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太田述正コラム#7135(2014.8.23)
<皆さんとディスカッション(続x2363)>

<太田>(ツイッターより)

 「今年8月22日は小平氏の生誕110周年にあたる。小平氏は1978年10月22日から29日まで日本に対する公式友好訪問を行い、日本を訪れた中国初の国家指導者となった。 小平氏は…日本の新日鉄や松下、日産自動車などの企業を見学し、日本で自ら「近代化」を体験し<た。>」
この記事の下を見れば分かるが、記念記事は今月8日から始まったが、記念日当日にこの記事「だけ」を掲載した意味を考えて欲しい。
http://j.people.com.cn/n/2014/0822/c94474-8773154.html
 にとって、そして中共にとって、この訪日が、いかに(私の言ってきた意味で)画期的なことであったかが分かるだろ、諸君。

 露の(恐らくは軍需品満載の)「人道支援」車列が、勝手かつ一斉に、ウクライナ領内へ。また、露側からウ領内へ激しく砲撃。
http://www.foreignpolicy.com/articles/2014/08/22/a_white_shining_lie_putin_convoy_humanitarian_aid_ukraine_russia
 プーチンによるサラミ戦術的ウ侵攻作戦は、いよいよ総仕上げの秋を迎えた。
 NATOはその鼎の軽重を問われている。

<太田>

 記事の該当部分だ。

 ・・・more than 200 white-painted Russian Kamaz "aid" trucks entered Ukrainian territory without the permission of Kiev. ・・・
 ・・・only 34 trucks have been inspected by Ukrainian customs, and all were found to be much lighter in load than they needed to be. ・・・The total weight [of the 34 inspected trucks] was 268,020 kg. Vehicles were loaded to two-thirds of their capacity.・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2014/08/22/a_white_shining_lie_putin_convoy_humanitarian_aid_ukraine_russia 上掲

 訂正:「露側からウ領内へ激しく砲撃。」→「露側がウ領内に侵入して激しく砲撃。」

 Artillery units being operated by Russian soldiers have crossed into Ukraine and are firing on Ukrainian forces・・・
http://time.com/3160900/nato-russia-artillery-ukraine/

<nH3h8/6>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

 <HEKK3QTIクン(コラム#7131)、>壁を作って兵糧攻めにして平和なんてアルカイダ。
 占領して人道的に扱えば平和になるかもね。
 でもイスラエルは貧富と教育の格差も大きいので、ガザに税金を投下し続ける事に国民は耐えられるかな?
 大イスラエル主義にも言えるけど、統治を途中で諦める位ならやらない方が良いよ

<CHOijt4M>(同上)

 ハマスちゃんとその一党を逃して平和なんてアルカイダ。

<ZOGNiHec>(同上)

>でもイスラエルは貧富と教育の格差も大きいので、ガザに税金を投下し続ける事に国民は耐えられるかな?<(nH3h8/6)

 軍事費 支出額・GDP比 国別ランキング(2011年)【ストックホルム国際平和研究所】
 イスラエル 15,209,000,000ドル 1兆2167億円 6.5%
http://10rank.blog.fc2.com/blog-entry-95.html

 イスラエルのHaaretz紙によりますと、イスラエル政府は過去8年間のインテリジェンス予算を公開したようです。予算は対外情報機関であるモサドと国内保安機関シャバクの合算額ですが、最新の2012年度の予算は約1600億円。
 ただし最大規模を誇る、軍情報機関、アマンの数字はない。アマンの人員は8000人程度と人数の比率で言えばモサド+アマンの約1.5倍になりますが、アマンは金のかかる衛星や通信傍受施設を持っていますので、恐らく予算は1.5倍を超えるかと推察します。仮に1.5倍としても、モサド+シャバク+アマンで4000億円規模となります。欧米各国のインテリジェンス予算は、国防費の大よそ5-10%の範囲だと言われています。(「ミリバラ」での国防費2012年の額は約1.6兆円)低めに見積もった4000億円という数字を使うと、イスラエルのインテリジェンス予算はなんと国防費のおよそ25%にも達していることになる。
http://mblog.excite.co.jp/user/downing13/entry/detail/?id=20640967

 ハマス対策(武器、諜報)にいくら使ってるかは不明だが駆逐占領すれば格差対策に金を回せるし、ハマス支援のイランにも牽制することができんじゃない。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/matome/20140821/412037/?mlb

<太田>

 関連記事だ。
 イスラエルへの情報提供容疑者21人(含む女性2人)をハマスが処刑。
 4歳のイスラエル人がガザからの迫撃砲で死亡。(一般住民としては4人目、子供としては初めての死者。)
 (ますます、イスラエル国民の戦争継続意欲が掻き立てられたことだろうな。(太田))↓

