太田述正コラム#7721(2015.6.12)
<皆さんとディスカッション(続x2656)>

<太田>(ツイッターより)

 2009年の各国肥満度比較表が載ってるスレッドで、投稿も面白いが表を見て考え込んじゃった。
http://lakatan.net/archives/44381653.html
 米、墨、拡大英国、チリ、南ア、2国挟んで西、の順。
 つまり、米、英、西と現在及び過去の世界帝国が続いてる。
 対して、韓、日、中は極端に「痩せ」てる。

 「AKB48総選挙 中国ファンによる大量投票…
 中国人ファンは学生のネットユーザーが多くを占めている。…
 AKB<には>…可愛い女の子がたくさんいる…」
http://j.peopledaily.com.cn/n/2015/0611/c94473-8905395.html
 日中の若者達は同期してるんだね。
 可愛い?
 近未来の日中枢軸時代に僕の居場所はなさそう。

<oHAho3xw>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

 韓国政府、「海の国連総長」目指して外交戦
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/06/11/2015061100714.html

 現事務局長が日本人だから余計に気合入ってるのかわからないけど、セウォル号のこともあるしそんなとこばかり頑張ってていいのかなー。

<TA>

 私が太田さんに郵送した記事、『フォーリン・アフェアーズ・リポート 2015 No.5 人道的介入で破綻国家と化したリビア--なぜアメリカは判断を間違えたのか』についてのコラム#7716(未公開)についての質問です。

 太田さんが引用しなかった部分についてですが、↓

 「ホワイトハウスはリビアに対する空爆作戦を人道的介入として正当化したが、・・・カダフィの弾圧は、当初メディアが伝えたほど残虐なものではなかった。
 平和的な抗議活動と暴力的な蜂起が同時に起きたリビア東部における最初の政府弾圧による犠牲者数をサウジのニュースチャンネル、アル・アラビアは1万人と伝えたが、ヒューマン・ライツ・ウォッチによれば、実際の犠牲者数は233人だった。2013年にインターナショナル・セキュリティ誌で発表した論文で私<(米テキサス大学オースチン校准教授、アラン・J・クーパーマン)>が指摘したように、「反乱が発生した2011年2月中旬」から「NATOが介入した2011年3月中旬」までの1カ月間の犠牲者数は、リビア軍兵士と反乱政府武装勢力を含めて1000人程度だった。
 2011年初頭に、欧米のメディアが頻繁に引用したアルジャジーラの記事は、「カダフィの空軍はベンガジとトリポリで民間人に機銃掃射を行い、空爆を行っている」と伝えたが、タフツ大学のヒュー・ロバーツがロンドン・レビュー・オブ・ブックスで発表した詳細な検証が明らかにしたように、これは真実ではなかった。現実には、カダフィの軍隊は、民間人の犠牲者を最低限に抑え込もうと無差別攻撃を控えていた。」(61頁)

 これを読むに、誤った前提に基づく軍事介入だということになりますが、これはイラク戦争における、「フセインが大量破壊兵器を隠し持っている」云々と同じような構図に思えます。イラク戦争後に大量破壊兵器を持っていなかったことが明らかになった際、アメリカを始めイラク戦争に賛同・協力した各国首脳は国民・メディアから相当ぶっ叩かれたと記憶しますが、リビアへの軍事介入に関しては類似の意見がネット上でほとんど探せません(探せても陰謀論じみたものばかりです)。この点が気になって、コピーを送らせていただいた次第です。
 リビアへの軍事介入が誤った情報に基づくものであったのが批判されないのは、「リビアは、人口が少ないだけでなく、石油こそ生産量は多いけれど、地政学的には、イラクやシリアはもとより、イエメンに比べてさえ、格段に取るに足りない存在である」(コラム#7716(未公開)。太田)こと以外に、緊急性、や、「違法性に関する事実の錯誤(違法性阻却事由の錯誤:誤想防衛、誤想避難)」、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8C%AF%E8%AA%A4_(%E5%88%91%E6%B3%95)#.E9.81.95.E6.B3.95.E6.80.A7.E3.81.AB.E9.96.A2.E3.81.99.E3.82.8B.E4.BA.8B.E5.AE.9F.E3.81.AE.E9.8C.AF.E8.AA.A4.EF.BC.88.E9.81.95.E6.B3.95.E6.80.A7.E9.98.BB.E5.8D.B4.E4.BA.8B.E7.94.B1.E3.81.AE.E9.8C.AF.E8.AA.A4.EF.BC.9A.E8.AA.A4.E6.83.B3.E9.98.B2.E8.A1.9B.E3.80.81.E8.AA.A4.E6.83.B3.E9.81.BF.E9.9B.A3.EF.BC.89
カダフィが説明責任を果たしていないこと、が原因でしょうか。↓

