太田述正ブログは移転しました 。
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太田述正コラム#3514(2009.9.10)
<皆さんとディスカッション(続x594)>
<豊丘時竹>(2009.7.29)http://d.hatena.ne.jp/toyotoki11/20090729/1248846999
■『実名告発防衛省今』(太田述正 金曜日)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4906605486/yahoo0bd-22
本書は、巻末の佐高信による解説にもあるとおり、訴えられることを覚悟で具体的に実名を挙げて防衛省の闇に迫った内部告発書である。
そのことを著者は44ページの「第二部 告発」の梗概で以下のように述べている。
「翌0七年、私は額賀福志郎、加藤紘一、中谷元、大島理森、浜田幸一ら、防衛施設局に口利きを依頼した政治家の実名を公表した。名誉棄損で訴えられることを覚悟の上の告発であった」。
すばらしい本である。全部で24の節に分けて、防衛省を通して日本の戦後政治を批判している。
しかし私には、本書の目的は政治家を告発したところにあるのではないと読み取った。
読むべきは次の三点ではないか。
ページ(何行目であるかは省略する)を示した上で、全文をそっくり書き写させていただく。
(1)の1、148ページ
「誤解を恐れずに言うなら、そもそも悪いのは有権者である一般国民である。/(改行一字空け)自民党系政治家に口利きを依頼してきたのは一般国民の一部かもしれないが、そのことを知ってか知らずか、自民党の一党支配を半世紀にわたって維持させてきたのは大多数の一般国民であり、その結果もたらされたのが、政官(と業)の退廃であり、腐敗なのだ」。
(1)の2、215ページ
「繰り返すが、どんなに最大野党の民主党がダメでも、とにかく政権交代を実現するしかない。民主党は自民党に比べれば、はるかに退廃・腐敗してない」。
(2)(3)は、佐高信の「解説」に抽出・説明されている。
243ページから244ページにかけて、中村喜四郎が防衛庁政務次官だった時に、著者たちキャリアが、中村から願いごとを言わされた経緯を抽出して説明したあとに、こう書いている。
(2)244ページ
「もちろん、著者は集団的自衛権を認めさせてほしい、と願ったのである」。
すぐ続けて佐高は
(3)244ページ
「この問題について、版元の立場は、まったく違う。それを認めさせてはならないと思っており、それを護憲のある種の生命線と信じている」。
版元とは「株式会社金曜日」である。
北朝鮮が核兵器を持った今となっても、集団的自衛権を認めさせてはならないと思っていて、護憲を信条とする人たちがいる、ということは、分かっているつもりでも、やはり驚きである。
本書は、題名に「告発」という文言があることからも分かるとおり、事実の積み重ねで構成されていて興味深い書であるが、245ページもあるかなりの量のあるものである。
とてものことにそれをまとめるなどということは、私には荷が重すぎる。
上記の三点を抽出することで読者諸氏のご寛恕を願う。
詳しくはぜひご購入の上、お読みいただければ幸いである。・・・お買い求めいただければ一層ありがたい。
<太田>
拙著のプロモーションをしていただき、ありがとうございます。
<豊丘時竹>(2009.8.31) http://d.hatena.ne.jp/toyotoki11/20090831/1251647318
http://d.hatena.ne.jp/toyotoki11/20090831/1251674645
■民主圧勝 00:48
300議席に乗った。日本が属国から抜け出す転機になってくれれば、と祈る。
太田述正さん、このあと、国民はどういう行動をとればいいのでしょうか。
■民主圧勝を受けて 08:24
太田述正氏兵頭二十八氏の予想した通り民主党が圧勝した。それでも社民党と連立するという。なぜなのか。
私のこれからの仕事は、両氏に、「日本会議茨城」の総会などでご講演してもらえるような、そんな機会をつくる努力をすることだろう。そうすれば、日本が属国から抜け出すことに、多少の貢献することになろう。
<太田>
(株)金曜日と社民党の政治的スタンスはほぼ同じであり、金曜日は拙著の版元となり、社民党は、私の議員会館内での額賀らを告発する記者会見をアレンジしてくれ、また、金曜日は同党の辻元清美議員との対談記事を掲載しました。
「左」の人々は、約99%は私と考え方は同じで、結論部分にあたる約1%だけが正反対なのですから、民主党が社民党と連立を組むことを懸念する必要は全くありません。
最後の約1%をどうするかが課題となるまでの間は、むしろ社民党に民主党と連立を組んでもらっていた方が、民主党が「右」にぶれるのを食い止めるという観点から望ましい、とさえ私は考えています。
<Alfee>(2009.7.6)http://blog.livedoor.jp/earthfield2005/archives/51256027.html
