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太田述正コラム#5639(2012.8.4)
<皆さんとディスカッション(続x1623)>

<太田>(ツイッターより)

 「…中国、ソ連という第二次大戦の主要戦勝国を排除してでっち上げた「サンフランシスコ講和条約」自体が不法なものなのだ。会議に参加しなかった中国とソ連は当時、その受け入れを拒否する声明を発表している。…」
http://j.people.com.cn/94474/7897087.html
 台湾は日本のものだということになるが。

 ケネディ大統領の誕生日にハッピー・バースディを歌うマリリン・モンローの写真と映像が出てくる。
http://www.time.com/time/video/player/0,32068,1640762709001_2114902,00.html
 また、モンローの写真集(これまでの写真集へのリンク付)も載ってる。http://life.time.com/icons/life-with-marilyn-at-a-hollywood-party-1952/#1
 米英主要メディアはモンローでもちきり。

<太田>

 モンローに関して本日も何本も出ている記事のうち、一つだけ引用しておこう。

 モンローはおバカさんじゃなかったし、ヤワでもなかったし、演技べたでもなかったって。↓

 ・・・Q: What are some of the biggest myths about her?
A: The biggest myth is that she was dumb. The second is that she was fragile. The third is that she couldn't act.・・・
http://www.csmonitor.com/layout/set/print/content/view/print/554110

<ねこ魔人>

≫引用された日本語ウィキペディアの記述は不正確な箇所が多々あります。軍需を巡る「「政」官業癒着構造」が米国に存在したことはいまだかつてありません。アイゼンハワーが退任演説で使った言葉は「軍産複合体(Military--industrial complex)」であり≪

 同じく先ほど挙げた<日本語>ウィキペディアによると、アイゼンハワーの退任演説の内容は、本来ならば軍産議会複合体であったそうですが、あえて議会の語を除いたそうです。下に、ウィキペディアからの抜粋を示します。

 「軍産複合体の概念を広く知らしめたアイゼンハワーの退任演説は1961年1月17日に行われた。演説の最終から2番目の草案では、アイゼンハワーは最初に「Military–industrial-congressional complex(MICC)、軍産議会複合体」という概念を用いて、アメリカ合衆国議会が軍事産業の普及に演ずる重要な役割を指摘していたが、アイゼンハワーは議会という語を連邦政府の立法府のメンバーを宥めるために打消した、と言われている。議会を含めた概念の実際の作者は、アイゼンハワーの演説作家のラルフ・ウィリアムズとマルコム・ムースだった」

 以上より、アイゼンハワーは明言しなかったものの、軍産議会複合体が存在していたといえ、したがって、アメリカにおいても政官業癒着構造が存在していたといえるのでは?

 それとも、この記述がまさに、太田さんが先ほど述べられた通り、日本語版に多々存在する間違った箇所なのでしょうか?

<太田>

 ご明察の通りです。

 日本語ウィキペディアの、あなたが引用された箇所は、英語ウィキペディア
http://en.wikipedia.org/wiki/Military%E2%80%93industrial_complex
のほとんど逐語訳と言ってよいのですが、最後のセンテンスの前のくだりが、恐らく意図的に、落とされています。
 落とされたくだりの全体は分量が多いので、肝心のところだけ訳しますが、「ジェームス・レドベター(James Ledbette)は、<もともとの草案では軍産議会複合体となっていたとの主張について、それは、>「いかなる証拠に拠っても支えられていないところの「頑迷な思い違い(stubborn misconception)」である」と言っている。」とあります。

 なお、落とされているくだりからもう一点紹介しておくと、もともとの草案では「「戦争に立脚した」産業複合体("war-based" industrial complex)」だった、という言い伝えがあるようです。
 これも堅固な証拠に拠っているとは言えなさそうですが、先程のに較べれば、スジははるかにいいと思います。

 要するに、特に外国語については、語感だけで物事をとらえてはならないのであって、当該表現が生まれた時代背景や経緯を知らなければならない、ということです。

<8J7pDif40>(「たった一人の反乱」より)

 <日本選手団がオリンピック開会式のフィナーレから締め出されたのは、>運営側のミスって事らしいね。

<h1sWZR4sO>(同上)

 オリンピックで一国の選手団が丸ごと締め出されて聖火に立ち会えないって、到底「この程度のこと」とは思えんのだが。
 結果的に辱められたのは事実だし。

 大人ぶって流せることじゃない。

<3bm/QWA80>(同上)

