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太田述正コラム#4947(2011.8.23)
<皆さんとディスカッション(続x1302)>

<太田>(ツイッターより)

 (昨日の1900現在、)BBCが電子版
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-14610722
上でTV放送をそのまま流している。
 (BBCは今や、リビア専門チャンネルと化したわけだ。)
 ローマ時代には現在のイギリスもリビアも同じ帝国内だったし、つい最近までリビア近くのマルタもキプロスもエジプトも英領だったんだから当然か。

 (2245現在、)BBCの件のサイト
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-14611549
、さすがにTV放送は流さなくなってるね。
 まだ、トリポリの15〜20%はカダフィ側のようだ。
 同サイト、トリポリの空撮写真を載っけてるので、状況を見てごらん。

 (2250現在、)失礼。
 さっきのは最初のと違ったサイトだった。
 最初のサイトじゃ、今でも同時中継中だった!

 カダフィは、織田信長的ないしはヒットラー的最後を迎えそうだね。
 鑑識能力が向上した今、前者のように痕跡を残さずに消え去るのは困難だろうが・・。
 いずれにせよ、梟雄の最期が近づいている・・というか既に死んでいる?
 次は、梟雄ならぬ、二代目ボンボンのアサドがどうなるかだねえ。

<太田>

 カダフィは降伏もしないだろうし、ヒットラーのような勇気はないから自殺もできず、戦死するだろう、と元側近が言ってるな。でも、例えば首つり自殺するのに勇気いるかねえ。↓

 ・・・"I think it's impossible that he'll surrender," said Abdel-Salam Jalloud, a former Libyan prime minister and presidential right-hand man who fled to Rome at the weekend. He added, in an interview on Italian TV: "He is not like Hitler, who had the courage to kill himself." Jalloud said his former friend had "no means of leaving Tripoli" and would most likely end up dead.・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2011/aug/22/muammar-gaddafi-era-over

 戦況はこれで見てくれ。↓
http://www.guardian.co.uk/world/interactive/2011/aug/22/libya-middle-east-tripoli-interactive

 どうして、一挙にトリポリに迫ることができたのかが解説されている。
 周到な計画と至れり尽くせりのNATOの軍事支援。
 すべては、反体制派を支援している諸外国の入れ知恵か。↓

 <20日を期してトリポリで蜂起を起こすべく武器弾薬をこっそり運び入れてたんだな。蜂起に侵攻部隊が連携した。↓>
 ・・・Over the past several weeks, they smuggled weapons into Tripoli and stashed them in safe houses. They spread the word among local revolutionaries that widespread protests would begin after the Ramadan evening prayers on the appointed day.
 They chose Aug. 20, which also just happened to be the anniversary of the prophet Mohammed’s liberation of Mecca.
 In the end, it was Saturday’s uprising inside Tripoli — combined with a rebel military advance toward the capital across three fronts — that overwhelmed Colonel Qaddafi’s beleaguered soldiers, though fighting continues in the capital. ・・・
 <諸外国は、武器・燃料・薬品・食糧供給を支援し、NATOは戦闘機とドローンで近接航空支援を行った。また、反体制派「兵士」多数がカタールで軍事訓練を受けていた。↓>
 They were aided by steady supplies of weapons, fuel, medicine and food from British, French and Qatari troops and an escalated bombing campaign by NATO jets and American Predator drones. Hundreds of rebels took part in secret military training inside Qatar.
 <ミスラタから船でトリポリに「兵士」を潜入させる作戦も行われた。↓>
 Rebel forces even advanced on Tripoli by boat, arranging a flotilla from the town of Misurata in an operation the rebels called Mermaid Dawn. ・・・
http://www.nytimes.com/2011/08/23/world/africa/23reconstruct.html?_r=1&hp=&pagewanted=print

 で、当然、シリアの反体制派勇気百倍。↓

 In Libya's Wake: Pressure Builds on Assad・・・
http://www.time.com/time/world/article/0,8599,2089934,00.html

<μΖμΖ>(「たった一人の反乱」より)

≫前原が出て、当選しそうだな。彼が首相になったら、日本国民はものすごーく幻滅することになるだろう。そして、確実に次の総選挙後自民党が政権の座に復帰することになるだろう。≪(コラム#4945。太田)

 興味深いな〜。
 どうしてそう予想されるのですか?