 「国際連合安全保障理事会決議1970・・・は、2011年2月26日に国際連合の安全保障理事会において採択された、リビア情勢に関する決議。・・・
 決議はリビアにおける内戦の即時停戦を要求し、リビア政府当局に対して人民を保護する責任の履行を求めるとともに、国際連合憲章第7章に基づき事態に関する捜査と訴追を国際刑事裁判所(ICC)に付託した。・・・
 2011年3月3日、ICCのモレノオカンポ検察官は、リビアにおいて人道に対する罪などの犯罪が行われている可能性を調査した結果、その疑いが十分あるとして、本件に関する捜査を開始することを表明した。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%80%A3%E5%90%88%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BF%9D%E9%9A%9C%E7%90%86%E4%BA%8B%E4%BC%9A%E6%B1%BA%E8%AD%B01970
「2.リビア当局に以下のことを促す。
(a) 最大限自制して行動し、人権および国際人道法を尊重し、国際的な人権モニターに対し即時のアクセスを許可すること。
・・・
(c) 同国への人道物資および医療用品、および、人道機関並びに人道支援要員の安全な通過を確保すること。
(d) あらゆる形態のマスメディアに関する制約を直ちに解除すること。」
http://www.unic.or.jp/files/s_res_1970.pdf

<太田>

 私は、一般市民の真の死者数がいかほどであったかを判断する材料を持ち合わせていませんが、仮に筆者らの指摘が正しいとすると、反政府側とのプロパガンダ合戦にカダフィ政府側・・既にアルカーイダ系や後のIsis系がもぐりこんでいた?・・が敗けたってことですよ。
 いずれにせよ、対イラク戦の時とは全く異なり、リビアへの軍事介入については、アラブ連盟による要請もあり、国連安保理事会決議が反対票なしで行われたわけであり、その決定の責任は、カダフィ政府以外の、ほぼ全世界にあると言えるでしょう。
 しかも、カダフィは、この決議を一旦受諾して停戦していながら、その停戦を破って反政府側への攻撃を再開しています。
 (事実関係は、下掲に拠った。
http://ja.wikipedia.org/wiki/2011%E5%B9%B4%E3%83%AA%E3%83%93%E3%82%A2%E5%86%85%E6%88%A6 )
 なお、第二次南京事件に関し、日本軍による一般市民・捕虜虐殺については、欧米的発想からすると、数は問題ではない、ということを申し上げたことがあります。
 リビアでは、単なるコラテラルダメージを超える一般市民虐殺が、数はともあれ、カダフィ政府側によって行われたことは争い得ない、・・より露骨に言えば、反政府側がカダフィ政府側をそう仕向けた、・・と思われるところです。

<太田>

 それでは、その他の記事の紹介です。

 カトリシズムにおける原罪教義の数少ない功績の一つ、かも。↓

 「教会法で金貸しが禁じられていた一四世紀のイタリアで<は>、最後の審判を恐れる商人や金融業者が少しでもその罪を軽くするために会計の透明性を高めようとした・・・粉飾のない会計帳簿と生前の罪を告白する懺悔はまさに表裏一体だったのである。・・・」
http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2015060700012.html?iref=comtop_list_cul_b03

 基本的に「(2)」であった、スコットランドにおいて、にもかかわらず、英国、というか、イギリス、からの独立機運が高まってるんだから、下掲はおかしな議論だよ。↓
            
 「沖縄の歴史を論じる時に二つの態度があり得る。(1)他国(日本を含む)との関係に配慮するが、沖縄の内発的な発展を重視する。(2)東アジア諸国、とくに日本との交渉を重視する。本書は(1)を批判して(2)の立場に立<つ。>・・・ グスク時代の幕開けは喜界島(奄美群島)からの住民の移住を契機とする。琉球の尚王朝の誕生は倭寇(わこう)の活動の産物である。そう本書は説く。・・・それは時として現代的な思想信条(沖縄は独立すべきだ等)と抜き差しならぬ連関をもつ。・・・」
http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2015060700013.html?iref=comtop_list_cul_b02

 英国じゃ3年間に2人しか警官は殺していないが、それ、米国じゃ毎日警官が殺している数を下回っているとさ。
 (ことほどさように、イギリス文明と米文明は異質なのよ。(太田))↓

 ・・・. Police in Britain have fatally shot two people in the past three years.
 That’s less than the average number of people shot and killed by police every day in the United States ・・・
http://www.washingtonpost.com/world/europe/in-lightly-armed-britain-possible-answers-to-americas-wave-of-police-killings/2015/06/10/4940f696-0def-11e5-a0fe-dccfea4653ee_story.html?hpid=z3

 プーチンは、(かつて、自由民主主義ロシアという長期構想を掲げていたが、)現在は、長期構想なしで政権の存続だけを考えてるとさ。
 (現在の長期構想は、プロト欧州文明への回帰に決まってんじゃん。(太田))↓

 ・・・Long-term thinking has completely disappeared, and the Russian regime no longer talks about the future. Russian leaders’ discourse centers on the standoff with Ukraine and the West (and their “puppets” within Russia) and references to the heroic past (mostly to World War II). The regime is now fully focused on its own survival.・・・
 No long-term policy planning for Russia’s future is occurring. ・・・
 For the first time in Putin’s 15 years in power, Russians’ real incomes are falling. ・・・
http://www.washingtonpost.com/opinions/russia-after-putin/2015/06/11/90d6c1ea-0d25-11e5-adec-e82f8395c032_story.html

