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太田述正コラム#7288(2014.11.7)
<米国知識人のロシア認識(その3)>(2015.2.22公開)
3 John J. Mearscheimer 'Why the Ukraine Crisis Is the West's Fault--The Liberal Delusions That Provoked Putinより
(1)序
「悪いのはロシアではなく欧米だ--プーチンを挑発した欧米のリベラルな幻想」と訳されている本論考の筆者であるジョン・ミアシャイマーは、米国の「政治学者で、シカゴ大学教授」であって、もう一人との「共著『イスラエルロビーとアメリカの外交政策』[(邦訳あり)]<が米国>でベストセラーになった」(17頁)ところの、「<1947年生まれで、米陸士>卒業後・・・<米>空軍に7年間在籍<し、>在籍中の1974年に南カリフォルニア大学より国際関係論の修士号を取得<、>空軍退役後、1981年にコーネル大学から博士号を取得」した
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%9E%E3%83%BC ([]内も)
という人物です。
(2)論考より
「ウクライナ危機を誘発した大きな責任は、ロシアではなくアメリカとヨーロッパの同盟諸国にある。危機の直接的な原因は、欧米が北大西洋条約機構(NATO)の東方への拡大策をとり、ウクライナをロシアの軌道から切り離して欧米世界に取り込もうとしたことにある。同時に、2004年のオレンジ革命以降のウクライナの民主化運動を欧米が支援したことも、今回の危機を誘発した重要な要因だ。・・・
<すなわち、まず、>NATOは、同盟への参加を望むグルジアとウクライナの意向を支持し、「これらの国はいずれNATOのメンバーになる」という大胆な表現を盛り込んだ声明を発表してしまった。・・・
<また、>EUは「東方パートナーシップ」構想を発表した。このプログラムはウクライナのような諸国の経済的繁栄を育み、EU経済に統合していくことを目的にしていた。・・・
<更に、>親欧米的な個人や組織に資金援助を行うことで、ウクライナに欧米の価値を浸透させ、民主化を促進すること<を行った。>2013年12月にビクトリア・ヌランド米国務次官補は、1991年以降、アメリカはウクライナが「自らにふさわしい未來」を実現するために50億ドルを超える資金を投入していると述べている。」(6、7、8、9頁)
「国際政治に関する間違った概念を受け入れていた欧米のエリートたちは、今回の事態の展開を前に虚を突かれたと感じている。「リアリズム(現実主義)のロジックは21世紀の国際環境では重要ではない」と思い込み、法の支配、経済相互依存、民主主義というリベラルな原則を基盤にヨーロッパは統合と自由を維持していくと錯覚していたからだ。」(7頁)
⇒NATOとEUの動きについては、ウクライナが加盟を希望し、かつ、加盟要件を満たしておれば、加盟させない方がおかしいのであって、しかも、加盟まで時間をかけようというのですから、全く問題はありません。
ロシアの加盟だってあらかじめ排除はしない、という姿勢を示す意味でも、そうあるべきでしょう。
他方、ウクライナにおいて、民主化運動を欧米、実際には、米国、が支援したことについては、私は、内政干渉であって、それを行った米国も受け入れたウクライナも責められるべきであると考えます。(太田)
「プーチンの行動を理解するのは難しくない。ナポレオンのフランス、ドイツ帝国、ナチスドイツがロシアを攻撃するために横切る必要があった広大な平原・ウクライナは、ロシアにとって戦略的に非常に重要なバッファー国家なのだ。ウクライナをヨーロッパに統合することを決意している政府をキエフに誕生させるのを欧米が助けるという展開を前にすれば、いかなるロシアの指導者もそれを傍観することはなかっただろう。・・・
⇒このくだりは、2で紹介した記事に登場した、駐露米武官の見解とほぼ同じであり、その見解に対する私の批判やコメントがそのままあてはまります。(太田)
大国は自国の近隣地域における潜在的な脅威には常に神経質になるものだ。アメリカにしても遠くの大国が、アメリカとの国境線沿いはもちろん、西半球地域に軍事力を配備するのを許容するはずはない。仮に中国が見事な軍事同盟を組織し、これにカナダとメキシコを加盟させようとすれば、ワシントンはどう反応するだろうか。怒り狂うのは目に見えている。」(11、12頁)
⇒19世紀末にフィリピンを領有し、フィリピン諸島に軍事力を配備した当時の米国が、東アジア地域の「大国」日本を怒り狂わせた、などとは夢にも考えていないからこそ、筆者は、こういった言説を吐けるのでしょうね。