--ベスト・アンド・ブライテストの死 Robert McNamara, Architect of Vietnam War, Dies at 93--
・・・
「・・・マクナマラは、キューバ危機の時のキューバやソ連、そしてベトナム戦争の時の北ベトナム(ベトコンを含む)ないしその背後にいたソ連や中共は全体主義勢力であり、これら勢力との戦争は「正しい」(just)戦争だが、戦前の日本は民主国家であり、しかも米国はその日本を戦争に追い込んだのだから「太平洋戦争」は、「正しくない」(unjust)だった、という認識に到達した、ということでしょう。
史上最年少にしてハーバードビジネススクールの教授となり、弱冠41歳にして国防長官となったマクナマラは、自他共に許す稀代の大秀才でしたが、80歳を超えた今、ようやく賢人の域に達したと言えるのではないでしょうか。
願うらくは、米国人一般、そして何よりも日本人一般がこのマクナマラの遺言とでもいうべき告白に真剣に耳を傾けられんことを。」
(「マクナマラの悔恨」太田述正blog<コラム#213から引用>)
私が先日NINJA創刊号に寄稿した小論の題名は「間接ドミノアプローチ論」。ベトナム戦争においてドミノ理論を所与のものとしたことを“判断の誤り”とマクナマラは後に自ら著書で評した。
ご冥福をお祈りするとともに、新しい平和のための「ドミノ理論」を構築しようと心に決めた次第。
<太田>
私の昔のコラムが、掘り起こされて反響を呼ぶのはうれしいことです。
それでは、記事の紹介です。
旧知のお二方が同じ記事の中に登場とはね。↓
「・・・麻生首相が秋山昌広・海洋政策研究財団会長との面会で、ついに後悔の念を口にした。
「(昨年)10月に選挙をやっていれば、こんなに負けていなかったかもしれないが……」・・・
山口那津男<公明党新代表>は朝のラジオ番組で、「連立でぼけてしまったことがあるかもしれない。公明党の持ち味である福祉、平和、教育、環境で妥協し、分かりにくくなった点は否めない」と、連立の難しさを指摘・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090910-OYT1T00097.htm?from=main2
秋山昌広(廣)元防衛事務次官との因縁(コラム#28、2186、2348、2359、2429、2361)についてはここでは繰り返しませんが、ますますご健在のようで、祝着至極ですなあ。
山口代表とは、彼が防衛政務次官であった時、私の持論の(本邦初出の)自衛官一般市民論を防衛大の1994年の入学式の祝辞で彼に述べてもらったというご縁があります。(拙著『防衛庁再生宣言』103〜105頁)
ご本人は、当時防衛庁内部部局の教育課長であった私の起草した祝辞をそのまま読んだけなのですが、後で彼に、実は・・と説明したところ、人なつっこい苦笑が返ってきました。
今となっては懐かしい思い出です。
彼は、当時は衆議院議員でしたが、その後、自民党から立候補した平沢勝栄氏に選挙区で敗れ、参議院議員に転身しました。
彼、すこぶる好男子であり、所属が公明党でさえなけりゃ、平沢氏ごときに遅れをとる人物じゃないんですがね。
絶句!↓
「・・・国家戦略局について、これまで明らかになっているのは(1)首相直属で、国会議員や民間人、党職員らで構成(2)「新時代の国家ビジョン」をつくり、政治主導で予算の骨格を策定する(3)民主党の菅直人代表代行が担当相に就任する−ことだけ。
戦略局と別に新設される行政刷新会議、閣僚委員会との役割分担や、省庁に対してどんな権限を持つのか、外交・安全保障なども担当するのか、といった肝心の点がはっきりしないままだ。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009090902000081.html
予算は100%消化せねば、という役人達の脅迫観念をなくすためにも、これ↓は極めて重要。心もとない限りだけど、民主党、頑張ってね。
「・・・民主党は・・・、新政権の発足後、2010年度から複数年度にまたがる予算編成を検討するよう、財務省に指示する方針を固めた。
従来の単年度予算編成では柔軟な予算編成ができず、「結果的に税金の無駄遣いにつながっている」(幹部)との考えからだ。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090910-OYT1T00013.htm
欧米では、夫婦が同衾するようになったのは産業革命以降なんだって。↓
・・・couples suffered 50% more sleep disturbances if they shared a bed. ・・・
・・・the modern tradition of the marital bed only began with the industrial revolution, when people moving to overcrowded towns and cities found themselves short of living space.
