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太田述正コラム#6466(2013.9.22)
<皆さんとディスカッション(続x2029)>

<太田>(ツイッターより)

 「…韓国の学校教育では他人に対する思いやりや我慢する心、感情をコントロールする方法などを「理論」でしか教えない…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/09/21/2013092100020.html
 文明(人間主義)の壁にぶちあたっている韓国。
 プライドを堪え、日本の初等中等教育を改めて学び、再導入するしかないよ。

<神聖キュウシュタニア帝國皇帝>(同上)

 ウィキペディアの人間宣言の項目に、進化論を熱心に教えていたとありますが、アメリカは世俗化していないのですよね?
 進化論を教える事に対する嫌悪感というものは無かったのでしょうか?
 進化論に対する嫌悪感は、人種主義によって克服したという事なのでしょうか?

<太田>

 米国特有のリベラル・キリスト教徒・・全く世俗化していない!・・の恐ろしさがそこにあるんですよ。
 彼らは、聖書の文言・・例えば創造説・・は無視する一方で、聖書/キリスト教の論理・・区別/差別/的味方峻別の論理、終末論、殉教思想、選民思想・・に(無意識的に)徹底的に羈束されているため、人種主義的になり、暴力志向傾向が強まり、双極性障害的となることから自己肥大/陰謀論/被害妄想にとらわれ、極端から極端へとぶれがちなのです。
 リベラル・キリスト教徒には、神の存在を信じている者だけじゃなく、神を信じていない者もいますが、押しなべてキリスト教的な神以外の神概念を認めず、日本の「カミ」について、前者はエホバ以外が神を僭称するとはけしからんと怒り、後者は日本人は未開の民であると憐憫の念を抱き、だからこそ、天皇に「人間宣言」を行わせようとしたのです。

<TzxNwNAc>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

 「風水を利用して日本を制圧せよ・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/09/21/2013092100046.html

 アメリカより特亜、なかんずく韓国にネットの視線が集中する理由のひとつは、こういう記事に原因があると思う。
 朝鮮日報がこんな記事を出してきたことに軽い眩暈がする。中国はともかくとして日本は風水による杭打ちはしてないやろ。
 測量はしただろうけど。

<yGTmTkbM>(同上)

 なんか韓国人の悲鳴って気もせんでは無いけど考えすぎかね?

<3Tz3ArqY>

 強すぎるいじめっ子に対してやり返せない被害者が手近な弱い対象に復讐心をスライドさせて自分がやられた事と同じイジメを弱者にやり返すことで自尊心の補償を図る心理と、日本人が本当に恨んでいるはずのアメリカではなく自分より劣っていて攻撃しやすい韓国などに表向きの敵意を向けて攻撃しまくる心理は同じようなものだ、という説明をしていた心理学者はいた。

<mtwa1TxQ>(同上)

 逆でしょう。日本がいくら気を使っても、理不尽な要求や反日を止めない韓国にうんざりしてるのが、現状。
 日本は、抑制した態度をとっていると思うがね。相手が原理主義者だからどうしようもない。
 日本人が本当にアメリカを恨んでいるのなら、太田コラムの読者も増えているはず。
 昔は、経済力でリベンジという感情はあったが、ある程度、その目的も達成されたので、そんな感情もないのが現状。

<3Tz3ArqY>(同上)

 なるほど。
 まあたしかにここ10〜15年くらいのネトウヨを中心にした嫌韓の流れに焦点を当てて考えると何か違うかもね。
 上記の心理学者の主張はまだアメリカの文化が若者を中心として皆んなのあこがれであり、日本発の物はほぼ無条件にダサくて遅れてるっていう風潮だった30年以上前に書かれたもので、日本人による近隣アジア人への蔑視はアメリカへの劣等感が原動力ではなかろうかって文脈で語られていた話なもので。

<mtwa1TxQ>(同上)

 どのサイトか忘れてしまったのだが、韓国在住の日本人女性が韓国の子育てについて興味深い指摘をしていた。
 その話によると、韓国では、幼少の子供が好き勝手に振る舞い、日本だと躾ける場面でも、放置しておくそうで、その理由は、本人が持つ本来の「気」の勢いが削がれてしまうからなのだとか。
 こんな教育を受けてしまうと、感情の抑制モードは弱くなるよね。

<太田>

 活発な議論は大変結構。(3Tz3ArqYクン、典拠付けてくれな。)
 だけど、ボクの考えについて若干の誤解もあるようなので一言。

 ボクがツイッターで言ったのは、日本のネトウヨは、「特ア」の人々の不幸の根源(元凶)・・具体的には支那の場合は共産化させられたこと、南北朝鮮の場合は日本帝国から切り離されたこと、そして、北が共産化させられて南北が分断されたために南から米国の属国になる以外の選択肢を奪ってしまったこと・・は全て米国にあるってことに対する理解、思いやりがなさ過ぎるってことだよ。
 このツイッターにボクが翌日付け足したコメントは、日本のネトウヨの不幸は、支那人や韓国人の日本に対する「敵意」を生み出した米国という根源(元凶)から目をそむけたまま、この「敵意」に苛立つ、そして、それによって自らを不幸に感じる、その結果支那人や韓国人(や在日朝鮮人)に対して反発するんだ、ってことだっちゅう自己洞察、内省がなさ過ぎるってことさ。
 米国が、直接、ネトウヨを含む日本人の不幸の根源にある、って言ってるわけじゃないんだよ。
 このところ何度も書いてると思うけど、そもそも、日本は先の大戦で必ずしも負けたわけじゃない。
 対ソ/共産主義抑止を米国に全面的に肩代わりさせたし、副次的目的だったところの、アジアどころか世界における欧米植民地の解放すらほぼ成し遂げたし、ブロック経済の打破も対欧米的には成し遂げたんだからね。
 それだけ巨大なことを達成したんだから、日本人が払った200数十万人の犠牲は決してムダじゃあなかった。
 ひどい目だけにあっていまだにその後遺症に苦められ続けているところの、支那や朝鮮半島の人々とは、この点が決定的に違う。
 だから、その限りにおいて、日本人が米国に対して含むところなんてあるはずがないさ。
 にもかかわらず、ボクが、米国を非難し続けているのは、支那人や朝鮮人(や東南アジア人)、そしていまだに誤った先の大戦観を抱き続けている米国人が気の毒だと思う、人間主義的な気持ちからなんだし、当然それは、日本人に対してこんな米国からの「独立」を促すためでもあるんだよ。
 分かりにくい?
 なら、もう一度、ゆっくり読んでごらん。

