太田述正ブログは移転しました 。
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太田述正コラム#6496(2013.10.7)
<皆さんとディスカッション(続x2044)>
本日は記事の紹介だけです。
投稿は皆無、ネット上でも太田コラムを取り上げたものこそあってもまともなコメントを付したものが見当たらなかったし、ツイッターにふさわしい記事もなかったのでつぶやいてもいないってんで・・。
映画「風立ちぬ」の映画評がまた出てた。↓
「・・・この作品は二つの要素から成り立っている。
ひとつは、飛行機に対する憧れを抱いたひとりの少年が、大学の航空学科へ進み、飛行機を製作している会社に入り、工夫を重ね、「零戦」という名戦闘機を生み出す、という要素。
もうひとつは、その主人公の二郎が、関東大震災のときに深窓の令嬢・菜穂子と遭遇し、やがて夏の軽井沢で再会すると恋に落ちる。菜穂子は肺病におかされているが、恋を貫き通し、二郎との短い新婚生活を送ろうとする、という要素。
だが、この二つの要素は、映画の中で、有機的な融合がされていない。問題は、主人公が昇るべき「物語の階段」が存在していないというところにあったと思われる。・・・
二郎は、憧れの飛行機に関しては、ほぼ自分の望みどおりに生き、ほぼ望みどおりの仕事をする。菜穂子との恋も、最初に過去を思い出すのは菜穂子の方であり、恋を成就させようと決断するのも菜穂子である。「物語の階段」を持たない二郎は、外貌が変化するだけで本質的な「成長」を遂げることがない。・・・」
http://www.asahi.com/and_M/interest/theater/TKY201310010179.html?ref=comtop_list
⇒私はまだ鑑賞してないんだけど、これまでのこの映画の概要の紹介や映画評を読んだ限りじゃ、日本人が戦前戦後を通じて変わっていないことを指摘するのが、宮崎監督の潜在意識下にあるこの映画のテーマであり、そうである以上、「物語の階段」がないのは当然だよ。
また、「第一の要素」は日本人の人間主義が日常の私的生活の中で貫徹していることを示そうとしており、「第二の要素」は、かかる人間主義が日本人の公的生活の中で発露されているからこそ日本の経済・社会が高度かつ魅力あるものとなっていることを示そうとしている、と解することができるのであって、そうだとすれば、「この二つの要素は・・・有機的な融合がなされてい」る、と言っていいんじゃないか。
鑑賞していないのに断定するのは早計かもしれないが、以上を踏まえれば、この映画は、その世界に与えるメッセージ性は強烈であり、(これまで、一貫して執拗に日本人/日本社会の人間主義性を描き続けてきた)宮崎監督がそのキャリアを終えるにふさわしい作品なんだな。
共和党の叛乱が続いたならば、という想定の下、2084年の米国の首都がいかに荒廃してしまっているかをSF的かつ詩的に表現したコラムだ。↓
http://www.nytimes.com/2013/10/06/opinion/sunday/dowd-welcome-to-ted-cruzs-thunderdome.html?ref=opinion&_r=0&pagewanted=print
どうして、米国が事実上、リビア政府への事前通報なしで、テロリスト容疑者を同国から拉致したか、が説明されている。↓
<リビア政府は、事前通報を受けていなかったと言明。(そう言うしかあんめいよ。(太田))↓>
・・・The government denied any knowledge of what it called the “kidnapping of a Libyan citizen,” contradicting statements by American officials the previous day.
