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太田述正コラム#2660(2008.7.11)
<皆さんとディスカッション(続x190)>

<スワン>

 フランス国営放送の、7月9日の夜のメインニュースは、洞爺湖サミットでのサルコジ大統領の動向でした。
http://jt.france2.fr/20h/
 以下、ニュースの流れです。

1、サルコジ大統領が胡中国国家主席と会談し、北京オリンピック開会式に出席を表明
http://www.lemonde.fr/archives/article/2008/07/09/l-elysee-confirme-que-nicolas-sarkozy-assistera-a-la-ceremonie-d-ouverture-des-jeux-olympiques_1067893_0.html
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/159933/

2、大統領の開会式出席に反発する声(国境なき記者団のメンバー、金メダリストなど)

3、駐仏中国大使が、大統領とダライラマの会談を警告した
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080710-00000912-san-int

4、警告に反発したクシュネル外務大臣が、駐仏中国大使を召還し、説明させた
http://www.lemonde.fr/politique/article/2008/07/09/le-quai-d-orsay-convoque-l-ambassadeur-de-chine-apres-ses-propos-sur-le-tibet_1068300_823448.html#ens_id=1053187

 以上のまとめ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080710-00000952-san-int
(↑よくまとまっていると思いますが、記事に典拠をつけて欲しいと思うようになったのは、太田さんの影響ですね)

こういう、手に汗握る外交上の応酬ができるフランスと中国が、ある意味羨ましいです。

 だって、サミットは日本で行われているのに、福田総理が映るわけでもなく、ちっとも日本の存在感がないなんて悲しくないですか?
 私の見た限り、洞爺湖サミットについて、フランスのTVニュースで特に目立った報道はされてなかったように思います。中国とチベットが絡んでくるとこうやってニュースになりますが、日本が話題になることはありませんでした。
 極東アジアの主役は、もう中国なんでしょうか・・・

 日本が米国の属国から真の独立を果たさなければ、日本が外交上、先進国から真剣に相手にされる日は来ないのでしょうか?
 太田さんは、日本が真の独立国になったら、外交下手と言われる日本の外交は変わると思いますか?

 英国新聞では、洞爺湖サミット、北京オリンピック開会式、チベット関連はどのように報道されていますか?

<太田>

 サミットは、ご承知だと思いますが、フランスのジスカールデスタン(Valery Giscard d’Estaing)大統領が1973年の石油ショックの後の世界不況にどう対処すべきかを話し合うために、フランスに英独伊日米首脳を招いたことに始まります。(その後、カナダとロシアが加わって現在に至っています。)
 ドイツ通信(DPA)の記者は、今度のサミットでは何も新しい話はなかったとしています。
 私もそう思います。
 しかし、サミットというのはそんなものであり、日本が属国であろうがなかろうが、サミットに大きな期待を持たない方がよいと思います。
 主要自由民主主義諸国の首脳が風光明媚な場所で胸襟を開いて世界の諸問題について自由闊達に話をし、親交を深めるだけでも意義があるのではないでしょうか。
 (ロシアは必ずしも自由民主主義国とは言えませんが・・。)

 (以上、
http://www.taipeitimes.com/News/editorials/archives/2008/07/11/2003417132
(7月11日アクセス。特に断っていない限り以下同じ)による。)

<スワン>

 蛇足というより駄足ですが、日本ではカーラ夫人がサミットを欠席した件について、日本はなめられているという報道*(*
http://www.j-cast.com/tv/2008/07/04022956.html
) が一部であったようですが、フランス人はちっともそんなことは思っていません(そういう報道はないので)。日本人、ちょっと被害妄想気味?

<太田>

 どうもリンク切れのようですが、何という大人げない報道でしょうか。

(脚注:リンク先の入力ミスであることが判明。上記リンクは訂正済み。)

<スワン>

 話は変わりますが、カーラ夫人の新アルバム発売のニュースが、TV等で大きく報道されています。ネットで新曲を無料で視聴できるサイトに、アクセスが殺到しているとの報道でした。私も聴いてみようとしましたが、つながりません・・・(
http://www.lefigaro.fr/musique/2008/07/09/03006-20080709ARTFIG00556-bruni-sort-son-album-presque-comme-si-de-rien-n-etait-.php
Le Figaroのサイトから、新曲視聴ページにリンクされていたり、記事の最後にCD販売画面へのリンクがあるなんて、日本人的感覚ではありえない!とビックリです。)

<太田>

http://www.carlabruni.com/
ですね。
 Englishの入り口から入って登録をしたら、つながりましたよ。14曲を2時間聴けるようですね。今聴きながらこのコラムを書いています。
 カーラ夫人の声ってハスキーで低い声なんですね。
 3曲目のl'amoureuse、とてもいいですねえ。
 4曲目からつながらなくなった!
 おお、奇跡的につながった瞬間に遭遇してたんだ!
 