 なお、支那人、韓国人(朝鮮人)の日本への敵意、そして日本のネトウヨの「特ア」への反発のうち、(広義のPTSDに起因するところの(?))被害妄想
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A2%AB%E5%AE%B3%E5%A6%84%E6%83%B3
の域に達しているのは、韓国人の日本への敵意だけであり、最近におけるその端的な表れが、TzxNwNAcクンが紹介した記事だ。
 (ボクも当然この記事を読んでたけど、余りにも痛ましいもんだから、あえて紹介しなかったんだよ。)

<きよきよ>

 ・・・<昨>日の<ディスカッション>を拝読させていただきました。
 寄付等について改めてご説明いただいた内容を見ますと、「寄付」「カンパ」の使途の違い、カンパは振込口座が限定されていないこと、恥ずかしながら私は両方とも勘違いしておりました。
 申し訳ありません、次回から気をつけます。
 ただし、ホーメページの「メールマガジン」「寄付のお願い」を開きますと、「ひとくち5千円です」と記載がございますので、この記載は削除された方がよろしいかもしれません。

<太田>

 確かに、下掲中の寄付に関わる記述、全て改訂が必要ですね。
http://www.ohtan.net/donation/ (「メールマガジン」からリンクされているもの)
http://www.ohtan.net/meeting/
http://www.ohtan.net/donation/ (「講演・オフ会」からリンクされているもの)
 IT支援グループに改訂をお願いしておきました。
 注意喚起、ありがとうございました。


 それでは、その他の記事の紹介です。

 映画『風立ちぬ』の映画評2本だ。
 どっちも無料読者なんで途中までしか読めないが、どっちもピンボケ評だなあ。↓
http://astand.asahi.com/magazine/wrculture/2013072600006.html?iref=webronza
http://astand.asahi.com/magazine/wrculture/special/2013092000010.html?iref=webronza

 米国に関してだけ、米国の要請があった場合に限り、しかも、「(米国を含む?)他国の領域外であれば」集団的自衛権の行使が可能となるってワケ?
 も、気ー狂ってるとしか形容のしようがないね。↓

 「・・・政府関係者は「他国の領域に入って戦争はしないが、公海は別だ」と語り、各国の主権が及ばない公海なら集団的自衛権の適用範囲に含まれるとの見方を示した。」
http://mainichi.jp/select/news/20130921k0000m010107000c.html

 福音主義キリスト教会が米国における、海外養子ブームを引き起こしたんだって。
 (米国の原理主義的キリスト教も依然、世界の憎まれ者であり続けている。)↓

 ・・・Evangelical adoptions picked up in earnest in the middle of the last decade, when a wave of prominent Christians, including the megachurch pastor Rick Warren and leaders of the Southern Baptist Convention, began to promote adoption as a special imperative for believers. ・・・
 <海外において、詐欺・強奪めいた不祥事が頻発したことから、最近では少し低調になっている、と。↓>
 After some high-profile adoption horror stories, the number of transnational adoptions to the United States fell to fewer than 9,000 last year, from a high of nearly 23,000 in 2004. Last year, only China and Ethiopia sent more than 1,000 adoptees to America, and only South Korea and Russia topped 500. (Russia this year banned adoptions by American parents.) ・・・
http://www.nytimes.com/2013/09/22/opinion/sunday/the-evangelical-orphan-boom.html?ref=opinion&_r=0

 米国の南部では、(アフリカから黒人奴隷が持ち込んだ)マラリアに弱い白人は、マラリアを媒介する蚊のいない場所にあしらえた邸宅にこもり、畑ではマラリアに耐性がある黒人奴隷にもっぱら働かせた。それが奴隷制が南部で普及した原因だって。↓

 ・・・In the American South,・・・Caucasians fared・・・poorly in the mosquito-infested cotton and tobacco fields. Only the slaves from Africa brought with them a certain degree of resistance.
 In this way, malaria <brought in from Africa by the slaves>cemented the system of slavery in the American South. White plantation owners withdrew to their mansions in breezy locations that offered partial protection from the disease, leaving black slaves to toil in the fields.
 <だから、マラリア流行域と、南北戦争の際の南部の領域とはぴったり重なるんだと。↓>
 When <we see> a map of malaria's range,・・・<t>hat range extends almost precisely to the Mason-Dixon Line, along which the American Civil War broke out in 1861, between the slave-holding states of the South and the Union soldiers of the North.・・・
http://www.spiegel.de/international/world/a-923220.html
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太田述正コラム#6467(2013.9.22)
<英国の植民地統治(その2)>

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