 運営がドン臭いのは事実だが、閉めだした=差別されたを証明出来んの?
 閉めだされた事自体を怒るのは当然だが、その怒る理由が何で差別されたって事に摩り替わってんだよ。
 普通に運営の不手際を怒れよ。
 そんな事だから被害者意識が強すぎるって言われるんだ。

<太田>

 それでは、その他の記事の紹介です。

 北朝鮮は明確に中共流の改革開放に乗り出したようだね。↓

 「・・・金正恩政権は、父の故・金正日(キム・ジョンイル)総書記による「先軍」路線を「先党」路線に転換し、朝鮮労働党中心の経済改革に乗り出す動きを示している。・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/08/04/2012080400578.html

 豪州の国防相が、同国は米国に(恒久的)基地を提供することはないと言明。↓

 ・・・we don’t have United States military bases in Australia. We don’t see the need for that,”・・・Australian Defense Minister Stephen Smith・・・told Australian Broadcasting Corp.・・・
 <だけど理由がなさけないねえ。中共への気兼ねだとよ。↓>
 Australian National University’s Strategic and Defense Studies Center head Hugh White said・・・“The [Australian] government was surprised that China reacted as negatively as it has to the decision to have [US] Marines rotate deployments through Darwin, and I think they’ll be very careful not to risk further displeasure from China by doing anything that suggests they’re supporting a US military buildup in Asia,・・・There’s a concern that the more the US builds up its military posture in the Western Pacific as part of [US] President Barack Obama’s pivot to Asia, the higher the risk that the US-China relationship will become more competitive, more adversarial, more hostile, and that pushes Australia close to the point of having to make a choice between the US and China, and that’s something we badly want to avoid,”
http://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2012/08/03/2003539312

 古き良き米国の頂点は1979年だったってさ。↓

 <・・・企業は大きな利益を上げたが地域社会に投資しそこでモノをつくっており、金持ちはちゃんと税金を払っていた。↓>
 ・・・U.S. companies made big profits — but invested in the local communities where their products were made. The rich paid their fair share in taxes without complaint.
 Barlett and Steele can pinpoint the moment this America began to disappear: June 1979. More people were employed at U.S. factory jobs at that time than during any month before or since. At about the same time, the share that the wealthiest Americans paid in taxes began to fall sharply.・・・
http://www.latimes.com/entertainment/news/la-ca-donald-bartlett-20120805,0,7773601.story

 やっぱチャーチルが米国を嫌ってたっての本当みたいね。
 1918年にチャーチルがローズベルトと初めて会った時のチャーチルの態度はひどかったらしい。↓

 ・・・As for the oft-invoked relationship between Churchill and President Franklin D. Roosevelt, even that began on an unpromising note, to say the least. The two men first met at a banquet in London in 1918, at which F.D.R. -- then assistant secretary of the Navy -- was a speaker. Not long before they became reacquainted two decades later, Roosevelt would remember that Churchill, who was serving as Britain’s minister of munitions, “acted like a stinker … lording it over all of us” and was one of the rudest people he had met in public life. (By then, Churchill apparently had forgotten the meeting entirely, which perhaps proved Roosevelt’s point.)・・・
 <にもかかわらず、後にチャーチルは英米特殊関係を演出したが、この関係が瓦解し始めたのは、1960年代に入ってから英国が脱キリスト教化して行ったからだと。
 ウソこけ。もとから英国・・より正確にはイギリス・・は脱キリスト教だったのよ。↓>
 Since the 1960’s the United States and Britain have grown increasingly culturally removed. This is a result, I believe, in part of the de-Christianization of Great Britain. ・・・
http://campaignstops.blogs.nytimes.com/2012/08/02/britain-or-bust/?ref=opinion

 トルコに面している北部シリアは既に反体制派の新しい国の趣を呈しているとさ。↓

 Syrian rebels are brimming with self-confidence these days. Just 40 kilometers from the embattled city of Aleppo, they have already raised their flag. In their eyes, dictator Bashar Assad's Syria no longer exists, and they are already beginning to set up their own country.・・・
http://www.spiegel.de/international/world/rebels-in-northern-syria-begin-erecting-new-state-a-848069.html
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 一人題名のない音楽会です。

