太田述正ブログは移転しました 。
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太田述正コラム#2614(2008.6.17)
<皆さんとディスカッション(続x167)>
<読者A>
≫日本は「国際紛争」を武力で解決することは憲法上禁止されており≪(コラム#2612。太田)
やはりこの件は普通の国なら軍事力行使もあり得るということですね。
いくら今の総統が日本に対して以前よりはいくらか友好的でないとはいえ、台湾がここまで反応をするとは思ってみたなかったので、正直驚いています。
さすがに、ここまで尖閣への示威行為を許すと後々ろくでもない事になりそうで心配です。
<太田>
台湾には支那人(外省人+α)と台湾人という二つの異なった民族が住んでいると考えればよいのです。
<スワン>
コラム#2613(非公開)を読みました。
太田さんの官僚バッシングに対する考え方、真に目指す目的がよくわかって、良い序文だと思いました。
<Pixy>
≫私見によれば、外交・安全保障の米国への丸投げ、すなわち日本が米国の属国であることこそ、日本の政治と官僚機構を腐敗・堕落させ、政官業の三位一体的癒着構造をもたらした根本的原因なのです。≪(コラム#2612。太田)
太田さんのご説はその通りだと思うのですが、(日中に挟まれ、北朝鮮と休戦状態で、徴兵制があり、意図はともかく前政権で戦時指揮権うんぬんで米国とひと悶着起こしたり、少なくとも日本よりは)外交・安全保障意識が高いと思われる韓国において、例えば下記記事にあるように、政官業の癒着構造がまるで日本の合わせ鏡の様に存在していることはどう説明すればいいのでしょうか。今米国と揉めてる牛肉問題にしても官僚が英文を誤訳したとか、部署が縦割りで対応がバラバラとか(誤訳はともかく)よく聞く話です。
【社説】民営化が血税の垂れ流しを防ぐ(上)
http://www.chosunonline.com/article/20080616000002
もちろん、韓国をかつての日本帝国の忘れ形見であるとするなら、類似の問題が起こるのも不思議ではないのですが、曲がりなりにも韓国が軍隊を保持する独立国であるなら日本よりは幾分かマシな状態になるはずでは?
と思うのですが・・・。
<太田>
Transparency Internationalが毎年発表している腐敗度(corruption perceptions index =CPI)の世界180カ国各国比較(2007年)によれば、シンガポール4位、英国12位、香港14位、ドイツ16位、日本17位、フランス19位、米国20位、台湾34位、韓国43位、中国72位となっています。
要するに、腐敗度(より正確には腐敗度に関する印象)の順番は、一人当たりGDPの順番と相関度が高いということが分かります。
ですから、韓国が日本より腐敗しているのは当たり前であり、腐敗事例なんていくらでも挙げることができるはずです。(ただし、お示しの事例は、公共企業体の親方日の丸体質の典型例であり、必ずしも事例として適切ではありませんが・・。)
昨今ようやく日本で世論が激高するところとなった日本の官僚の腐敗がひと味違うのは、収賄といった世界共通の腐敗とは様相を全く異にするところにあります。
日本の官僚の腐敗とは、官僚機構の生活互助会化であり、その核心部分が、天下りシステムなのです。
このシステムを管理している官僚も、このシステムに乗っかって天下りをしている官僚OBも、自分達が腐敗しているという意識がなく、(官僚機構の一端を担う)検察もこのシステムそのものを捜査の対象とすることはありません。
つまりこれは「合法的」な腐敗であって、Transparency Internationalが追っかけている「違法」な腐敗には該当しないのです。
仮にこのような「合法的」な腐敗もTransparency Internationalが取り入れた暁には、日本の腐敗度が韓国並み、あるいはそれ以下に下がったとしても決して不思議ではない深刻な状況である、と私は考えています。
このような、世界で他に例を見ない「合法的」な構造的腐敗がどうして戦後日本で生まれたのでしょうか。
私は、吉田ドクトリンの堅持によって日本国のガバナンスが失われているため、官僚機構が本来の仕事を与えられず、その結果、官僚機構が生活互助会化し、政官業三位一体的癒着構造が生まれ、天下りシステムなる構造的腐敗が生まれた、と見ているのです。
<読者KK>
http://www.fourwinds10.com/siterun_data/government/fraud/gw_bush_ghw_bush/news.php?q=1213329856
House voted 251 - 156 Kucinich's Impeachment Resolution, to the Judiciary
Cmte
下院251対156:100票近い大差でブッシュ訴追を求めるクシニッチ弾劾決議案を可決
House Vote on Rep. Kucinich's (D-OH) Impeachment Resolution (June 11, 2008)
共和党のクシニッチ議員が提出した弾劾決議案に対する下院投票 (2008年6月11日)
このように重大なニュースを報道しない日本のマスメディア・・・・・そしてこれまで長期にわたりブッシュ犯罪政権を支えてきた日本の小泉・安倍・福田内閣と自民党・公明党の責任が問われます。
