を合計した額よりも65%上回っている。・・・」
http://news.infoseek.co.jp/article/06reutersJAPAN_KCN0S001D/
<日本の自動車情勢だ。今年もモーターショーにアメ車の姿はない。日本市場に売り込もうと言う意欲は皆無。↓>
The biannual Tokyo Motor Show will open its doors to the public at 12:30 on Friday, October 30. Showgoers will see wares offered by all 14 Japanese manufacturers. From abroad, 17 manufacturers will put 27 brands on display. The big American makers will be AWOL<無届欠勤> as usual.・・・
At the Tokyo show, you will see how much GM and Ford want to sell in Japan: Not at all.・・・
<(それなのに、米自動車メーカーは日本の市場の閉鎖性を非難してきた。)
TPP合意成立により、アメ車は危機に。なぜなら、世界で最も市場閉鎖的な米国が最も市場開放的な日本に合わせなければならなくなるから。↓>
・・・the TPP ministerial meeting finally reached a deal in Atlanta. Detroit desperately tried to prevent that. In the past days, an old trope was trotted out in a last-ditch attempt to torpedo TPP: The closed Japanese car market. Japan in fact has one of the world’s most open car markets, mostly due to American pressure. Zero percent tariff. 5,000 cars per year and model can be brought in with next to no paperwork. Try that in the U.S.A., where Detroit’s cash cow, the light utility vehicle, is protected by a 25 percent tariff and a huge wall of other trade barriers. Japan can open its market as wide as can be, Detroit and its shills won’t stop their closed market lies.・・・
The USA imposes the highest number of protectionist measures・・・
<日本でドイツ車が人気があるのは、先の大戦で同盟国で(?!(太田))、米国は日本に核投下・絨毯爆撃したから(そう思うだろな。実はそんなこと忘れてんだけど。(太田))↓>
Japan’s vibrant import market is firmly in the hands of the “G3,” as Daimler, Volkswagen, and BMW are called in Japanese auto circles. Consider a historical preference to cozying up to Germany, and a certain reluctance when it comes to a country that nuked and firebombed you, and you understand why BMWs sell better in Japan than Buicks.・・・
<実のところ、日本での輸入車のシェアは欧州におけるそれより高い。↓>
The market share of imported vehicles in Japan actually is quite high. Some 10% of registered cars are imported. Including kei cars, a segment where no imports compete, the import share is around 7 percent.・・・
<なのに、米自動車メーカーが欧州市場の閉鎖性を非難したことはない。↓>
In Europe, the share of cars imported from outside of the EU zone is around 4 percent. I haven’t heard Detroit complaining about a closed EU market.・・・
<ま、米国の共和党支持者の54%がオバマはイスラム教徒だと信じてるような有様じゃ、民主党支持者にだって、日本市場が閉鎖的だと信じてる輩がいるのも当たり前かも。↓>
In a society where 54 percent of Republicans firmly believe that Obama is Muslim, you will always find a few Liberals who believe that wide open Japan is in fact closed.
http://dailykanban.com/2015/10/uk-radical-will-sell-this-in-japan-while-detroit-cant-stop-bitching-about-closed-markets/
中共初のノーベル科学賞受賞の背景が詳述されている。↓
<毛沢東が1967年にベトナム戦争を戦っている北ベトナム支援のために、マラリアの特効薬を見つける秘密プロジェクトチームを立ち上げさせた。↓>
・・・in 1967, Mao ordered the creation of the secretive 523 program -- named for the date it of its inception, May 23--to find a cure for malaria that would help China’s allies in North Vietnam fight South Vietnam and U.S. troops.・・・
<今度受賞した女性がチームリーダーになった。↓>
In 1969, Ms. Tu was named director of the program・・・
<このチームは、漢方の文献を渉猟して特効薬を探し、見つけ出した。↓>
In searching for a cure, Ms. Tu and her team scoured traditional Chinese medicinal manuals for remedies that might yield a useful drug.・・・
<抽出方法も、4世紀の文献を手掛かりに見つけた。↓>
Modifying instructions from a 4th century tome called the “Manual of Clinical Practice and Emergency Remedies,” Ms. Tu and her team found a way to extract artemisinin from the plant--a feat that would go on to revolutionize treatment of malaria.
<こうして、特効薬のアルテミシニンが生まれ、世界のマラリアの死者を20%減少させることに成功した。↓>
Artemisinin-based therapies have reduced mortality rates from malaria by more than 20% and saved more than 100,000 lives each year in Africa alone・・・
<これは秘密プロジェクトだったので、以上の事実は公開されなかった。
知られるところとなったのは、最近のこと。↓>
Because of the secret nature of the malaria program, the Project 523 team never published their findings・・・. Only in recent years has Ms. Tu been recognized as the lead scientist in the discovery of artemisinin. That development rankled some who see the drug as the joint accomplishment of a large team of researchers.・・・
<当局自体は、この機会もとらえ、中共の科学研究体制のや意識の刷新を期しているように思われ、日本のノーベル賞受賞者が民間企業や民間機関から出ていることを例に引いている。(あらゆることを日本礼賛に結び付けとるね。(太田))↓>
Meanwhile, the Communist Party’s flagship newspaper People’s Daily appeared to side with critics who describe China’s scientific community as in need of an overhaul. Ms. Tu’s Nobel was a reminder, the newspaper said in a Tuesday editorial: “To these scientists, a more flexible, more diverse system of evaluation and encouragement is crucial. In Japan, many Nobel recipients come from business or civil organizations.”・・・
http://blogs.wsj.com/chinarealtime/2015/10/06/chinas-new-nobel-laureate-new-attention-to-an-old-science-problem/
(速足で歩くといった)運動を毎日30分、とされてきたオススメ、全然足らないことが分かったとさ。(どーしてくれる!(太田))↓
New study says 30 minutes of・・・moderate-intensity exercise・・・a day is not enough. ・・・
https://www.washingtonpost.com/news/to-your-health/wp/2015/10/06/new-study-for-optimal-heart-health-americans-should-double-or-even-quadruple-the-amount-of-exercising-theyre-doing/
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太田述正コラム#7956(2015.10.7)
<中共が目指しているもの(その7)>
→非公開
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