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太田述正コラム#6297(2013.6.29)
<皆さんとディスカッション(続x1945)>

<太田>(ツイッターより)

 クルム伊達がウィンブルドンで3回戦最高齢進出の偉業を達成したことをCNNが大きく取り上げている。
 次の相手のセリーナ・ウィリアムズが伊達を絶賛していることもあっぱれ。
 伊達とこの大会で以前に対戦したことがある姉ビーナスに攻略法を聞くってさ。
http://edition.cnn.com/2013/06/27/sport/tennis/tennis-wimbledon-kimiko-date-krumm-serena-williams/index.html?hpt=hp_c4

 ドイツ人、ポーランド人、スペイン人、それぞれの偏見に基づく欧州地図だ。
http://www.spiegel.de/fotostrecke/photo-gallery-atlas-of-prejudices-fotostrecke-98525.html
 吹き出しちゃうけど、EUの欧州連邦化なんて夢の夢ってカンジだねえ。

<上席専門職>

 会計検査事例100選を読んだら、昭和40年代から過大請求とあり、三菱電機鎌倉製作所は会計検査非協力の態度で立ち会いの防衛省職員は会社の言いなりとあり。
 太田さんの浮ドックの件<(コラム#44、45、85、86)>を思い浮かべました。

<太田>

 こういう投稿は大いにイラハイイラハイだけど、下掲の投稿や、その次のCkk87GpG0クンの投稿の「ところで」以降なんてのは、困っちゃうねえ。

<きめてない…>

 イスラムについて知るというならば、日本に碩学の井筒俊彦氏がいらっしゃいました。
 かのヒトの文章を読めばよろしいのではないでしょうか?
 碩学であり、言語学者としても天才的であり、またコーランも翻訳しています。
 岩波書店「イスラーム文化―その根底にあるもの」あたりが とっつきやすくイスラムを日本人の視点で理解するのによろしいかと思います。
http://www.keio-up.co.jp/kup/sp/izutsu/

 私は身勝手ながら自己修練に勤しんでいるので紹介まで。

<太田>

 井筒さんはよく知ってるし、彼が訳した『コーラン』(岩波文庫)持ってますが、それが何か?

<Ckk87GpG0>(「たった一人の反乱」より)

 『知的唯仏論』刊行記念 宮崎哲弥 × 呉智英
http://www.youtube.com/watch?v=sF9d2_w7aUs

 太田コラムで唯一(?)評価されている宗教たる仏教ですが、この動画の仏教トークは、なかなか楽しめました。
 仏教伝来以来、千年以上続いた日本の大乗仏教に対しての、明治になってからの評価の変化や、それまでの日本の大乗仏教と原始仏教(≒小乗仏教)は何が違うのか、またはその明暗、といった話や、西洋人が注目する「仏教」とはあくまで原始仏教(≒小乗仏教)と禅宗であるといった話は面白かったです。
 それと、仏教の核心部分として語られた、「危機」の際に「個」が問われる、という命題は、太田コラムの主要テーマの一つに関係するかもしれません。

 ところで、この動画には、初期仏教の経典(南伝仏教のパーリ語経典)の一部である『スッタニパータ』や『ダンマパダ』の話が出てきましたが、太田さんはこれらを読んだことはありますか?

阿含経
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BF%E5%90%AB%E7%B5%8C
スッタニパータ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%83%E3%82%BF%E3%83%8B%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%BF
法句経(ダンマパダ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%91%E3%83%80

<太田>

 『スッタニパータ』(岩波文庫)は読んで大変感動した記憶があるけど、それが何か?

<2pTfe8cE>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

 韓中通貨交換協定を3年延長 2017年10月まで
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/06/27/2013062704486.html

 韓国は中国にべったりになってしまったが、太田コラムの立場から見れば、日韓の通貨スワップは去年の段階で延長しておくべきだったの?
 去年のお馬鹿大統領の天皇発言で延長の雰囲気はなかったけど。

<太田>

 軍事や通貨は安全保障マターだから、軍事面の(情報)協力を拒んでいる韓国が通貨面では協力を続けるというのは非論理的だろね。
 日本としちゃ、スポイルドチャイルドはしばらくほおっておくしかないんちゃう?