Before the Victorian era it was not uncommon for married couples to sleep apart. In ancient Rome, the marital bed was a place for sexual congress but not for sleeping. ・・・
Despite this, couples are reluctant to sleep apart, with only 8% of those in their 40s and 50s sleeping in separate rooms・・・
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8245578.stm
1960年代の蒋介石の大陸反攻計画が詳しく出てるよ。↓
・・・by the 1960s Chiang thought the time was right to launch a counter-attack, given the devastating famine Mao Zedong's leadership had unleashed and the possibility China would soon have a nuclear weapon. ・・・
In 1965, the plans were ready. Soldiers and officers drew up their wills, while the top brass were trying to choose the most suitable "D-Day" to deploy their troops, according to the archives.
But Beijing had discovered the plan. On 6 August 1965, two Taiwanese naval vessels assigned to transport troops on a reconnaissance mission were sunk by Communist forces. About 200 soldiers were killed.
In November the same year, another vessel sent to drop off supplies for soldiers stationed on one of Taiwan's outlying islands was hit by Communist torpedoes, killing some 90 soldiers.
The heavy loss of life surprised Chiang Kai-shek. He then realised China had significantly improved its naval capability. Chiang was forced to scale back and eventually abandon his plan. ・・・
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/8183412.stm
なんで米紙が今頃、百里基地の反戦農家の話なんかとりあげたんだろう。↓
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-japan-peacepark10-2009sep10,0,7174593,print.story
昨夜のコラム#3513(未公開)で、改めて「ヒットラーのドイツとスターリンのソ連は、悪さの度合いにおいて甲乙はつけられない存在でした。」と記したところですが、こういう議論に対する副編集長(associate editor)執筆コラムがガーディアンに載っていました。↓
・・・the neoconservative historian Niall Ferguson declared that Stalin was "as much an aggressor as Hitler". Last month, the ostensibly more liberal Orlando Figes went further, insisting the Molotov-Ribbentrop non-aggression pact was "the licence for the Holocaust".・・・
The one pact that could conceivably have prevented war, a collective security alliance with the Soviet Union, was in effect blocked by the appeaser Chamberlain and an authoritarian Polish government that refused to allow Soviet troops on Polish soil.
Poland had signed its own non-aggression pact with Nazi Germany and seized Czech territory, which puts last week's description by the Polish president Lech Kaczynski of a Soviet "stab in the back" in perspective. ・・・
・・・a campaign to turn August 23 -- the anniversary of the non-aggression pact -- into a day of commemoration for the victims of communism and nazism.
