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太田述正コラム#7727(2015.6.15)
<皆さんとディスカッション(続x2659)>

<太田>(ツイッターより)

「…2月22日、普天間基地の移設先である沖縄県辺野古地区のキャンプシュワブで、基地勤務の日本人警備員が活動家数名を拘束、県警はこの活動家らを逮捕した。
 翌日以降、沖縄メディアはこの事件を「不当逮捕」と取り上げた。
 県下では米軍に抗議する決議が次々に採択され、沖縄選出の国会議員らも日本政府を追及しはじめた。
 米海兵隊と日本人警備員らへのバッシングが広まるかに見えたが、3月4日、事件現場を撮影した米軍監視カメラの映像が外部に提供され事態は一変する。
 この動画を外部に提供したのは、元・米海兵隊政務外交部次長のロバート・D・エルドリッヂ氏。
 軍人ではなく軍歴もない民間人の同氏が、なぜ今回の行為に及んだのか。…
 基地反対運動のリーダーが何回も境界線を越えたり、警備員を挑発していたことがわかります。少なくともこの動画からは、基地反対運動は暴力的な集団にしか見えな<ず、しかも、>…地元のメディアが現場にいた…にもかかわらず…事実と異なる事を書き続けた…だから映像を外部に提供したと…それだけです。クビになるとは全然思わなかった。…」
http://www.sankei.com/column/news/150611/clm1506110010-n1.html
 今に始まったことじゃないが沖縄の識者達やマスコミは本土よりもひどいね。
 事実に即した主張をしない限り、結論が正しくたってダメなんだぜ。

<bonkers_blunder>(同上)

 沖縄のメディアはひどいですが、棍棒で日本を殴り倒した米国が今や日本と遠距離恋愛だとか婚姻関係だとか言ってる産経やREさんの考え方も全く理解できず(主従関係と険悪な雰囲気しかなさそう)、気持ち悪いものを感じました。

<太田>(同上)

 おっしゃる通りです。
 ただ、日本のマスコミは一般に人間主義に基づき事実を隠蔽しがちであるところ、「右」の産経や「左」の朝日が存在し、競い合っているおかげで、このような形で隠蔽されかかった事実が明らかにされることがあるのは、ささやかながら救いですね。

<pzSMmU6M>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

≫災害ロボット、日本惨敗の衝撃 迫るグーグルの影
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO88006530S5A610C1000000/
軍事色を嫌ったトヨタ自動車やホンダは競技会への参加を固辞。≪(コラム#7727。太田)

 ロボットって軍事技術なんですね。
 トヨタは「テロリストの車」っていうイメージが、イスラム関連のニュースの影響で最近ついてしまって、次に買い替えのときはトヨタには乗りたくないっていう人も身近にいるし、軍事色のイメージダウンは困りますよね
 軍事=悪っていう意識は根強いですね。

<Mg7wNHtM>(同上)

 良かれ悪しかれ、軍事抜きの技術革新がある程度発生してるのって日本くらいじゃないかな。
 でも新しい産業分野そのものを拓いた例はあったかな?
 純粋な経済効率追求だと儲かればいいので諸外国だと教科書モデルどおりに独占・寡占→停滞してますね。
 食品やトイレタリーのような寡占状態の業界がいい例じゃないかな。

>トヨタは「テロリストの車」っていうイメージが、イスラム関連のニュースの影響で最近ついてしまって、次に買い替えのときはトヨタには乗りたくないっていう人も身近にいるし、

 ナイーブというかナンセンスですねー。
 じゃあISを生み出したインターネットなんか完全に軍事由来だから二重にNGだし、ISが大活用してるTwitterなんか汚らわしくて触れなくなっちゃいますねw。
 他に軍事由来の技術でいうと電子レンジも人工衛星を使ったサービスもNGですね。衣服や食品にも禁忌ができそう。
 アーミッシュみたいになれるかも!
 軍事=悪なんて日本人は本当にお子様というか玉無しになっちゃんたんだなあ・・・ご先祖様が見たら泣きそう。

<CqLNKLyM>(同上)

