太田述正ブログは移転しました 。
www.ohtan.net
www.ohtan.net/blog/

太田述正コラム#2240(2007.12.17)
<皆さんとディスカッション(続x19)>

<遠江人>

Wikipedia - 防衛省 - 防衛省と自衛隊の項
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%B2%E8%A1%9B%E7%9C%81#.E9.98.B2.E8.A1.9B.E7.9C.81.E3.81.A8.E8.87.AA.E8.A1.9B.E9.9A.8A
 「行政組織上、「防衛省」とは本省の内部部局に加えて、陸海空の三自衛隊(制服組)、その他の附属組織(装備本部等)など審議会等、施設等機関、特別の機関まで含めた呼称である。
 しかし、これは広義の防衛省というべきもので、狭義には防衛省本省の特に内部部局のみに限る組織を含意して防衛省と呼ぶことがある。省移行前の防衛庁の時代、特にマスコミ報道などでは、「防衛庁」といってもいわゆる文官(自衛官以外の防衛庁職員、いわゆる背広組)を中心とする組織である本庁の内部部局(内局)のみを指し、自衛官(制服組)を中心とする三自衛隊と並列して存在する別組織であるかのように用いられている例が見られた。
 自衛隊という用語との関係では、「○○自衛隊」あるいは「三自衛隊」などと言う場合は、「防衛省の特別の機関」としての各部隊を指すにとどまるが、何も付けず単に「自衛隊」と言う場合は防衛大臣以下、内部部局から外局までも含む「防衛省」の全体を指す、と自衛隊法に定められている。
 つまり「防衛省」と「自衛隊」はほとんど同一の組織のことを指しており、防衛省設置法に基づく国の行政機関としての側面からの名称が「防衛省」、国防等の職務を担う軍事的組織としての側面からの名称が「自衛隊」ということになる。この点で、防衛省と自衛隊の関係は多くの人が理解している認識とは異なる。」

 防衛省の文官と制服自衛官の関係のことで一番の問題といえるのは、本来一つの組織であるはずの両者が実際にはバラバラで、一つの組織としての体をなしていないということでしょうか。
 仕事上の役割の違いはあっても同一の組織に属する公僕である点で変わりはないのなら、職務の遂行に当たっては対等な立場で扱われることに何の問題もないところ、自衛隊と防衛庁の関係においては対等の立場として扱われておらず(キャリア文官が上に置かれている)、そのために互いの間に溝が生まれ、同一の組織に属しているという意識を持っていないのだと思います。他の国では国防省と軍の間で適切に役割分担が行われ他方で混成して共に仕事に当たるという通常行われていることが、防衛省と自衛隊の間でも同様に行われているとは言いがたく(本来軍(自衛隊)が担う仕事を文官がしている等、区分けがあいまいだったり、キャリア文官が管理やITや会計が不得手であったり、混成して仕事をするべきところでバラバラになっていたり)、特に立場を上とするキャリア文官がその立場の上にあぐらをかいて、まっとうな仕事をしていないことが最大の問題でしょうか。
 両者の間にそのような深い溝ができてしまっている以上、体制そのものの見直しと組織の抜本的改革をするべきとなるのが自然の流れだと思います。文官と制服自衛官の立場を対等とし、役割も本当にそれぞれの適正にあった区分けをする一方で、それ以外では文官と制服自衛官をあらゆる場で混成し、文官も一省庁の役人というより軍事的職務を担う組織の一員であるという自覚をしっかり持っていただいて、真に一つの効率的な組織として生まれ変わる、といったことが考えられていいのではないでしょうか。
(以上はほとんど防衛庁再生宣言に書いてあることです)

 しかし志方さん(コラム#2233)には、現行の制度自体を変えるという発想はほとんど無いように見受けられます。今までの制度やそれぞれの役割は変えずに(病の根は絶たずに)、今までどおりの中でやれることをがんばろう、と言っているだけのように感じます。(現状の体制に問題を感じていない?)
 自衛官として中枢にいた人で、しかも1992年に退官して以降は自由に発言できる立場にいるわけですから、志方さんにこそもっと自由に思い切ったことを発言していただきたいのに、こう楽観的だと問題の本質が全然見えてこないですね。
 (3でシビリアンコントロールの不毛性に気付いておられるのはいいと思うのですが、役割の区分けやそれぞれが習得すべき能力の選択の基準がこれまたピンボケというか・・・)