 英国人たるノーベル賞受賞化学者が女性差別的発言を行ったとして大騒ぎに。↓

 <実験室内に男女がいると、恋したり恋されたりするし、注意すると女性は泣き出すので困る、だと。
 (後段は正しいが、前段は、恋された時への対象法を知らず、また、恋した時の自分の研究意欲増進への転化法を知らないこの男がアホなだけ。(太田))↓>
 ・・・Tim Hunt, 72, a biochemist who was awarded the Nobel Prize in Physiology or Medicine in 2001・・・<commented>・・・“Let me tell you about my trouble with girls,・・・<t>hree things happen when they are in the lab: You fall in love with them, they fall in love with you, and when you criticize them they cry.”・・・
 <大騒ぎになったので、本人は、ロンドン大の教授職を辞任。↓>
 University College London said in a statement that Mr. Hunt, who was knighted in 2006, had resigned his post in the faculty of life sciences on Wednesday.・・・
 <2006年には、経済学者で当時ハーヴァード大学長のサマーズが、科学や数学で女性研究者が少ないのは「本来備わっている素質」のせいでは、と語り、学長職を辞任。
 (ちゃうだ。高IQ者の数が男性に比べて顕著に少ないってだけよ。(太田))↓>
  In 2006, Lawrence H. Summers resigned as president of Harvard University after he suggested in a speech that “intrinsic aptitude” could explain the relative dearth of women excelling in science and mathematics.・・・
 <2011年にはノーベル文学賞受賞者のナイポールが、女性作家は劣っていると発言。
 (バカモン、チミ、紫式部を知らないのね。(太田))↓>
 Nobel winner・・・novelist V.S. Naipaul, who said in 2011 that he regarded female writers as inferior.
“I read a piece of writing and within a paragraph or two I know whether it is by a woman or not,” he was quoted as saying by The Guardian newspaper, adding that he thought the work was “unequal to me.”
http://www.nytimes.com/2015/06/12/world/europe/tim-hunt-nobel-laureate-resigns-sexist-women-female-scientists.html?ref=world&_r=0

 「高等」動物のイルカはどうなんだろうね。↓

 「飼い主に意地悪した人、犬はなつかない・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/science/20150612-OYT1T50040.html?from=ytop_ylist

 パプアニューギニア人は、亡くなった人の脳を食べる慣習がかつてあり、その結果、全員が狂牛病に対する抗体を保有するに至った、とさ。↓
http://www.newsweek.com/human-cannibals-brain-eating-ways-led-disease-resistance-342305

 欧州人の祖先が解明された。↓

 ・・・today’s Europeans descend from three groups who moved into Europe at different stages of history.
 <45,000年前に到来した狩猟採集者達、8,000年前に近東から到来した農業者達、そして、4,500年前に西部ロシアから到来した遊牧民達。↓>
 The first were hunter-gatherers who arrived some 45,000 years ago in Europe. Then came farmers who arrived from the Near East about 8,000 years ago.
 <最後の連中が印欧語を持ち込んだ可能性が。↓>
 Finally, a group of nomadic sheepherders from western Russia called the Yamnaya arrived about 4,500 years ago. The authors of the new studies also suggest that the Yamnaya language may have given rise to many of the languages spoken in Europe today.・・・
 <最後の連中の到来は基本的に平和裏に行われた。↓>
 ・・・the expansion of Yamnaya into Europe was relatively peaceful.・・・
 <ほぼ同時期に、最後の連中はシベリアにも移住している。↓>
 ・・・the Yamnaya didn’t just expand west into Europe, however. The scientists examined DNA from 4,700-year-old skeletons from a Siberian culture called the Afanasievo. It turns out that they inherited Yamnaya DNA, too.・・・
 <このことが、1,200年前に西部支那に印欧語族たるトカラ族がいたことの背景にあるのでは?↓>
 The eastward expansion of Yamnaya, evident in the genetic findings, also supports the theory・・・. Linguists have long puzzled over an Indo-European language once spoken in western China called Tocharian. It is only known from 1,200-year-old manuscripts discovered in ancient desert towns. It is possible that Tocharian was a vestige of the eastern spread of the Yamnaya.・・・
 <印欧語は既に二番目の連中が欧州に持ち込んだのではないか、とする説もある。↓>
 <There is a> speculat<ion> instead that early European farmers, the second wave of immigrants, may have brought Indo-European to Europe from the Near East. Then, thousands of years later, the Yamnaya brought the language again to Central Europe.・・・
http://www.nytimes.com/2015/06/16/science/dna-deciphers-roots-of-modern-europeans.html?hp&action=click&pgtype=Homepage&module=first-column-region®ion=top-news&WT.nav=top-news&_r=0
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太田述正コラム#7722(2015.6.12)
<改めてドーキンスについて(その2)>

→非公開