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太田述正コラム#2479(2008.4.11)
<皆さんとディスカッション(続x109)>

<ちんみ>

 ≪小説家はフィクションを紡ぎ出すことを生業としている人々なのであり〜〜バカを見るだけですよ≫(太田。コラム#2477)
 たしかに多くの小説家自身、(小説書きは)偽金作りのようなもの…ってほざいていますが・・。
 スト・・もとい、デモ〜、ヒトによりけりぢゃ〜ないでしょうかね? 史実を基に、「間宮林蔵」や「戦艦武蔵」他を書いた吉村昭氏は、人体に例えれば骨格というべき記録に、肉を付け血を通わせての、記録文学からの発展として歴史小説をつくりだしています。
 「間宮林蔵」を読むと、当時の外国からの脅威が納得できます。(ロシア等の襲撃事件等)素人や堅気の衆が国防を語るにはお奨めの本です。
 城山三郎も晩年は さかんにメディアに露出して”御意見”言っていたけど、充分信用に足る人物であり、言動であったとおもう。

<太田>

 拙著『防衛庁再生宣言』で司馬遼太郎「史観」を厳しく批判したところですが、私はかつて熱烈な司馬ファンだっただけに、彼の人物評も史観そのものも、事実を無視し、事実をねじまげた上に成り立っていることを思い知らされた時の私の気持ちをご想像下さい。
 爾来、私は歴史小説はフィクションであり、あくまでもフィクションとしての質で評価されるべきだと割り切るようになりました。
 これは、小説家が歴史家を兼ねることがおよそ不可能だということではありません。
 しかし、小説家が歴史を描く時だけ、学者として禁欲的になれるかどうか、私には疑問です。
 しかしお前は、米国の(村上に匹敵するような、人気絶大の前衛)小説家であるベーカーの書いた歴史書をえらく持ち上げている(コラム#2410、2412、2463、2465、2467。いずれも未公開だが、近々逐次公開予定)じゃないか、という批判が聞こえてきそうですが、ベーカーの偉いところは、この歴史書を、一次資料の切り貼りだけで仕上げたことです。つまり、そこには、ベーカーの解釈やコメントが一切入っていないのです。
 (もちろん、いかなる一次資料を選択するか、そのいかなる部分を切り貼るか、にベーカーの「解釈」が入っているわけですが・・。)
 見上げた禁欲ぶりではありませんか。ベーカーは小説家の業を自覚しているが故に、そうしたのだろうと私は思うのです。

<Ueyama>

 a = ueyamaになりましたね(笑)(コラム#2469)

 私は自由のために独立を求める人々が、その後どのような体制を望み、作ろうとしているのかよく知りませんし、知ったところで、それについて支持することは(たぶん)できないでしょう。それでも自由を求める声というのはそれだけで私にとって支持に値するのだ、といったつもりでした。
 もちろん太田さんの
「日本人であるわれわれの自由のために宗主国米国からの「独立」を訴えている点」に関しても熱烈に支持していますよ。
 そればかりか、ご存じでしょうが(笑)、支援すらしているのです。
 そうそう、太田さんのAU構想(コラム#2122)も素晴らしいと思います。
 意見が合わないだろうというのは、主に内政についてです。
 たとえば、現に権利についての話はかみ合いませんでした。私は特許権、著作権、意匠権などの無体財産権(先日は自己所有権の話になってしまいましたが、これらは自己所有権とは別物だと考えます)はやはり不必要だと考えていますし、「最悪」でも権利保持者が死ぬまでの権利でしょう(それでも認めがたいですが)。
 これらの権利が認められなくても、決して誰の自由も侵害することはないはずだからです。
 もちろん、以前話題になった中国の似非ディズニーランド
http://www.afpbb.com/article/1528294
も完全容認です。

 (無政府主義者、あるいはリバタリアンは(私のように)政治の話から逃げる傾向があるが、それではなにも変わらない。実際にリバタリアンはラディカルな主張をしているのだから、それを主張することによる軋轢も疎外感(笑)も恐れずにラディカルな主張をし続けるべきだ、という森村進氏の発言(記憶による要旨)を思い出しました)

<太田>

 彫刻家の作品に関して所有権を認めるのであれば、作曲家の作品についても著作権を認めるべきではありませんか?
 近い将来には、彫刻だって完全な複製が機械的に制作できるようになるでしょうが、そうなれば、彫刻と曲の違いはなくなりますよね。
 それとも、複製に関しては、権利を認めるべきではない、というお考えですか?
 そうなると、誰もオリジナルを金を出して買おうとする人はなくなり、彫刻家も作曲家も餓死しちゃいますよね。
 それに彫刻家だって作曲家だって、大部分の人は金がもらえればもらえるほど、制作意欲だって増すってもんじゃありませんか。
 公共財だって、道路や軍隊といった所有権的なものもあれば、「自由」なんて無体財産権的なものもあるけど、あなたは「自由」がお好きのようじゃないですか。
 形あるものと形なきものとを差別しちゃいけません。