 それでは、その他の記事の紹介です。

 これオモロイねえ。
 橋下代表の「論理」とおんなじだな。↓

 「・・・戦前の売春制度の実態を知ろうと『吉原花魁日記--光明に芽ぐむ日』『春駒日記--吉原花魁の日々』(朝日文庫)という本を読んだ・・・
 作者は森光子というが仮名だろう。・・・1924年・・・に19歳で群馬県高崎市から売られた。そして2年後に逃げ出し、社会活動家・歌人の柳原白蓮と夫で弁護士の宮崎竜介のところに飛び込んで助けられた。この人たちの支援で借金を返し、役人と結婚するが、それがばれ夫は職を失う。その後の経歴は分からない。彼女が幸せで静かな後半生を送ったことを願う。
 光子の吉原への身売り代は1350円だ。当時の米1俵(60キロ)価格は10円50銭、今の米価60キロ小売価格平均2万5000円を比べると、物価水準は2380倍になる。粗い計算だが現在価値でわずか320万円にすぎない。家に入ったのはそのうち800円で、周旋人に手数料で抜かれた。彼女は飲食店の奉公人と信じて、父が死亡した後の家族を助けるためと思って身売りに応じた。
 生活は凄惨だ。客は1日数人から10人以上。売春の料金は男と接する時間、休日などでさまざまだが、飲食費も含め、3円から10円程度だった。今の感覚からすると数万円程度だ。かなり安い感じがする。
 借金は6年の契約分だったのに飲食費、服の代金で天引きされる。収入の7割5分が雇い主に渡った。彼女の稼ぎは月に300円程度で、手元に残るのは30円程度だが、そこから必要経費や病院代などが次々引かれ、これが40円前後にもなる。追借りすることになり、一向に借金は返せなかった。・・・
 「東京の下層社会」(紀田順一郎、筑摩書房)によると、大正末期から昭和初期の全国の公娼(吉原など登録で政府の規制下にある場所)は5万人、酌婦・私娼は10万人という。当時の人口は6000万人ぐらいだが、全人口に比べるととても少ない<(注)>。・・・

 (注)間違い。人口8000万人の現在のドイツで売春婦が20万人というのだから、当時の日本と現在のドイツとで、売春婦の対人口比は完全に一致している!
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84
http://www.spiegel.de/international/germany/berlin-votes-for-stricter-control-on-brothels-to-reduce-exploitation-a-908351.html

 騒動を元に利益を得ようとしているとしか思えない福島みずほ氏のような日韓の政治活動家、誤報を垂れ流して責任を取らない朝日新聞などのメディア、そして話を混乱させる韓国政府、毅然とした態度を示さない日本政府に対しての怒りを感じている。・・・
 日本人慰安婦は、20年前のこの騒動が始まったころから、まったく名乗り出ていない。そのばかばかしさや政治利用を感じ取り、距離を置いているのだろう。それはこの問題が、体験した女性に与えた傷の深さを物語る。・・・」
http://blogos.com/article/65154/
 
 樋口一葉の『たけくらべ』は1896年、『にごりえ』は1895年と、どちらも1900年に発布された娼妓取締規則前の作品だが、遊郭や遊女が、ごくありきたりの日常世界におけるごくありきたりの人間として描かれている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%9F%E3%81%91%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%B9
http://www5b.biglobe.ne.jp/~michimar/book/195.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%9F%E3%81%91%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%B9
http://www5b.biglobe.ne.jp/~michimar/book/135.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%8A%E5%BB%93

 娼妓取締規則が遊郭に「苦界」イメージを纏わせることにつながったんじゃないか、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AB%E3%81%94%E3%82%8A%E3%81%88
というのがボクの仮説だ。

 なお、http://blogos.com/article/65154/ (前掲)の中で、AV業界を「苦界」と感じたAV女優の話も出てくるが、戦前の遊郭にせよ、戦後のAV業界にせよ、プロ意識を持ってたくましく生き抜いた女性もたくさんいるに違いない。


 それでは、その他の記事の紹介です。

 史実は玉虫色ってことだね。↓

 「・・・中国側は、国交正常化交渉が行われた72・・・年9月27日の田中角栄・周恩来両首相の会談でも合意があったとしている。交渉に条約課長として同行した栗山尚一氏は「両首脳の間で棚上げの暗黙の了解が成立した」と指摘する。・・・」

 キター。弾圧されるか、また、その場合どのような弾圧をされるかがみものだな。↓

 「「憲政実現、言論の自由を」中国の学者ら123人表明・・・」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130628/chn13062822590010-n1.htm

 実際に設置されるかどうかがみものだな。↓

 「韓国大統領 伊藤博文暗殺の安重根の記念碑設置への協力を要請・・・」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130628/kor13062821540003-n1.htm

