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太田述正コラム#3165(2009.3.21)
<皆さんとディスカッション(続x432)>

<ベラドンナ>

 コラム#3163を読みました。
「王様は裸」の話に出てくる三者ですが、自分はどれにあてはまるのですか?三つともしっくりきません。
 自分であえて言えるなら、それが「王様は裸」だったんだなあ、と言葉にならなかったものが、言葉になったという感じです。

<太田>

 確かにそうだ。
 「王様は裸だ」と叫んだ子供を含め、人間を4つに分けるべきでしたね。
 自分は「子供」だと思う人、この指とまれ。

<(´・ω・`)>

≫子供は、先入観やしがらみにとらわれていないから、「王様は裸だ」って言えるんですよ。私は、幸か不幸か、このような意味で、子供であり続けて現在に至っている、ということなのです。≪

 先入観にたっぷりとらわれて、その結果根拠もなくありもしなかった、“創価と警察の癒着”のことで訴えられて裁判に負けたことをもう忘れたの?
 間違っていても十分な対応ができない、あなたは立派に頭の固い大人ですよ。

<太田>

 この裁判では、「創価と警察の癒着」の有無そのものは全く争点になっていないということぐらいは分かった上で投稿してんだろうね。
 それはともかく、キミの言ってることは、太田は「先入観にたっぷりとらわれて、その結果根拠もなくありもしなかった、"小沢とゼネコンの癒着"のことで訴えられて裁判に負け」るよ、に等しい。
 「創価学会/公明党」についても「小沢」についても、どちらも公共の利益に関する事柄であって、関係者はいずれも公務員であり、前者は当時「本」(2人の公務員による共著)を引用して論じたものであり、後者は「大新聞の電子版」を引用して論じたものである、という違いがあるだけだからね。 
 (この「本」そのもの関する名誉毀損訴訟がその後どうなっているのか、ご存じの方はご教示願いたい。この「本」の著者や出版社の側が負けることなど、さすがにありえないはずだ。)

 本当に「癒着」があるかどうかにかかわらず、この種の言論活動は、とりわけインターネット上では(ウソはもちろんダメだし単なる風聞に基づくようなものもダメだけど)基本的に自由であるべきだとキミは思わず、太田は「間違っ」たのに今再び同じ過ちを犯している、と言いたいってことだよなあ。
 確かに、このような公共性のある言論活動の抑圧につながる判決を、裁判所は私に下したわけだ。
 しかしこれは、私だけじゃなく、この太田コラムに、メディア報道を引用しつつこれまで「小沢とゼネコンの癒着」的な投稿を行った読者全員が名誉毀損に問われうるってトンデモ判決なんだぜ。
 この判決の原告以外に、私のコラム#195でイニシャルで登場するところの、原告と基本的に同じ立場の人間が3人いるけど、彼らは私に対して訴えを提起してはいません。彼らのその決断に敬意を表すべきでしょう。

 創価学会/公明党や裁判所は権力の片割れであり、小沢は潜在的権力と言っていいだろうけど、これら権力の犬と言われても仕方のない、からっきし意気地のなさそうなキミの有り難ーい匿名のご「忠告」には涙が出るねえ。

 ところで、私の「裸の王様」の話にえらく鋭敏に反応したものだけど、あそこで出てきた人間の4類型のうち、キミは王様にこびへつらう口だな。フフフ。

<らん>

 コラム#686「ヨハネ・パウロ二世の死(その1)」に<ついてですが、>アフガニスタンにもブーテフリカという人がいるとは知りませんでした。ブーテフリカといえばアルジェリアの大統領に決まっていると思っていましたから。

→そのコラムにつけてある典拠を調べるまでもなく、単なる書き損じです。
 熱心にバックナンバーを読んでくれてありがとう。このような指摘は大歓迎です。(太田)

 また、コラム#688「ヨハネ・パウロ二世の死(その2)」に<ついてですが、>えええええっカトリックが米国で最大の宗教であり続けって、頭だいじょぶですか?
http://www.atlas-historique.net/1989-aujourdhui/cartes/MondeReligions.html

<太田>

 残念でした。あなたの後の方の指摘は、的外れですねえ。

 あなたの示した典拠でも、キリスト教とイスラム教はそれぞれ、紫系と青系で表示しつつも、カトリック/プロテスタント/正教、スンニ派/シーア派は、濃淡で区別してますよね。
 カトリックとプロテスタント等をキリスト教として一括りにするか、それぞれを別の宗教とするか、どちらも考え方としては成り立つわけです。
 例えば、中共では、カトリックとプロテスタントは別の宗教扱いをしています。

