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太田述正コラム#2218(2007.12.6)
<皆さんとディスカッション(続x13)>

<20の学生>

 以前このブログで太田さんに9.11テロはアメリカ政府の陰謀ではと質問したものです。
 皆さんとディスカッション(続x3)(その1)
 でご回答いただきありがとうございます。
 ちょっと簡素に質問しすぎたと反省していて、申し訳ないのですが、もう一回だけ質問させてください。

>そんな説を唱えている人物は、全く国際知識がない、

との太田さんに回答頂きましが、ぼくはどうしても、具体的に、

・ペンタゴンに突っ込む飛行機の(防犯カメラの)映像を公開しないアメリカ政府の態度、
・崩壊するWTCビルの至る箇所から噴出する謎の煙(映像に映っている)、
・WTCビル内にいた人たちの多くの証言(何かが爆発する音を聞いた)、
・飛行機の突っ込んでいないWTC第七ビルの自然崩壊、
・ハイジャック犯の一人のパスポートが瓦礫の中から見つかって、ブラックボックスの見つからない墜落した飛行機がある

などなど、どうしても腑に落ちない数々の事実がありますが、国際知識云々の以前の問題で、太田さんはそういうのを考えたことがありますか?
 もちろん、そういう腑に落ちない疑念は太田さんの専門とは少し違うと思いますが..^^;
 以前指摘された通り、太田さんのアングロサクソン論を含め、国際情勢について、もっともっと勉強したいです。
 どうか太田さんのお考えをお聞かせください。

<太田>

>どうしても腑に落ちない数々の事実

 どこが腑に落ちないのかさっぱり分かりませんね。
 例えば、

>ペンタゴンに突っ込む飛行機の(防犯カメラの)映像を公開しないアメリカ政府の態度
を公開しないのはよく分かるなあ。
 防犯カメラが当時設置されていたとして、その位置や能力が分かっちゃうじゃありませんか。
 
>ブラックボックスの見つからない墜落した飛行機がある

 ブラックボックスたって単なる金属製の箱ですよ。
 何千度もの高熱で長時間にわたって燃えたらしいから、完全に熔けちゃってても不思議じゃないでしょう。
 いずれにせよ、日本の主要メディアと違って権力と癒着していない主要メディアを沢山持つ米国や、米国についてはある意味米国よりも詳しい英国の主要メディアが鵜の目鷹の目で取材していて、9.11同時多発テロに関する陰謀説が浮上しない以上、陰謀などなかったということです。
 およそ米国や英国では、行政府によるところの(トップに情報が集中するだけに、トップが情報を握りつぶす形の)消極的陰謀は成り立ちえても・・例えば、真珠湾攻撃関連情報をローズベルトが握りつぶした可能性はある(コラム#920、1282等でも指摘した)・・、おっしゃるような積極的陰謀は基本的に成り立ち得ません。
 「基本的に」というのは、積極的陰謀が行われたとしても、数ヶ月もしないうちにばれてしまう、だから積極的陰謀など怖くてまずはできない、ということです。

<大阪のかわにゃ>

 太田さんは以前、#2205(2007.11.30)にて「・・・それよりも、福田政権のダライラマ訪日時の姿勢・・・中共に媚びて完全にダライラマを無視した・・・こそ指弾すべきです。 これに対し、民主党は鳩山幹事長がダライラマと会見しています。」と書かれていました。
 しかし、ウイグル(東トルキスタン)での中国による人権弾圧を訴えるために来日したウイグル人を招いての民主党の勉強会が最近になって急遽中止になりました。小沢氏の訪中に配慮したようです。

民主前議員らの「ウイグル勉強会」 小沢氏訪中直前に中止(産経)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/071206/stt0712060138000-n1.htm

<太田>

 政治アナリストの花岡信昭氏が次のように言っておられます。

 「大荒れの臨時国会だが、どうやら先が見えてきたようだ。政府与党にとって重要なのは、新テロ特措法の成立と来年度予算の年内編成ということになるが、いずれもなんとかめどがつきそうな気配が濃厚だ。・・政府与党が強気の読みに転じたのは、民主党が「ポカ」を連発したことが大きい。「大連立」を拒否した民主党だったが、防衛省汚職に関連して額賀福 志郎財務相の証人喚問を野党単独で決めた。さすがに共産党からも「間違いだった」と反省の声が出て、これを撤回した。証人喚問は全会一致が原則で、数にモ ノを言わせて単独で決めてしまっては、衆院で与党の思うがままの喚問を許すことになってしまう。 さらにこの重大な国会開会中に46人もの衆参議員の大量訪中という「常識ではあり得ないこと」(自民党幹部)が加わった。以前から決まっていたこ とで会期延長は与党が勝手にやったものだ、というのが民主党の主張だが、インド洋での海上自衛隊の支援活動を停止させておいて、その言い草は何だ、と批判 されてしまった。かくして、民主党の鳩山由紀夫幹事長は「審議を遅らせるようなことはしない」と言明せざるを得なくなり、民主党の国会運営の稚拙さが一段と浮き彫りになった・・。」(
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/y/88/
。12月6日アクセス)

 私は、例の大連立構想は、小沢さんが米国からの脅しに屈してインド洋での給油継続を飲む理屈をつけるために小沢さんから持ちかけたと見ているわけですが、その小沢さんが代表辞任を撤回して民主党代表の地位にとどまったということは、新テロ特措法に徹底抗戦はしないという了解を民主党執行部からとりつけることができたからだと考えています。
 「この重大な国会開会中に46人もの衆参議員の大量訪中という・・常識ではあり得ないこと」を強行したのは、徹底抗戦はしないよという意思表示を政府自民党に対して行ったものであって、この訪中の障害になりそうなことは何が何でも排除する必要があった・・例えば、中共の反発をくいそうな「ウイグル勉強会」は止めさせる必要があった・・ということであろうと考えているのです。
 安全保障の視点は日本の国内政局の分析にも有効であると私は確信しているのですが、いかがでしょうか。
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太田述正コラム#2219(2007.12.6)
<近況報告(続)>

→非公開

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