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太田述正コラム#3450(2009.8.9)
<皆さんとディスカッション(続x562)>

<植田信>(2009.8.8)http://8706.teacup.com/uedam/bbs

 ・・・<先>週の猪瀬メール・マガジンの話題は、北海道開発局です。
 これは不要である、と。
 一方、<8月7日>の太田述正氏のプログ<(コラム#3445)>の話題が、「日本のリーダー論」でした。

 これをほぼ同時に拝見したところ、うーむ、これがまさに今の日本なのだなあ、と思いました。
 事柄の重要性を比較したら、どちらが重いか。
 ここに適切なセリフが、武村健一氏の例の「日本の常識は世界の非常識」でしょう。

 日本の常識でいけば、もちろん、そりゃ、北海道開発局の問題だろう、となるでしょう。
 だから、世界の常識はそれとは逆に、太田氏が論じる「日本のリーダー論」だろう、となります。

 そこで太田氏の「日本のリーダー論」から。
 冒頭の部分で、一気に戦後の日本の状況と常識をはるかに飛び越えていきます。

 「 --日本の閉塞状況打開のために・・リーダー論の試み(古典と軍事の視点から)--
<始めに>

・ 太田著「防衛庁再生宣言」=国の自立論、と日本の閉塞状況論との関係
・ 日本の閉塞状況論の貧困・・最近の日本経済だけを見る議論は不毛。他方、そうではない説(例えば小室直樹説)にも見るべきものがない。
・ 古典(=比較文明、歴史)と軍事に対する造詣の重要性。(例えば、国家(=近代国家=国民国家)は軍事抜きに理解はできない。)・・・」
http://blog.ohtan.net/archives/51394200.html

 しかり。
 この導入部を見るだけで、私の目の前に、日本という国のあるべき姿が大きく広がっていきました。目の前の視界が急に大きく広がっていき、それが実感されると、今までいかに狭い視界の中に閉じ込められたいたのかと理解された、という感じです。

 こういうのは、実感するまでは、その事態がわかりません。
 あたかもプラトンの『国家』で描写されている洞窟の中の住人の立場です。
 洞窟の中に住んでいる人が、洞窟内を照らすランプを太陽と思い込んでいた、と。ところが、ひょんなことで洞窟の外に出たら、そこに本当の自然界の太陽がありました。
 プラトンは哲学の効用をこのように述べています。

 太田氏、いわく、「最近の日本経済だけを見る議論は不毛。他方、そうではない説(例えば小室直樹説)にも見るべきものがない。」

 まさに、ズバリ、です。
 国家主権の問題を正面から論じるのであれば、その通り。
 経済問題は、自国の第7艦隊があってこその、自国経済のグローバル化です。それまでは、日本株式のニューヨーク市場依存です。このこと(経済システムの安全保障の軍事依存)をはっきり述べたのが、1990年代に大蔵省銀行局長だった吉村氏<(太田『実名告発防衛省』231頁)>です。大蔵省が主導する護送船団方式の黄昏を生きた人です。埋葬の時は、すでに早大の教授に転身していました。

 小室直樹氏についていえば、その通り、国家主権の問題には関係ありません。
 この人は、国内の官僚主導問題に限定です。
 今では、賞味期限が過ぎてしまったようです。
 政権交代が起きそうな今、官僚主導問題は「論」から「実践」となりました。

 次。
 太田氏、いわくー「国家(=近代国家=国民国家)は軍事抜きに理解はできない。)」

 明治政府の要人たちなら、即座に同意したことでしょう。
 しかし、戦後の日本人はどうか。
 そんなことを口にしたら、選挙に勝ち抜けない、となることでしょう。
 戦後の日本人にとっては軍事問題を公式に口にすることは、タブーです。
 自民党がこの問題に臆病になったのは、1960年の安保問題の時だったと言います。憲法改正をスローガンにした岸首相が、安保改正の直後、辞任するしかなかった、と。
 以後、自民党は国内問題限定政党になりました。

 ひるがえって、昨晩、太田氏の置かれた立場が私の頭に浮かんできました。
 太平洋独りぼっち、といいますか。
 スウィーティ洪水の東京で、ひとり、ポツンと日本国の主権問題を訴える、と。

 まさに「日本の常識は世界の非常識」のセリフの妥当性を太田述正氏が示してくれます。
 要するに、戦後の日本人は、どこか狂ってしまったのです。
 酒井<直樹>氏<の『希望と憲法』>によれば、そうしたのがアメリカです。日本の植民地化政策です。