こういう問題提起をすれば、筆者は、当時、米国は日本を大国だとは見ていなかった、と反論しそうですが、それならそれで、今度は、現在のロシアのどこが大国なのだ、と問い返すことになります。
人口や経済力は言うに及ばず、軍事力でさえ、ロシアは決して大国とは言えないからです。
(現在、軍事超大国は米国で、軍事大国は中共だけでしょう。)
もとより、ロシアは核保有国ではあるけれど、そんなことを言ったら、北朝鮮だってパキスタンだって、そしてもちろんイスラエルだって核保有国です。(太田)
「「プーチンは合理的思考を理解していない」と語ったドイツのメルケル首相は、オバマに対して、「プーチンはわれわれとは別の世界にいる」とさえ述べた<とされ>・・・ている。もちろん、プーチンは独裁的な行動をとりがちな指導者だが、精神のバランスがとれていないとみなす証拠はどこにもない。それどころか、彼は一線級の戦略家であり、外交領域で彼の立場に異を唱える者たちでさえ、プーチンには一定の畏怖と尊敬の念をもっている。」(13、14頁)
⇒仮にメルケルが本当にそう言ったとすれば、それは彼女の本心ではなく、諜報問題で微妙な関係にある米国に、リップサービスをしただけのことでしょう。
とにかく、プーチンについては、マクフォールは非合理的であると評し、ミアシャイマーは合理的であると評しているわけであり、一見、米国の知識人の間に様々なプーチン評価があるように見えるけれど、どちらも、ロシアという、アングロサクソン、欧州、米国のいずれの文明(米国の場合は「文明」)とも異質な、その亜文明の内在的論理に照らして、その評価を下していない、という点では同じです。
結局、二人とも、ロシアのことが、てんで分かっちゃいない、というところでしょうね。(太田)
「仮にアメリカが厳格な<経済>制裁の発動をめぐって同盟諸国を説得できても、プーチンが彼の意思決定を見直すことはない。戦略利益を守るためなら、国家が懲罰策による膨大なダメージに耐えることは歴史が示す通りだ。ロシアがこうした歴史的ルールから外れた行動をとると考える理由はない。」(15頁)
⇒「戦略利益を守るため」にこそ「懲罰策による膨大なダメージに耐え」られずに対米開戦に踏み切った、日本という重大かつ深刻な事例がある以上、そんな「歴史的ルール」など存在しないにもかかわらず、筆者はこんなことを言い切ってしまっています。
米国の政治学者の上澄みらしい、マクフォールやミアシャイマーがこんな体たらくでは、元々低かった米国の政治学の質が一層低下している、という感を深くします。
いや、そもそも、政治学の修士号を持っている私が言っては舌を噛んでしまうのですが、政治学なるものは、経済学が学問の名に値しない、その数等倍も学問の名に値しない、と言うべきなのではないのでしょうか。
私は、社会学と歴史学があれば十分だと思うのです。
少なくとも、英語圏は、政治学をpolitical 'science'(政治「科学」)と呼ぶことだけは止め、politicsと呼んで欲しいものです。(太田)
「キューバにはソビエトとの軍事同盟を形成する権利があるとアメリカが冷戦期に考えただろうか。むろん、そうは考えなかったし、現在のロシアも、ウクライナが欧米との同盟関係に参加する権利があるとは考えていない。こうした現実を理解し、パワフルな近隣国との関係を慎重に見極めることがウクライナの利益になる。」(16頁)
⇒前述した理由から、そんな政策は、ウクライナの利益になりませんし、それ以上にロシアの利益にもなりません。もちろん、世界全体の見地からも利益にならない、私はと思っています。(太田)
「「NATOがこれまでうまくウクライナとの関係を管理してこなかったことを認めつつも、ロシアがますます強硬路線をとりつつある以上、欧米は現在の政策を続けるしかない」と考える専門家もいるだろう。しかし、この見方は酷く間違っている。ロシアは衰退途上の国家であり、今後時間が経過するにつれてますます衰退していく。」(17頁)
⇒このくだりの筆者の論理は無茶苦茶です。(太田)
4 終わりに
ロシアは、タタールの軛のトラウマを引きずったまま、プロト欧州文明回帰を目指すのか、私の慫慂しているところの、そのユーラシア性の再定義を通じて、(中共の顰に倣って)人間主義化を目指すのか、の岐路に直面しています。
NATOとEUの東漸は、欧州における緩衝地帯の消滅をもたらし、ロシアに、戦略の抜本的見直しを強い、その結果、私の希望的観測かもしれませんが、ロシアが後者を目指すという戦略の転換を行い易くする、と考えています。
私が心配しているのは、英国がEUを脱退して、EUのプロト欧州文明回帰が促進され、かかるロシアの戦略の転換にブレーキがかかることです。
つまり、ロシアがEU加盟を目指し、EU側がこれを受け入れれば、ロシアにとって、ロシア外の欧州全体が緩衝地帯になり、NATOが事実上、(ロシアを含む)欧州と米英加の二つに分裂してしまう恐れがあるのです。
そうならないことを、私は祈っています。