 (トックヴィルは米国における市民団体の隆盛を民主主義の基盤として称賛したが、)ナチスを生み出したワイマール期のドイツも市民団体が隆盛を極めていたんだと。↓

 ・・・membership in the Nazi Party spread most rapidly in areas of Germany where civic associations were strongest, indicating that the social capital played a hand in building the most destructive political movement in modern history.
 <本来、この種社会資本は、(本来の)資本や人的資本と並んで経済生産性の源泉としても重要だと。↓>
 The term social capital is generally used to describe the trust and cooperation in a community that is the result of formal social institutions—associations, clubs, and the like—as well as personal networks and relationships. On some level, economists think of it as another source of productivity in an economy, just like tractors or new technologies (physical capital) or a better-skilled workforce (human capital). ・・・
 <誰に対しても開かれていたコーラスグループ等にナチスのオルグが入り込んで人々をナチシンパにして行ったんだって。↓>
  The authors argue that this rapid infiltration was facilitated by the preponderance of clubs that welcomed all-comers: Choral groups, for example, took in anyone with a decent singing voice and professed love of music. This plausibly allowed National Socialist leaders to insert themselves into communities where no prior connections existed.・・・
http://www.slate.com/articles/business/the_dismal_science/2013/06/the_rise_of_nazi_germany_did_the_prevalence_of_hunting_and_singing_clubs.single.html

 ナショナリズムは19世紀末に短期間猖獗を極めただけだし、労働階級意識なんてのも工業化最高潮の時代においてさえ大したことはなかったとよ。↓

 ・・・ intense feelings of nationalism, Cannadine shows, were a short-lived late-19th-century phenomenon, not some natural feeling that people are bound to experience. Class solidarity, too, was never the defining figure of identity for most people, even during the heyday of industrialization・・・
 <文明なんて意味がはっきりしないし、うさんくさく、危険な発想だと。(だからこそ、重要なんだよ(太田))。↓>
 Of all collective forms of human identity,・・・civilization is the most nebulous, and it is this very vagueness that makes it at once so appealing and so dangerous.・・・
http://www.washingtonpost.com/opinions/the-undivided-past-humanity-beyond-our-differences-by-david-cannadine/2013/06/21/4a8e217a-cee2-11e2-9f1a-1a7cdee20287_story.html
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 一人題名のない音楽会です。
 アントン・ルビンシテインの最終回(6回目)は、ピアノ曲の補遺集です。

 --ソロ曲--

Morning Serenade (Album de Peterhof, Op.75) ピアノ:Alexander Bakchiev
http://www.youtube.com/watch?v=pYEZAr8Dv5c

Contredanses A & B Op 14 No 3 ピアノ:Hofmann
http://www.youtube.com/watch?v=dyw6Nl_gzLs

Nuit d'ete (Summer night) for piano ピアノ: Phillip Sear
http://www.youtube.com/watch?v=hxEYTFZWt-o

Nocturne in G flat , Op. 28.No. 1 ピアノ: Phillip Sear
http://www.youtube.com/watch?v=r1o-sJAjFUM

 --連弾--

Sonata D-Dur op.89 ピアノ:Tatjana & Leonid Schick (恐らく)夫婦で連弾演奏をしているのは、まことに微笑ましく羨ましい限りだ。
http://www.youtube.com/watch?v=87SLaNMhTPk

Suite op.30 Suite op.30 Nr.1 Nocturne 同上
http://www.youtube.com/watch?v=RXOk259r18c
            Nr.2 Scherzo 同上
http://www.youtube.com/watch?v=CfcXhrBG3IM
            Nr.3 Barcarola 同上
http://www.youtube.com/watch?v=iiXSSxFqLuE
Nr.4 Capriccio 同上
http://www.youtube.com/watch?v=1ncbdO6ApAE
Nr.5 Berceuse 同上
http://www.youtube.com/watch?v=oD8hqfxY9Hk
Nr.6 Marche 同上
http://www.youtube.com/watch?v=1OPVsrtMtsA

3 Pieces op.9 Nr.1 Chanson Russe 同上←ロシア的旋律の佳作品
http://www.youtube.com/watch?v=le2_cD7I2_s ※
Nr.2 Nocturne Sur L'Eau 同上
http://www.youtube.com/watch?v=S5ZrM6_6LKA
Nr.3 Le Cataracte 同上 
http://www.youtube.com/watch?v=uPIQSZ90pXE ※

Toreador ピアノ: Sara Bartolucci & Rodolfo Alessandrini
http://www.youtube.com/watch?v=QX4cSmA4RgE ※

Pelerin et Fantaisie (Etoile du soir)  ピアノ:Maya Berdieva & Irina Shishkina
http://www.youtube.com/watch?v=KyV7cPgjqQU

Valse-Caprice in E-flat major(コラム#6241) ピアノ:Artur Rubinstein 血縁関係はないが、名手のルービンシュタイン(アルファベット綴りは同じ)が弾いているので、既出だが採録した。
http://www.youtube.com/watch?v=Y0h6R2g0_Do ※

(完)
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太田述正コラム#6298(2013.6.29)
<パナイ号事件(その23)>

→非公開

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