In July that was backed by the Organisation of Security and Cooperation in Europe, following a similar vote in the European parliament and a declaration signed by Vaclav Havel and others branding "communism and nazism as a common legacy" of Europe that should be jointly commemorated because of "substantial similarities".・・・
・・・the pretence that Soviet repression reached anything like the scale or depths of Nazi savagery -- or that the postwar "enslavement" of eastern Europe can be equated with wartime Nazi genocide -- is a mendacity that tips towards Holocaust denial.・・・
The real meaning of the attempt to equate Nazi genocide with Soviet repression is clearest in the Baltic republics, where collaboration with SS death squads and direct participation in the mass murder of Jews was at its most extreme, and politicians are at pains to turn perpetrators into victims.・・・
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2009/sep/09/second-world-war-soviet-pact
(私が基本的に同等と考えているところの)ヒットラーの体制とスターリンの体制の悪さの問題と、(私が基本的にヒットラーに負わせるべきだと考えているところの)第二次世界大戦の開戦責任をヒットラー以外にどの程度スターリンにも負わせるかという問題とは、区別しなければならない、ということではないでしょうか。
私にとって面白いのは、この副編集長が、やはり(イギリスと区分されるところの)欧州を野蛮の地と見ていることがうかがえる点と、英国が先の大戦でスターリンと協力してヒットラーと戦ったことを正当化しようという無意識的な意識が彼に作用していることがうかがえる点です。
---------------------------------------------------------------------------------------
太田述正コラム#3515(2009.9.10)
<縄文時代は男女平等?>
→非公開
<皆さんとディスカッション(続x594)>
<豊丘時竹>(2009.7.29)http://d.hatena.ne.jp/toyotoki11/20090729/1248846999
■『実名告発防衛省今』(太田述正 金曜日)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4906605486/yahoo0bd-22
本書は、巻末の佐高信による解説にもあるとおり、訴えられることを覚悟で具体的に実名を挙げて防衛省の闇に迫った内部告発書である。
そのことを著者は44ページの「第二部 告発」の梗概で以下のように述べている。
「翌0七年、私は額賀福志郎、加藤紘一、中谷元、大島理森、浜田幸一ら、防衛施設局に口利きを依頼した政治家の実名を公表した。名誉棄損で訴えられることを覚悟の上の告発であった」。
すばらしい本である。全部で24の節に分けて、防衛省を通して日本の戦後政治を批判している。
しかし私には、本書の目的は政治家を告発したところにあるのではないと読み取った。
読むべきは次の三点ではないか。
ページ(何行目であるかは省略する)を示した上で、全文をそっくり書き写させていただく。
(1)の1、148ページ
「誤解を恐れずに言うなら、そもそも悪いのは有権者である一般国民である。/(改行一字空け)自民党系政治家に口利きを依頼してきたのは一般国民の一部かもしれないが、そのことを知ってか知らずか、自民党の一党支配を半世紀にわたって維持させてきたのは大多数の一般国民であり、その結果もたらされたのが、政官(と業)の退廃であり、腐敗なのだ」。
(1)の2、215ページ
「繰り返すが、どんなに最大野党の民主党がダメでも、とにかく政権交代を実現するしかない。民主党は自民党に比べれば、はるかに退廃・腐敗してない」。
(2)(3)は、佐高信の「解説」に抽出・説明されている。
243ページから244ページにかけて、中村喜四郎が防衛庁政務次官だった時に、著者たちキャリアが、中村から願いごとを言わされた経緯を抽出して説明したあとに、こう書いている。
(2)244ページ
「もちろん、著者は集団的自衛権を認めさせてほしい、と願ったのである」。
すぐ続けて佐高は
(3)244ページ
「この問題について、版元の立場は、まったく違う。それを認めさせてはならないと思っており、それを護憲のある種の生命線と信じている」。
版元とは「株式会社金曜日」である。
北朝鮮が核兵器を持った今となっても、集団的自衛権を認めさせてはならないと思っていて、護憲を信条とする人たちがいる、ということは、分かっているつもりでも、やはり驚きである。
本書は、題名に「告発」という文言があることからも分かるとおり、事実の積み重ねで構成されていて興味深い書であるが、245ページもあるかなりの量のあるものである。
とてものことにそれをまとめるなどということは、私には荷が重すぎる。
上記の三点を抽出することで読者諸氏のご寛恕を願う。
詳しくはぜひご購入の上、お読みいただければ幸いである。・・・お買い求めいただければ一層ありがたい。
<太田>
拙著のプロモーションをしていただき、ありがとうございます。
<豊丘時竹>(2009.8.31) http://d.hatena.ne.jp/toyotoki11/20090831/1251647318
http://d.hatena.ne.jp/toyotoki11/20090831/1251674645
■民主圧勝 00:48
300議席に乗った。日本が属国から抜け出す転機になってくれれば、と祈る。