 Hamas kills 21 suspected informers・・・ including two women・・・
 The suspects were believed to have been arrested before the assassination early on Thursday of three top Hamas military leaders in Rafah and the possible death of military chief Mohammed Deif in an air strike in Gaza City on Tuesday, which killed his wife and two children.・・・
 ・・・a four-year-old Israeli child was killed when a mortar hit a car close to the Gaza border. It was the first civilian death in Israel since fighting resumed after the collapse of the latest temporary ceasefire earlier this week, and was expected to trigger a strong response from the Israeli military.・・・
 The boy is the fourth civilian and the first child to be killed in Israel since the war began.・・・
http://www.theguardian.com/world/2014/aug/22/hamas-executes-suspected-infomers-gaza


 それでは、その他の記事の紹介です。

 デーブ・スペクターが30年にわたってガイジンタレントとして活躍してきたこを報じる記事だ。
 (吉田ドクトリン墨守のデーブの追放は、日本「独立」の前提だな。(太田))↓

 ・・・David Spector・・・said he・・・avoids being confrontational, both on air and off, though at times he does feel compelled to offer an American viewpoint.・・・
http://www.nytimes.com/2014/08/23/world/asia/unknown-in-america-david-spector-carves-out-niche-in-japan.html?ref=world

 村上春樹の新著英訳への書評。(無料版だと最初の部分しか読めないが絶賛しとるね。(太田))↓
http://online.wsj.com/articles/book-review-colorless-tsukuru-tazaki-and-his-years-of-pilgrimage-by-haruki-murakami-1408639147

 やってくれたぜ。やっぱし、習ちゃんは、まだやる気を失っていなかったー!↓

 「・・・中国・海南島の東方約215キロ・メートルの南シナ海上空で今月19日、中国軍のJ(殲)11戦闘機が米軍のP8哨戒機に約6メートルの距離まで異常接近した・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/world/20140823-OYT1T50004.html?from=ytop_main2

 中共では、ネット上の、政府にとって痛い発言よりも、(たとえ痛くない内容であっても、)集団行動を促す発言の方が削除される可能性が高いんだとさ。↓

 ・・・Over half of the posts about collective action, no matter if they were criticising or supporting the authorities, were deleted. But only around 24 per cent of the posts on what the researchers classified as sensitive topics, including criticism of state leaders, got deleted.・・・
http://www.scmp.com/news/china/article/1579606/chinese-internet-censors-target-collective-activities-more-sensitive

 米国政府は、シリア内でもIsis攻撃を検討中。
 (米国人を公開処刑すりゃ、そうなるわな。(太田))↓

 The United States is open to the possibility of military action against Islamist militants in Syria, a top Obama Administration official said Friday, warning that the U.S. will “do what is necessary to protect Americans.”・・・
http://time.com/3162290/isis-iraq-syria-barack-obama/

 例の黒人青年射殺事件で、その警官への義援金の方が青年の家族への義援金よりもはるかに多いとさ。
 (私も警官の側に軍配を上げるが、長年の奴隷制/黒人差別が真の原因であることは言を俟たない。(太田))↓

 ・・・ just 9 percent of Americans believe the actions of Wilson were justified, while 25 percent say they were unjustified. The vast majority – 64 percent – say they don’t have enough information to decide.
 Some of those 9 percent, however, had donated more than $225,000 to the policeman and his family on the crowd-funding website GoFundMe.com as of midday Friday. The fund, which opened Monday, has attracted more than 5,600 donors, the majority giving between $10 and $20.・・・
 ・・・the parallel GoFundMe.com page to support Mr. Brown’s family has raised only $158,000.・・・
 <この青年がこの警官の拳銃を奪おうと手を伸ばしたので射殺された、ということのようだね。↓>
 While witnesses of the Aug. 9 altercation say Wilson shot Brown while the suspect had his hands up in surrender, Ferguson police and friends of Wilson say Brown attempted to take the officer’s gun before charging the policeman.・・・
http://www.csmonitor.com/USA/USA-Update/2014/0822/Ferguson-Supporters-of-officer-Darren-Wilson-make-voices-heard-video

 ファリード・ザカリアの剽窃話に前に(コラム#7069で)言及したが、新たに、また、やらかし、今度はまぎれもなくコピペの証拠が提示された。
 彼なんかも、逆差別の結果、現在の「地位」を得たんだろうね。米国の有色人種差別の闇はどこまでも深いのだ。↓

 Fareed Zakaria Appears to Have Plagiarized Entire Paragraphs in One of His Books・・・
http://www.slate.com/blogs/the_slatest/2014/08/22/fareed_zakaria_plagiarism_copying_and_pasting_in_the_post_american_world.html
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 一人題名のない音楽会です。

 スコットランドのエディンバラ国際祭典(the Edinburgh international festival)で演奏されるクラシック曲から3曲がガーディアンで紹介されていたのでご披露しておきます。

その1:
http://www.theguardian.com/music/video/2014/aug/20/michael-houstoun-ravel-guardian-classical-edinburgh-festival-video

