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太田述正コラム#4551(2011.2.10)
<皆さんとディスカッション(続x1102)>

<太田>(ツイッターより)

 僕のカイロの小学校、外国人が多かったがエジプト人の生徒も少なくなかった。
 だけど親しくなった子はいなかった。
 家の召使いや運転手とだってそうだ。
 英国留学の時の話は前にした。
 おとなしく顔の見えないエジプト人!

 (コラム#4326に関し)欧米における先の大戦日本悪者論を打破するためには、対赤露の大義、ユダヤ人/ポーランド人支援、(結果としての)欧米の植民地の解放を指摘するとともに、日本軍の犯した種々の国際法違反に真正面から向き合うことだ。

<δυδυ>(「たった一人の反乱」より)

 今日、ユーチューブを見ていたら、河村たかしが日本の議員は家業化しているから質が低下していると言っていたけど、あまり説得力は無いね。
 それよりは太田閣下のいう、属国論のほうが断然説得力があると思うよ。

<δδυυ>(同上)

 ・・・<δδΥΥクン(コラム#4549)>じゃないけど、いまは公務員をぶっ叩くのが流行っていると言うか政治家にとっては世間の共感を得やすいから、それに逆らって恩給を導入するのは難しいってことでしょ。
 仮に民主党がこれをやったら「公務員の組合から支援を受けているからだ」「役人天国を助長する」ってみんなの党から言われるでしょう。
 ま、それを分かってておっしゃってるんでしょうけど。

≫政権交代によって、既に発酵過程に入ってるので、そういう若手群が出現するのは、(民主党の中からとは限らないが、)時間の問題でしょう。 ≪(コラム#4549。太田)

 反論って意味じゃないんだけど、今ってちょっとしたことで内閣支持率が大きく落ちちゃうし、仮に新しい組み合わせができても主導権争いが起きて、おもしろおかしくそれが報道されて、選挙のタイミングしだいで(今みたいに)簡単に「衆参ねじれ+衆議院の3分の2議決が使えない」、っていう状況になっちゃうような気がするんだよな、誰が総理をやっても。
 しかも国が大借金を抱えてるってことは一般国民は税負担が増えるか国から受けているサービスが減ることの少なくとも一方を受け入れてくださいってことでしょ。
 だから国民に不人気なことをやりながらある程度の高い支持を長期間にわたって得るっていうある意味で相反することをやり遂げるのは、これからは至難の業って気がすんだよな。
 って悲観的になってしもうた。。。

<δυυδ>(同上)

 ポピュリズム的な政治から脱却しなきゃ何も始まらない気がするな。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0

 左右の政策的な差が小さいなら、政府は超然とやることやれば良いんだよ。

 『然れとも政府は常に一定の方向を取り、超然として<ポピュリズム>の外に立ち、至公至正の道に居らさる可らす。
 各員宜く意を此に留め、不偏不党の心を以て人民に臨み、撫馭(ぶぎょ)宜きを得、以て国家隆盛の治を助けんことを勉むへきなり。』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%85%E7%84%B6%E4%B8%BB%E7%BE%A9

<ΦΦΔΔ>(同上)

 「ちょっとしたことって内閣支持率が大きく落ちちゃう」のは、「ちょっとしたこと」しか、政治がやっていないからじゃないのかなー。
 独立、開国を訴えて、そのことの重要性を国民が認識しさえすれば、現在支持率に影響しているような要素の「重要性」が相対的に下がるから、支持率も安定するんじゃないでしょか?
 と誰か菅さんの奥さんに電話していってくれ。

<MN>

 ・・・貴コラムにおいてのみならず、昨今のメディア(テレビ・新聞・大手書店に並ぶ雑誌・大手ポータルのニュースサイトを意味す)にて数年前から「国の借金が大変だ話」および「ついては国債価格が下がる(利率が上がる)話」、みなさんよく目にされていることと思います。
 さてさて前回の送信<(コラム#4547)>で私が問題にしたことは、ΥδδΥさまが引用されたところの記事<(コラム#4545)>に記載のある”初めて1千兆円を超えた”ところのものの主語のことであります。
 ハイパーリンクをクリックし、お示しの記事を読んだところ、件の主語は”国と地方自治体をあわせた一般政府部門の09年末の借金総額”というずいぶん長いものでありました。
 以前わたしが指摘した”純債務と粗債務の相違”はまさにこの主語の意味に関することであります。
 菊池某の話もその点のみを取り出して有意義といたしております。
 よくわからん主語を使ってその後理論構築ってのはまず疑われてしかるべきです。
 国の借金、日本国国債価格に関する種々報道についてはまずその主語に疑義あり・・・というのが前回送信した内容の骨子です。
 じゃあなんでそんな報道ばかりなされるの・・・なんて考えるのは野暮というものですよ。
 ですから主語の定義が揃わぬ状態ではそれ以後の議論がかみ合わないのでこれまでとさせていただきたい・・・のですが、面白い示唆を頂いたので一点申し上げたい。

≫あの記事からだけだとわかりませんが、 <MNさん>ご紹介の菊池さんは1を全く考慮せず、国債や政府債発行時の資産の評価を中心に話されているように思います。≪(コラム#4549。ΥδδΥ)

 このお話の中での1とは、

≫1.資産の価値が下がることにより、債務を引いた正味資産が負に増大すると、
さらに国債の利率を上げる圧力になること。≪(同上)

とお書きであります。
 これまさに”時価会計”ですよね(簿価では資産の価値は上下しませんよね)。
 時価会計適用と邦銀Tier1の充実は、いわゆるバーゼルIでBISから日本が強制されたことであり、これがデフレの元凶であったと個人的に認識しています。
 リーマンショック以後、欧米民間銀行への公的資本の注入とか、時価会計の見直しとか、およそバブル以後日本がやりたくてもできなかったことがしれっと論じられるようになっているというのに、我が日本は我ら民草までが時価会計ベースで国の借金について論じているわけです。
 エリート諸兄はさぞご満悦でしょうね。
 この点(時価会計と日本財政)についてはまた時間があるときに愚筆送信申し上げたく。

<太田>

 ここは、Fat tailさんの出番では?