 「戦後70年、日本の戦争を考える、マレー半島での華僑虐殺

・・・「日本軍には二重三重の事実誤認があった」と指摘するのは、高嶋伸欣(のぶよし)琉球大学名誉教授です。
 日本軍は、半島での鉄道や幹線道路の爆破を華僑ゲリラの仕業として「掃蕩作戦」をしました。しかし高嶋氏は「それはイギリス軍の残留ゲリラがやっていました。戦争が終わるとそのイギリス兵が表に出てきて、その記録を多数出版しています」と指摘します。
 また「『華僑は商人で町に住んでいるはず、だから幹線道路から500メートル以上離れて住んでいる中国人はあやしい、ゲリラかその協力者に違いない』という日本軍の無知がありました。奥まったゴム園に家族で住み込んで樹液採集の作業をしていた華僑が集落をつくっていた。日本軍が襲ったのはそうした集落だったのです」といいます。」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-08/2015060803_02_0.html

 以前『日英同盟をめぐって(続)(その10)コラム#4554』で華僑殺害について触れられてましたが、マレーでの華僑殺害は日本軍の華僑認識の甘さと英軍ゲリラによって、もたらされた悲劇かと。

<太田>

 当時、(シンガポールを含む)マレー半島にいた英軍は要するに英印軍であり、将校の一部が英国人であっただけで他はインド人だった、だからこそ、日本軍が捕虜・・インド人が大部分・・を殺害したことを戦後英国は基本的に咎めなかった(コラム#4554)、と想像されるところ、英軍ゲリラは「将校」の一部が英国人であっただけで他は漢人だった、だからこそ、証言者として登場する2人は漢人であるわけだし、そもそも、(制服を着用していない)ゲリラが捕虜となった場合は国際法上殺害されて当然なので、これまた当然、戦後英国は日本側を咎めなかった、ということでしょう。
 で、マレー半島のゲリラ要員の主体が都市の漢人か田舎の漢人か、なんて殆んどどうでもよい話であり、日本軍は、主体が漢人であることを正しく認識し、見つけた者は、皆殺しにした、ということでしょうね。
 もとより、婦女子まで殺したのは違法ですが、相手が(制服を着用している)ゲリラであった場合ですら、ゲリラ攻撃を受けた正規軍は、往々にしてそういう対処をせざるをえなくなるものです。
 (家族や地域住民の積極的支援なくしてゲリラ活動なんてできませんからね。)
 なお、お示しの記事は新聞赤旗であるところ、(沖縄の有力地方紙2紙などとは違って、)事実の誤りこそ殆んどないでしょうが、結論ありきの記事ばかりですから、省かれたであろう事実を想像しながら読む必要があることをお忘れなく。

<MH>

 ナイジェリアで暗躍するポゴハラム(isisの手下連の賛同者)ですが、最近活動を聞かないのでどうしたのか調べましたら、ナイジェリア政府が400万ドルで3ヶ月の期間契約を締結した、南アPMCであるSTTEP社により壊滅(一時的にせよ)したそうです。

Eeben Barlow Speaks Out (Pt. 1): PMC and Nigerian Strike Force Devastates
Boko Haram
http://sofrep.com/40608/eeben-barlow-south-african-pmc-devestates-boko-haram-pt1/
Eeben Barlow Speaks Out (Pt. 2): Development of a Nigerian Strike Force
http://sofrep.com/40623/eeben-barlow-speaks-pt-2-development-nigerian-strike-force/
Eeben Barlow Speaks Out (Pt. 3): Tactics Used to Destroy Boko Haram
http://sofrep.com/40633/eeben-barlow-speaks-pt-3-tactics-used-destroy-boko-haram/
Eeben Barlow Speaks Out (Pt. 4): Rejecting the Racial Narrative
http://sofrep.com/40675/eeben-barlow-speaks-pt-4-rejecting-racial-narrative/
Eeben Barlow Speaks Out (Pt. 5): The External Drivers of Nigeria’s War
http://sofrep.com/40700/eeben-barlow-speaks-pt-5-external-drivers-nigerias-war/
Eeben Barlow Speaks Out (Pt. 6): South African Contractors Withdrawal from
Nigeria(最終回)
http://sofrep.com/40865/eeben-barlow-speaks-pt-6-south-african-contractors-withdrawal-nigeria/
The war against Boko Haram(Part1)(英語字幕つき)
https://www.youtube.com/watch?v=AyR0AH-Md7U
The war against Boko Haram(Part2)
https://www.youtube.com/watch?v=muz5dhnMG6E
The war against Boko Haram(Part3)(最終回)
https://www.youtube.com/watch?v=MlcEqAUIUY0
 (↑ここでチラッとSTEEPが出てきます。会社保有のMi24ハインドヘリで地上攻撃を行います。)

