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太田述正コラム#3611(2009.10.28)
<つい最近まで超男女差別社会だった米国(続)>(2009.11.28公開)
1 始めに
表記のテーマに係わる記事をいくつか、フォローアップ的にご紹介しておきましょう。
2 米国の現在の女性差別状況等
「初めて女性が労働力の半分を占めるようになった。
先週出たばかりの・・・報告書によれば、全家庭の40%で女性が主たる稼ぎ手だ。
下院議長は女性だし、国務長官も女性だ。
32名の女性がこれまで州知事に就いた。
38名の女性がこれまで上院議員になった。
アイビーリーグの8大学中、女性の学長は4名だ。
すごいじゃないかって? いや必ずしもそうじゃない。・・・
<25年前に予想したほど男女平等は進展していないし、とりわけ最近は停滞気味だ。しかも、この問題に係る人々の意識は後退している。>
・・・2008年、女性は法律家のほとんど半数を占めるに至っているが、法律事務所のパートナーの18.3%しか女性ではない。
フォーチュン社の上位500の企業のトップに就いている女性はわずかに15名だ。・・・
<女性は、実績だけで勝負しているのではダメなのだ。>
人々の意識を変える必要があるのだ。・・・
これは女性だけの問題ではない。我々全員に係わる問題なのだ。
<それはそれとして、女性に助言をしておこう。>
・・・ユーモアのセンスを持つこと・・・
・・・女性であることでびびる必要はないこと。
女性は男性とは異なった文化を持っている<ことがウリになるのだ>。
そして、そのことは、女性に大変な優位を与えている。
<例えば、>女性は困難と痛みに耐えるようにつくられている。・・・」
http://www.nytimes.com/2009/10/24/opinion/24lipman.html?pagewanted=print
(10月25日アクセス。以下同じ)
「・・・女性(とりわけ母親たる女性)と男性の間の賃金格差・・女性は男性の73%・・が維持されている。
米国の労働界と教育制度は、依然男女分離状態であるし、女性を低給与、低地位、低安定的職位に押し込めるという何世代も前からのステレオタイプの線で動いている。
女性は、医療保険に男性よりも多く払っているし、医療のお世話に男性よりなるし、どの範囲の医療が保険の対象になるかに関し、独特の形態の差別を受けている。
(<例えば、>どちらも「不可抗力(preexisting conditions)」だというのに、帝王切開や家庭内暴力は保険の対象にならない場合がある。)
どれだけの時間働いていようと、女性達は、引き続き、家庭での育児と家事を夫達よりもたくさんやっている。
また、(父親たる男性に対しては差別はないが、)母親たる女性に対する職場での差別は、どこでも当たり前だ。・・・
http://warner.blogs.nytimes.com/2009/10/22/when-were-equal-well-be-happy/?pagemode=print
3 このような状況の女性達に対して夫達が貢献できること
「新しい研究が明らかにしたところによれば、夫にとっても妻にとっても、家事をやればやるほど、配偶者とのセックスの回数が増える可能性が高い。・・・
・・・<すなわち、>家事は、家庭と団らんへの貢献の象徴であるところの、共通の利益に対して投資をする一般的意欲の指標(proxy)とも言える。
恐らく、同じ任務で働くことは、カップルに、自分達が結婚しており、同じチームに属していて、人生を築く間柄であることを思い出させるのだろう。・・・
雑用を行うことは、その報酬の一つとして、安らかな、良く手入れされた家庭がもたらされ、それが親密さを促す、という可能性もある。・・・
この研究では、家事を7つの雑用として定義している。
すなわち、掃除、調理、皿洗い、洗濯とアイロンかけ、家族を車に乗せて運ぶこと、買い物、庭仕事、自動車の低入れ、そして料金の支払いだ。・・・
2,020人の米国の成人を対象にした調査では、「家庭の雑用を共にすること」が、「浮気をしないこと」と「幸せな性的関係」に次ぐ三番目に重要な要素だった・・・。
・・・1990年に行われた同様の研究の際には、家事に高い重要性を付与した回答者が47%だったが、それが今回は72%に上昇した。
回答者達の気持ちとしては、家事は、悪くない収入や良い住居といった必須事項よりも重要なのだ・・・。・・・」
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704500604574485351638147312.html?mod=googlenews_wsj#printMode
3 終わりに
米国では、「全家庭の40%で女性が主たる稼ぎ手だ」とか、超有名大学の学長の半分は女性だというのですから、日本の現状と比べると、大変な違いです。
(米国では日本よりも母子家庭が多い、ということもあるかもしれませんが・・。)
だから、まだまだ女性差別があるわ、という米国の女性達の悩みは贅沢な悩みだと言いたくもなります。
それはさておき、日本でも、夫の皆さんに、家事をもっともっとやるように促したいですね。
日本の夫にとって、奥さんとのセックスの回数など増やしたくもないでしょうが、(セックス抜きでも?)奥さんとの仲が良くなり、三行半をつきつけられるリスクが減るのなら、儲けものではありませんか。
