太田述正ブログは移転しました 。
www.ohtan.net
www.ohtan.net/blog/

太田述正コラム#3101(2009.2.17)
<皆さんとディスカッション(続x401)>

<michisuzu>

≫イスラエルは、基本的にユダヤ教徒の国ではあっても、その国民の大部分はもともと建国当初から世俗的な人々です。 しかも、彼らは一層世俗化しつつあります。 これに対し、パレスティナ人はハマスの隆盛ぶりを見てもお分かりのように、イスラム教原理主義化しつつあります。イスラム教は、そもそも原理主義的な宗教であり、何もなくてもその原理主義的傾向を強めていくというやっかいな代物です。・・・≪(コラム#2099。太田)

 流石で御座いますわねえ^^博識強記の太田様ならではの文面素晴らしく承りました。
 村上様は多分数年以内にノーベル賞を受けられるのではないでしょうか?
 きっとその時の為になんらかのサジェッションだったのではないでしょうか、よくわかりませんが^^

<雅(商人です)>

 色々と今度調べようかと思っている人です。

杉山龍丸 (1919年〜1987年)
昭和15年陸軍士官学校(53期)を卒業し、陸軍少佐で終戦を迎える。
インドの政府や個人の協力を得てインドの各地にあった砂漠地帯や土砂崩壊の地域を緑化したが、日本の政府や企業などからは理解や協力が得られず、日本ではあまり知られていない。尚、父親は作家の夢野久作である。代々伝わった三万坪の農地を売り緑化の費用にあてた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%89%E5%B1%B1%E9%BE%8D%E4%B8%B8
杉山龍丸氏 関連文書アーカイブ
http://www.geocities.jp/kubo_yasu/


夢野久作
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A2%E9%87%8E%E4%B9%85%E4%BD%9C
ドグラマグラ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%83%A9

 ちなみにこの方の御尊父は、ご存じの方はご存じの杉山茂丸だそうです。

杉山茂丸
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%89%E5%B1%B1%E8%8C%82%E4%B8%B8

 まだ読んでいませんが、文書アーカイブを読むだけでも非常に勉強になるかもしれません。私も読んでみようなっと思っております。

個人的感想 ; 政府はこういう方にこそお金を出すべきだったんでしょうね。今からでも遅くないから、、、マスコミも特番を組むなりしてより取り上げて欲しいものです。その為にも、、、!!

<太田>

 私のどのコラムや著書等にどんな風に関係しているのか判然としませんが、それはそれとして、転載させていただきました。

<大>

 質問します!

 moshikaさんが挙げておられるコラム#2201と2451の太田さんの発言についてですが、太田さんは、戦争がダメなら死刑もダメだ、死刑がダメなら戦争もダメだ、但し、ここに言う「戦争」には、集団的自衛権の行使に伴う武力行使や国際的警察活動などは含まれていない、と、お考えなんでしょうか?
 それから、moshikaさんが挙げておられる、

「(死刑制度の)違憲説は、つとに木村亀二などによって唱えられてきたが、その根拠の要旨は次の通りである。…さらに、憲法の9条は戦争の放棄を規定して いるが、…戦争を否定することは個人的価値の優位を認め国家の絶対性を否認することである。他方で、死刑を肯定することは超個人的価値としての国家の絶対 性を肯定することである。日本国憲法の根本原理は戦争否定の平和主義である以上は、その当然の帰結として、日本国憲法は国家的価値の絶対性の上にのみ可能 な死刑を否定するものと見なければならない。」(p33〜p34)

ですが、これは太田さんと同じ意見なのですか?
 僕は「絶対性」などの意味がよくわかっていないのかもしれませんが、
 要するに、「戦争を否定するということは、国家的価値や社会的価値よりも常に個人的価値が優先させるということだから、戦争否定なら死刑も否定だ。」ということなのかなと思いました。
 そうすると、民主主義とかは国家的価値で、集団的自衛権の行使や警察活動などはこれを守るものだと思いますから(確か、そういうことでディスカッションシ リーズの議論が進んでいた気がします)、この文章で言う「戦争」は上のような行使や活動が含まれていることになるのではないかな、と思いました。

<太田>

 「死刑がダメなら戦争もダメだ」の「戦争」には、警察行動・・正当防衛や緊急避難の要件をクリアした場合にのみ武器が使用できる・・は含まれていません。(太田)

<おさ>

 <コラム#3014「イスラエルのガザ攻撃(続x3)」を読みました。>
 理解できないのは、核開発などで、イランが台頭する中、なぜエジプトはハマスへの武器流入を,とめないのでしょうか?エジプトの地位の相対的低下や、紛争 などにより、エジプトへの観光客が、減ることは、容認するつもりなのでしょうか?