(完)
<米国知識人のロシア認識(その3)>(2015.2.22公開)
3 John J. Mearscheimer 'Why the Ukraine Crisis Is the West's Fault--The Liberal Delusions That Provoked Putinより
(1)序
「悪いのはロシアではなく欧米だ--プーチンを挑発した欧米のリベラルな幻想」と訳されている本論考の筆者であるジョン・ミアシャイマーは、米国の「政治学者で、シカゴ大学教授」であって、もう一人との「共著『イスラエルロビーとアメリカの外交政策』[(邦訳あり)]<が米国>でベストセラーになった」(17頁)ところの、「<1947年生まれで、米陸士>卒業後・・・<米>空軍に7年間在籍<し、>在籍中の1974年に南カリフォルニア大学より国際関係論の修士号を取得<、>空軍退役後、1981年にコーネル大学から博士号を取得」した
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%9E%E3%83%BC ([]内も)
という人物です。
(2)論考より
「ウクライナ危機を誘発した大きな責任は、ロシアではなくアメリカとヨーロッパの同盟諸国にある。危機の直接的な原因は、欧米が北大西洋条約機構(NATO)の東方への拡大策をとり、ウクライナをロシアの軌道から切り離して欧米世界に取り込もうとしたことにある。同時に、2004年のオレンジ革命以降のウクライナの民主化運動を欧米が支援したことも、今回の危機を誘発した重要な要因だ。・・・
<すなわち、まず、>NATOは、同盟への参加を望むグルジアとウクライナの意向を支持し、「これらの国はいずれNATOのメンバーになる」という大胆な表現を盛り込んだ声明を発表してしまった。・・・
<また、>EUは「東方パートナーシップ」構想を発表した。このプログラムはウクライナのような諸国の経済的繁栄を育み、EU経済に統合していくことを目的にしていた。・・・
<更に、>親欧米的な個人や組織に資金援助を行うことで、ウクライナに欧米の価値を浸透させ、民主化を促進すること<を行った。>2013年12月にビクトリア・ヌランド米国務次官補は、1991年以降、アメリカはウクライナが「自らにふさわしい未來」を実現するために50億ドルを超える資金を投入していると述べている。」(6、7、8、9頁)
「国際政治に関する間違った概念を受け入れていた欧米のエリートたちは、今回の事態の展開を前に虚を突かれたと感じている。「リアリズム(現実主義)のロジックは21世紀の国際環境では重要ではない」と思い込み、法の支配、経済相互依存、民主主義というリベラルな原則を基盤にヨーロッパは統合と自由を維持していくと錯覚していたからだ。」(7頁)
⇒NATOとEUの動きについては、ウクライナが加盟を希望し、かつ、加盟要件を満たしておれば、加盟させない方がおかしいのであって、しかも、加盟まで時間をかけようというのですから、全く問題はありません。
ロシアの加盟だってあらかじめ排除はしない、という姿勢を示す意味でも、そうあるべきでしょう。
他方、ウクライナにおいて、民主化運動を欧米、実際には、米国、が支援したことについては、私は、内政干渉であって、それを行った米国も受け入れたウクライナも責められるべきであると考えます。(太田)
「プーチンの行動を理解するのは難しくない。ナポレオンのフランス、ドイツ帝国、ナチスドイツがロシアを攻撃するために横切る必要があった広大な平原・ウクライナは、ロシアにとって戦略的に非常に重要なバッファー国家なのだ。ウクライナをヨーロッパに統合することを決意している政府をキエフに誕生させるのを欧米が助けるという展開を前にすれば、いかなるロシアの指導者もそれを傍観することはなかっただろう。・・・
⇒このくだりは、2で紹介した記事に登場した、駐露米武官の見解とほぼ同じであり、その見解に対する私の批判やコメントがそのままあてはまります。(太田)
大国は自国の近隣地域における潜在的な脅威には常に神経質になるものだ。アメリカにしても遠くの大国が、アメリカとの国境線沿いはもちろん、西半球地域に軍事力を配備するのを許容するはずはない。仮に中国が見事な軍事同盟を組織し、これにカナダとメキシコを加盟させようとすれば、ワシントンはどう反応するだろうか。怒り狂うのは目に見えている。」(11、12頁)
⇒19世紀末にフィリピンを領有し、フィリピン諸島に軍事力を配備した当時の米国が、東アジア地域の「大国」日本を怒り狂わせた、などとは夢にも考えていないからこそ、筆者は、こういった言説を吐けるのでしょうね。
こういう問題提起をすれば、筆者は、当時、米国は日本を大国だとは見ていなかった、と反論しそうですが、それならそれで、今度は、現在のロシアのどこが大国なのだ、と問い返すことになります。