<つい最近まで超男女差別社会だった米国(続)>(2009.11.28公開)
1 始めに
表記のテーマに係わる記事をいくつか、フォローアップ的にご紹介しておきましょう。
2 米国の現在の女性差別状況等
「初めて女性が労働力の半分を占めるようになった。
先週出たばかりの・・・報告書によれば、全家庭の40%で女性が主たる稼ぎ手だ。
下院議長は女性だし、国務長官も女性だ。
32名の女性がこれまで州知事に就いた。
38名の女性がこれまで上院議員になった。
アイビーリーグの8大学中、女性の学長は4名だ。
すごいじゃないかって? いや必ずしもそうじゃない。・・・
<25年前に予想したほど男女平等は進展していないし、とりわけ最近は停滞気味だ。しかも、この問題に係る人々の意識は後退している。>
・・・2008年、女性は法律家のほとんど半数を占めるに至っているが、法律事務所のパートナーの18.3%しか女性ではない。
フォーチュン社の上位500の企業のトップに就いている女性はわずかに15名だ。・・・
<女性は、実績だけで勝負しているのではダメなのだ。>
人々の意識を変える必要があるのだ。・・・
これは女性だけの問題ではない。我々全員に係わる問題なのだ。
<それはそれとして、女性に助言をしておこう。>
・・・ユーモアのセンスを持つこと・・・
・・・女性であることでびびる必要はないこと。
女性は男性とは異なった文化を持っている<ことがウリになるのだ>。
そして、そのことは、女性に大変な優位を与えている。
<例えば、>女性は困難と痛みに耐えるようにつくられている。・・・」
http://www.nytimes.com/2009/10/24/opinion/24lipman.html?pagewanted=print
(10月25日アクセス。以下同じ)
「・・・女性(とりわけ母親たる女性)と男性の間の賃金格差・・女性は男性の73%・・が維持されている。
米国の労働界と教育制度は、依然男女分離状態であるし、女性を低給与、低地位、低安定的職位に押し込めるという何世代も前からのステレオタイプの線で動いている。
女性は、医療保険に男性よりも多く払っているし、医療のお世話に男性よりなるし、どの範囲の医療が保険の対象になるかに関し、独特の形態の差別を受けている。
(<例えば、>どちらも「不可抗力(preexisting conditions)」だというのに、帝王切開や家庭内暴力は保険の対象にならない場合がある。)
どれだけの時間働いていようと、女性達は、引き続き、家庭での育児と家事を夫達よりもたくさんやっている。
また、(父親たる男性に対しては差別はないが、)母親たる女性に対する職場での差別は、どこでも当たり前だ。・・・
http://warner.blogs.nytimes.com/2009/10/22/when-were-equal-well-be-happy/?pagemode=print
3 このような状況の女性達に対して夫達が貢献できること
「新しい研究が明らかにしたところによれば、夫にとっても妻にとっても、家事をやればやるほど、配偶者とのセックスの回数が増える可能性が高い。・・・
・・・<すなわち、>家事は、家庭と団らんへの貢献の象徴であるところの、共通の利益に対して投資をする一般的意欲の指標(proxy)とも言える。
恐らく、同じ任務で働くことは、カップルに、自分達が結婚しており、同じチームに属していて、人生を築く間柄であることを思い出させるのだろう。・・・
雑用を行うことは、その報酬の一つとして、安らかな、良く手入れされた家庭がもたらされ、それが親密さを促す、という可能性もある。・・・
この研究では、家事を7つの雑用として定義している。
すなわち、掃除、調理、皿洗い、洗濯とアイロンかけ、家族を車に乗せて運ぶこと、買い物、庭仕事、自動車の低入れ、そして料金の支払いだ。・・・
2,020人の米国の成人を対象にした調査では、「家庭の雑用を共にすること」が、「浮気をしないこと」と「幸せな性的関係」に次ぐ三番目に重要な要素だった・・・。
・・・1990年に行われた同様の研究の際には、家事に高い重要性を付与した回答者が47%だったが、それが今回は72%に上昇した。
回答者達の気持ちとしては、家事は、悪くない収入や良い住居といった必須事項よりも重要なのだ・・・。・・・」
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704500604574485351638147312.html?mod=googlenews_wsj#printMode
3 終わりに
米国では、「全家庭の40%で女性が主たる稼ぎ手だ」とか、超有名大学の学長の半分は女性だというのですから、日本の現状と比べると、大変な違いです。
(米国では日本よりも母子家庭が多い、ということもあるかもしれませんが・・。)
だから、まだまだ女性差別があるわ、という米国の女性達の悩みは贅沢な悩みだと言いたくもなります。
それはさておき、日本でも、夫の皆さんに、家事をもっともっとやるように促したいですね。
日本の夫にとって、奥さんとのセックスの回数など増やしたくもないでしょうが、(セックス抜きでも?)奥さんとの仲が良くなり、三行半をつきつけられるリスクが減るのなら、儲けものではありませんか。
太田述正ブログは移転しました 。
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