 STTEP社の大本は1990年シエラレオネ内戦(映画:ブラッドダイヤモンドで描かれている)で勃発した革命軍団RUF(Revolutionary United Front)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%A9%E5%91%BD%E7%B5%B1%E4%B8%80%E6%88%A6%E7%B7%9A
を一時殲滅させたExecutive outcomes社であります。
http://www.globalsecurity.org/military/world/para/executive_outcomes.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%B0%E3%82%BC%E3%82%AF%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%A0%E3%82%BA

 該社の結成者であるEeben Barlow氏
https://za.linkedin.com/pub/eeben-barlow/70/753/aa0
が新たに結成したPMCです。
STTEP International
http://www.sttepi.com/default.aspx

 「成功を保証する、決して失敗しない」と謡っています。
 STTEP guarantees success and has never failed in a mission. Failure is never an option.

 話題の集団的自衛権ですが、太田さんによる「全部が何の意味もない存在」の陸上自衛隊に付与をしても活躍できるかどうか怪しいですから、所謂、失敗国家の当該国政府が軍事介入を求めるならば、よりプロフェッショナルな上記PMCに頼むほうが話も活動も早く解決可能ではないでしょうか?
 流石に国連が彼らに頼むというわけにはいかないでしょうが、資金不足ならば数多い国際機関(MDBs)で貸付すればいいだけです。
 政府が集団的自衛権を発動させ、単独で軍事介入した結果、加担した側が敗北してしまい、事後に相手国政府から損害賠償金請求訴訟を国際司法裁判所(ICJ)に起こされ敗訴したニカラグア事件があります。
 (最終的には米国とニカラグア政府が和解し提訴取り下げ。)
 ニカラグア事件(サンディニスタ・コントラ戦争)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%82%A2%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 これを読むと事後の訴訟リスクまで抱えて政府軍(日本国政府でもどこでも)が干渉・介入(intervention)するのはどんなものかと考えてしまいますが、太田さんのお考えは如何でしょうか。

<太田>

 下出の事情もあり、お示しの典拠群の一部にすら目を通す時間がないので、以下は一般論です。
 集団的自衛権行使が認められ、かつ、日本周辺以外でその行使が許されない限り、陸上自衛隊の存在根拠はないことは確かであり、陸上自衛隊等に必要な追加的装備を与えた上で、そのための訓練を行うこととすれば、日本政府の対外行動の有力なオプションが一つ増えることになります。
 但し、本件に限らず、何度も申し上げているように、オプションが増えたからといって、そのオプションを行使しなければならないというものではなく、他のより費用便益上優位にある選択肢があるのなら、それによればよいのです。
 なお、日本が外国の民間軍事会社にカネを払って第三国に軍事介入をさせた場合も、日本の集団的自衛権の行使にあたりますよ。

<太田>

 K.K.さん、EpsonでAcronisリカバリーに失敗し、パソコンが立ちあがらなくなっています。
 例のスティックでAcronisは立ち上がるのですが、リカバリーポイントが2015.2.○ 一つだけであり、しかも、グレー表示のままで、それから先に進めません。
 外付けハードディスクは見えているのですが、リカバリーポイントらしきものを探し出せません。
 本当は今年3月あたりにリカバリーしたいのですが、最初の時点にリカバリーするのもやむをえないかな、という思いでいます。
 どうしたらよろしいでしょうか。