 しかし、日本人はそれを天国と感じているのですから、ヘーゲル的に言えば、これぞ、歴史の狡知です。世界史は、実に抜け目のない知恵をもっていて、自分の意図を実現していく、と。
 アメリカは日本占領を踏み台にしてグローバル戦略を推し進め、一方、日本人は「国民主権」という近代思想を実践学習する機会を得た、と。

 正しいのは、皆さん、太田述正氏の立場ですよ、もちろん。
 念のため。

<λλΑΑ>(「たった一人の反乱」より)

 日本が属国でないと言ってる人に言うけど、拉致家族が米国議会へ陳情(情けないが)へ行ったり、北朝鮮が米国との話し合いを優先したりするのは何故だか不思議の思わんかね。

 自国民が拉致されてなぜ他国へお願いへ行くの?

 われわれには受け入れがたいかもしれないが、われわれが(最悪、できれば避けたいが)(直接的or間接的に)犠牲を払う事によって(それも覚悟のうえで)解決することが世界標準ではないのか?

<λΑλΑ>(同上)

 『1940年体制さらば戦時経済』野田悠紀雄著、によれば、戦後経済は戦時体制の延長線にある、または戦後経済は戦時体制により形作られたと言っていいようだ。
 著者が言うには戦前の日本の社会は労働市場の自由度が極めて高く、直接金融により企業の支配構造は株主中心であり、税体系も中央集権的なものではなく地方財政はかなりの自主権を持っていたそうだ。
 これが金融恐慌や大陸での戦争悪化により戦時体制に移行した訳だが、1940年の税制改正で戦費調達の為に給与所得の源泉徴収制度が導入され直接税中心の税体系が確立し、この結果、補助金・交付金などによる地方財政は中央に依存するようになった。
 同年、資源を軍需産業に傾斜配分させる事を目的として金融統制の強化が進められ、1942年、日本銀行法が制定され株式市場の資金調達から間接金融システムへの移行が行われた。
 またこの時期に年功序列、終身雇用制が全国に普及した。
 (他にも著者は借地法・借家法の強化、下請け制度、年金、国民健康保険....etcを挙げている。)
 このように戦後経済は形作られたらしいです、なぜ戦時体制が引き継がれたかについて、著者は日本の官僚機構の連続性を挙げているが、今は省略する。
 ここで著者が問題にしているのは、この総力戦体制は成長に対しては適応できたが変化に対しては適応出来なかったこと。
 この経済体制は高度成長期における所得分配において重要な役割を果たしたが、成長に行き詰まりを見せたとき、著者が主張するには以下の問題が発生した。

・会社中心主義が支配的であるため、企業間の労働移動が阻害され産業構造の障害となる
・間接金融体制の下では、新しい産業に対する資金供給が十分ではない
・低生産性部門の合理化に手をつけられない、円高のメリットが消費者に還元されない
・税財政制度が中央集権的であり、財政支出の地域別分配を大都市地域にシフトできない

<λΑΑλ>(同上)

 俺はいわゆる「ナイーブな日本人」の典型のような考えの友達に、自分の言葉でおーたんの属国論を話したんだが、思った以上に多くのものを与えることができたみたい。
 そいつは某旧帝大に通っているんだが、そこの講義よりも面白いと言ってくれた。(お世辞かもしれないけど。)
 ただ、話をすんなり理解するには高校卒業程度の世界史の知識を持っていないと厳しいかも。

 まず独立前のアメリカとイギリスの関係や、20世紀初めの日本と韓国の関係など(つまり、一般的な宗主国対属国の関係)を思い出させた上で、現在のアメリカと日本の関係をその上になぞらせる。
 これで日本がアメリカの属国だってことは容易に理解できる。

 今さらながらなぜ自分もおーたんの言論にふれるまで日本が属国だってことに気付かなかったのか考えてみたら、「歴史の積み重ねとして」現在を捉えていなかったからだと気づいた。現在進行形で歴史が形成されていることに気づかなかったと。
 それと同時に、「国際社会の一員として」日本を捉えていなかったから集団的自衛権の必然性にも気づかなかった訳だ。

 おーたん、一般の日本国民はあなたが考えているよりずっとバカです。

<太田>

 バカの中に、宮澤喜一のような高IQで自民党派閥の領袖で首相をやったような大バカ者がいる(コラム#3445)んで困っちゃうんだよねえ。

<λΑλΑ>(同上)

