太田述正ブログは移転しました 。
www.ohtan.net
www.ohtan.net/blog/

太田述正コラム#2990(2008.12.23)
<皆さんとディスカッション(続x344)>

<michisuzu>

≫michisuzu小沢論、面白い! 典拠をつける習慣を身につけてないのが、改めて惜しまれます。私自身は、彼が健康面で不安があることだけでも致命的だと思いますがね。少なくとも健康維持については、努力不足だったことは否めないのでは・・。そこへ行くと、ブッシュはエライねえ。≪(コラム#2988。太田)

 お褒めにあずかり恐縮でございます。
 また、毎度毎度アップしていただきありがとうございます。
 知性的ではあっても健康不安で退散した安倍様や健康だけど勇気も忍耐も無かった福田様、健康だけど漢字も読めず国民に資質を疑問視された麻生様と比べると先天的な心臓疾患を持ちながらも日本の為に頑張る小沢様を私は支持します。

 健康で白人で御父様が元大統領ならば小学3年生程度の地頭力でアメリカ大統領になれることを証明したことがブッシュ様の最大の貢献でしたね。
 私には小沢様は首相になっても一年くらいで軌道に乗せればさっさと辞めてキングメーカーの道を歩む徳川家康を彷彿とイメージするのですが。
 少なくとも10パーセントの支持率でもしがみ付くようなレベルの人ではないと思いますが・・・。
 また典拠に関しては通常の常識の範囲ででの発言なので省略しております、悪しからずね。

<太田>

>お褒めにあずかり恐縮でございます。また、毎度毎度アップしていただきありがとうございます。

 いやなに、ちょっとしたアファーマティブアクションってやつですよ。

>典拠に関しては通常の常識の範囲ででの発言なので省略しております

 「聞くところによると今上陛下は宮内庁では歴代で最も評判が悪いとか?理由は民主的な人だからとか。」(コラム#2988。michisuzu)
なんて、本来絶対典拠が必要ですよ。
 それにしても、お世継ぎ問題で体調を崩されるとは、今上天皇もお気の毒に。
http://mainichi.jp/select/wadai/koushitsu/news/20081212k0000m040069000c.html

<コバ>

 武力侵攻は二の次で、日本列島が核兵器によって先制攻撃され、全滅してしまう可能性はないのでしょうか?
 もし北朝鮮が核兵器を東京中心部に打ち込んだら、それだけで日本は壊滅的ダメージを受けると思うのですが…。
 しかし、原爆を投下された広島、長崎を発展させた人たちは本当にすごいと思います。

<michisuzu>

 兵頭二十八さんのミサイル防衛と核保持に関しての意見が私の主張とまったく合致しているのに驚きました。
論理的に完璧で納得しました。
 日本人は片方で核の廃絶を唱え、いざ核攻撃を受けかければ平気で変節してアメリカの核の傘にすがろうとする情けない国民です。

 自分の身は自分で守らずに独立国とはいえません。
 早期にアメリカと交渉して核兵器を保持するべきだと思います。

以下兵頭氏の主張:

[編集] 核武装
“軍事的合理性”という観点から日本国の核武装の必要性を主張している(核武装論)。アメリカの「核の傘」によって核抑止は事実上成立しているという議論や、アメリカと核兵器のシェアリングをすれば足りるという主張(日米共同核保有論)は、アメリカが自国が核攻撃されるリスクを犯して代わりに核報復をしてくれることは考えにくく、成立しがたいと評価している。
兵頭は、日本に対し核ミサイルの照準を合わせ、精力的な工作を展開している中国を現時点での最大脅威と見ている。中国の都市人口は増え続けており、特に指導的エリート層は北京、上海などに集中しているため、対中核抑止は充分成り立つと主張している。
核武装の具体的な方法は著書『ニッポン核武装再論』で詳述されている。敵からの核攻撃への対応・防備に関しては、都市の不燃化及び核シェルターを兼ねた地下駐車場の整備などを提案している。