<太田>

 私は、防衛省キャリアや外務省キャリア、そして(社会保険庁を含むところの)厚生労働省のキャリアは最も退廃・腐敗の度合いが甚だしいと考えていますが、その他の官庁のキャリアや自衛官幹部だって退廃・腐敗しています。
 自衛官幹部中、航空自衛隊幹部の退廃・腐敗の度合いは防衛省キャリア並と言ってもいいかもしれません(コラム#2174参照)。
 元陸上自衛隊幹部の志方さんを批判することは私の本意ではありませんが、たまたま2001年に志方さんの本を読んでいたこと、また、最近お近づきになったことから、俎上に載せさせていただいた次第です。

<大阪視聴者>

 第二回目の「太田総理」楽しみました。太田さんの本質をついた意見が周知されることをお祈りしています。

 ところで今回も、私が尊敬する金美齢さんが前回に引き続いて異常に太田さんに噛み付いておられました。世あたり上手な政治家や文化人はもう諦めました。ただ、金さんのような理知的な方が、太田さんの援護にまわらないのは違和感がありました。政官業の癒着に安住したい連中から、「太田は親中派で、日本の軍事力を目茶目茶にするつもりだ。」とか妙な先入観を与えられたのでは。とか勘ぐりたくなります。
 12月は「太田総理」に集中的に出演されお疲れ様です。国民の中に太田さんの人物が記憶され、主張が意識される時期ではないでしょうか。引き続いてこの動きが、腰砕け民主党を変えることを期待します。
 文字が大きくなり、かなりブログが読みやすくなりました。読者が増えることを確信しております。

<FUKO>

 僕の言いたかった事を〈むらかみさん〉が全ておっしゃっています(コラム#2238)。
 コメントは400字制限があるので全然言いたい事が書けなかったのです。(そういえばメールという手があるんでした。)
 つまり、これから太田氏はどうなさりたいのか。
 防衛省問題が終わったら目標達成とみてマスメディアに露出しなくなるのか、それともその後も評論家として活躍されたいのか。
 (私としては太田氏のその才能をいかんなく発揮してほしい。)
 評論家として活躍されたいならその準備をこの時期にしておく必要があるのではないか。と思っているのです。

>そもそもあのパネラー達のことを「アホ」と思っているのかどうかすら怪しい

 補足ですが、「視聴者が」ということです。念のため。

<太田>

 長いコメントは太田掲示板にどうぞ。

 残念ながら、(因果関係はないと思いますが、)先週の「太田総理・・」放送以降、ブログ訪問者数が激減しています。
 しかも、現在のところ、次のTVやラジオへの出演の話は全く来ていません。
 来年の早い時期に、何とか研究会の関係者や政治家1名が立件される模様ですが、その時に若干お呼びがかかるかもしれないものの、予想した通り私への関心は一過性に終わりそうです。
 ところで、私は防衛庁を飛び出して選挙に出て以来、「評論家」と名乗ってはいても、自分では革命家であり続けてきたつもりです。
 嗤わずにこらえてください。
 そもそも革命家がカネを稼げるわけがありません。
 権力の一端を担っている主要マスコミが私の露出を続けることなど望むべくもないのです。
 しかし、世はインターネット時代であり、ミニコミ誌の時代でもあります。
 また、既にご紹介したように、新著出版の話も来ています。
 私が餓死さえ免れて発信を続けることができれば、やがて世論が立ち上がるときがきっとくると私は固く信じているのです。
 こんな私ですが、引き続き皆さんの有形無形のご支援をお願いできれば、と存じます。
 
<コバ>

  --金さんは太田さんに厳しい?--

 太田総理、テレビで見ました。前回もそうだったと思うのですが、金美齢さんが太田さんに厳しいというか、冷たいというか…。あやふやな記憶なのですが、金さんは何かの雑誌(保守系?失念しました)で政権放り出しの件について、細川元首相を批判し、安倍元首相を擁護していたので、太田さんとは認識にズレがあるように思えます。太田さんの発言に金さんが否定的なのも脚本?があるのかもしれませんが、残念な思いです・・・。今後もメディアなどにおいて、私たちがハッとさせられるような評論活動を期待しています。