決議の全文:
http://chun.afterdowningstreet.org/amomentoftruth.pdf
http://chun.afterdowningstreet.org/amomentoftruth.pdf
議会でプレゼンテーションを開始しているクシニッチのビデオ:
http://www.youtube.com/watch?v=BDZ8seg4Nr4
http://www.youtube.com/watch?v=BDZ8seg4Nr4
<太田>
情報を提供していただいたことは多としますが、本件に限って言えば、報道しなかった日本のメディアを咎めるわけにはいきません。
英ガーディアンもファイナンシャルタイムスもBBCも報道せず、米国においても、ワシントンポストとCNNがちょっと報じただけだからです。ロサンゼルスタイムスもちょっと報じましたが、これは(英国の通信社である)ロイター電を転載しただけです。
つまり、本件は重大ニュースではないのです。
クシニッチ(Dennis Kucinich)米下院議員には前科があります。
昨年、チェイニー米副大統領弾劾決議を成立させたものの、肝腎の下院司法委員会の委員長が握りつぶして今日に至っています。
今回は、そもそもブッシュ米大統領の任期切れが近い上、弾劾事項が20数項目・・対イラク戦に関し、ウソの開戦理由をでっちあげたこと、米国の国内法と国際法違反を犯したこと、正当な容疑なしに米国市民や外国人捕虜を拘置したこと、のほか、地球温暖化やハリケーン・カトリーナ等への不適切な対応・・にわたっており、仮に弾劾事項が1項目だけだったとしても、弾劾手続きに入った場合、時間切れになることは必至であり、米民主党の下院における重鎮であるペロシ下院議長(Nancy Pelosi)も同党下院院内総務のホヤー(Steny H. Hoyer)下院議員も弾劾手続きに入ることに反対しているからです。
(ちなみに、下院司法委員会を経て米下院が正式に大統領の弾劾を決定した(訴追した)前例は、1868年のアンドルー・ジャクソン大統領と1999年のビル・クリントン大統領の2回ですが、どちらも米上院で弾劾が否決(無罪判決)されています。)
(以上、
http://www.cnn.com/2008/POLITICS/06/11/kucinich.impeach/、
http://www.cnn.com/2008/POLITICS/06/11/kucinich.impeach.vote/index.html、
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/06/10/AR2008061003087_pf.html、
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-na-kucinich11-2008jun11,0,5704203,print.story
(いずれも6月17日アクセス)による。)
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太田述正コラム#2615(2008.6.17)
<フランスの新防衛政策>
→非公開
<皆さんとディスカッション(続x167)>
<読者A>
≫日本は「国際紛争」を武力で解決することは憲法上禁止されており≪(コラム#2612。太田)
やはりこの件は普通の国なら軍事力行使もあり得るということですね。
いくら今の総統が日本に対して以前よりはいくらか友好的でないとはいえ、台湾がここまで反応をするとは思ってみたなかったので、正直驚いています。
さすがに、ここまで尖閣への示威行為を許すと後々ろくでもない事になりそうで心配です。
<太田>
台湾には支那人(外省人+α)と台湾人という二つの異なった民族が住んでいると考えればよいのです。
<スワン>
コラム#2613(非公開)を読みました。
太田さんの官僚バッシングに対する考え方、真に目指す目的がよくわかって、良い序文だと思いました。
<Pixy>
≫私見によれば、外交・安全保障の米国への丸投げ、すなわち日本が米国の属国であることこそ、日本の政治と官僚機構を腐敗・堕落させ、政官業の三位一体的癒着構造をもたらした根本的原因なのです。≪(コラム#2612。太田)
太田さんのご説はその通りだと思うのですが、(日中に挟まれ、北朝鮮と休戦状態で、徴兵制があり、意図はともかく前政権で戦時指揮権うんぬんで米国とひと悶着起こしたり、少なくとも日本よりは)外交・安全保障意識が高いと思われる韓国において、例えば下記記事にあるように、政官業の癒着構造がまるで日本の合わせ鏡の様に存在していることはどう説明すればいいのでしょうか。今米国と揉めてる牛肉問題にしても官僚が英文を誤訳したとか、部署が縦割りで対応がバラバラとか(誤訳はともかく)よく聞く話です。
【社説】民営化が血税の垂れ流しを防ぐ(上)
http://www.chosunonline.com/article/20080616000002
もちろん、韓国をかつての日本帝国の忘れ形見であるとするなら、類似の問題が起こるのも不思議ではないのですが、曲がりなりにも韓国が軍隊を保持する独立国であるなら日本よりは幾分かマシな状態になるはずでは?