 それでは、記事の紹介です。
 まずは、エジプト「革命」関連から。

 国営企業を中心にストがエジプト全国に広がっている。
 政府と反対勢力との対話はストップした。↓

 ・・・the unrest is spreading as some of the largest demonstrations yet against President Hosni Mubarak were joined by labour strikes across the country, including on the Suez canal, in the city of Alexandria and by public transport workers in Cairo.
 A prominent member of a key opposition group, the Council of Wise Men, said negotiations had "essentially come to an end"・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2011/feb/09/egypt-protest-talks-union-mubarak

 国営TVや国営新聞の論調が反対勢力寄りに変わりつつある。
 それに対し、政府側はクーデターの危険迫ると脅し始めた。↓

 ・・・state-run television and newspapers changed their tone virtually overnight and began reporting favorably about the demonstrations.
 For its part, the government adopted a harder line in its rhetoric, issuing dark warnings and an ultimatum. Vice President Omar Suleiman, in remarks carried by the official Middle East News Agency, said protesters had a choice - either commit to a "dialogue" with the government or face the likelihood of a "coup." ・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2011/02/09/AR2011020905656_pf.html

 米国はエジプトの1981年以来の非常事態宣言を解除するよう求めたけれど回答はノー。↓

 Vice President Biden delivered the Obama administration's most pointed appeal on the issue this week when he urged Egyptian Vice President Omar Suleiman to immediately repeal the long-standing emergency rules.
The Egyptian reply was the same as it has been since 1981: Not yet.
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2011/02/09/AR2011020906155_pf.html

 エジプトの副大統領自身がノーをコンファーム。エジプトはまだ民主主義を受け入れる準備ができていないと語った。↓

 ・・・while Mr. Suleiman was conciliatory in the early days of the protests, his recent public statements have been chilling. He said he does not believe it is time to lift the three-decade-old emergency law that has been used to suppress and imprison opposition leaders. Most alarming, he said the country’s “culture” is not yet ready for democracy. ・・・
http://www.nytimes.com/2011/02/09/opinion/09wed1.html?ref=opinion&pagewanted=print

 軍部は、中立を装いつつ、実際には、最近、反対勢力の弾圧に乗り出してた。↓

 The Egyptian military has secretly detained hundreds and possibly thousands of suspected government opponents since mass protests against President Hosni Mubarak began, and at least some of these detainees have been tortured,・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2011/feb/09/egypt-army-detentions-torture-accused

 軍部は特権的地位をムバラクの息子ガマルを中心とする体制内資本主義的「改革」派によって脅かされていたが、2008年から反撃を開始していた。↓

 ・・・Th<e Egyptian military's> structure of economic power and patronage came under threat from the attempts of Gamal Mubarak,・・・
 ・・・the military had started putting the brakes on Gamal's reforms in 2008. ・・・
 <「革命」後の新体制下、軍部を中心として、かつてのナセル的社会主義への揺り戻しがあるのではないか。↓>
 "I don't think we are going to have neoliberal, Western-style economic reform in Egypt. I think there is going to be a return to some aspect of state-led development so the part of the economy that is controlled by the military may well be reinforced for some time."・・・
 <軍部は、悪いことをすべて旧体制内のガマル派や警察に押しつけ、新体制における中心的役割を維持せんと図っている。↓>
 ・・・the military・・・, basking in popularity and general support while other elements of the regime that are, in fact, subordinate to the military, absorb popular anger,・・・I would be very surprised if anyone — even the Muslim Brotherhood — is going to mess with the military for the foreseeable future even if there is really a democratic transition."・・・
 <いずれにせよ、このところ、軍の戦う組織としての劣化が進んでいる。↓>
 ・・・there has been a severe degradation of the Egyptian military's fighting capabilities. ・・・
 <米国の軍人とエジプトの軍人とは自由に交流することを禁じられていることもあり、米国の軍を通じたエジプト軍への軍事的・政治的影響力は必ずしも大きくない。↓>
 U.S. officers are not allowed to contact their Egyptian counterparts directly by phone or even e-mail; everything is routed through unit commanders via the Minister of Defense. And forget about fraternizing in those social clubs — as U.S. officers do with their counterparts in Jordan, which is regarded as having a first-class military.・・・
 <結局、新体制で生き残り、その中心的役割を担おうとする軍部の目的は達成される可能性が高い。↓>
 "I think they'll get Mubarak's scalp, at least symbolically, and they'll get probably a little bit of a thicker veil of civilian governance — but I think that's as much as they're going to get." The military will still be at the helm.
http://www.time.com/time/world/article/0,8599,2046963,00.html


 その他の記事の紹介です。

 オランダ語地域とフランス語地域への分裂含みのベルギーで、女性の国会議員が議員の配偶者達に、選挙後の新政権が何ヶ月経ってもできないことに抗議するセックス・ストライキを呼びかけた。
 セックス・ストライキのこれまでの歴史も出てるよ。↓
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2011/feb/09/sex-strike-belgium
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-12402838
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太田述正コラム#4552(2011.2.10)
<日英同盟をめぐって(続)その9)>

→非公開

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