太田述正さん、このあと、国民はどういう行動をとればいいのでしょうか。
■民主圧勝を受けて 08:24
太田述正氏兵頭二十八氏の予想した通り民主党が圧勝した。それでも社民党と連立するという。なぜなのか。
私のこれからの仕事は、両氏に、「日本会議茨城」の総会などでご講演してもらえるような、そんな機会をつくる努力をすることだろう。そうすれば、日本が属国から抜け出すことに、多少の貢献することになろう。
<太田>
(株)金曜日と社民党の政治的スタンスはほぼ同じであり、金曜日は拙著の版元となり、社民党は、私の議員会館内での額賀らを告発する記者会見をアレンジしてくれ、また、金曜日は同党の辻元清美議員との対談記事を掲載しました。
「左」の人々は、約99%は私と考え方は同じで、結論部分にあたる約1%だけが正反対なのですから、民主党が社民党と連立を組むことを懸念する必要は全くありません。
最後の約1%をどうするかが課題となるまでの間は、むしろ社民党に民主党と連立を組んでもらっていた方が、民主党が「右」にぶれるのを食い止めるという観点から望ましい、とさえ私は考えています。
<Alfee>(2009.7.6)http://blog.livedoor.jp/earthfield2005/archives/51256027.html
--ベスト・アンド・ブライテストの死 Robert McNamara, Architect of Vietnam War, Dies at 93--
・・・
「・・・マクナマラは、キューバ危機の時のキューバやソ連、そしてベトナム戦争の時の北ベトナム(ベトコンを含む)ないしその背後にいたソ連や中共は全体主義勢力であり、これら勢力との戦争は「正しい」(just)戦争だが、戦前の日本は民主国家であり、しかも米国はその日本を戦争に追い込んだのだから「太平洋戦争」は、「正しくない」(unjust)だった、という認識に到達した、ということでしょう。
史上最年少にしてハーバードビジネススクールの教授となり、弱冠41歳にして国防長官となったマクナマラは、自他共に許す稀代の大秀才でしたが、80歳を超えた今、ようやく賢人の域に達したと言えるのではないでしょうか。
願うらくは、米国人一般、そして何よりも日本人一般がこのマクナマラの遺言とでもいうべき告白に真剣に耳を傾けられんことを。」
(「マクナマラの悔恨」太田述正blog<コラム#213から引用>)
私が先日NINJA創刊号に寄稿した小論の題名は「間接ドミノアプローチ論」。ベトナム戦争においてドミノ理論を所与のものとしたことを“判断の誤り”とマクナマラは後に自ら著書で評した。
ご冥福をお祈りするとともに、新しい平和のための「ドミノ理論」を構築しようと心に決めた次第。
<太田>
私の昔のコラムが、掘り起こされて反響を呼ぶのはうれしいことです。
それでは、記事の紹介です。
旧知のお二方が同じ記事の中に登場とはね。↓
「・・・麻生首相が秋山昌広・海洋政策研究財団会長との面会で、ついに後悔の念を口にした。
「(昨年)10月に選挙をやっていれば、こんなに負けていなかったかもしれないが……」・・・
山口那津男<公明党新代表>は朝のラジオ番組で、「連立でぼけてしまったことがあるかもしれない。公明党の持ち味である福祉、平和、教育、環境で妥協し、分かりにくくなった点は否めない」と、連立の難しさを指摘・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090910-OYT1T00097.htm?from=main2
秋山昌広(廣)元防衛事務次官との因縁(コラム#28、2186、2348、2359、2429、2361)についてはここでは繰り返しませんが、ますますご健在のようで、祝着至極ですなあ。
山口代表とは、彼が防衛政務次官であった時、私の持論の(本邦初出の)自衛官一般市民論を防衛大の1994年の入学式の祝辞で彼に述べてもらったというご縁があります。(拙著『防衛庁再生宣言』103〜105頁)
ご本人は、当時防衛庁内部部局の教育課長であった私の起草した祝辞をそのまま読んだけなのですが、後で彼に、実は・・と説明したところ、人なつっこい苦笑が返ってきました。
今となっては懐かしい思い出です。
彼は、当時は衆議院議員でしたが、その後、自民党から立候補した平沢勝栄氏に選挙区で敗れ、参議院議員に転身しました。
彼、すこぶる好男子であり、所属が公明党でさえなけりゃ、平沢氏ごときに遅れをとる人物じゃないんですがね。
絶句!↓
「・・・国家戦略局について、これまで明らかになっているのは(1)首相直属で、国会議員や民間人、党職員らで構成(2)「新時代の国家ビジョン」をつくり、政治主導で予算の骨格を策定する(3)民主党の菅直人代表代行が担当相に就任する−ことだけ。
戦略局と別に新設される行政刷新会議、閣僚委員会との役割分担や、省庁に対してどんな権限を持つのか、外交・安全保障なども担当するのか、といった肝心の点がはっきりしないままだ。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009090902000081.html
予算は100%消化せねば、という役人達の脅迫観念をなくすためにも、これ↓は極めて重要。心もとない限りだけど、民主党、頑張ってね。
「・・・民主党は・・・、新政権の発足後、2010年度から複数年度にまたがる予算編成を検討するよう、財務省に指示する方針を固めた。
従来の単年度予算編成では柔軟な予算編成ができず、「結果的に税金の無駄遣いにつながっている」(幹部)との考えからだ。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090910-OYT1T00013.htm
欧米では、夫婦が同衾するようになったのは産業革命以降なんだって。↓
・・・couples suffered 50% more sleep disturbances if they shared a bed. ・・・
・・・the modern tradition of the marital bed only began with the industrial revolution, when people moving to overcrowded towns and cities found themselves short of living space.