 このような流れから経済体制の抜本的な改革が求められ構造改革論が出てきたと思うんだが、戦時体制からの構造はまったく変わってないみたいっすな。

 「・・・今年の企業倒産件数は西欧で前年比3割増、米国で同4割増しが見込まれている一方日本では15%増にとどまるとも指摘。 「通常なら経済の活発さを示すが日本の場合は経済の弱さを示している」と、競争力を失いながら市場から淘汰されないでいる企業の増加に警鐘を鳴らした。」
http://.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090619AT2M1903B19062009.html

 日本の繁栄に翳りが見えてきている現在、現状維持で良いのかという問題、これは経済体制に限らず、少子化、高齢化、女性の社会進出、移民...etc、の問題でもあると考える。
 また太田が言うように高度成長は戦前から始まっていたと考えるならば、経済体制もそうだが、戦後日本は基本的に戦前の財産を引き継いだだけとも考えられるんじゃないっすかね。
 リーダーが馬鹿でも食っていけたと考えるべきなんじゃないっすかね。
 リーダーが馬鹿では食っていけない時代になりつつあると捉えるべきじゃないっすか。
 ちょうど自分もこれについて考えてたんで、まとめるついでに投下しとく。・・・

<ΑλΑλ>(同上)

 結局日本人は不貞腐れてるんだと思う。
 だから拉致問題で宗主国大統領に縋るんだよ。

 本来なら日本国民、特に日本の政治家なんて恥ずかしくて切腹するレベルの話だよ。
 しかも自分の不作為やサボタージュは正さず6者協議なんて枠で世界中に恥をさらし続けるなんてな。

 アメリカがやったことやその後の日本への処断への怒りが今に至るまで燻り続けている吉田が抱いた怒り<(コラム#249、250)>と同質のものだ。

 一般国民がそれを克服して<コラム#3448でΛΑΛΑがコラム#3445から孫引用した>吉田のその後の境地に辿り着くまでには何が足りないのか。

 更なる犠牲と屈辱か?

<ΑλΑλ>(同上)

 鳩山代表、「アジア共通通貨」を提唱
http://www.afpbb.com/article/politics/2628826/4421168

 どうやったらメガバンクのATMから平気で偽札が出てくる人民元や、偽札製造が国家事業となっている北朝鮮、沈没寸前の韓国と共通通貨ができるという発想が出てくるのか?
 知れば知るほどってヤツだな。

<ΑΑλλ> (同上)

 アジア版EUを作りたいんだろ。
 ヨーロッパはEU、アフリカはAU、アメリカ大陸はアメリカを中心としてまとまろうとしている中で、アジアもまとまろうとするのは当然のことだと思うが。

 「また、鳩山氏は、アジア共通通貨の創設には10年以上の年月を要するとした上で、この目標が追求する価値のあるものだとした。」という文章からしても、導入するなら偽札問題に対処してから、ということだろうし、「韓国が沈没寸前」ってのは正直意味が分からないし。

 全然問題ない、むしろイイ提唱だな。

<太田>

 今年3月に、中曽根康弘元首相が会長を務める世界平和研究所が、アジアにドルやユーロに並ぶ共通通貨を導入することをめざし、「「短期的課題」では今年中に各国が不良債権の損失額を把握・開示し、監督体制の国際的枠組みを作成する。「2010年代」にアジア共通通貨単位実現への環境整備を進めるため、協議機関を設立し、関係国は為替規制の最小化や変動相場制への移行などに取り組む。「20年代」に加盟国間の為替を安定させるためのアジア共通通貨単位「ACU(アキュー)」を開始、「30年代以降」にアジア中央銀行を創設し、共通通貨を導入することを提言している。
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/090309/fnc0903091524013-n1.htm

 このACUとは、元大蔵官僚の近藤健彦(明星大学教授)が提唱する「共通の単一通貨でなく、円、ウォン、元、ドルによって構成され、・・・貨幣<の>「価値尺度」「支払い手段」「貯蔵手段」<中>価値尺度に純化す<る>・・・「アジア通貨単位」すなわちACU(アキュ:アジア・カレンシー・ユニット)」のことだろう。
http://www.financialjapan.co.jp/featured/0804kondoh.html

 近藤によれば、「フィリピンではエストラダ、アロヨと2代にわたって大統領がアジア共通通貨に相通じる「共通通貨」について言及している。・・・マレーシアのマハティール前首相も熱心だった。タイのタクシン前首相は「アジア各国の外貨準備を使ってアジア債券を」と言っていたが、これもACUと親和性のある提案だ。」ということだ。
 だから、アジア版EUとか、アジア版ユーロといった夢物語はさておき、さしあたりはACUの話だと受け止めれば、鳩山の問題提起、そう捨てたもんじゃないんじゃないかな。

<KT>

≫対米農業自由化(FTA)と所得補償はワンセットであるはずなのに、これじゃ理屈が全く通りません。≪(コラム#3441。太田)

 すみません、基本的な事が無い質問なのですが、なぜ対米農業自由化(FTA)と所得補償はワンセットなのでしょうか?

