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太田述正コラム#2915(2008.11.15)
<バーチャル不倫>(2008.12.24公開)
1 始めに
バーチャル不倫がもとで離婚騒ぎになった英国人夫妻の話が英ガーディアン紙に載った(
http://www.guardian.co.uk/technology/2008/nov/14/second-life-virtual-worlds-divorce
。11月14日アクセス)と思ったら、次の日には米タイム誌でもとりあげられました(
http://www.time.com/time/world/article/0,8599,1859231,00.html
。11月15日アクセス)。
さっそく、どういうことかご紹介しましょう。
記事には、この夫と妻の本名やアバター名等が出てきますが、便宜上、すべてアルファベットに置き換えました。
2 ことの次第
イギリスのコーンウォールで女性A(28歳)が夫のB(40歳)に対し離婚訴訟を提起した。
理由は、Bが セカンド・ライフ(Second Life)というバーチャル世界で浮気をしたから、というもの。
セカンド・ライフでは、利用者はアバターを用いて動き回ったり、友人をつくったり、バーチャル通貨で買い物をしたりできる。現実世界ではできない自由奔放な言動をバーチャル世界ではとることができるのがミソだ。
AはBと2003年にオンライン・チャットを通じて知り合い、ロンドンに住んでいたAがコーウォール地方に住んでいたBの所に赴き、同棲生活に入った。
二人は、AのアバターであるαとBのアバターであるβをセカンド・ライフの中でも同棲させた。
ちなみに、Aとα、Bとβはそれぞれ身長・体重、出で立ち、生活態度等がかなり違っている。
ところが、ある日昼寝から目覚めたAは、セカンド・ライフでβが売春婦とセックスしているのをBがパソコン画面で眺めているのを発見した
怒ったAは、セカンド・ライフでのαとβの関係を終了させたが、実生活におけるBとの同棲は続けた。
その後、AはBを試すため、セカンド・ライフで私立探偵を雇ってある女性にβを誘惑させた。しかし、βはαへの強い思いを語り、この女性を退けた。
そこで、セカンド・ライフで美しい熱帯雨林の中でαとβは結婚し、実生活においても2005年にAはBと正式に結婚登録所に婚姻届を提出した。
ところが今年4月、Aは米国人の女性(55歳)Cのアバターであるγをβがソファの上で抱きしめているのをBがパソコン画面で眺めているのを発見した。
Bはβはγとセックスをしたわけではなく、単にチャットをしていただけだと抗弁したが、Aは聞き入れず、離婚訴訟を提起したわけだ。
ちなみに、その後、Aはセカンド・ライフ以外のバーチャル世界で出会った男性とつきあい始めたし、Bは上記Cと毎晩2時間も電話でのおしゃべりを続けており、住んでいる場所が遠く離れていることもあって当分会うつもりはないけれど、将来は彼女と結婚したい意向だという。
3 終わりに
コラム#2800でポルノを見ることは不倫ではない、という記事をご紹介しましたが、ポルノがインターアクティブになったらどうなるのか、というような話ですね。
バーチャルな世界で男性のアバターが女性のアバターと不倫することは、その男性が不倫相手のアバターの主の女性のアイデンティティーを知らなければ不倫にはならないけれど、アイデンティティーを知っておれば不倫になるのではないでしょうか。
いずれにせよ、頭がおかしくなりそうです。
果たして日本でも、今や同様の話が起きても不思議はない状況になっているのでしょうか。
<バーチャル不倫>(2008.12.24公開)
1 始めに
バーチャル不倫がもとで離婚騒ぎになった英国人夫妻の話が英ガーディアン紙に載った(
http://www.guardian.co.uk/technology/2008/nov/14/second-life-virtual-worlds-divorce
。11月14日アクセス)と思ったら、次の日には米タイム誌でもとりあげられました(
http://www.time.com/time/world/article/0,8599,1859231,00.html
。11月15日アクセス)。
さっそく、どういうことかご紹介しましょう。
記事には、この夫と妻の本名やアバター名等が出てきますが、便宜上、すべてアルファベットに置き換えました。
2 ことの次第
イギリスのコーンウォールで女性A(28歳)が夫のB(40歳)に対し離婚訴訟を提起した。
理由は、Bが セカンド・ライフ(Second Life)というバーチャル世界で浮気をしたから、というもの。
セカンド・ライフでは、利用者はアバターを用いて動き回ったり、友人をつくったり、バーチャル通貨で買い物をしたりできる。現実世界ではできない自由奔放な言動をバーチャル世界ではとることができるのがミソだ。
AはBと2003年にオンライン・チャットを通じて知り合い、ロンドンに住んでいたAがコーウォール地方に住んでいたBの所に赴き、同棲生活に入った。
二人は、AのアバターであるαとBのアバターであるβをセカンド・ライフの中でも同棲させた。
ちなみに、Aとα、Bとβはそれぞれ身長・体重、出で立ち、生活態度等がかなり違っている。
ところが、ある日昼寝から目覚めたAは、セカンド・ライフでβが売春婦とセックスしているのをBがパソコン画面で眺めているのを発見した
怒ったAは、セカンド・ライフでのαとβの関係を終了させたが、実生活におけるBとの同棲は続けた。
その後、AはBを試すため、セカンド・ライフで私立探偵を雇ってある女性にβを誘惑させた。しかし、βはαへの強い思いを語り、この女性を退けた。
そこで、セカンド・ライフで美しい熱帯雨林の中でαとβは結婚し、実生活においても2005年にAはBと正式に結婚登録所に婚姻届を提出した。
ところが今年4月、Aは米国人の女性(55歳)Cのアバターであるγをβがソファの上で抱きしめているのをBがパソコン画面で眺めているのを発見した。
Bはβはγとセックスをしたわけではなく、単にチャットをしていただけだと抗弁したが、Aは聞き入れず、離婚訴訟を提起したわけだ。
ちなみに、その後、Aはセカンド・ライフ以外のバーチャル世界で出会った男性とつきあい始めたし、Bは上記Cと毎晩2時間も電話でのおしゃべりを続けており、住んでいる場所が遠く離れていることもあって当分会うつもりはないけれど、将来は彼女と結婚したい意向だという。
3 終わりに
コラム#2800でポルノを見ることは不倫ではない、という記事をご紹介しましたが、ポルノがインターアクティブになったらどうなるのか、というような話ですね。
バーチャルな世界で男性のアバターが女性のアバターと不倫することは、その男性が不倫相手のアバターの主の女性のアイデンティティーを知らなければ不倫にはならないけれど、アイデンティティーを知っておれば不倫になるのではないでしょうか。
いずれにせよ、頭がおかしくなりそうです。
果たして日本でも、今や同様の話が起きても不思議はない状況になっているのでしょうか。
太田述正ブログは移転しました 。
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