太田述正ブログは移転しました 。
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太田述正コラム#2956(2008.12.6)
<皆さんとディスカッション(続x328)>
<天気輪>
コラム#2955「辻元清美議員との対談」(永久非公開)を拝読しました。
手直し前の文章ですが、これはひどい。
≫以前(コラム#2946で)「・・・私の話を聞いてそれを記事にした場合、私が手を入れなきゃ支離滅裂な内容になっちゃうことが多いのですな。これはジャーナリスト、ライター、編集者の皆さんがどれだけ優秀であろうと、安全保障、とりわけ日本の安全保障の基本の基本について余りにも無知だからです。」と申し上げたことろです・・・≪(コラム#2955。太田)
とフォローされてますが。
手直し前は、余りにも無知ゆえに、というより太田様の話をまともに聞いているのかすら怪しい感じがしますね。
編集の意図が透けて見えるようで小賢しくすらある、という印象を受けました。
手直し後は、太田様のパートは良いんですが、対談そのものの出来となると、これではどちらが選良なんだかわかりません。
辻元氏は、自衛隊がいかに無駄なのかというご自分の関心事に都合のよい言辞を太田様から引き出す事にご執心のように見受けられます。
世界観が違いすぎるんじゃないでしょうか。
自衛隊の定員を減らすことができるか?という問いもまた意識していないにせよ、独立を意図しない、外国の軍事力頼みの属国根性ではないかと思いました。
「革新」にしても、日本が外国の属国でいることを前提にしか議論ができないようです。
これで「護憲」では救われないです。
以上、感想でした。 乱文にて失礼いたします。
<太田>
だけど、辻元さんのような「左」の人とは、途中まで全く意見が合致する、というところが、耳タコで恐縮ですが面白いですね。
「左」の方々は、明治憲法にも現行憲法にも実は規範性はないということについてはうすうす、また、世界の左翼がいずれも軍隊を重要視し、もちろん集団的自衛権を認めない左翼なんて存在しないということについては明確に、分かっているはずです。
辻元議員も、私がこのような指摘をした時に特段反論はされませんでしたよ。
何度やっても「左」の方々との議論は楽しくって仕方ありません。
いずれにせよ、今回の対談は、『実名告発 防衛省』のPRが目的ですので、この対談を読んで一人でも多くの「左」シンパの方々がこの本を読んでくれることを期待しています。
<サヨク>
「貧者による富者の支配、貧者による富者からの収奪」(コラム#2954)のどこが問題なのでしょうか? 富者はかつての収奪者ではありませんか? 「収奪」について説明してくれるといいな。貧者と富者が固定的でないことは結構なことだと、ぼくは思います。
<太田>
michisuzuさん、こういう投稿なら必ずしも典拠はいりませんよ。
ウィンストン・チャーチルが第二世界大戦中に、民主主義は「今まで試された他のすべての形態以外で、最もできの悪い統治形態だ(the worst form of government except for all those others that have been tried)」と喝破した
http://www.atimes.com/atimes/Front_Page/JL06Aa01.html
(12月6日アクセス。以下同じ)
ことをご存じの方は少なくないと思います。
そのできの悪さの一つが、「貧者による富者の支配、貧者による富者からの収奪」に傾きがちなことです。
私はこれがいいとか悪いとか言っているのではなく、これが政治を不安定化しがちである、という客観的事実を指摘しているのです。
何度も申し上げているように、現在のタイでは、現行の貧者の政権に反発する富者が、軍部、更には王室の後ろ盾の下に、政権を打倒し、富者の政権樹立を可能にする「制限」民主制導入を図るべく直接行動に出て、2年に及ぶ混乱が続いているわけです。
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2008/dec/06/thailand
タイは旧植民地ではありませんが、旧植民地の場合、富者は往々にして旧宗主国や買弁勢力と結託して「制限」民主制導入を図ろうとします。
逆のケースもあります。
例えば、野心家が、貧者の代表を標榜して、旧宗主国や買弁勢力と結託しているところの富者の政権を打倒するクーデターを、軍部を巻き込んで敢行して権力を掌握し、その後事実上独裁体制を敷くケースです。イラクやシリアでのバース党による権力奪取、そしてアサドやフセインによる事実上の独裁体制の樹立はそのようにして行われたわけです。
もう一つ例を挙げましょう。
カナダは、旧植民地というより、イギリスの延長みたいなものですが、現在深刻な政治危機に直面しています。
これもまた単純化すれば、世界不況という背景の下、西部諸州を中心とする富者の勢力と東部諸州を中心とする貧者の勢力が(2ヶ月前の総選挙の結果)議会で拮抗してしまった中で、両勢力間で経済政策をめぐって鋭い対立が生じ、にっちもさっちも行かなくなったケースです。
(ケベック州も東部に属しますが、フランス系が多いこの州で、カナダからの分離独立運動が盛んである、というもう一つの問題もくすぶり続けています。)
このたび、エリザベス女王の代理であるカナダ総督(やはり女性)が、両勢力の頭を冷やすねらいか、1月下旬まで議会の停止を命令し、話題になりました。
http://www.slate.com/id/2206040/、
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/7766332.stm
