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太田述正コラム#6023(2013.2.12)
<皆さんとディスカッション(続x1808)>

<コラム#6021の訂正>(ブログは訂正済)

 冒頭に下掲↓を挿入する。

<太田>(ツイッターより)

 「…梁啓超は「李鴻章は伊藤博文より一枚上手だが、ビスマルクに比べると学識、権謀術数、胆力いずれも劣る」という人物評を、評伝の末尾に記した。一方で「宗主国の中国が朝鮮の対日外交を直接主管しなかったため、日清戦争が起こるに至った」という説明は、改革派の知識人、梁啓超もまた大国意識から逃れられないという限界を示している。…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/02/10/2013021000002.html
 李は伊藤と違って「国民の力を理解できなかった」(上掲記事中に登場)以上、「一方で」は「しかも」じゃなきゃダメじゃないか。
 朝鮮日報の記者サンよ、人民日報の記者の爪の垢でも煎じて飲みなさい!
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<太田>(ツイッターより)

 法王の辞意表明にからんで、1900年と2010年の世界カトリック教徒分布図が載ってるよ。ここでも欧州の没落が・・。
http://www.nytimes.com/interactive/2013/02/11/world/europe/the-catholic-church-shifted-southward-over-the-past-century.html?ref=world

<太田>

 辞任は今回で5例目だが、過去4例の紹介がなされている。
 最初の2例はひとつながりのものであり、1045年、当時の法王が結婚したくなり、また、後継法王になりたかった名親(godfather)からカネをもらったので辞任し、この名親が目出度く新法王に就任したが、結婚することができなかった前法王が、一年後、話はなかったことにしようと復位を主張した。頭を抱えた神父達は神聖ローマ皇帝に対し、ローマに進駐してこの呆れた二人を何とかしてくれと要求し、そうなったってんだな。
 1415年の4例目も大変面白いが、これくらいにしておこう。↓
http://www.washingtonpost.com/blogs/worldviews/wp/2013/02/11/the-bizarre-stories-of-the-four-other-popes-to-have-resigned-in-the-last-1000-years/?print=1 

<ebbkPw1L0>(「たった一人の反乱」より)

 <太田サンの>人民解放軍が中共の飼い犬程度の認識って甘過ぎないか?
 毛沢東と彭徳懐みたいな時代じゃないだろ。

<hyfTooTt0>(同上)

 だから、こういう解釈を書いているわけで。

≫ボク自身も、中共海軍の錬度が低く、FCレーダー照射が一般にどう受け止められるかについての教育が不十分だっただけ、という可能性も完全には 排除できないと思っている。≪(コラム#6013。太田)

≫今回の中共当局の対応から判断すると、錬度を問われるだけに恥ずかしくて、当局として、これまでFCレーダー照射が自衛隊の航空機等に対して行われきたことを認めて開き直るわけにはいかない、といったところじゃないか。≪(コラム#6015。太田)

<太田>

 宮家邦彦が次のように書いてるね。↓

 「●今回のレーダー照射は・・・、昨年12月に発足した安倍晋三新政権(とバラク・オバマ第2期政権)が中国側の将来の軍事行動に対し「如何に反応するか」を試すためのものだった可能性が高い。
●解放軍のこの種の「テスト」は決して目新しいものではなく、過去十数年間だけ見ても、解放軍海軍・空軍は米国の新大統領の反応を少なくとも2回「テスト」している。
●第1は2001年4月1日の海南島での米海軍偵察機不時着事件<(注1)>、第2は2009年3月8日の南シナ海での米海軍調査船活動妨害事件<(注2)>であり、いずれも当時のジョージ・W・ブッシュ大統領、オバマ大統領の就任後数カ月以内に起きている。

 (注1)「南シナ海上空の公海上で中国国内の無線通信傍受の偵察活動をしていた<米>海軍所属の電子偵察機 EP-3E と中国人民解放軍海軍航空隊所属の J-8II 戦闘・・・機が空中衝突した事件である。中国側の戦闘機は墜落しパイロットが行方不明になり、<米>側の電子偵察機も損傷し海南島に不時着したものの中国側に身柄を拘束された。・・・<米>側は・・・行方不明になったパイロットが、以前にも同様の挑発行為をしており、操縦席から自分のメールアドレスを示していたとして<いる。>」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E5%8D%97%E5%B3%B6%E4%BA%8B%E4%BB%B6
 (注2)「<3月>9日米国務省は、中国の艦船5隻が、海南島の南70哩(約120km)の南シナ海公海上で調査中の米海軍海洋調査船インペッカブル(USNS Impeccable)を取り囲み、立ち退きを要求して航行妨害を行ったとして、中国政府に北京の米大使館を通じて抗議したと発表した。
 ギブズ米大統領報道官は、「米艦船は公海上を規則にのっとって活動していた。中国に国際法を順守するよう求める」と述べた。
 中国艦船5隻は、インペッカブルを取り囲み、うち2隻は50フィート(約15m)まで近づき、中国旗を振って立ち退きを求めた。これに対して、インペッカブルは、放水すると中国船は25フィート(約8m)まで近づいた。インペッカブルは、曳航音響アレー・ソナーを取られそうになったので、無線を通じて「友好的な態度」で海域から退去するため針路を明けるように要請した。ところが2隻が、インペッカブルの前方を塞いだため、緊急停止をした。更に中国船は、インペッカブルの航行を妨害するため木材を海中に投げ込んだという。
 中国は、この海域を自国の管轄と主張している。5日には中国のフリゲート艦が艦首を横切り航空機が追尾し、7日にも中国側はインペカッブルに海域を離れないと「報いを受ける」と警告するなど、ここ数日嫌がらせを繰り返し受けていた。
 別にもビクトリアス(USNS Victorious)は、3月4日に沿岸から125哩はなれた黄海上で中国海軍の哨戒艇からスポットライトを浴びせられ、5日には航空機に追尾されていた。
 インペカッブルは、非武装で潜水艦が出す音を収集する低周波ソナーなどを配備し、海中の音響データを収集している。収集した情報は潜水艦探知に利用される。
 中国の艦船は、海軍の情報収集艦1隻、漁業取締船1隻、海洋パトロール船2隻、小型トロール漁船1隻であった。」
http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/58953281.html