<K.K>

 USBからブートして、どのバックアップでもよい(2014/06/17がベスト)のでリカバリ→Windowsが起動できるようになるので、WindowsからAcronisTrueImageを起動させて、任意のバックアップポイントへリカバリ、という方針でトライしてみてください。
 2014/06/17のバックアップファイルは、内臓HDDに存在しています。USBからブートした場合は、ドライブレターが何になるかはちょっとわからないです。

 --コラム#7245から抜粋--

B)Windowsが起動しない場合(上記Aでリカバリに失敗してWindowsが起動しなくなった場合も含めます)、下記の1)と2)の2回のリカバリを行ってください。
1)USBからブートして6月17日のバックアップバージョンからリカバリして、一旦6月17日の状態を復元する。(手法は、今回太田さんが行った方法でOKです。)
2)上記1)のリカバリで、Windowsが起動するようになり手法A)が使えますから、手法A)で、すなわち、Windowsから目的とする日付のバックアップバージョンを選んでリカバリを行ってください。
(2度リカバリを行うことになりますが、手法Iに限定出来ますし、2度行っても30分ぐらいで済むのではないでしょうか。)

<太田>

 Dellパソコンで作業をしたけれど、Thunderbirdの読者メーリングリストを更新できず、困っていたところに、上のメールが届いたので、さっそく、やってみることにしました。
 しかし、まだ成功していません。
 このコラム、取りあえず送ることにしましたが、メーリングリストのアップデートを簡易法でやらざるをえなかったところ、読者数がかなり増えて(!)しまいました。
 余分に届いたものについては、ご容赦願います。

<太田>

 それでは、その他の記事の紹介です。

 結構なことですわねえ。↓

 「開催中の「第18回上海国際映画祭」で、昨年11月に死去した俳優・高倉健さん(享年83)の特集上映が始まった。オープニング作に選ばれた「鉄道員(ぽっぽや)」の降旗康男監督(80)は、満員約1000人を前に目にうっすら涙をためて「記憶の中で時々、健さんを抱きしめてあげてほしい」とあいさつ。全5作が上映されるが、チケットは即日完売の人気ぶりで、死してなお、日中友好の懸け橋として大きな存在感を見せた。・・・」
http://www.hochi.co.jp/entertainment/20150614-OHT1T50184.html?from=ytop_ymag

 トルコ国境沿いで、クルド系武装勢力が米軍の近接航空支援を受けて対Isis軍事攻勢をかけていることに、トルコのエルドアン大統領が、トルコ国内やシリア国内でのクルド人勢力拡大につながるとして懸念を表明した。↓

 Kurdish-led militia fought Islamic State near a Syrian town at the Turkish border on Sunday, a monitor and a Kurdish official said, battling to seize it with the help of US-led air strikes in an advance that has worried Turkey.
 Concerned about an expansion of Kurdish sway in Syria, Turkish President Tayyip Erdogan reiterated his assessment that Kurdish groups were taking over areas evacuated by Arabs and Turkmen, saying that might eventually threaten Turkey's borders.・・・
http://www.csmonitor.com/World/Middle-East/2015/0614/Syrian-Kurds-battle-Islamic-State-for-town-at-Turkish-border

 マグナカルタは、内容的にも形式的にも、憲法的文書の名に値しないとするコラムだ。↓

 <17世紀に反スチュアート朝勢力が同朝と戦うために政治的にマグナカルタを援用したことから誤解が始まったとさ。↓>
 ・・・Why, then, is Magna Carta so revered? The story begins in the early 17th century, when members of Parliament and the famous jurist Sir Edward Coke revived the document in their struggle with the Stuart monarchs. They argued that free Englishmen had enjoyed a set of rights and privileges until they were disrupted by the Norman Conquest of 1066. Magna Carta embodied these rights, so it was held up as a model of a glorious past and part of an “ancient constitution.”・・・
http://www.nytimes.com/2015/06/15/opinion/stop-revering-magna-carta.html?ref=opinion
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太田述正コラム#7728(2015.6.15)
<キリスト教の原罪思想のおぞましさ(その10)>

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