<太田>

 当選しそうだ、というのは、あれだけ世論調査で人気が高けりゃ、選挙の顔として選びたいと思う民主党議員が多いだろってこと。
 前原がなぜダメかは、彼の「中国は軍事的脅威」発言がらみの過去コラム参照。

<μΖΖμ>(「たった一人の反乱」より)

 八ツ場ダムとJAL再建はどうなったんだろうな?
 前原先生は最後まで、問題を片付けることはあったのだろうか?

<ΖμΖμ>(同上)

 ただ、太田さんは高学歴ゆえに鳩山を推したイタイ過去があるからな。

<太田>

 コラムを具体的に引用してくれな。
 いずれにせよ、鳩山の下でボクが選挙に出ることにした理由は、そんなところにはないよ。

<μΖΖμ>(「たった一人の反乱」より)

 それにしても鳩山ほどイタイ奴は珍しいよな。
 どんな人間が総理になろうと鳩山以下ということはないだろうな。

<ΖΖμμ>(同上)

 なるほど。ならば前原がなっちゃっても別にどうってことなさそうだな。

<ΖμμΖ>(同上)

 <μΖμΖクン、>今の民主党の状況じゃ別に前原以外でも、それこそ太田さんが消去法で選んだ野田でも次の総選挙で大負けするのは確定してんじゃん。
 正直予言でも何でもねえ。

<太田>

 国内外情勢は、そしてもちろん政治だって一寸先は闇でやんすぜ。
 だけど、ダメ人間なら、自分で国内外情勢を悪化させ、政治的に自ら窮地を招くことになるだろうってこと。

<Fat Tail>

 --1890年以降の陸海軍予算--

≫また、「第一次大戦を戦わなかったので、戦車、装甲車、機関銃、航空機など第一次大戦で現れた兵器の採用や活用では大きく遅れてい・・・た」のではなく、陸軍として兵器の更新近代化の必要性は百も承知しつつも、1936年の二・二六事件の頃まで、日本が軍縮基調で推移した中で、一貫して陸軍に比べて海軍のシェアが大きすぎたために、陸軍に十分な予算が回らず、それを果たせなかったわけです。
 それ以降も日支戦争の戦費に予算をとられてしまったために、結局、最後まで陸軍は十分な兵器の更新近代化を果たせませんでした。
 (以上は、定性的な分析であり、定量的に裏付けたいと思っています。第一次世界大戦終了頃から終戦までの陸海軍の予算額の推移の数字をご存知の方はぜひご教示下さい。)≪(コラム#4523。太田)

 こちらのペーパーのAppendixに、1890年以降の陸海軍の予算推移が記載されていますのでご参照下さい。

 Nanshin: Budget- Maximising Behavior, The Imperial Japanese Navy And The Origins Of The Pacific War
https://www.une.edu.au/bepp/working-papers/economics/1999-2007/econ-2003-8.pdf

 内容は過去コラムにおいて何度か言及されてきた、対陸軍との予算獲得競争上優位に立つという組織的エゴのために海軍が南進論を唱えた(該当コラム省略)、というものです。

P.9より
 "It is also evident that nanshin-ron had become 'a bureaucratic tool through which the navy hoped to gain a larger share of military appropriations'..."

 また、太田さんは#4377において、

≫...現有軍事力においてその量と質(装備・練度)で米国を上回るだけの予算をそれまで国民がつけてくれていて、かつ英国は対ドイツ戦で手一杯の状況だというのに、英米に怒り心頭のその国民の声に逆らって、「米国とは国力で圧倒的な差があるから、中長期的にはほぼ間違いなく負けるので、対米英開戦はできません」とは言えなかっただろう...≪

と述べられていますが、それと同趣旨のことがP.14に記載されています。

 "...in the light of its successful budgetary claims, it could hardly argue that it would not be successful against Anglo-American naval power in the Pacific."
<太田>

 いやーありがとうございました。
 言及されたコラムの脚注につけるのにふさわしいですし、次著にも使えますね。
 一般読者の皆さん、Figure3(P.28)のグラフでおおまかなイメージをつかめるよ。

<椛澤>

 <コラム#4454>「ハセガワとベーカーの本(その8)」<を読みました。>

 「原爆を投下するまで日本を降伏させるな」鳥居民著 を久しぶりに再読し、改めて「人体実験」の側面があったことを考えざるを得ない。
 この本は知日派スタッフの助言にもかかわらず、天皇の地位保全について敢えて伏せて降伏勧告をし続けた上で、原爆投下をしたことを論拠としている。