●今回の事件も安倍内閣発足から2カ月以内に発生しており、タイミング的に見て、これらの事件がそれぞれ偶然に発生したとは到底思えず、同様の「テスト」が先の野田佳彦内閣誕生時などに対し行われた可能性も十分あるだろう。・・・
 このレーダー照射が党中央の指示に基づいて行われた可能性も低いだろう。・・・
 もしも、ある巨大な軍隊が、中央からの具体的指示なしに独自の判断で、日米の海軍に対しほぼ定期的に「反応テスト」を行うだけでなく、そのことを外交当局にも党中央にも知らさないのだとしたら、一体その武装組織は何なのか。
 やはり人民解放軍は通常の軍隊ではない。プロフェッショナルな軍隊であれば、指揮命令系統が明確で、責任の所在もはっきりしているものだ。そんな基本的なことも今の解放軍には決定的に欠けているのだろうか。
 こんな軍隊がまともに戦えるわけはない。むしろ、戦えば逆効果だろう。このことを中国人は数千年の歴史の中で知っているのだろうか。このような国と人々だからこそ、「戦わずして勝つ」ための孫子の兵法が発達したのだろう、などと・・・改めて考えた。」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37120

⇒宮家は一見私と同じ低錬度説を唱えているようだが、「テスト」云々は全く説得力がない。
 (そもそも、テストだとすれば、錬度にある程度自信がなければ、そんなことをやってみようという発想そのものが出てこないだろう。)
 ところで、宮家があげる過去2つの事例だが、前者は、アタマのおかしい中共のパイロットの個人的な自己顕示的にして自殺的な愚行にしか見えず、その限りにおいては低錬度説ともギリギリ整合性があるかもしれない。
 しかし、後者は、どう考えても、中共当局の命令ないし承認の下で行われたものだろう。
 なぜなら、これは5日間にわたる中共側の作戦として行われたものであり、しかも、解放軍隷下の海軍だけでなく、国務院に属する海洋環境監視監測船隊(海監)・・国土資源部が運営・管理・・
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E4%BA%BA%E6%B0%91%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD%E5%9B%BD%E5%9C%9F%E8%B3%87%E6%BA%90%E9%83%A8
との共同作戦であって、中共当局レベルで、(少なくとも作戦発動後に)調整がなされていなければ実行不可能だったはずだからだ。


 それでは、その他の記事の紹介です。

 北朝鮮が、3度目の、しかも過去2回よりも規模の大きい核実験を行ったようだね。↓

 Pyongyang Nuclear Test Detected・・・
 The U.S. Geological Survey said it detected seismic activity with a magnitude of 5.1, bigger than the seismic activity produced in North Korea's previous two blasts.・・・
http://online.wsj.com/article/SB10001424127887324880504578298943003246654.html?mod=WSJWorld__LEFTTopStories

 米国においても、犯人でもないのに自供する事例があるところ、それはおおむね若年者か知恵遅れだって。
 日本ではそれ以外の人も「自供」することがある点が違うということだろうね。↓

 Why Innocent Men Make False Confessions・・・in many of the cases the defendants were young or mentally disabled.・・・
http://ideas.time.com/2013/02/11/why-innocent-men-make-false-confessions/

 iPhone5弥次喜多道中だ。
 全然納得できない説明だなあ。↓

 「iPhoneにウイルス対策ソフトがない理由は二つあります。「ウイルスは、アップルのビジネスモデル上存在しない」「ウイルス対策ソフトを、技術的に作れないようにしている」――です。
 前者はアプリ配布のビジネスモデルに関わっています。iPhoneのアプリはApp Storeから一元的に配布するビジネスモデルを採っていて、App Storeで配布されるアプリにウイルスが入っていることがわかったら、アップルはそれをApp Storeから即座に削除します。つまり基本的にウイルスは存在しないことになります。・・・」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20130128/452362/?bpnet

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