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太田述正コラム#2348(2008.2.6)
<皆さんとディスカッション(続x58)>

<わ>

 コラム#2346「唯一の超大国米国の黄昏(その1)」についてですが、米国が「勝者」の地位を滑り落ちたことを認識できれば、日本は自立に向かえる可能性が高まると思います。
 ただ、いつまでも認識しようとしないかもしれませんが。

<naka>

 外国人参政権問題については、団塊の世代は、戦後教育の影響もあり正しい判断は出来ないと感じています。
 この問題は自分たちで解決せず、次の世代に任せたほうが良いと思いますがいかがでしょうか。

<太田>

 外国人参政権はともかく、移民受入は焦眉の急だと思います。

<Pixy>

 コラム#1887「君主制のメリットとイラク」で

>米ブッシュ政権の愚かさはどうしようもないとしても、せめて英ブレア政権がどうして君主制復活に向けて米国説得に動かなかったのか、いまだに理解できません。

とありましたが、英ガーディアンに次のような記事が出ていました。

Prince Andrew rebukes US over Iraq war
http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,,2252730,00.html

 ・・Citing Britain's past as a colonial power, the prince said there were "occasions where people in the UK would wish that those in responsible positions in the US might listen and learn from our experiences".

 アメリカはイラク占領後の統治の際に、過去の帝国支配の経験が豊富にあるイギリスから全くアドバイスを聞こうとしなかったという内容ですね。興味深いです。

<太田>

 私がガーディアン記事の上記抜粋を仮訳すると、

 アンドリュー王子、イラク戦争で米国を叱る
 ・・米国が過去において植民地大国であったことに言及しつつ、王子は「米国で責任ある地位に就いている人々が、もっとわれわれの経験に耳を傾け、学んでくれればよいのだがと英国の人々が何度も口にするのを聞いている」と語った。

となります、
 米国のニューヨークタイムスも、この英国のアンドリュー王子の発言をとりあげています。
http://www.nytimes.com/2008/02/06/world/europe/06andrew.html?ref=world&pagewanted=print
    
 ところで以下、本日グーグルで「太田述正」を検索して遭遇したサイトから二つ、転載しておきます。

<少彦梛>(http://sukanahi-kona.seesaa.net/から転載)

 ・・今日(1月18日)は久しぶりに日本テレビ系の「太田光の私が総理大臣になったら・・秘書田中」を見ました。今回はテロ特措法によるインド洋上での海上給油活動について議論でしたが・・・何故、インド洋で無料の石油(と水)スタンドを 営業しなければならないのか、ちっとも判らない。安倍氏も福田氏も「国民に丁寧に説明して理解を求める」という主旨の発言をしてたと思うが、結局理解を 得ることのできる説明は何もされなかったということか。なにせ、与党である自民党公明党の議員の言ってる内容も全部バラバラですもんね。 彼らですら 「何故必要か」を理解してないんだろうなぁ・・・。アメリカのために、そして、与党議員個々人の思い込みだけで衆院の2/3条項で通しちゃった?
 ちなみに、今回の番組の中で、インド洋に給油艦と護衛艦を派遣する理由で一番説得力のあったのは、旧防衛庁の官僚であった太田述正氏(だっけ?)の論。 
 私なりに解釈すると、
 日本はインド洋での海上監視活動を行うために「護衛艦」を派遣しているのだ。実行力としての艦船の臨検をしていないだけで。
 ちなみに、この護衛艦がイージス艦なら、アメリカのイージス艦が補足できていない艦船Aでも、その艦船Aを自衛隊のイージス艦が捕らえていれば、アメリカ軍の艦船からその艦船Aに対してミサイル攻撃ができる・・・はず。
 日本の護衛艦はアメリカの軍艦船とデータリンクしているので、日本の護衛艦がレーダ等で捉えた艦船はアメリカ軍艦船にも即座に通知される。 
 つまり、実態は、アメリカ軍の洋上監視・臨検活動を自衛隊が一緒になって実行しているのだ。(これは、集団的自衛権行使に当たるのではないか?)
 よって、海上給油活動はそれを隠すダミーでしかない。護衛艦は「洋上の自衛隊給油艦を護衛する」という名目で派遣され、その実「洋上の監視活動」という業務に従事してるのだ。 
 これが本当なら、違法人材派遣を行ってきたグッドウィルの折口会長もマッツァオな違法派遣だ(爆)。