 「・・・カトリック教は7世紀から中国に伝わってきて、1840年の中英「アヘン戦争」以後大規模に広まっていった。中国は現在カトリック教徒が400余万人おり、住職者は約4000人で、教会堂は4600余カ所ある
 キリスト教(プロテスタント)は19世紀初めに中国に伝わってきて、「アヘン戦争」後に大規模に広まっていった。近年は急速な発展をとげ、教徒は1949年の70万人から現在の1500万人へと、22倍増え、布教者は2万人近くおり、教会は1万2000余カ所、簡易活動場所は2万5000余カ所ある。・・・」
http://www.bjreview.cn/JP/2002-14/fm14-1.htm

 カトリックを宗派ではなく宗教として扱った場合、カトリック単独でも信者が11億人強もいる
http://en.wikipedia.org/wiki/Roman_Catholic_Church#Membership
http://en.wikipedia.org/wiki/World_population
のに対し、広義のキリスト教に次いで信者数の多いイスラム教は、スンニ派とシーア派を一括りにしたとしても、その信者の合計は10〜13億人
http://en.wikipedia.org/wiki/Major_religious_groups
ですから、あながちカトリックが世界最大の宗教であると言っても間違いではないのですよ。

 この世界最大の宗教であるカトリックがカルトみたいな世迷い言を垂れ流し続けているのはホント困ったもんです。

 ・・・Asked about the use of condoms to help tackle the scourge of AIDS, the pope restated, in unusually explicit terms, the church’s position that these are not useful to “overcome” the epidemic, indeed their use actually makes the problem worse. He suggested the disease could be beaten through chastity, abstinence and “correct behaviour”. Speaking in a continent where more than 20m people have died from AIDS and another 22.5m are infected with HIV, his statement sounded otherworldly at best, and crass and uncaring at worst. ・・・
 The pope now seems immovable on the issue. His words on condoms and AIDS look particularly heartless in light of a scandal in Brazil that also casts the Catholic church in a poor light. An archbishop there excommunicated doctors for performing an abortion on a nine-year-old girl who had been raped repeatedly by her stepfather and made pregnant with twins. The girl’s mother was also expelled from the church; the rapist was not. The Vatican has made a partial retreat, criticising the haste with which the decision was made-and, eventually, the decision itself.・・・
http://www.economist.com/opinion/displaystory.cfm?story_id=13326176

<YK>

 「元大阪高検公安部長を独占直撃! 大手新聞、TVが書けない検察ウラ金隠蔽の非道」
http://kodansha.cplaza.ne.jp/broadcast/special/2003_07_02/index.html

 検察は、現職の幹部検事であっても、逮捕し、抹殺する怖い役所ですね!!
 太田先生も、ご存知の事件です。

<太田>

 当コラムとどう関係するのか必ずしも定かではありませんが、転載させていただきました。

<後からすみません>

 なるほど。条約自体で範囲を限定しているし、実際に行動する際にも各当事国に(限定付の)決定権があるわけですね(コラム#3163)。
 よく、わかりました。お手間をおかけして、申し訳ありませんでした。
 条約の文言上だけでなく、現実に日本のフリーハンドが十分確保できるのであれば、集団的自衛権に反対する理由は特にないと思います。

<moshika>

 後からすみませんさん(コラム#3163)へ。
 僭越ながら、以下参考までに。
 多国間安全保障の中で、独立国家がどの程度自由かということに関しては、米国の対イラク戦を参考にするのがよさそうです。
 「対イラク戦は…NATO加盟国中英国(ただし、内容不詳の英米安全保障協定加盟国でもある(コラム#105参照))は対イラク戦に参戦し、フランスやドイツは参戦しなかったこと、ANZUS加盟国中オーストラリアは参戦し、ニュージーランドは参戦しなかったこと、他方韓国は参戦を考慮中と伝えられていることは、それぞれの国が米国の要請を受け、加盟している「枠組み」とは全く無関係に、それぞれの国益に照らして対応しているということです。」(コラム#110「再び集団的自衛権について」)

 他方、日本は実質的に「集団的自衛権」行使を認めているという認識は必要だと思います。
 「集団的自衛権が行使できないという憲法解釈を日本政府がとっていると称していることは事実ですが、日米防衛協力等の際の自衛隊の運用等は日本による集団的自衛権の行使を前提として行われており、建前と実態が乖離しています。(例えば、コラム#57、#58及び2参照。)」(同上)

 自衛隊のイラク派遣
http://www2.asahi.com/special/jieitai/
は「建前と実体の乖離」の具体例と思いますが、この状況をごまかし続けているのは自民党・自民党系議員ですね。
http://blog.ohtan.net/archives/50955588.html(自民党議員・元議員の自衛隊イラク派遣反対)
http://blog.ohtan.net/archives/50955587.html(自民党議員・元議員の自衛隊イラク派遣反対(続))

 イラク派遣に関しては、そもそも自衛隊が警察的組織であることの問題(イラク特措法がポジ法規であり、自衛隊法すらそうであること)も見えてきます。(コラム#227「イラク派遣自衛隊をめぐる法的諸問題(その1)」参照)