[編集] ミサイル防衛
日本国が導入しようとしている「日本版弾道ミサイル防衛(BMD)」構想はまったく無益であると断じている。兵頭はマッハ20で飛来するミサイルを撃墜するなど技術的にも不可能であると評価し、BMD構想は日本に核武装を阻み、かつBMD実現化の費用と技術を日本から奪おうとするアメリカの策謀であるとする

<太田>

 ついにmichisuzu、典拠をつける! うれし泣き。
 せっかくだから、ちゃんと次のURLをつければ、更に良かったね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B5%E9%A0%AD%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%85%AB

 なお、兵頭氏の主張についてですが、このwikipedea記事と私との共著でしか、氏の核についての主張は存じ上げない、という留保付きで私の感想を申し上げると、

1 核兵器は、抑止力として使われるだけとは限らない。(コラム#2988)
2 NATOでは、核保有国の核使用の具体的なあり方についても、非核保有国を含め、共同で計画が策定されている。(典拠省略)
3 複数の非核保有NATO加盟国と米国との「共同核保有」は、当該国と米国との協定に基づき、共同保有国に核使用権限が付与されている。(コラム#2621)
4 日本の場合、「敵」国から近いため、核シェルターは、事実上、核攻撃を受けた後の放射能による2次被害対処にしかなりえない。(コラム#2886(非公開))
5 BMDは、見通しうる将来にかけて、技術的に実現困難であることは確かだが、理論的に実現不可能ということはないので、研究を続ける意義はある。(典拠省略)

といった点に十分考慮が払われていないと思います。
 
<YS>

 最近忙しさの余り、1ヶ月ほどメールが溜まってしまいましたが、今時間をとって話題遅れの記事を読んでいます。
 太田さんの1945年は日本史の不連続点ではないという論にわくわくしました。
 縄文・弥生モード、アングロサクソンvs欧州、近代日本にとってのロシア脅威の重要性などなど、時間軸や空間軸を俯瞰した論考を読むと、改めて購読していて良かったと思います。
 早く、太田さんの近現代史全般を整理した本が出版されることを望みます。新年の活躍も期待しております。

<太田>

 激励、ありがとうございます。

 ところでOJさん、憲法で特別裁判所の設置と行政機関の終審としての裁判を禁じていることから、軍法会議は設置できないわけですが、軍律法廷(コラム#5)も設置できない、という認識でいいですか?
 戦前の日本が軍律法廷が最終審だったとすると、設置できないということになるでしょうが・・。

<OJ>

 お尋ねの件ですが、2,3、インターネットに当たって調べてみました。
http://www.iris.dti.ne.jp/〜rgsem/mcourt.html
http://geocities.co.jp/Bookend-Ryunoske/8312/page010.html
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3479236.html

軍法会議:当該国の軍人、特定条件を満たした文民が被告人
     管轄は軍刑法等の法律に規定(議会制定法の根拠が必要)
     戦時犯罪を対象
     司法機関で、当事国の国内法である軍刑法を運用する機関
軍律法廷:軍律に違反した者(被占領民等)を処断することが目的
     軍律(軍の内部規範)の制定は法律(軍刑法、軍法会議法等)の範囲内
     軍は作戦地・占領地の安寧・自軍の安全保持を図るために規範を制定
     軍律は占領軍司令官が独自に定めるもので、立法権に基づく「法律」ではない     軍律法廷は司法機関ではなく、行政機関と考えるのが実態に近い。
     法的根拠:国際法(「陸戦の法規慣例に関する条約」(1907年ハーグ法)
      42条・43条)、(戦時における文民の保護に関する条約」(1949年
      ジュネーブ条約))
          国内法(「明治憲法」11条(統帥権))
     戦時に特設される臨時裁判機関