 その他にも以下の事実を考え合わせると「人体実験」「動物実験」(「けだものはけだものとして扱う」というトルーマンの言葉にもあるとおり、ナチスの人種観との類似を思わせる。)としての原爆投下は揺るがないと考えられる。

 原爆投下予定都市は予め大空襲をしないで「とっておいた」こと<(コラム#4937、4943、4945)>、被災データ収集に注力し続けたこと。
 (細菌戦のデータ入手のため石井731部隊長と取引した様に、最優先事項は最新兵器の情報入手だった。)
 又広島にウラニウム爆弾を投下したのに続いて日本側の対応を待つこともなく、長崎にプルトニウム爆弾を落とした。

 更に、降伏がわかっていた8月14日に大阪兵器工廠を狙った大空襲を行っている。
 これも日本の降伏と関係のない爆撃である。
 「戦争」と関係のない「作戦」がどさくさに紛れて行われていた、という今ひとつの例である。

 広島原爆記念館のホームページの記事によれば、ドイツ降伏のずっと以前にルーズベルトとチャーチルは原爆投下はドイツでは行わないことを決めていた、としている。

 反ナチスのはずのアメリカは、実はナチスと同根であると事が言える。

<太田>

 鳥居民の本の頁、原爆記念館のホームページのURLも入れて欲しかったな。
 また、日本のポツダム宣言受諾の米国への到達と大阪砲兵工廠空襲については、それぞれ、時間を入れた上で論じて欲しかったな。
 いずれにせよ、米国は日本人を絶滅させようとはしなかったんで、ユダヤ人を絶滅しようとしたナチスドイツとは同一視できないよ。


 それでは、その他の記事の紹介です。

 政(自民系)・官(中央官庁/地方自治体)・業の癒着関係のおさらいになる話が原発事故がらみでどんどん出てくるねえ。
 防衛省みたいな調達官庁だけじゃなく、経産省みたいな規制・助長行政官庁だって同じなんだって分かったかい?↓

 「佐賀県議会原子力安全対策等特別委員会の木原奉文委員長(自民)の政治団体が2009年、九州電力の幹部ら6人から計5万円の献金を受けていたことが分かった。・・・」
http://www.asahi.com/national/update/0822/SEB201108220065.html

 ランガムの説(コラム#3299、3315、3566、3590、3591、3863)>と同じじゃん。何で彼への言及がないのかね。↓

 「・・・チンパンジーや二足歩行を始めたばかりの猿人と比較したら、ホモ・エレクトスなどは体の大きさの割には臼歯やあごの大きさが小さかった。えさを焼いたり、石器で刻んだりする「調理」を覚えた結果、口に入れやすい大きさの、軟らかいえさを食べていたと考えられる特徴だ。
 チームは1日の活動時間のうち食事にあてている時間をこの手法で推定。チンパンジーや猿人ではそれぞれ37%、43%と「食べてばかり」となったが、ホモ・エレクトスなどは現在の人類に近い6%前後で「かなり早食い」となった。その結果、時間を食事だけでなく、より人間的な活動に使う余裕も生まれていったと考えられる。」
http://www.asahi.com/science/update/0822/TKY201108220391.html

 リビアのトリポリへの反体制派の突入/蜂起の際にも、小火器の空に向けての「祝」射撃が行われたが、それがどれほど危険な行為かが説明されている。コワイよー。↓

 How dangerous is firing a gun into the air?・・・
 ・・・although the velocity of a falling bullet is lower than that of one which has just been fired, it is still sufficient to be fatal.・・・
 According to a 1962 study, .30 calibre rounds can reach terminal velocities of 300 feet (91m) per second as they fall. More recent research has indicated that 200 feet (61m) per second is enough to penetrate the skull.・・・
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-14616491

 脚線美を露わにした漢人女性ピアニストのYuja Wan(コラム#4929)の話題がまた出てた。性的魅力を積極的に活用(コラム#4941、4943)して成功を勝ち取りつつある女性の例がここにもある。↓
http://www.latimes.com/entertainment/news/la-et-concert-dress-20110820,0,6849185.story
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太田述正コラム#4948(2011.8.23)
<赤露による支那侵略(その5)>

→非公開

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