<太田>

 私は台湾「独立」派の心情的シンパであり、来年の台湾総統選挙でも民進党の候補である謝長廷氏(学歴は台湾大学法学部卒、京都大学法学修士・博士課程修了、経歴は高雄市長、民進党主席、行政院院長)を支持しています。
 金美齢さん、お見知りおき下さいね。
 私の台湾に関するコラムは数多いのですが、最近の読者の方は、台湾の法的地位を扱ったコラム#247、260、267〜269あたりから読んでみてください。

<健次郎>

 某番組での貴君の理由として「カネが欲しい奴は、内部告発しない」とおっしゃっています。
 この考えは、意識の高い公務員等には当てはまりますが、一般的に妥当するでしょうか?
 私は貴君のようには断定できないような気がします。
 公務員等でなくとも社会に影響する内部事情に遭遇しないともいえないのではないでしょうか?
 某自動車会社の「リコ−ル隠し」なんぞ相当社会に影響する内部情報であるとおもいます。

<太田>

 私の舌足らずのせいで誤解を与えて申し訳ありません。
 私のあたかも一般論として述べているかのように見える発言は、ことごとくキャリア官僚(時にプラス幹部自衛官)についてだけの発言です。
 勝手ながら、21日放送の番組でも、私の発言を誤解しないようにお願いしますね。
 
<友人TK>

太田君へ

一、先週の出演は 期待以上の内容でしたよ。
 回を追って私利私欲に縁がない太田君が理解されてきているような気がします。
 原口もずいぶん肩を持ってくれていますね。
 それと出版した本の名前がちょっと売れましたね。

二、びっくりしたのは
 この防衛庁再生宣言の「あとがき」で題名を「日本再生」にしてもおかしくなかったと記されていたのですね。
 私もそう思っています。そういうような何かもっとキャッチーな名前で本を出しませんか?
 この本の第2部以降が大変気に入っていますよ。

三、福沢諭吉関連で 昨日「 福沢諭吉と中江兆民」(松永 昌三 中公新書)を見つけて一人で喜んで読んでいます。
 中江兆民もまた魅力的ですね。それと「ケルト神話と中世騎士物語」(田中 仁彦 中公新書)なども見つけました。

 太田君の今週の特番が楽しみです。
では!

<コラムだけ読む一読者>

 いつも、太田さんのコラムで政官業癒着の話しになると、官僚の天下りや官僚から大学教授になった話などが出てきます。その度に私は叔父の人生を考えてしまいます。私の叔父は、東大でない旧帝大の大学院から、△省の官僚になりました。それから、東京の某社に天下りしました。(ここでは、東大卒がはばをきかせていたので、嫌な思いをしてたらしいのですが。)その後数年、●大の教授をしてました。その間、天下りや大学での研究費の叔父の本当の使い方などを聞かされていました。太田さんのコラムをまのあたりにしていたのです。祖父と私の父は、一生民間で会社員でしたが、叔父の民間人に対する態度は酷いものでした。傲慢でそれこそ、よく父が怒らなかったと思います。心の中ではどうだったのかと、いつも思います。その叔父ですが、引退後は、ぼけ老人になって亡くなりました。お葬式は、参列者の少なかったこと。寂しいものでした。いくら生前威張ってばかりいても、人生最後がこうでは、儚いものよと思います。太田さんのコラムを読む度に色々、考えさせられます。
 ところで、私はTVでは太田さんの出演のは、見てません。出演者の方々 が自分を主張しようとするので、うるさくなったり挙げ句は話が切られたりするのが、嫌なので。コラムやこの掲示板を知りましたので、太田さんや他の皆さん の考えをジックリ読まさせて貰います。
 いつも、無料での訪問ですみません。余裕ないので。

<太田>

 その後のブログへのあなたの投稿を見て、あなたの太田掲示板への投稿は削除させていただき、その代わりアイデンティティーをぼかした形でこのコラムに収録させていただきました。
 あしからず。

<疑問>

 仮に太田さんの望むような形で政官業の浄化が成就したとしたら、、、。
 それに伴う痛みはどの程度なのでしょうか?
 例えば日経平均、物価、税金、年金等々、、、。
 余命を勘案すれば痛みを伴う治療よりもホスピス行を選ぶ国民も沢山いると思うのですが。。。