 日本国憲法76条(特別裁判所の設置・行政機関の終審としての裁判の禁止)により国内法上の根拠がないため、軍法会議は設置できず、自衛隊組織の秩序維持は、平時に活動する司法裁判所に委ねられています。
 (問題は、有事・非常時の場臨時的な軍法会議制度の可能性の検討であるとの指摘もあります。)
 軍律法廷は軍法会議法の規定に準ずるものであり、軍法会議がなければ、軍律法廷の基準となるものを日本は持ちません。また、国内法上の根拠がないため、現状では軍律法廷設置の実現は不可能と思われます。
 (軍は自らを自律的・終局的に規律を維持する法・裁判機関を備える必要を唱える指摘があります。)

<太田>

 ご教示ありがとうございます。
 本来、英語文献にあたる必要があると思いますが、おっしゃることは分かりました。
 ただ、軍法会議の対象は自国民、軍律法廷の対象は他国民、であるとすれば、どうして「軍法会議がなければ、軍律法廷の基準となるものを日本は持ち<えない>」のかが、今一つ腑に落ちません。
 なお、私は日本国憲法の規範性を認めていないところ、百歩譲って規範性を認めるとしても、憲法第9条の第2項を削除すれば、日本は完全な軍隊を持てる、と考えています。
 以下、記事の紹介です。

 コラム#2937(近日公開)でご紹介したFrom Colony to Superpower: U.S. Foreign Relations Since 1776 の新たな書評が出ました。
 
 「・・・After the attack on Pearl Harbor, the US would never again hesitate to become energetically involved in world politics.
If Franklin Roosevelt moved cautiously toward war before Dec. 7, 1941, his successor showed little reluctance to pursue an activist foreign policy that claimed virtually every corner of the earth as vital to the security of the US.
Whether confronting developments in Iran, Greece, Turkey, or Korea, Harry Truman expanded the notion of American interests dramatically and his foreign policy marked a fundamental break from what had come before.・・・
Consumed by a pathological and, Herring believes, exaggerated fear of communism, America shed whatever tendency it once had for keeping the world at arm’s length.・・・」
http://features.csmonitor.com/books/2008/12/22/from-colony-to-superpower-us-foreign-relations-since-1776/。12月23日アクセス
 これはおかしい。
 単に書評子の受け止め方に過ぎないような気もしますが、米国だって日本ほどではないものの、第二次世界大戦の前後は連続していると考えるべきでしょう。
 ただ、米国は日本と違って、戦前は容共だったのが戦後は反共へと大転換したことだけは間違っていません。

 日本で活躍中の中国人の教授や研究者は約5,000人にのぼるそうです。
http://j.peopledaily.com.cn/94473/6559817.html
(12月23日アクセス。以下同じ)
 人間は孤独である時は、寒く感じることが科学的に検証されました。
http://english.chosun.com/w21data/html/news/200812/200812200002.html

 岩手県葛巻町のクリーンエネルギーの取り組みが米タイム誌にとりあげられました。
http://www.time.com/time/world/article/0,8599,1867805,00.html

 赤軍派は人を殺さなかったというのは、内ゲバで人を殺さなかったというだけのことでした。
http://www.asahi.com/politics/update/1221/TKY200812210173.html
(12月22日アクセス)。
 コラム#2970を訂正させていただきます。

「・・・an unexpected spiritual awakening among London's high society has gone unnoticed in recent years. Long considered an aggressively secular city, London has quietly become one of Britain's most Christian areas, going from the least observant region in Britain in 1979 to the second most observant today・・・
The focal point for many of these new believers is Holy Trinity Brompton (HTB), an evangelical Anglican church in plush Kensington. The church's 4000-strong congregation has almost tripled in the past 15 years, and its average age is 27 years. ・・・」
http://www.time.com/time/world/article/0,8599,1866094,00.html
(同上)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

太田述正コラム#2991(2008.12.23)
<エコ志向のオバマ新政権/文化放送出演準備>

→非公開

太田述正ブログは移転しました 。
www.ohtan.net
www.ohtan.net/blog/