 農業自由化(経済ダーウィニズムでしたっけ?)すると、生き残れない農家が増えるから、所得補償とワンセットが必要ということでしょうか?

<太田>

 これ↓で、まだ分からない?

 「・・・民主党の小沢一郎代表代行は・・・、米国との自由貿易協定(FTA)をめぐる党衆院選マニフェスト(政権公約)の記述について、「農家には戸別所得補償制度の導入を提案しており、食料自給体制の確立と自由貿易は何も矛盾しない」と述べ、鳩山由紀夫代表が文言の修正を決めたことに異議を唱えた。・・・
 小沢氏は・・・「(自由化で)農産物の価格が下がっても所得補償制度で農家には生産費との差額が支払われる」と強調。農業団体の反発も「農協が一方的にわいわい言っているケースもある。ためにする議論でしかない」と切り捨てた。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090808/stt0908082224004-n1.htm

 ここでも、小沢は、正論を吐いてますねえ。

<KT>

 --失礼ですが、笑ってしまったマニフェスト--

 マニフェスト点検「安全保障」
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin2009/news1/20090808-OYT1T00215.htm

・共産党は、防衛予算の大幅削減をうたう。インド洋、ソマリア沖への海自派遣を「海外派兵」と断じ、撤退を主張。日米安全保障条約は「軍事同盟」であるとして破棄、自衛隊の海外派遣に向けた恒久法制定の動きも「憲法を踏みにじる企て」と切り捨てている。

・社民党は、海自のインド洋からの「即時撤退」を主張、海賊問題への対処は自衛隊ではなく「海上保安庁主体」にするとした。非核三原則の「厳守」も明記。こうした方針は、民主党との連立政権が成立した場合、政権運営に影響を及ぼす可能性が大きい。自衛隊は「専守防衛に徹した必要最小限の組織に縮小」することを主張する。

 一番笑ってしまったのが、これです

・新党日本は、自衛隊を改組し、国際援助を行う「サンダーバード隊」(仮称)を創設する検討の開始を、重点施策の一つにすえた。

<太田>

 社民党の政審会長代理の辻元清美衆議院議員との対談で、彼女、「私は、自衛隊を分割して人道復興支援をやる別部隊を作るのがいいと思うんです。」と言っていた(コラム#2955。非公開)ところを見ると、社民党も新党日本と同じようなことを考えてるんじゃないですかね。
 こういった発想の「左」の人、結構多いんですよ(例えば、コラム#3189参照)。
 自衛隊によるいわゆる「国際貢献」を一切止めた上で、「サンダーバード」隊をつくるか、自衛隊を単に大幅縮小するか、どっちでもいいけど、そんなことしたら、米側から日米安保を破棄され、日本は裸の「独立」国として、ほっぽり出されますよ。
 その先のことまでこういった人々は何も考えていないんだろうけど・・いや、共産党くらいは考えていると思いたいけど・・、極楽とんぼここに極まれりって感じですね。

<globalyst>

≫歌唱の伴奏楽器としてはともかく…≪(コラム#3448。太田)

 ギター伴奏の歌唱なら、私は長谷川きよしが好きだな。
http://www.youtube.com/watch?v=3gVI8FhVtak

<太田>

 昨日予告した、一人題名のない音楽会補足です。

 世界最高峰のナリシソ・イエペス(Narciso Yepes)によるギター演奏で「アルハンブラの思い出」をお聴きください。↓
http://www.youtube.com/watch?v=RLHR8zaEsA8

 この曲の妙味は、同じ音をすばやく繰り返す(トレモロ)ところにあります。
 それを止めちゃうと、あのポールモーリア楽団が演奏しても、こんなに間延びした曲想になってしまいます。↓
http://www.youtube.com/watch?v=x54Vj_JnUWQ

 次に、Leonidas Kavakos によるバイオリン演奏です。↓(編曲はRuggiero Ricci。)
http://www.youtube.com/watch?v=8A_CCOsNn_w&feature=related