<太田>

 恩給制度を導入して天下りを全廃すれば、日経平均ははねあがり、物価は下がり、税金だって減らせます。(減らさずに国債の償還に充てるべきだと私は思いますがね。)また、カネの問題だけに限定すれば年金の心配をする必要もなくなるでしょうね。
 それでも、(官僚OBや一部の官僚はもはや可塑性ゼロなので除くとして、)それ以外の国民の中にもホスピス行を選びたい人はいるかもしれません。頭がおかしい人が少しはいるのが世の習いですから・・。
 
<日刊ゲンダイ>

 --防衛汚職拡大 額賀財務相口利きの“決定的”証拠--

 額賀財務相が防衛省に口利きした――と告発していた防衛省OBの太田述正・元仙台防衛施設局長(58)が、11日さらに国会議員7人の口利きを暴露した。防衛疑惑は拡大の一途だ。
 太田述正氏は、仙台防衛施設局長を最後に退官した元キャリア官僚。守屋武昌とは同期だった。
 施設局長時代に詳細につけていた「日記」をもとに「00年3月、官房長だった守屋を通じ、山形県内の建設業者を同局発注工事の指名に入れて欲しいと額賀が口利きした」と明らかにしていた。
 太田氏は施設局長時代、詳細な「日記」とは別に、同局発注工事や用地買収にからむ政治家からの「口利き事例」を部下に報告させていた。この報告書を公開したのだ。
 予想通り、防衛族議員がズラリと並んでいた。
 土建会社の口利きをしていたのは、額賀福志郎(63)、加藤紘一(68)、玉沢徳一郎(69)、中谷元(50)の防衛庁長官経験者の4人。それぞれ、日時や案件が記載されている。
 用地の買収について斡旋していたのは、伊藤公介(66)、浜田靖一(52)、大島理森(61)の自民党代議士3人と、民主党の田名部匡省参院議員(73)の4人。告発した太田氏が改めてこう言う。
 「建設土木関係の口利きをしていたのは、防衛行政に詳しい防衛族議員ばかりです。逆に、用地買収はバラエティーに富んでいる。用地買収の斡旋は、困っている有権者の声を政治家として純粋に代弁した可能性があります。やはり問題なのは、建設土木関係の口利きです。当時は防衛庁の談合事件や斡旋利得が問題になっていて、普通の政治家は業者を公共事業に押し込むことをためらっていた。なぜ、それでも口利きしたのか」
 額賀財務相は太田氏の告発に対して口利きを否定しているが、太田氏は11日山形県の土建業者の社名を明かし、その業者が計4回訪ねてきたことも詳細に説明した。
 額賀財務相を筆頭に8人の国会議員は、口利きしたのかどうかハッキリさせることだ。
【2007年12月12日掲載記事】
 [ 2007年12月15日10時00分 ]
http://news.www.infoseek.co.jp/gendainet/society/story/15gendainet02034921/
。12月15日アクセス

<太田>

 ゲンダイがどうして村井宮城県知事等について言及しなかったのか、怪訝な気持ちですが、私に声援を送ってくれたような記事であり、歓迎です。(全文引用したことをお許し下さい。) 一番うれしいのは、額賀さんの名前で記事を締めくくってくれたことです。 私は額賀さんや村井さんが、私に対する名誉毀損訴訟を提起するならするで喜んで受けて立つ気でいます。
 その場合は、私に不利な判決が出れば最高裁まで争うつもりです。
 その過程で、公共の利益に関わる名誉毀損訴訟における挙証責任の転換(コラム#2201)の必要性を広く世論に訴えるとともに、仮に私の申請した証人が偽証するようなことがあれば、検察に偽証罪での立件を強く促していく所存でいます。
 「国会の証人喚問以外で偽証が罪に問われることがほとんどなく、裁判は嘘のつき合いになっている」(
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20071212/143054/
。12月14日アクセス)なんてとんでもない状況をぜひとも是正しなければなりません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
太田述正コラム#2241(2007.12.17)
<私の手がけた2度目の白書(詳述篇)(その3)>

→非公開

太田述正ブログは移転しました 。
www.ohtan.net
www.ohtan.net/blog/