 久石譲特集を何回かにに分けてお送りします。
 一応クラシック篇のつもりですが、事柄の性格上、クラシック的歌謡曲的なものも含まれています。

 --スタジオ・ジブリ篇--
 
 『魔女の宅急便』から、久石譲指揮 新日本フィルで3つのナンバーをどうぞ。左利き用のヴァイオリンがあるんだね。
http://www.youtube.com/watch?v=jJJHH_v9JMg&feature=related
 めぐる季節(同上より) 井上あずみ
http://www.youtube.com/watch?v=uakrpxXEolc&feature=related
 ((参考)やさしさに包まれたなら(注)(同上より) 荒井由美(作詞・作曲・歌唱)
http://www.youtube.com/watch?v=cp69gfVD18U&feature=related
 (注)1974年の曲。『魔女の宅急便』(1989年)エンディングテーマソングになった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%84%E3%81%95%E3%81%97%E3%81%95%E3%81%AB%E5%8C%85%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%81%AA%E3%82%89 )

 『天空の城ラピュタ』から、やはり久石譲指揮 新日本フィルで2つのナンバーをどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=BkII9oibsug&feature=related
 君をのせて (同上より) (Karavaanin kuoro←井上あずみ)
http://www.youtube.com/watch?v=XoYXqvL76do&feature=related
 同上 800人合唱
http://www.youtube.com/watch?v=UyQXd1c_OhM&feature=related

さよならの夏 (『コクリコ坂』より) 手嶌葵
http://www.youtube.com/watch?v=DWRGAOZxIgE&feature=related

人生のメリーゴーランド (『ハウルの動く城』より) 
http://www.youtube.com/watch?v=BrAWuo4jDZ4&feature=fvwrel
 クミコ  何でこんな素晴らしい曲↓に歌詞をつけなかったんだろ、と思ってたら・・。
http://www.youtube.com/watch?v=Y49tZviXe0k&feature=related
 ((参考)世界の約束(同上より) 作曲:木村弓 作詞:谷川俊太郎 歌唱:倍賞千恵子
http://www.youtube.com/watch?v=XG1WfYpTx0w&feature=fvwrel )

交響組曲『もののけ姫』 作曲・指揮 久石譲(新日本フィル?)
http://www.youtube.com/watch?v=H82QHiUvY5E&feature=related
 (歌唱:米良美一 による挿入歌「もののけ姫」3:33〜6:36
http://www.youtube.com/watch?v=JmlKipneg6g&feature=related
が単独で一切アップされていないのは残念。)

『となりのトトロ』から、作曲・指揮 久石譲(新日本フィル)で4つのナンバー(さんぽ、風の通り道、ねこバス、となりのトトロ)
http://www.youtube.com/watch?v=YBVzoJv-R1s&feature=related

『風の谷のナウシカ』から、作曲・ピアノ・指揮 久石譲(新日本フィル)1つのナンバー
http://www.youtube.com/watch?v=W7CiNg3XRdE&feature=related

いのちの名前(One Summer's Day)(『千と千尋の神隠し(Spirited Away)』から)  
http://www.youtube.com/watch?v=asSqrkJIR6k&feature=related
 同上 歌唱:木村弓
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5752494 
 同上 ピアノ 久石譲 歌唱:平原绫香 ボク、平原は苦手なのだが・・。
http://www.youtube.com/watch?v=plIeID_VVVg&feature=related
the sixth station(同上より) 作曲・ピアノ 久石譲
http://www.youtube.com/watch?v=WgkGHGzTEk8&feature=related
竜の少年(Dragon Boy)(同上より) 作曲・ピアノ 久石譲
http://www.youtube.com/watch?v=KhGZJ5xCWn8&feature=related
 ((参考)いつも何度でも(同上より) 作曲:木村弓 作詞:覚和歌子 歌唱・竪琴:木村弓
http://www.youtube.com/watch?v=9O4SMw_8Om0&feature=related )

狂気(Madness)(『紅の豚(Porco Rosso)』より) 作曲・ピアノ・指揮 久石譲 新日本フィル
http://www.youtube.com/watch?v=F00Iu-V6yA4&feature=relmfu
アドリアの海へ(Friends) (同上より) ピアノ独奏 久石譲
http://www.youtube.com/watch?v=-OTk1N1ozP0&feature=relmfu
帰らざる日々(同上より)
http://www.youtube.com/watch?v=muYphg7xqtI&feature=related

(続く)
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太田述正コラム#5640(2012.8.4)
<ロシアと国家マフィア主義(その2)>

→非公開

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