<太田>

 このように的確に私のTV発言を受け止めてくれる人がいるとうれしいですね。

 紹介したい二つ目は、
http://antikimchi.seesaa.net/article/73703870.html
という、私のコラム#33(2002.5.15)「台湾秘密資金問題のその後」を引用した記事です。
 この記事中に、別の興味深い記事の引用とこれを踏まえた総括を見つけたからです。

(引用始め)
・・According to Susan J. McHone, director of administration and finance at Harvard’s Asia Center, Akiyama received a $39,600 grant from the CSIS to cover his expenses from March 1999 until June 2000, and a $30,000 grant from the Yamada International Corporation for his expenses for the remainder of his time at KSG. ・・・Stacy Akiyama, president of Yamada International Corporation (no relation to Masahiro Akiyama), said his company exports American-made defense products to Japan and sponsored Masahiro Akiyama at Harvard.

(TZU-HUAN LO, Harvard Crimson, April 05, 2002 http://www.thecrimson.com/article.aspx?ref=180903 からの引用(太田))

 要するに・・・Masahiro Akiyama(秋山昌廣元防衛事務次官(太田))さんのハーバード大学留学の費用を出したのは台湾政府ではなく、のスポンサーが山田洋行だと山田洋行の米国子会社元社長の秋山収こと "Stacy" Akiyama氏が証言されてるわけです。(爆w
(引用終わり)

 この記事の私の仮訳は以下のとおり。

・・ハーバード大学アジア・センターのマクホーン(Susan J. McHone)監理部長によれば、秋山氏は1999年3月から2000年7月までの経費としてCSIS(=Center for Strategic and International Studies =米戦略国際問題研究所。ワシントンに本部のあるシンクタンク)から39,600米ドルを受け取り、残りの期間の経費として30,000米ドルを山田インターナショナルから受け取った。・・山田インターナショナルのステーシー・秋山社長(秋山昌廣氏と血縁関係はない)は、彼の会社は米国製の防衛装備を日本に輸出しており、秋山氏のハーバード大での滞在に資金援助したと語った。

 このLO執筆記事に照らせば、上記総括の仕方は必ずしも正しくありません。
 LOは、秋山昌廣氏のハーバード大留学経費のうち、CSISが39,600米ドル出し、山田洋行が30,000米ドル出したと記しているだけであり、CSISのカネの出所が台湾政府の秘密資金であることを否定しているわけではないからです。
 いずれにせよ、秋山昌廣氏が山田洋行から留学費用の半分近くを出してもらっていたというのが仮に本当だとすれば、これも重大な問題です。
 蛇足ですが、この記事の中の
http://sv3.inacs.jp/bn/?2004030005145299012672.xp010617
という香港の新聞の記事の引用も面白かったです。
 記事は邦訳されているので、興味ある方はお読み下さい。 
 小池前防衛大臣も登場しますよ。
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太田述正コラム#2349(2008.2.6)
<岩国への空母艦載機移転をめぐって(その2)>

 (非公開だが、最後の部分だけ公開しておく。)

 ・・何と言っても一番悪いのは日本政府です。
 日本が安全保障を米国にぶん投げているというのに、日本政府は決して、その米国の軍隊が日本に駐留しやすくするための抜本的な措置を講じようとはしてきませんでした。
 そんな日本政府に米軍が反発すると、NLPのケースで言えば、日本列島から遠く離れた硫黄島にNLPの訓練場を設けたり、そのために米軍に余分にかかる燃料代を負担したりして、カネの力で反発をなだめてきました。
 その一方で日本政府は、米軍受け入れをしぶる自治体や地域住民に対し、やはりカネの力で封殺して言うことを聞かせてきました。
 その結果、米軍の対日感情も、日本国民の対米軍感情も、長期的には次第に悪化しつつ現在に至っているのです。
 こんなことをいつまで続けているつもりなのでしょうか。
 もはや日本にはこれまでのように大盤振る舞いを続けるカネなどないというのに・・。 岩国市民の皆さん、ここは歯を食いしばって井原市長を勝たせましょう。
 そして、政府・自民党を狼狽させましょう。
 日本の覚醒、日本の米国からの自立は、こうした異議申し立てを重ねることなしには不可能だからです。

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