“As soon as it heard the reports, the Libyan government contacted the United States authorities to demand an explanation” for “the kidnapping of a Libyan citizen,” the government said in a statement.・・・
<同政府は、憲法制定議会選挙を実施できず、石油の流通も確保できず、政府の官署を武装民兵が頻繁に攻撃するのを防止することすらできていない。↓>
・・・the interim government was already losing control over the country. It has been unable to finalize a system to elect a constitutional assembly, to ensure the flow of oil that is the lifeblood of the Libyan economy, and even to protect its own government buildings from periodic siege by armed militias.・・・
<石油生産は、かつては一日130万バレルだったけれど、現在は20万バレルでしかない。首都ですら停電は慢性的。外貨準備を取り崩して政府はやりくりしている。↓>
By July, production had fallen to about 200,000 barrels a day from a norm of about 1.3 million, costing the government $5 billion, according to Geoff D. Porter, an analyst who tracks the Libyan oil sector. Normally a major energy exporter, Libya could no longer keep the lights on in the capital and blackouts grew common. The government began using its long-term currency reserves to meet regular payrolls.・・・
<こんな中でテロリスト容疑者拉致をすれば、同政府が更に苦境に陥ることは百も承知で、腹を括って、米国は拉致を敢行した。↓>
Analysts in Washington said the willingness of the United States to risk adding new strain to Libya’s precarious interim government suggested a tacit acknowledgment of its diminished prospects.・・・
http://www.nytimes.com/2013/10/07/world/africa/american-raids-in-africa.html?ref=world&pagewanted=print
白人、黒人を問わず、目撃しているところの、苦痛を与えられている人が黒人であれば、それが白人である場合に比して、可哀想に思う度合いが少ない。↓
・・・when viewers saw white people receiving a painful stimulus, they responded more dramatically than they did for black people.・・・
<それどころか、白人、黒人を問わず、白人に比べて黒人は、苦痛により耐えられると思い込んでいる。↓>
・・・white participants, black participants, and nurses and nursing students assumed that blacks felt less pain than whites.・・・
<日常的に虐げられている集団に属する人は、苦痛に慣れている、と彼らが思い込んでいるからだ。↓>
The more privilege assumed of the target, the more pain the participants perceived. Conversely, the more hardship assumed, the less pain perceived.・・・
http://www.slate.com/articles/health_and_science/science/2013/06/racial_empathy_gap_people_don_t_perceive_pain_in_other_races.single.html
創造性を確保するためには、散歩、コーヒー、定型的な毎日、等々・・だってさ。
多くはボクもやってるが・・。↓
http://www.theguardian.com/science/2013/oct/05/daily-rituals-creative-minds-mason-currey
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太田述正コラム#6497(2013.10.7)
<日本の「宗教」(その2)>
→非公開
<皆さんとディスカッション(続x2044)>
本日は記事の紹介だけです。
投稿は皆無、ネット上でも太田コラムを取り上げたものこそあってもまともなコメントを付したものが見当たらなかったし、ツイッターにふさわしい記事もなかったのでつぶやいてもいないってんで・・。
映画「風立ちぬ」の映画評がまた出てた。↓
「・・・この作品は二つの要素から成り立っている。
ひとつは、飛行機に対する憧れを抱いたひとりの少年が、大学の航空学科へ進み、飛行機を製作している会社に入り、工夫を重ね、「零戦」という名戦闘機を生み出す、という要素。
もうひとつは、その主人公の二郎が、関東大震災のときに深窓の令嬢・菜穂子と遭遇し、やがて夏の軽井沢で再会すると恋に落ちる。菜穂子は肺病におかされているが、恋を貫き通し、二郎との短い新婚生活を送ろうとする、という要素。
だが、この二つの要素は、映画の中で、有機的な融合がされていない。問題は、主人公が昇るべき「物語の階段」が存在していないというところにあったと思われる。・・・
二郎は、憧れの飛行機に関しては、ほぼ自分の望みどおりに生き、ほぼ望みどおりの仕事をする。菜穂子との恋も、最初に過去を思い出すのは菜穂子の方であり、恋を成就させようと決断するのも菜穂子である。「物語の階段」を持たない二郎は、外貌が変化するだけで本質的な「成長」を遂げることがない。・・・」
http://www.asahi.com/and_M/interest/theater/TKY201310010179.html?ref=comtop_list
⇒私はまだ鑑賞してないんだけど、これまでのこの映画の概要の紹介や映画評を読んだ限りじゃ、日本人が戦前戦後を通じて変わっていないことを指摘するのが、宮崎監督の潜在意識下にあるこの映画のテーマであり、そうである以上、「物語の階段」がないのは当然だよ。