<太田>

 もともとガザ地区は1948年から1967年までエジプトが統治・・実効支配・・していた、という経緯があり、エジプトがその実効支配を回復したとして、(既にガザからイスラエル人入植者やイスラエル軍を撤退させている)イスラエルは、それを黙認すると考えられます。
 ところが、現在のガザ地区を支配しているハマスは、エジプトの(イスラム教原理主義団体たる)イスラム同朋団のガザ支部といった存在であり、イスラム同朋団の弾圧に血道をあげているエジプトのムバラク政権としては、それにハマスが加わったら、弾圧しきれなくなるのではないか、と恐れていることから、ガザの実効支配を回復するどころか、ガザとエジプトの境界を開けることにすら反対しているのです。
 では、どうしてエジプトはガザへの武器流入を真剣に止めようとしないのでしょうか。
 武器流入を止めれば、その報復として、ハマスが(イスラム同朋団と連携して)エジプト国内で、観光客等を標的にしたテロを敢行する恐れがあるからです。
 こういうわけで、エジプトとしては、ハマスとイスラエルの交渉を仲介し、和平条件の中でハマス自身が武器流入を図らないことを約束することを望んでいるのです。

<KK>

 はじめてメールさせていただきます。また突然のメール失礼いたします。
 太田様のご著書『属国の防衛革命』『実名告発防衛省』を拝読し、特に日本の属国度について暗澹たる思いをいたしました。ただ、そうした実情について情報を発信されることにより、現状を改めていこうとされる方がまだ日本には存在することを再確認でき、安堵した次第です。

 さて、ご著書のなかで政権交代の必要性を説かれました。それが実現することにより、防衛利権にかかわる現状が打破されるとのことでした。この部分につきましては、政治と行政の実情に接した経験をもたない私のような一国民からすれば、太田様のご経験に基づくご意見を、「おそらく正しいのであろうな」と判断する次第です。

 ただ、「政権交代」と「属国状態脱却」の間に存在するはずの政治過程といいましょうか、シナリオといいましょうか、その部分はいかにして実現されうるかについては、必ずしも明示されなかった点が残念に思われました。

 どのようにあるべき日本の姿を実現させていくか、その手順を(次回ご著書を発表される時、あるいは次回選挙に出馬される時などに)お示しくだされば、私を含めた読者、応援者は、より希望がもてるのではないかと思います。

 その際には、属国化脱却と独自の外交・防衛体制の確立という公益が、どのように各自の私益につながるかについて、具体性をともなった形(もっといえば国民が各自勝手に私益を追及することによって、自ずと公益が実現される政治過程や仕組みのご提案)でお示しいただければ、賛同者も増えるのではないかと思います
 (「日本の中東への依存度は高い」という水準では、「頭では理解できるけれども…」という水準にとどまる気がいたします。
 そうではなく、例えば、「軍の管理部門ではなく、実動部門の充実」→労働力の吸収や技能の取得、「付加価値と機能性の高い兵器開発と生産」→三菱・IHIといった既存の防衛産業だけではなく、これまで「部外者」であった電機・電子・発動機・機械・輸送に関わる中小企業を含めた産業への波及効果(新規事業・雇用)、「外交・防衛に必要な情報収集体制の構築」→官庁部門における雇用の確保・その発注とメンテナンスに関わる新規事業の創出などといった形で、経済的な利害=私益をからめるシナリオを示す。それを通じて、第2次産業や官庁部門(外務・防衛・自治・公安など)の支援者を増やす(この部分は選挙に関わる話かもしれませんが)。
 あるいは、太田様のご経歴を拝見いたしましたところ、MBAの学位もおもちと知りました。ですから、安全保障というパブリックな部門について、マネジメントの用語にて語るなどされることも、ビジネスマン層の理解者を増やす一助になるのではないでしょうか。
 例えば、(妥当かどうかわかりませんが)「日本政府は国際安全保障「市場」における「シェア」を高める(従来のように国際貢献というと、高尚なことに思え(実際、公に従事される自衛隊の方々はそうなのですが)一歩引く人が多いのではないでしょうか)」「国民は永久ローンによって、永久安全保障を実現する体制を購入する(手に入れる)」「独自の外交・防衛体制が構築されれば、三菱重工や石川島といったいわゆる防衛産業だけではなく、他の産業にとっても継続的にキャッシュフローを発生さえる新ビジネスが、日本に創出されることになる」など」
 このように経済界に新たな理解者=新規事業・新規のキャッシュフローを模索する人々に情報を発信することにより、賛同者を増やし、その実現を望む彼らから声をあげさせれば、政治・行政(財務・経済産業など)の世界も動かざるをえなくなるのではないかとも思います)。