と思うのですが・・・。
<太田>
Transparency Internationalが毎年発表している腐敗度(corruption perceptions index =CPI)の世界180カ国各国比較(2007年)によれば、シンガポール4位、英国12位、香港14位、ドイツ16位、日本17位、フランス19位、米国20位、台湾34位、韓国43位、中国72位となっています。
要するに、腐敗度(より正確には腐敗度に関する印象)の順番は、一人当たりGDPの順番と相関度が高いということが分かります。
ですから、韓国が日本より腐敗しているのは当たり前であり、腐敗事例なんていくらでも挙げることができるはずです。(ただし、お示しの事例は、公共企業体の親方日の丸体質の典型例であり、必ずしも事例として適切ではありませんが・・。)
昨今ようやく日本で世論が激高するところとなった日本の官僚の腐敗がひと味違うのは、収賄といった世界共通の腐敗とは様相を全く異にするところにあります。
日本の官僚の腐敗とは、官僚機構の生活互助会化であり、その核心部分が、天下りシステムなのです。
このシステムを管理している官僚も、このシステムに乗っかって天下りをしている官僚OBも、自分達が腐敗しているという意識がなく、(官僚機構の一端を担う)検察もこのシステムそのものを捜査の対象とすることはありません。
つまりこれは「合法的」な腐敗であって、Transparency Internationalが追っかけている「違法」な腐敗には該当しないのです。
仮にこのような「合法的」な腐敗もTransparency Internationalが取り入れた暁には、日本の腐敗度が韓国並み、あるいはそれ以下に下がったとしても決して不思議ではない深刻な状況である、と私は考えています。
このような、世界で他に例を見ない「合法的」な構造的腐敗がどうして戦後日本で生まれたのでしょうか。
私は、吉田ドクトリンの堅持によって日本国のガバナンスが失われているため、官僚機構が本来の仕事を与えられず、その結果、官僚機構が生活互助会化し、政官業三位一体的癒着構造が生まれ、天下りシステムなる構造的腐敗が生まれた、と見ているのです。
<読者KK>
http://www.fourwinds10.com/siterun_data/government/fraud/gw_bush_ghw_bush/news.php?q=1213329856
House voted 251 - 156 Kucinich's Impeachment Resolution, to the Judiciary
Cmte
下院251対156:100票近い大差でブッシュ訴追を求めるクシニッチ弾劾決議案を可決
House Vote on Rep. Kucinich's (D-OH) Impeachment Resolution (June 11, 2008)
共和党のクシニッチ議員が提出した弾劾決議案に対する下院投票 (2008年6月11日)
このように重大なニュースを報道しない日本のマスメディア・・・・・そしてこれまで長期にわたりブッシュ犯罪政権を支えてきた日本の小泉・安倍・福田内閣と自民党・公明党の責任が問われます。
決議の全文:
http://chun.afterdowningstreet.org/amomentoftruth.pdf
http://chun.afterdowningstreet.org/amomentoftruth.pdf
議会でプレゼンテーションを開始しているクシニッチのビデオ:
http://www.youtube.com/watch?v=BDZ8seg4Nr4
http://www.youtube.com/watch?v=BDZ8seg4Nr4
<太田>
情報を提供していただいたことは多としますが、本件に限って言えば、報道しなかった日本のメディアを咎めるわけにはいきません。
英ガーディアンもファイナンシャルタイムスもBBCも報道せず、米国においても、ワシントンポストとCNNがちょっと報じただけだからです。ロサンゼルスタイムスもちょっと報じましたが、これは(英国の通信社である)ロイター電を転載しただけです。
つまり、本件は重大ニュースではないのです。
クシニッチ(Dennis Kucinich)米下院議員には前科があります。
昨年、チェイニー米副大統領弾劾決議を成立させたものの、肝腎の下院司法委員会の委員長が握りつぶして今日に至っています。
今回は、そもそもブッシュ米大統領の任期切れが近い上、弾劾事項が20数項目・・対イラク戦に関し、ウソの開戦理由をでっちあげたこと、米国の国内法と国際法違反を犯したこと、正当な容疑なしに米国市民や外国人捕虜を拘置したこと、のほか、地球温暖化やハリケーン・カトリーナ等への不適切な対応・・にわたっており、仮に弾劾事項が1項目だけだったとしても、弾劾手続きに入った場合、時間切れになることは必至であり、米民主党の下院における重鎮であるペロシ下院議長(Nancy Pelosi)も同党下院院内総務のホヤー(Steny H. Hoyer)下院議員も弾劾手続きに入ることに反対しているからです。
(ちなみに、下院司法委員会を経て米下院が正式に大統領の弾劾を決定した(訴追した)前例は、1868年のアンドルー・ジャクソン大統領と1999年のビル・クリントン大統領の2回ですが、どちらも米上院で弾劾が否決(無罪判決)されています。)
(以上、
http://www.cnn.com/2008/POLITICS/06/11/kucinich.impeach/、
http://www.cnn.com/2008/POLITICS/06/11/kucinich.impeach.vote/index.html、
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/06/10/AR2008061003087_pf.html、
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-na-kucinich11-2008jun11,0,5704203,print.story
(いずれも6月17日アクセス)による。)
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太田述正コラム#2615(2008.6.17)
<フランスの新防衛政策>
→非公開
太田述正ブログは移転しました 。
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