(注)「ニュージーランドのピアニストのマイケル・ヒューストン(Michael Houstoun)がラヴェル(Ravel<。1875〜1937年>)の『クープランの墓(Le tombeau de Couperin)』・・第一次世界大戦で戦死した友人達に献呈されたピアノ組曲・・を紹介する。ヒューストンは、この組曲の第5楽章であるメヌエット・・ジャン・ドレフュス(Jean Dreyfus)に献呈された・・を演奏する。」(上掲)
 「1914年から1917年にかけて作曲・・・<バスク系だったが、>ラヴェルは非常にフランスへの愛国心が強かった。また、クラヴサン音楽の大家フランソワ・クープランを尊敬していた。そこで、フランソワ・クープランのみならず、18世紀の音楽全般に対する音楽としての捧げ物、いわゆるオマージュを書こうと思い立ち、1914年にこの曲の構想を練り始めたのである。・・・ちなみに、「クープランの墓」という訳題は、・・・誤訳で、ラヴェルは18世紀フランス音楽の伝統にさかのぼって、トンボー(Tombeau)というジャンルを復興させたのである。つまり「Tombeau de ... 」というのは、「故人を偲んで」「故人を称えて」という意味である。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%A2%93
 なお、ジャン・ドレフュスは、ラヴェルにとって第二の母とも言うべき人物の連れ子で、1916年から17年に戦死している。
http://www.maurice-ravel.net/dreyfus.htm

その2:
http://www.theguardian.com/music/video/2014/aug/08/hebrides-ensemble-soldiers-tale-guardian-classical-edinburgh-festival-video

(注)「ヘブリデス合奏団(the Hebrides Ensemble)がストラヴィンスキー(Stravinsky<。1882〜1971年>)の1918年の譬え話である『兵士の物語(The Soldier's Tale)』からの抜粋を演奏する。この合奏団の芸術監督のウィリアム・コンウェイ(William Conway)が7つの諸楽器のために譜面化された作品を紹介し、グラハム・F・ヴァレンタイン(Graham F Valentine)がナレーター役を務める。」(上掲)
 「1918年に発表された、朗読と演劇、バレエを総合した舞台作品。ロシアの民話をもとにシャルル・フェルディナン・ラミューズ(Charles-Ferdinand Ramuz)が台本を制作し、イーゴリ・ストラヴィンスキーが作曲した。・・・
 原作はフランス語。ロシアの民話(とくにニコライ1世下の残酷な徴兵制度)を下敷きにした物語。英語版とドイツ語版も出版されている。日本語版も存在・・・
 ストラヴィンスキーは1917年のロシア革命の影響でロシア国内に所有していた資産を没収される憂き目に遭い、なおかつ彼の作品を一手に担っていた出版社がベルリンにあるという状況から、作品の印税や演奏による収入を得る術が無くなってしまった。すなわち、ストラヴィンスキーは自身の経済的困難を打破するために、新たな仕事をする必要に迫られていたのである。しかし、戦争直後の疲弊した状況下では大規模な作品の上演は到底望めないことであった。これを受けて少人数の巡業劇団クラスで上演できるような作品を考えたことにこの曲は端を発する。原作を民俗学者・アレクサンドル・アファナーシェフの編纂によるロシア民話集に求め、以前から親交のあったスイスの小説家・ラミューズに脚本の執筆を依頼したのだが、ラミューズはロシア語が全くわからないことから、ストラヴィンスキーが民話の内容をフランス語で口述し、それをもとにラミューズが脚本化するというプロセスを経た。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B5%E5%A3%AB%E3%81%AE%E7%89%A9%E8%AA%9E

その3:
http://www.theguardian.com/music/video/2014/aug/19/collegium-vocale-gent-bach-mass-b-minor-guardian-classical-edinburgh-festival-video

(注)「コレギウム・ヴォカレ・ヘント(Collegium Vocale Gent)が、J・S・バッハ(J. S. Bach<。1685〜1750年>)の『ミサ曲ロ短調(Mass in B Minor)』の練習をしている。彼の死のわずか1年前の1749年に完成したこの作品は、バッハの業績の頂点と多くの人々からみなされている。ここでは、コレギウム・ヴォカレ・ヘントの監督にして創立者たるフィリッペ・ヘレヴェゲ(Philippe Herreweghe)がこの作品を紹介し、聖歌隊と管弦楽団が『昇天』中の『讃嘆』(Osanna in Excelsis)』を見守る。」(上掲)
 「早くは1724年に書かれたものを部分的に含むが、最終的に完成したのは、J.S.バッハ・・・の死の前年の1749年である。現代では、マタイ受難曲、ヨハネ受難曲と並び、バッハの作品の中でも最高峰に位置するとされている。・・・
 バッハは熱心なルター派信者であったが、その彼がカトリック教会の典礼であるラテン語ミサをこれほどの規模で作曲したことを奇異とするのは必ずしもあたらない。当時のルター派の教会では、頻繁にラテン語のミサを行って<いたからだ。>」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%82%B5%E6%9B%B2_%E3%83%AD%E7%9F%AD%E8%AA%BF
 なお、『讃嘆』は、この曲の第IV部(『昇天』?)中の2曲中のどちらかなのだろうが、特定できなかった。
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太田述正コラム#7136(2014.8.23)
<フィリップ2世の帝国(その3)>

→非公開

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