タイのケースといい、カナダのケースといい、王室の存在が民主主義の破綻を防いでいるという面があるのは興味深いですね。
さて、記事の紹介です。
「・・・田母神俊雄・前空幕長(60)が、最優秀賞の賞金300万円と副賞(ホテル宿泊券)の受け取りを辞退する意向を固めた・・・
田母神氏は「・・・お金のために論文を書いたのではなく、最優秀という栄誉だけを受け取りたい」と話している・・・」
http://www.asahi.com/national/update/1206/OSK200812050109.html
後一声欲しかったですね。
田母神氏は、受賞そのものを返上すべきでした(コラム#2948)。
ロサンゼルスタイムスが、社説で、オバマ次期政権が通商代表にザヴィエル・ベセラ(Xavier Becerra)民主党下院議員(ロサンゼルス選出)を任命しようとしていることに対し、同氏がガチガチの保護貿易論者であることを挙げて、強い懸念を表明しました。
http://www.latimes.com/news/opinion/la-ed-becerra5-2008dec05,0,7035567,print.story
ホンダがF1からの撤退を決めたことで、トヨタ等もこれに続くのではないか、もっとF1がカネがかからないようにすべきだ、と国際自動車連盟のマックス・モズレー(Max Mosley。コラム#1428で登場した、悪名高いオズワルド・モズレーの息子)会長が語りました。
http://www.ft.com/cms/s/0/8c8d1cc8-c304-11dd-a5ae-000077b07658.html
最後に、太田コラムの読者の状況です。
現在有料読者は187名(名誉有料読者8名を含む)で、「たかじん」後の最盛期に比べ、約50名減少しています。
また、本日朝の時点で、まぐまぐ読者は2504名、ミニまぐ読者は107名、よって太田コラムの配信を受けている方の総数は2,798名です。
更に、昨日のブログ訪問者数は、1005名でしたので、全部を合わせると3,803名です。
「たかじん」後は、4,000名前後が長く続いたので、総計ベースでも、このところやや目減りしている感じです。
やはり、TVへの露出や防衛省がらみの事件がないと、有料、無料読者数の維持はむつかしいようです。
既に更新料を払い込まれた方もいらっしゃいますが、今月末には古参有料読者の方々が一斉に購読期限を迎えます。
どうぞよろしくお願いします。
●まぐまぐ大賞【ニュース・情報源部門】にノミネート。投票よろしく。
http://www.mag2.com/events/mag2year/2008/ 12月8日まで。
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太田述正コラム#2957(2008.12.6)
<ムンバイでのテロ(特別篇)>
→非公開
<皆さんとディスカッション(続x328)>
<天気輪>
コラム#2955「辻元清美議員との対談」(永久非公開)を拝読しました。
手直し前の文章ですが、これはひどい。
≫以前(コラム#2946で)「・・・私の話を聞いてそれを記事にした場合、私が手を入れなきゃ支離滅裂な内容になっちゃうことが多いのですな。これはジャーナリスト、ライター、編集者の皆さんがどれだけ優秀であろうと、安全保障、とりわけ日本の安全保障の基本の基本について余りにも無知だからです。」と申し上げたことろです・・・≪(コラム#2955。太田)
とフォローされてますが。
手直し前は、余りにも無知ゆえに、というより太田様の話をまともに聞いているのかすら怪しい感じがしますね。
編集の意図が透けて見えるようで小賢しくすらある、という印象を受けました。
手直し後は、太田様のパートは良いんですが、対談そのものの出来となると、これではどちらが選良なんだかわかりません。
辻元氏は、自衛隊がいかに無駄なのかというご自分の関心事に都合のよい言辞を太田様から引き出す事にご執心のように見受けられます。
世界観が違いすぎるんじゃないでしょうか。
自衛隊の定員を減らすことができるか?という問いもまた意識していないにせよ、独立を意図しない、外国の軍事力頼みの属国根性ではないかと思いました。
「革新」にしても、日本が外国の属国でいることを前提にしか議論ができないようです。
これで「護憲」では救われないです。
以上、感想でした。 乱文にて失礼いたします。
<太田>
だけど、辻元さんのような「左」の人とは、途中まで全く意見が合致する、というところが、耳タコで恐縮ですが面白いですね。
「左」の方々は、明治憲法にも現行憲法にも実は規範性はないということについてはうすうす、また、世界の左翼がいずれも軍隊を重要視し、もちろん集団的自衛権を認めない左翼なんて存在しないということについては明確に、分かっているはずです。
辻元議員も、私がこのような指摘をした時に特段反論はされませんでしたよ。
何度やっても「左」の方々との議論は楽しくって仕方ありません。
いずれにせよ、今回の対談は、『実名告発 防衛省』のPRが目的ですので、この対談を読んで一人でも多くの「左」シンパの方々がこの本を読んでくれることを期待しています。
<サヨク>
「貧者による富者の支配、貧者による富者からの収奪」(コラム#2954)のどこが問題なのでしょうか? 富者はかつての収奪者ではありませんか? 「収奪」について説明してくれるといいな。貧者と富者が固定的でないことは結構なことだと、ぼくは思います。
<太田>
michisuzuさん、こういう投稿なら必ずしも典拠はいりませんよ。