<読者SK>

 いつも楽しみにメールマガジンを読んでおります。
 アングロサクソン論など文明論は特に興味深いです。
 機会があったら歴史書を読みたいし、研究もしたいです。
 やはり、日本国内の学問は偏りがありますね、恣意的に感じます。

 さて、以下の記事を見つけました。読売新聞の記事です。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080402-OYT1T00195.htm?from=top
以下一部を引用しますと、

  日本に対する各国の評価を見ると、「良い影響」が最も高かったのはケニアの78%。
  「悪い影響」は中国55%、韓国52%が目立った。

となっております。支那の結果は分かるとして韓国の結果をどう理解したら良いでしょうか?
 アンケート内容および調査方法がどのようなものか分からないので、判断がつきかねますが、
 先のコラム#2426、#2462などで朝鮮日報に親日記事が出て、変化の兆しがあるのは分かりますが、
 韓国全体が親日になるのか、なったとしてもまだまだ先の事のような気がしますが、
如何でしょうか?
 私自身、韓国へは何回か旅行・仕事で行っていて、親切にして頂いたりして、韓国全体が反日な訳ではなく、日本のマスコミ報道の偏りを体験したりしました。
 ところが一方、日本統治時代の良い事(コラム#2045のような事)を指摘すると、全否定する方もいました。理屈が通じない方が多いようです。
 このような事から、朝鮮日報の親日ぶりは嬉しいですが、手放しでは喜べないと思っております。

<太田>

 エリートが学校教育等を通じて教え込んだ史観が、大衆を対象にした世論調査では現れる、ということでしょう。
 私が着目しているのは、朝鮮日報の執筆陣というエリートの動向です。
 エリートの変化は、タイムラグを伴いつつ、早晩大衆の意識の変化となって現れることでしょう。
 朝鮮日報は連日のように、歴史認識の見直しを呼びかけるキャンペーン的記事を掲載しています。(一昨日付で言えば、
http://www.chosunonline.com/article/20080409000053  
(4月10日アクセス)。)
 これに対し、中共は、ナショナリズム・イデオロギーに海外居住の反中国共産党・人権活動家すら毒されてる典型的なファシスト国家であり(
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080408/chn0804082206004-n1.htm
。4月11日アクセス)、韓国との違いは歴然たるものがあります。

話は変わりますが、4月10日現在、太田述正コラム講読者数は、有料読者232名、名誉有料読者7名、まぐまぐ読者2549名、ミニまぐ読者52名、計2,840名です。
ミニまぐでの配信を始めたおかげで、総講読者数は順調に伸びていますが、今月末で、「たかじん・・」効果で有料読者になった人々の第一陣が更新時期を迎えるので、「歩留まり」がどれくらいになるか、心配しています。
ちなみに、ブログへの訪問者数は、1日1,200〜1,300名前後で推移しています。
早く、講読者数と合わせて5,000名を超えて欲しいものです。

<爽やかMaster>

>今月末で、「たかじん・・」効果で有料読者になった人々の第一陣が更新時期を迎えるので、「歩留まり」がどれくらいになるか、心配しています。

僕は更新をしませんわ。
最近全然読んでないし。
楽しさや面白さがないんですよね。
もう少し工夫が必要なんじゃないですかね。

<文十郎>

私は、更新しますよ。
毎日楽しく読ませていただいています。
ちょっとイギリスを持ち上げすぎている気がするのですが、それなりに納得して読んでいます。

<太田>

 TVでご覧になる私とコラムでの私との間には大きなギャップがあり、私のコラムは決して読んで愉快なものではないだけに、戸惑われておられる方が少なくないものと拝察します。
 何せ私のコラムは、現在の日本、ひいては日本人の多くの方々の醜さをつきつけるものばかりと言っても過言ではないのですからね。
 口幅ったいけれど、結局のところ、この不快感を乗り越えられるだけの、不満を日本の現状に対して抱いておられるかどうかが、引き続き私のコラムとお付き合いいただけるかどうかの分かれ道なのではないでしょうか。
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太田述正コラム#2480(2008.4.11)
<英サウディ不祥事(続)(その1)>

→非公開

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