<太田>

 太田コラムのバックナンバーを相当読み込んでいただいているようで、敬意を表します。
 ただ、自由民主主義諸国の同盟の運用実態については、国連安保理決議のかなり苦しい解釈によって正当化せざるを得なかった対イラク戦より、米国(ニューヨークとワシントン)が武力攻撃され、NATOとして決定された対アフガニスタン戦の方が適切でしたね。
 そちらにおいてすら、

 ・・・of the alliance’s 26 NATO members, the brunt of the real fighting has been borne by only five: the United States, Britain, Canada, the Netherlands and Denmark. ・・・
  German soldiers, for example, can only be used in a noncombat role in the relatively peaceful north. ・・・
http://www.nytimes.com/2009/03/20/opinion/20fri2.html?ref=opinion&pagewanted=print

と、軍隊をその本来目的のためにアフガニスタンに派遣しているのは、NATO加盟26カ国中わずかに5カ国に過ぎない、というていたらくです。

<後からすみません>

 西松建設事件は、小沢氏の金権ぶりを強調しても、説得力は低いと思います。
 表にでている情報だけを見ると、ある程度知的で社会常識を弁えている有権者であれば、この事件はおかしい、不公平だと考えるんじゃないでしょうか。野党より与党側、特に権力中枢への利益供与の方が格段に多いと考えることが自然でしょうから。

<太田>

 一般論としては、あなたの言っていることは正しい。
 しかし、複数の県における国交省及び県発注の公共事業の談合の元締めを、大手ゼネコンの元締めと共同で務めたり、そのため(にも)これらの県知事に自分の子飼い子分を就けたり、みかじめ料や斡旋料を政治資金としてマネーロンダリングして自分の懐に入れたり、といった「表にでている情報」を見ると、これらの情報がいずれも事実であるとすれば、防衛施設行政で東北地方を所管していた私がかねてから抱いていた小沢像とぴったりであり、これら「犯罪」が行われた時代を考慮に入れても、当時の自民党及び自民系の政治家の中で、小沢が「利益供与」を最も突出して受けていた人物である、と言ってよいでしょう。
 結論は簡単です。
 小沢及びその一派さえ、民主党内で失権させることができれば、民主党は次の総選挙で勝利することまず間違いない、ということです。

 それでは、本日の記事です。
 まず、小沢秘書逮捕事件がらみの記事から。

 「・・・準大手ゼネコン「西松建設」から民主党・小沢代表の資金管理団体「陸山会」への違法献金事件で、・・・陸山会は、東京都内や岩手県内などのマンション、土地など多額の不動産を購入 していたとされ、東京地検特捜部は、政党支部から流れた資金の一部が不動産購入に使われていたとみて、資金の流れの解明を進める模様だ。・・・」
http://www.asahi.com/national/update/0321/TKY200903200263.html

→その不動産の多くは小沢個人名義になっている(コラム#3153)ことをもう一度思い出しましょう。(太田)

 「・・・小沢氏は・・・、公共事業受注企業からの献金禁止論について「ほとんどの企業が何らかの形で(国や地方自治体と)関係ある」と指摘し、「政治団体も含め、すべての企業・団体献金を禁止するのが一番すっきりする」と述べた。<そして、>鳩山由紀夫幹事長と協議し、党政治改革推進本部長の岡田克也副代表の下で具体案を検討するよう指示した。
 過去2回の衆院選で民主党のマニフェスト(政権公約)には「公共事業受注企業からの献金禁止」が入っていた。小沢氏が代表となった後の平成19年の参院選では、マニフェストから消えた。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090321/plc0903210227000-n1.htm

→小沢は、「公共事業受注企業からの献金禁止」をマニフェストから落とした、ということも忘れないようにしましょう。(太田)

 「西松建設から小沢一郎・民主党代表の資金管理団体「陸山会」への違法献金事件で、東京地検特捜部が、小沢代表の元秘書で、同会の会計責任者だった元衆院議員の高橋嘉信氏(55)から参考人として事情聴取していた・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090320-OYT1T01065.htm?from=main1

→高橋、ついに晴れ舞台に登場です!(太田)

 それ以外の記事です。

 「・・・中国の梁光烈国防相は20日、訪中した浜田靖一防衛相と北京市内で会談し、中国初となる国産航空母艦について「大国で空母を 持っていないのは中国だけだ。永遠に空母を持たないというわけにはいかない」と述べ、建造の意思を明らかにした。中国国防当局トップが空母建造の意思を明確に表明したのは初めて。・・・
 これに対し、浜田防衛相は、日本としての懸念などは伝えなかった。」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009032001000792.html

→属国の大臣には発言権がない、というか、発言する何ものも持ち合わせていないってことでしょうね。(太田)
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太田述正コラム#3166(2009.3.21)
<ナルシストが世界不況をもたらした?(その2)>

→非公開

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