また、「第一の要素」は日本人の人間主義が日常の私的生活の中で貫徹していることを示そうとしており、「第二の要素」は、かかる人間主義が日本人の公的生活の中で発露されているからこそ日本の経済・社会が高度かつ魅力あるものとなっていることを示そうとしている、と解することができるのであって、そうだとすれば、「この二つの要素は・・・有機的な融合がなされてい」る、と言っていいんじゃないか。
鑑賞していないのに断定するのは早計かもしれないが、以上を踏まえれば、この映画は、その世界に与えるメッセージ性は強烈であり、(これまで、一貫して執拗に日本人/日本社会の人間主義性を描き続けてきた)宮崎監督がそのキャリアを終えるにふさわしい作品なんだな。
共和党の叛乱が続いたならば、という想定の下、2084年の米国の首都がいかに荒廃してしまっているかをSF的かつ詩的に表現したコラムだ。↓
http://www.nytimes.com/2013/10/06/opinion/sunday/dowd-welcome-to-ted-cruzs-thunderdome.html?ref=opinion&_r=0&pagewanted=print
どうして、米国が事実上、リビア政府への事前通報なしで、テロリスト容疑者を同国から拉致したか、が説明されている。↓
<リビア政府は、事前通報を受けていなかったと言明。(そう言うしかあんめいよ。(太田))↓>
・・・The government denied any knowledge of what it called the “kidnapping of a Libyan citizen,” contradicting statements by American officials the previous day.
“As soon as it heard the reports, the Libyan government contacted the United States authorities to demand an explanation” for “the kidnapping of a Libyan citizen,” the government said in a statement.・・・
<同政府は、憲法制定議会選挙を実施できず、石油の流通も確保できず、政府の官署を武装民兵が頻繁に攻撃するのを防止することすらできていない。↓>
・・・the interim government was already losing control over the country. It has been unable to finalize a system to elect a constitutional assembly, to ensure the flow of oil that is the lifeblood of the Libyan economy, and even to protect its own government buildings from periodic siege by armed militias.・・・
<石油生産は、かつては一日130万バレルだったけれど、現在は20万バレルでしかない。首都ですら停電は慢性的。外貨準備を取り崩して政府はやりくりしている。↓>
By July, production had fallen to about 200,000 barrels a day from a norm of about 1.3 million, costing the government $5 billion, according to Geoff D. Porter, an analyst who tracks the Libyan oil sector. Normally a major energy exporter, Libya could no longer keep the lights on in the capital and blackouts grew common. The government began using its long-term currency reserves to meet regular payrolls.・・・
<こんな中でテロリスト容疑者拉致をすれば、同政府が更に苦境に陥ることは百も承知で、腹を括って、米国は拉致を敢行した。↓>
Analysts in Washington said the willingness of the United States to risk adding new strain to Libya’s precarious interim government suggested a tacit acknowledgment of its diminished prospects.・・・
http://www.nytimes.com/2013/10/07/world/africa/american-raids-in-africa.html?ref=world&pagewanted=print
白人、黒人を問わず、目撃しているところの、苦痛を与えられている人が黒人であれば、それが白人である場合に比して、可哀想に思う度合いが少ない。↓
・・・when viewers saw white people receiving a painful stimulus, they responded more dramatically than they did for black people.・・・
<それどころか、白人、黒人を問わず、白人に比べて黒人は、苦痛により耐えられると思い込んでいる。↓>
・・・white participants, black participants, and nurses and nursing students assumed that blacks felt less pain than whites.・・・
<日常的に虐げられている集団に属する人は、苦痛に慣れている、と彼らが思い込んでいるからだ。↓>
The more privilege assumed of the target, the more pain the participants perceived. Conversely, the more hardship assumed, the less pain perceived.・・・
http://www.slate.com/articles/health_and_science/science/2013/06/racial_empathy_gap_people_don_t_perceive_pain_in_other_races.single.html
創造性を確保するためには、散歩、コーヒー、定型的な毎日、等々・・だってさ。
多くはボクもやってるが・・。↓
http://www.theguardian.com/science/2013/oct/05/daily-rituals-creative-minds-mason-currey
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太田述正コラム#6497(2013.10.7)
<日本の「宗教」(その2)>
→非公開
太田述正ブログは移転しました 。
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