 以上、ご著書につきまして、勝手な意見を一方的に示しました非礼をお許しください。ひとえに太田様のこれまでのご活躍に心服し、今後の(政治も含めた)ご活動をぜひ応援したいと思うがゆえのものであるとご理解いただければ幸いに存じます。

 春めいた日も到来するようになりましたが、寒暖の変化が続きます。お体どうぞご自愛ください。

<太田>

 直接のお答えにならないかもしれませんが、お読み下さい。

 昨日、一日早い私の誕生会(60歳)を開いてくれた読者2人と別れ際に、

「先日、鳥の群れと衝突してエンジンがいかれた旅客機を、一瞬の判断でニューヨークのハドソン川に見事に着水させた機長は、米空軍のパイロットだった。軍のパイロットにとって、飛行機を飛ばすことなど最低の条件であり、彼らは、戦闘の際に曲技飛行的なことをやらなければならないし、何よりも、命がかかっている緊急事態下において精神の平静を保つことの重要さを体得している。
 軍歴のない民航機パイロットだってシミュレーターで緊急事態勃発の際に対応する訓練も一応受けるが、切った張ったの実戦経験のある、あるいは少なくともそのような実戦を想定した訓練を受けるところの軍のパイロットとは、技量や心構えにおいて雲泥の差があると思った方がよい。
 民航機など、通常の飛行ならオートパイロットにまかせても大丈夫なくらい操縦は簡単だ。
 戦後日本の政治家は、官僚というオートパイロット付きの飛行機の操縦席に座っているだけだ。
 緊急事態になったら、今度は、米国という軍歴のあるパイロットがオートパイロットを切った上で遠隔操縦でその飛行機を操縦してくれることを彼らは知っている。
 だからこそ、麻生や中川のようなでくの坊が、厚かましくも機長やコパイロット席にふんぞり返って座っているのだ」

といった趣旨の話をしたところです。

 では記事です。

 英国政府が、過激派(イスラム教徒)の定義を定め、この定義にあてはまる英国住民に警戒に目を向けることにするようだ、との記事がガーディアンに出ました。

・・・Some say the plans would see views held by most Muslims in Britain being classed by the government as extreme.
According to a draft of the strategy, Contest 2 as it is known in Whitehall, people would be considered as extremists if:
1 They advocate a caliphate, a pan-Islamic state encompassing many countries.
2 They promote Sharia law.
3 They believe in jihad, or armed resistance, anywhere in the world. This would include armed resistance by Palestinians against the Israeli military.
4 They argue that Islam bans homosexuality and that it is a sin against Allah.
5 They fail to condemn the killing of British soldiers in Iraq or Afghanistan.・・・
Those considered extreme would not be targeted by the criminal law, but would be sidelined and denied public funds・・・
http://www.guardian.co.uk/politics/2009/feb/17/counterterrorism-strategy-muslims

 これじゃ、イスラム教徒はほとんど警戒対象になるではないか、との批判が出ていますが、この英国政府の動きは極めて妥当なものだと私は思います。

 次は、4分の3の人々が、色気より食い気(ごちそう)を選んだという記事がワシントンポストに出ていました。

・・・<When asked >What food would you give up sex for?・・・Some 5,000 people reportedly weighed in, with three quarters of them listing chocolate as their answer. Shellfish (lobster, shrimp, crab) came in second; steak ranked third.
To me, the biggest surprise was how many people in the survey said they would forgo sex for food: Seventy five percent.・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-srv/community/groups/index.html?plckForumPage=ForumDiscussion&plckDiscussionId=Cat%3aa70e3396-6663-4a8d-ba19-e44939d3c44fForum%3ac185d7bc-f8e7-486c-8fbb-0e856736946cDiscussion%3ae7af640f-dc73-4db6-b06e-9a0628ddfe1f
 
 最後に、東京外大の米文学の女性教授が、ブッシュのようなばかげた妄言・・日本の民主主義意識は戦後つくられた・・を吐いてますよ。

After World War II, Japan had to re-invent itself again. First came the challenge of creating a democratic consciousness in Japan. Lincoln helped. Around this time, the Gettysburg Address became popular in high school textbooks. To this day, almost all Japanese high school students know the phrase "government of the people, by the people, for the people."
KONOMI ARA, a professor of American literature and culture at the Tokyo University of Foreign Studies
http://www.nytimes.com/2009/02/16/opinion/16Ara.html?_r=1&pagewanted=print

 何とかしてくれ!

太田述正ブログは移転しました 。
www.ohtan.net
www.ohtan.net/blog/