 よくやるよ、と脱帽しつつも、この曲は、音を長く伸ばすのが身上のバイオリンにはあってない、とつくづく思われたことでしょう。

 器械が弦をひっかいて音を出す、ピアノの原型のクラヴィコードでは、音の強弱が出せない、換言すれば、強く鍵盤を叩く必要がないだけに、一応サマになります。
 アマチュアによる演奏です。↓
http://www.youtube.com/watch?v=RHK-OHyMPYM&feature=related

 これが本格的なピアノとなるとどんなに大変か。
 プロがこんな無謀なことを試みるワケがなく、当然アマチュアによる演奏ですが、お確かめ下さい。↓
http://www.youtube.com/watch?v=7mYL51EjNAo&feature=related

 しかし、1オクターブ下の音を同じ手で、あるいは他の手で弾くようにすれば、この曲だってラクに弾けますし、サマになります。演奏者本人による編曲の妙です。↓
 (なお、プロだったら、もっと速く弾けます。)
http://www.youtube.com/watch?v=7vDutEpSFx0

 このように、ピアノでも、実質的にギターとほぼ同じことができるのです。
 やっぱ、ピアノは楽器の王様ですね。

 しかし、デスクトップミュージックでなら、ピアノの音でも何の楽器の音でも、同じ音のトレモロをどんなに速くだって、しかもどれだけ続けるのだって自由に「演奏」することができます。
 よって、肉体的限界に制約される生身のプロの器楽演奏家は、そう遠くない将来に消滅するであろうことが、ここからも予感できます。

 記事の紹介です。

 金正日の酒池肉林の様が生々しく紹介されてるよ。↓

 ・・・Yun Hye-yong was a woman beyond the reach even of North Korean dictator Kim Jong-il. Yun, the lead singer of Kim's former favorite band Pochonbo Electronic Ensemble, was brutally executed after she spurned Kim's persistent advances and fell in love with another man.・・・
http://english.chosun.com/site/data/html_dir/2009/08/08/2009080800150.html

 セオドア・ローズベルトのいかにもヤンキーらしい自然保護政策が紹介されている。↓
 かつての米国人ってホントに嫌な奴らだねえ。

 ・・・ for <Theodore Roosevelt, living forests and petrified forests, bird preserves and buffalo ranges were essential for the country’s survival as a moral and military power. ・・・
 ・・・how peculiarly American Roosevelt’s Darwinism was, combining a belief in natural selection with the intuition that God made the world and that human beings -- especially Americans -- were inevitably stewards of it. ・・・Roosevelt <wrote> a year before his death: “Thank Heaven I sat at the feet of Darwin and Huxley.” Roosevelt was not being ironic; he could thank God for Darwin. Just as he could be a hunter and a conservationist; indeed the two activities encouraged each other.・・・
http://www.nytimes.com/2009/08/09/books/review/Rosen-t.html?_r=1&hpw=&pagewanted=print

 今度の世界不況をもたらした「元凶」とも言うべき経済理論の歴史と、それに疑問を投げかけた経済学者達が紹介されている。↓

 ・・・the financial theory known as the efficient-market hypothesis <developed as follows;>・・・
 1952,・・・Harry Markowitz・・・<gave a>model <which tells> investors what they should do, rather than predicting what they actually do. But by the mid-1960s other theorists had taken the next step, analyzing financial markets on the assumption that investors actually behaved the way Markowitz’s model said they should. The result was an intellectually elegant theory of stock prices -- the so-called Capital Asset Pricing Model, or CAPM (pronounced “cap-em”).・・・
 Markowitz would eventually share a Nobel <prize> in economic science with William Sharpe, who played a key role in developing CAPM, and Merton Miller, another central figure in the development of modern financial theory. ・・・
 Fischer Black and Myron Scholes・・・came up with a formula that seemingly solved the puzzle of how to value options -- contracts that give investors the right to buy or sell assets at predetermined prices.・・・
 Scholes and Robert Merton・・・ shared another finance Nobel <prize>・・・
 All along, there were critical voices. Robert Shiller, who has become famous for predicting both the Internet crash and the housing bust, first made his mark by casting statistical doubt on the evidence for efficient markets. Lawrence Summers, now a senior official in the Obama administration, began a paper on financial markets thus: “THERE ARE IDIOTS. Look around.”・・・
http://www.nytimes.com/2009/08/09/books/review/Krugman-t.html?hpw=&pagewanted=print
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太田述正コラム#3451(2009.8.9)
<アテネ・海軍・民主主義(その2)>

→非公開

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