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太田述正コラム#4349(2010.11.1)
<皆さんとディスカッション(続x1001)>

<ΚΔΔΚ>(「たった一人の反乱」より)

 自民支持率、民主を逆転 5カ月ぶり
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/101031/stt1010312223001-n1.htm
 このまま民主を追い詰め再度政権交代へ。
 日本を民主の魔の手から救え!

<太田>

 次の総選挙までは政権交代はないさ。
 尖閣問題でビデオを一般公開する、小沢を国会の場に引きずり出す、鳩山に引退を再表明させる、等で支持率はいくらでも回復するだろう。↓

 「・・・菅直人内閣の支持率は前回調査(9月30日実施)の48.5%から12.1ポイント急落し、6月の政権発足以降で最低の36.4%となった。不支持率は46.5%(11.7ポイント増)で支持を上回った。・・・
 漁船衝突事件への政府の対応を「不適切」としたのは前回調査の70.5%から3ポイント増の73.5%。中国人船長釈放への政治介入の有無については、87.5%が「菅政権は真実を明らかにしていない」と答えた。・・・
 民主党の小沢一郎元代表が検察審査会から強制起訴の議決を受けたことについて、78.8%が「納得できる」とした。小沢氏が離党や議員辞職をしない考えを示したことには、66.1%が「不適切」と答えた。
 小沢氏の国会招致をめぐる対応では「証人喚問をすべきだ」としたのが55.8%と過半数に達し、「政治倫理審査会での弁明」(10.0%)、「司法の決着に任せる」(26.3%)を大きく上回った。・・・
 鳩山由紀夫前首相については、69.5%が「引退すべきだ」とした。」

<ΔΚΔΚ>(「たった一人の反乱」より)

 テロ捜査協力者の名前もネットに 警察資料?流出問題
http://www.asahi.com/national/update/1031/TKY201010310312.html

 警官がP2P使うのもどうかと思うが、使うならせめてP2P用と私用のPCを2台買って使い分けろよ。
 そもそもP2Pの情報漏洩対策すら出来ない奴にこんな重要な情報扱わせちゃダメだろ。
 もう何か色々残念すぎて涙も出ない・・・。

<太田>

 「・・・ある警察幹部は「単なる情報漏洩ではなく、日本のインテリジェンス(情報活動)の危機だ」と指摘する。警備畑が長い元警察幹部によると、情報提供者の名前などが明らかになれば人命にかかわることもあるという。
 今回の問題について、外国人が絡む犯罪の捜査に携わってきた警察幹部は「情報流出で海外の情報機関から信用を失えば、情報が提供されなくなる恐れもある。影響は計り知れない」と懸念する。」

 より端的には、現在の日本における国家インテリジェンスの感覚と国家ITセキュリティーの観念の欠如が必然的にもたらした致命的大失態だな。
 結局、この後の話↓に帰着する。

<K_Maeyama>(2010.9.12)http://togetter.com/li/38267

 またかと、思われるかもしれませんが、最も重要な点は吉田ドクトリンです。
 この問題に触れずして、日本の国防問題を語っても言葉が上滑りします。
 9条と言うよりも吉田ドクトリンを堅持するか、それとも放棄するか。それが問題。
 吉田ドクトリンの問い直しができず、太田述正に有効な意見表明ができなかった人間の意見にはなんの説得力もない。
 あまり相手にしないほうがいいでしょう。
 陸上自衛隊は人員なり予算なりを縮小するのが望ましい。
 これからは海上保安庁の仕事が増加するので、陸上自衛隊の予算を純減させ海上保安庁の予算を増額するべきだと思う。
 海上保安庁の人々ができるだけ効率的に仕事ができるように配慮するべきだ。
 そのほうが限りある国の予算を有効に使える。
 日本はイギリスとは違い外征軍を持っていない。
 外征軍を持っていないと言うだけで戦車の使い道は制約されてしまう。
 外征軍がなければ戦車があっても使い道はあまりない。
 そして、なぜ日本が外征軍を持っていないか、というと吉田ドクトリンから脱却できないからである。
 だから吉田ドクトリンを堅持するなら、外征軍は不要であり、自衛隊の戦車の使い道があまりない。

<太田>

 私の日本防衛論の核心部分をご紹介いただきありがとう。

<+xDwLkfa>(2010.10.27)http://toki.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1287491591/

 この意味で欧州における「多文化共生」の失敗は、これまでの諸観念の現実適応実験の失敗の似たような繰り返しにすぎない。
 懲りないものである。
 寛容で知られたスウェーデン、オランダでも極右政党が大幅に躍進、ハンガリーも後を追う。
 フランスはロマ排斥、ドイツは敗北宣言。懲りない人たちである。
 これに対しイギリス的な考え方は、ゲルマンに由来する経験論的・帰納的な考え方で理論と現実のフィードバックを重視する。・・・太田述正のアングロサクソン論より。
http://blog.ohtan.net/archives/cat_50038741.html