Before the Victorian era it was not uncommon for married couples to sleep apart. In ancient Rome, the marital bed was a place for sexual congress but not for sleeping. ・・・
Despite this, couples are reluctant to sleep apart, with only 8% of those in their 40s and 50s sleeping in separate rooms・・・
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8245578.stm
1960年代の蒋介石の大陸反攻計画が詳しく出てるよ。↓
・・・by the 1960s Chiang thought the time was right to launch a counter-attack, given the devastating famine Mao Zedong's leadership had unleashed and the possibility China would soon have a nuclear weapon. ・・・
In 1965, the plans were ready. Soldiers and officers drew up their wills, while the top brass were trying to choose the most suitable "D-Day" to deploy their troops, according to the archives.
But Beijing had discovered the plan. On 6 August 1965, two Taiwanese naval vessels assigned to transport troops on a reconnaissance mission were sunk by Communist forces. About 200 soldiers were killed.
In November the same year, another vessel sent to drop off supplies for soldiers stationed on one of Taiwan's outlying islands was hit by Communist torpedoes, killing some 90 soldiers.
The heavy loss of life surprised Chiang Kai-shek. He then realised China had significantly improved its naval capability. Chiang was forced to scale back and eventually abandon his plan. ・・・
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/8183412.stm
なんで米紙が今頃、百里基地の反戦農家の話なんかとりあげたんだろう。↓
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-japan-peacepark10-2009sep10,0,7174593,print.story
昨夜のコラム#3513(未公開)で、改めて「ヒットラーのドイツとスターリンのソ連は、悪さの度合いにおいて甲乙はつけられない存在でした。」と記したところですが、こういう議論に対する副編集長(associate editor)執筆コラムがガーディアンに載っていました。↓
・・・the neoconservative historian Niall Ferguson declared that Stalin was "as much an aggressor as Hitler". Last month, the ostensibly more liberal Orlando Figes went further, insisting the Molotov-Ribbentrop non-aggression pact was "the licence for the Holocaust".・・・
The one pact that could conceivably have prevented war, a collective security alliance with the Soviet Union, was in effect blocked by the appeaser Chamberlain and an authoritarian Polish government that refused to allow Soviet troops on Polish soil.
Poland had signed its own non-aggression pact with Nazi Germany and seized Czech territory, which puts last week's description by the Polish president Lech Kaczynski of a Soviet "stab in the back" in perspective. ・・・
・・・a campaign to turn August 23 -- the anniversary of the non-aggression pact -- into a day of commemoration for the victims of communism and nazism.
In July that was backed by the Organisation of Security and Cooperation in Europe, following a similar vote in the European parliament and a declaration signed by Vaclav Havel and others branding "communism and nazism as a common legacy" of Europe that should be jointly commemorated because of "substantial similarities".・・・
・・・the pretence that Soviet repression reached anything like the scale or depths of Nazi savagery -- or that the postwar "enslavement" of eastern Europe can be equated with wartime Nazi genocide -- is a mendacity that tips towards Holocaust denial.・・・
The real meaning of the attempt to equate Nazi genocide with Soviet repression is clearest in the Baltic republics, where collaboration with SS death squads and direct participation in the mass murder of Jews was at its most extreme, and politicians are at pains to turn perpetrators into victims.・・・
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2009/sep/09/second-world-war-soviet-pact
(私が基本的に同等と考えているところの)ヒットラーの体制とスターリンの体制の悪さの問題と、(私が基本的にヒットラーに負わせるべきだと考えているところの)第二次世界大戦の開戦責任をヒットラー以外にどの程度スターリンにも負わせるかという問題とは、区別しなければならない、ということではないでしょうか。
私にとって面白いのは、この副編集長が、やはり(イギリスと区分されるところの)欧州を野蛮の地と見ていることがうかがえる点と、英国が先の大戦でスターリンと協力してヒットラーと戦ったことを正当化しようという無意識的な意識が彼に作用していることがうかがえる点です。
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<縄文時代は男女平等?>
→非公開
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