<スワン>

 9日のfrance2ニュースの後半では、カーラ夫人の新曲が話題ということと、カーラ夫人に対するフランス人のイメージが、結婚当初のスキャンダラスなイメージから好転しつつあることをうかがわせる特集がありました。

 私は、カーラ夫人は「大統領夫人」という肩書きに安住する女性ではなく、音楽という自己表現力を持った素敵な女性だと思います。
 カーラ夫人の透明感のある美しさは、内面の表れだと思っています。彼女は容姿だけでなく、内面も美しい女性なんだと思います。
 典拠は、たまたま読んだ「マリークレール」誌のカーラ夫人のインタビュー。人は、思ってもいないことは語れないと思うので、カーラ夫人の言葉を素直に受け取れば、心の綺麗な人だと思います。
 私の周りのフランス人女性は、まだまだカーラ夫人に懐疑的で、反発しているようです。でも、それは私から見ると、カーラ夫人に対する嫉妬心が入っているように見えます。 太田さんは、カーラ夫人をどう思いますか?

<太田>

 カーラの動画は
http://edition.cnn.com/video/#/video/world/2008/07/10/kapur.uk.sarkozy.wrong.note.cnn
で見ることができますが、この動画を、ベタンクールの動画
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/video/2008/07/10/VI2008071001111.html
と比べて見てください。
 二人とももともと美人で、カーラは男性遍歴を重ねてきた1児の母、ベタンクールは二度目の結婚をしていて前夫の間に設けた2児の母ですが、私はベタンクールの方により魅力を感じますね。
 カーラの昔の写真
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/7342071.stm
と現在の写真
http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/7499186.stm
を比べると、サルコジとの結婚で彼女が一層美しくなったことが分かりますが、ベタンクールは、7年近く捕虜生活を送り、その間、レイプもされたらしい(
http://www.guardian.co.uk/world/2008/jul/05/colombia.terrorism
。7月6日アクセス)というのに、しかも、二度目の結婚相手との関係破綻を彼女自身が示唆している(
http://edition.cnn.com/2008/WORLD/americas/07/10/betancourt.husband.ap/
。7月10日アクセス)というのに、なお、カーラに勝るとも劣らない美しさを保っているというのは驚異としか言いようがありません。
 権力という媚薬を振りまいているところの、妻に捨てられた男を捕まえた女性であるカーラと、社会変革のために自ら権力の座を追求してきた女性であるベタンクールとでは、後者の方がより魅力的であるのは当たり前かもしれませんね。
 実は、私はサルコジの前妻(といっても2度目の妻ですが・・)のセシリアに強い関心を抱いています。
 サルコジとダブル不倫愛の挙げ句結婚したものの、サルコジを捨てて他の男の下に走り、サルコジが大統領になるや、サルコジの下へ戻り、再度サルコジに三行半を叩き付けた(
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%82%B8
)、というのですからね。
 どなたか、セシリア論、ひいてはセシリアを通したサルコジ論を書いていただける方おられませんか?

<スワン>

 7月10日の同局のトップニュースは、ストラスブールの会議場で、これまた国境なき記者団のメンバーから、オリンピック開会式への出席を非難されるサルコジ大統領でした。
http://jt. <http://jt.france2.fr/20h/>
http://www.lefigaro.fr/international/2008/07/10/01003-20080710ARTFIG00435-cohn-bendit-a-sarkozy-c-est-une-honte-c-est-minable-.php
france2.fr/20h/ <http://jt.france2.fr/20h/>
 これが何の会議で、ビデオで何を言っているのかよくわかりません・・・もし、お時間がありましたら、解説をお願いします。

<太田>

 私は、辞書をひきながらようやくフランス語の文章が読める程度のフランス語力しかありません。
 スワンさん。
 もう一度よくビデオ等をご覧になってくださいよ。
 それにしても、日本の主要メディアは、カーラやベタンクールについてまともに報道しないけど、センス悪いねえ。
 カーラについての本日の主要メディアの報道だってお粗末です。
 カーラが妊娠するつもりがある(
http://www.asahi.com/showbiz/enews/RTR200807110049.html
)とか、カーラがフランス国籍をとった(
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/080710/erp0807100945004-n1.htm
)なんてどうでもいいことだと私は思うのですがね。

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