ウィンストン・チャーチルが第二世界大戦中に、民主主義は「今まで試された他のすべての形態以外で、最もできの悪い統治形態だ(the worst form of government except for all those others that have been tried)」と喝破した
http://www.atimes.com/atimes/Front_Page/JL06Aa01.html
(12月6日アクセス。以下同じ)
ことをご存じの方は少なくないと思います。
そのできの悪さの一つが、「貧者による富者の支配、貧者による富者からの収奪」に傾きがちなことです。
私はこれがいいとか悪いとか言っているのではなく、これが政治を不安定化しがちである、という客観的事実を指摘しているのです。
何度も申し上げているように、現在のタイでは、現行の貧者の政権に反発する富者が、軍部、更には王室の後ろ盾の下に、政権を打倒し、富者の政権樹立を可能にする「制限」民主制導入を図るべく直接行動に出て、2年に及ぶ混乱が続いているわけです。
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2008/dec/06/thailand
タイは旧植民地ではありませんが、旧植民地の場合、富者は往々にして旧宗主国や買弁勢力と結託して「制限」民主制導入を図ろうとします。
逆のケースもあります。
例えば、野心家が、貧者の代表を標榜して、旧宗主国や買弁勢力と結託しているところの富者の政権を打倒するクーデターを、軍部を巻き込んで敢行して権力を掌握し、その後事実上独裁体制を敷くケースです。イラクやシリアでのバース党による権力奪取、そしてアサドやフセインによる事実上の独裁体制の樹立はそのようにして行われたわけです。
もう一つ例を挙げましょう。
カナダは、旧植民地というより、イギリスの延長みたいなものですが、現在深刻な政治危機に直面しています。
これもまた単純化すれば、世界不況という背景の下、西部諸州を中心とする富者の勢力と東部諸州を中心とする貧者の勢力が(2ヶ月前の総選挙の結果)議会で拮抗してしまった中で、両勢力間で経済政策をめぐって鋭い対立が生じ、にっちもさっちも行かなくなったケースです。
(ケベック州も東部に属しますが、フランス系が多いこの州で、カナダからの分離独立運動が盛んである、というもう一つの問題もくすぶり続けています。)
このたび、エリザベス女王の代理であるカナダ総督(やはり女性)が、両勢力の頭を冷やすねらいか、1月下旬まで議会の停止を命令し、話題になりました。
http://www.slate.com/id/2206040/、
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/7766332.stm
タイのケースといい、カナダのケースといい、王室の存在が民主主義の破綻を防いでいるという面があるのは興味深いですね。
さて、記事の紹介です。
「・・・田母神俊雄・前空幕長(60)が、最優秀賞の賞金300万円と副賞(ホテル宿泊券)の受け取りを辞退する意向を固めた・・・
田母神氏は「・・・お金のために論文を書いたのではなく、最優秀という栄誉だけを受け取りたい」と話している・・・」
http://www.asahi.com/national/update/1206/OSK200812050109.html
後一声欲しかったですね。
田母神氏は、受賞そのものを返上すべきでした(コラム#2948)。
ロサンゼルスタイムスが、社説で、オバマ次期政権が通商代表にザヴィエル・ベセラ(Xavier Becerra)民主党下院議員(ロサンゼルス選出)を任命しようとしていることに対し、同氏がガチガチの保護貿易論者であることを挙げて、強い懸念を表明しました。
http://www.latimes.com/news/opinion/la-ed-becerra5-2008dec05,0,7035567,print.story
ホンダがF1からの撤退を決めたことで、トヨタ等もこれに続くのではないか、もっとF1がカネがかからないようにすべきだ、と国際自動車連盟のマックス・モズレー(Max Mosley。コラム#1428で登場した、悪名高いオズワルド・モズレーの息子)会長が語りました。
http://www.ft.com/cms/s/0/8c8d1cc8-c304-11dd-a5ae-000077b07658.html
最後に、太田コラムの読者の状況です。
現在有料読者は187名(名誉有料読者8名を含む)で、「たかじん」後の最盛期に比べ、約50名減少しています。
また、本日朝の時点で、まぐまぐ読者は2504名、ミニまぐ読者は107名、よって太田コラムの配信を受けている方の総数は2,798名です。
更に、昨日のブログ訪問者数は、1005名でしたので、全部を合わせると3,803名です。
「たかじん」後は、4,000名前後が長く続いたので、総計ベースでも、このところやや目減りしている感じです。
やはり、TVへの露出や防衛省がらみの事件がないと、有料、無料読者数の維持はむつかしいようです。
既に更新料を払い込まれた方もいらっしゃいますが、今月末には古参有料読者の方々が一斉に購読期限を迎えます。
どうぞよろしくお願いします。
●まぐまぐ大賞【ニュース・情報源部門】にノミネート。投票よろしく。
http://www.mag2.com/events/mag2year/2008/ 12月8日まで。
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太田述正コラム#2957(2008.12.6)
<ムンバイでのテロ(特別篇)>
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