 欧州文明は、宗教のドグマや特定のイデオロギを人々に強制する、集団主義的、絶対主義的な文明で、社会や世界の仕組みを、経験によらず「理論」で組み立てて導き出し、その導き出した「答え」を現実の政治に適用することで(実験!)、その度に欧州の人々に”惨禍”をもたらしてきた。

 欧州は古代ローマやカトリシズムに由来する合理論的・演繹的な考え方で理論で全てを割り切ろうとする。
 プロテスタンティズム・絶対主義・ナショナリズム・共産主義・ファシズム・無神論等の諸観念はカトリシズムを原型として手を代え品を代えて次々に生み出してきた欧州文明固有の特産物。
http://twitter.com/acq39740

<太田>

 私のアングロサクソンと欧州両文明論の的確な紹介、ありがとう。
 念のためだけど、最近のドイツでの移民排斥の動きは、イスラム移民の特異性によるところが大きいから、必ずしも一般論に還元はできないからね。

<KT>

 オススメの映画を2本紹介します。

 『トラフィック』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

 自分はこの映画を一度見た後、次の日にもう一度観ました。
 それは麻薬の供給、需要、そして2つの間にいる卸売業者、このシステムとシステムが生まれる背景は、たぶんずっと在り続けるのではないか、
と考えさせられました。

 この映画は対岸の火事では無いと思います。
 なぜなら、日本は需要と卸売業者は(ちょっとだけ)取り締まれるかもしれないけど、供給には手を入ることができません。それはなぜか?
 米国に国際的な安全保障を丸投げしてるからです。

 『イースタン・プロミス』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%9F%E3%82%B9

 そういえば、イギリスでマフィアの話題というのを聞いたことが無いので観ました。
 イギリス人のマフィアではなく、イギリス国内のロシアンマフィアや色々の話でした。
 感想は主人公のニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)の印象が残ってます。
 正直、人鎖国中の日本では人身売買なんてものがあるのか想像しにくいです。
 (日本人同士ならあるのだろうと思います)

 質問サイトでこういうことが書かれてます
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/3867736.html)、
が、太田さんによるイギリスのマフィアと人身売買についてのコラムはどうでしょうか。
<太田>

 リクエスト、サンキュー。
 TAさんから、日本の戦前史関係史料とともに、『スミス都へ行く(Mr. Smith Goes To Washington)』と『エビータ(Evita)』が届けられたので、まず、この2本鑑賞するね。
 

 それでは、その他の記事の紹介です。

 ガーディアンの論調とは全然違うね。
 さあ、どっちの予想があたるか。↓

 「・・・現実にワシントンを変えようという茶会の希望は中間選挙の直後に潰え始めるだろう。
 この<茶会>運動に集う普通の米国人達は、彼等の候補者達がどんなに活躍しようとも、数とカネの力において、共和党権力の奥の部屋に強引に入り込むことはできない。・・・」
http://www.nytimes.com/2010/10/31/opinion/31rich.html?ref=opinion&pagewanted=print

 米南北戦争の頃の米英間の近親憎悪ぶりが良く分かるぜ。
 こんな感情が20世紀に入るまでには雲散霧消したってワケがなかろ。↓

 「・・・「私はイギリスを「憎悪」する」と、<南北戦争>当時、リヴァプール米領事をしていた<米国の>小説家のナサニエル・ホーソン(Nathaniel Hawthorne)は<「憎悪」を>強調していきまいた。
 また、米財務長官は、「年老いた母親たるイギリスの髪の毛をひっつかみ」彼女をゆさぶってやりたいと喚いた。
 <他方、>工業化された北部(Union)と奴隷所有の南部(Confederacy)とのどちらを選ぶかにあたって、ジョン・ローバック(John Roebuck)のような英下院議員は、どちらを選ぶかで躊躇するようなことはなかった。
 南部のプランテーション所有者達は名誉イギリス男性達として勘定されていたのに対し、移民だらけの北部は「欧州の人間の屑とごみ」<の集まり>だった<からだ。>・・・
 ・・・<そしてまた、イギリス・>ランカシャーの<繊維>工場所有者達と彼等の英議会における傀儡達にとっては、南北戦争は綿花についてのものであり、綿花なくしては<英>繊維産業はよろめいてしまう<からだ。>・・・
 米国政府は英国を攻撃すると脅した。
 というのは、南部が使用した甲鉄船は<イギリスの>マーシー(Mersey)で艤装されたものであったからだ。・・・
 ・・・ニューヨークタイムスは、ドイツは、英国と・・・デンマークのシュレスヴィッヒ=ホルスタイン(Schleswig-Holstein)に関する権利をめぐって・・・戦争を始める前に、米国のいくつかの港で「要員を乗せ、装備し、武器を供給された」新しい海軍を調達しなければならない、と悦に入った。・・・」
http://www.guardian.co.uk/books/2010/oct/31/world-on-fire-amanda-foreman
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太田述正コラム#4350(2010.11.1)
<重光葵の世界観(その2)>

→非公開

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