太田述正コラム#13042006.6.18

<アングロサクソンによる20世紀以降の原住民虐待(その3)>

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 7月8日のオフ会は、確定的に参加する旨表明された方がこれまで一人もおられないので、中止します。

 さて、このことと、必ずしも論理的につながることではありませんが、総合的な検討の結果、本コラムの読者層のこれ以上の拡大は見込めない状況だという結論を下すに至りました。

 よって、7月から本コラムを以下のような有料制に切り替えることにします。

 これまでのご愛顧・ご愛読に感謝します。

                  記

 私(ohta@ohtan.net)に有料講読する旨の申し込みメールを送っていただいた上で、私の返信メールに従い、みずほ・三菱東京UFJ・三井住友、の私名義の口座のいずれかに私人であれば5,000円、法人であれば2万円を振り込んでいただいた方に対してのみ、7月から本年末までコラムを配信します。(7月以降に送金された方(到着ベース)には、7月1日付からのコラムのバックナンバーを併せてお送りします。)

 ただし、コラム執筆・送付の最低保証数は、月間30篇とします。

 なお、ホームページの時事コラム欄には、コラムのタイトルとコラムの概要のみを掲げることにします。ただし、他の有料媒体に発表された拙稿は発表後できるだけ早い時点に全文をコラムとしてホームページに転載することとし、この分を含め、月4回以下のペースでコラム全文をホームページに掲載します。また、6ヶ月以上経過したコラムもホームページに転載することを考えています。ブログについても同様の扱いにするか、この際ブログを閉鎖するかは、ブログスペース提供者の島田さんのご判断にお任せしたいと思います。

 本名等を明かしたくない方や海外在住の方等で別のやり方での支払いをご希望の方は、そのご希望内容を私宛メールやホームページの掲示板上でお教え下さい。

 ただし、6月末日までに有料講読申し込みがゼロであった場合は、6月末日をもってコラムの執筆・送付は中止します。また、11月末日までに上記購読料受領額が25万円(個人50人相当)に達しない場合は、本年末日をもって、やはりコラムの執筆・送付を中止するつもりです。

 (来年もコラムの執筆・送付を継続する場合は、基本的に同じやり方を考えていますが、12月初頭にコラム上等でお知らせします。)

 この論説は、ガザ誤射(?)事件が本当にイスラエル軍の誤射によるものであるかどうか(注3)は、本質的な問題ではない、と主張します。

 (注3)6月9日(金。金曜は休日)の午後、ガザの海岸の砂浜でパレスティナ人親子達がピクニックをしていたところに爆発が起こり、3人の子供を含む8人(内7人は同一家族)が死亡し、30人以上が負傷した。パレスティナ側は、その頃ガザに向けてイスラエル軍が、この数ヶ月間、(ハマス以外の)パレスティナ過激派によるイスラエル領内への年1,000発ペースの手製ロケット攻撃に対処するため、ロケットが良く発射される畑や果樹園めがけて定期的に155ミリ砲を射撃しており、その弾のうちの一つが当たったと主張し、イスラエルのオルマート首相も一旦遺憾の意を表し、イスラエル軍も本件の調査中間射撃を中止することにしたが、ハマスはイスラエルとの事実上の休戦を破棄するに至り、イスラエル領内への手製ロケット攻撃を始め、イスラエル領内で数名の負傷者が出ている。

     しかし、イスラエル軍は13日、調査の結果を、9日に6発の砲弾を死亡者が出た場所から250メートル離れた地点に向けて打ち込んだところ、1発は目標をそれたが、この1発が原因であるとは考えられない、なぜなら、イスラエル領に運び込まれた負傷者等から検出された破片はイスラエル軍の砲弾の破片ではなく、砲弾が着弾すればできる穴が砂浜にできておらず、また、目標をそれた一発は少なくとも砂浜で爆発が起きた時間より9分以上前に発射されているからだ、と発表した。

     これに対し、英米の専門家や新聞の中から、疑問の声が出ている。

     (以上、http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/5065982.stm(6月10日アクセス)、http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/5074792.stm(6月14日アクセス)、ワシントンポスト上掲、及びhttp://www.guardian.co.uk/israel/Story/0,,1799825,00.html(6月17日アクセス)による。)

 そもそも、一般住民がピクニックをするような場所から250メートルしか離れていない場所からイスラエル領内めがけてロケット攻撃をするのは、仮に攻撃が成功してイスラエルの一般住民から死傷者が出れば、欧米等は何も言わず、パレスティナ側は攻撃成功を祝うことができ、仮にイスラエルによってこの攻撃が事前につぶされ、あるいは攻撃後に反撃をくらったとしても、それに伴ってパレスティナの一般住民から死傷者が出れば、イスラエルが欧米等から非難される、という住民を楯にした卑劣な戦術だ、とこの論説は主張するのです(注4)。

 (注4)この論説が最も問題視するのは、パレスティナ側が政治的決着を図ろうとせず、最大限要求・・イスラエルの存続否定・・の実現を60年間一貫して求めてきたことだ。イスラエルはガザから完全撤退したというのに、パレスティナ側はこれを喜ぶどころか、それ以降もガザを対イスラエル・ロケット攻撃基地として使って恬として恥じないことを、この論説は非難している。

 この論説は事実上、非正規戦(ジュネーブ条約に定める、戦闘員としての公示を行っていない者を用いた戦争)を正規軍に対して挑んだ側・・ゲリラやテロリスト・・は、この正規軍による住民の虐待(虐殺を含む)をコラテラルダメージとして甘受しなければならない、と主張しているわけです。

 このような考え方からすれば、ハディサ事件の下手人の米海兵隊員らを咎めることはできないことになります。

4 所見

 私もこの政治的弁護論に惹かれます。

 ハディサ事件をとりたてて問題にしていないイラクのマスコミもそう考えているのではないでしょうか。

 ただし、この政治的弁護論に立ったとしても、あの1937年のいわゆる南京事件での日本軍の支那人殺害のすべてが許されるということにはなりません。

「南京を守備していた中国兵の多くが制服を脱ぎ捨て、私服に着替えて南京市内・・の一般中国住民の中にまぎれこん・・だことを日本軍が(恐らくスパイ行為として)とがめて、彼らやその協力者を捜索し、処刑した・・こと<とそれに関連した>一般中国住民の虐殺」は許されるとしても、「正式な捕虜の虐殺や<スパイ行為と無関係な>一般中国住民の虐殺」は許されるものではないからです。(括弧内はコラム#253

 いずれにせよ、南京事件に関し、当時とりたてて日本側に抗議しなかった国民党政府(典拠失念)や中国共産党(http://www.nytimes.com/2006/03/15/international/asia/15letter.html?_r=1&oref=slogin。3月16日アクセス)は、国際法についても住民保護についても、何の関心もなかったのではないかと言われても仕方がないでしょうね。

(完)

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