人口や経済力は言うに及ばず、軍事力でさえ、ロシアは決して大国とは言えないからです。
(現在、軍事超大国は米国で、軍事大国は中共だけでしょう。)
もとより、ロシアは核保有国ではあるけれど、そんなことを言ったら、北朝鮮だってパキスタンだって、そしてもちろんイスラエルだって核保有国です。(太田)
「「プーチンは合理的思考を理解していない」と語ったドイツのメルケル首相は、オバマに対して、「プーチンはわれわれとは別の世界にいる」とさえ述べた<とされ>・・・ている。もちろん、プーチンは独裁的な行動をとりがちな指導者だが、精神のバランスがとれていないとみなす証拠はどこにもない。それどころか、彼は一線級の戦略家であり、外交領域で彼の立場に異を唱える者たちでさえ、プーチンには一定の畏怖と尊敬の念をもっている。」(13、14頁)
⇒仮にメルケルが本当にそう言ったとすれば、それは彼女の本心ではなく、諜報問題で微妙な関係にある米国に、リップサービスをしただけのことでしょう。
とにかく、プーチンについては、マクフォールは非合理的であると評し、ミアシャイマーは合理的であると評しているわけであり、一見、米国の知識人の間に様々なプーチン評価があるように見えるけれど、どちらも、ロシアという、アングロサクソン、欧州、米国のいずれの文明(米国の場合は「文明」)とも異質な、その亜文明の内在的論理に照らして、その評価を下していない、という点では同じです。
結局、二人とも、ロシアのことが、てんで分かっちゃいない、というところでしょうね。(太田)
「仮にアメリカが厳格な<経済>制裁の発動をめぐって同盟諸国を説得できても、プーチンが彼の意思決定を見直すことはない。戦略利益を守るためなら、国家が懲罰策による膨大なダメージに耐えることは歴史が示す通りだ。ロシアがこうした歴史的ルールから外れた行動をとると考える理由はない。」(15頁)
⇒「戦略利益を守るため」にこそ「懲罰策による膨大なダメージに耐え」られずに対米開戦に踏み切った、日本という重大かつ深刻な事例がある以上、そんな「歴史的ルール」など存在しないにもかかわらず、筆者はこんなことを言い切ってしまっています。
米国の政治学者の上澄みらしい、マクフォールやミアシャイマーがこんな体たらくでは、元々低かった米国の政治学の質が一層低下している、という感を深くします。
いや、そもそも、政治学の修士号を持っている私が言っては舌を噛んでしまうのですが、政治学なるものは、経済学が学問の名に値しない、その数等倍も学問の名に値しない、と言うべきなのではないのでしょうか。
私は、社会学と歴史学があれば十分だと思うのです。
少なくとも、英語圏は、政治学をpolitical 'science'(政治「科学」)と呼ぶことだけは止め、politicsと呼んで欲しいものです。(太田)
「キューバにはソビエトとの軍事同盟を形成する権利があるとアメリカが冷戦期に考えただろうか。むろん、そうは考えなかったし、現在のロシアも、ウクライナが欧米との同盟関係に参加する権利があるとは考えていない。こうした現実を理解し、パワフルな近隣国との関係を慎重に見極めることがウクライナの利益になる。」(16頁)
⇒前述した理由から、そんな政策は、ウクライナの利益になりませんし、それ以上にロシアの利益にもなりません。もちろん、世界全体の見地からも利益にならない、私はと思っています。(太田)
「「NATOがこれまでうまくウクライナとの関係を管理してこなかったことを認めつつも、ロシアがますます強硬路線をとりつつある以上、欧米は現在の政策を続けるしかない」と考える専門家もいるだろう。しかし、この見方は酷く間違っている。ロシアは衰退途上の国家であり、今後時間が経過するにつれてますます衰退していく。」(17頁)
⇒このくだりの筆者の論理は無茶苦茶です。(太田)
4 終わりに
ロシアは、タタールの軛のトラウマを引きずったまま、プロト欧州文明回帰を目指すのか、私の慫慂しているところの、そのユーラシア性の再定義を通じて、(中共の顰に倣って)人間主義化を目指すのか、の岐路に直面しています。
NATOとEUの東漸は、欧州における緩衝地帯の消滅をもたらし、ロシアに、戦略の抜本的見直しを強い、その結果、私の希望的観測かもしれませんが、ロシアが後者を目指すという戦略の転換を行い易くする、と考えています。
私が心配しているのは、英国がEUを脱退して、EUのプロト欧州文明回帰が促進され、かかるロシアの戦略の転換にブレーキがかかることです。
つまり、ロシアがEU加盟を目指し、EU側がこれを受け入れれば、ロシアにとって、ロシア外の欧州全体が緩衝地帯になり、NATOが事実上、(ロシアを含む)欧州と米英加の二つに分裂してしまう恐れがあるのです。
そうならないことを、私は祈っています。
(完)
太田述正ブログは移転しました 。
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