太田述正コラム#1507(2006.11.14)
<米大統領選挙始動(その2)>

4 オバマ次期米国大統領?

 オバマはまだ経験不足なので、もっと上院議員としてキャリアを積んでから大統領選に出るべきだという意見は間違っている。
 上院議員から直接大統領に選ばれたのは、ケネディ(John F. Kennedy)とハーディング(G. Harding)の二人しかいない。
 クリーブランド(Grover Cleveland)の一回目の当選からフランクリン・ローズベルト(Franklin D. Roosevelt)の四回目の当選までの52年間は州知事だった者が圧倒的に多いし、最近の8回の大統領選中7回は州知事だった者が当選している。
なぜ上院議員が不利かと言うと、議員経験があるからといって行政経験があるとは言えないし、議員は妥協しなければならないが大統領は国をリードしなければならないからだし、当人の各種法案への賛否履歴は揚げ足取りの材料を容易に提供するからだ。
 2008年の大統領選に関しては、オバマにとって幸いなことに、有力な候補者である民主党のヒラリー・クリントンも共和党のマッケイン(John McCain。アリゾナ州)も上院議員であり、しかも州知事で大統領選に出そうな者で有力な者はいない。
 それに、場合によっては、オバマは副大統領候補になってホワイトハウス入りしてから次に大統領を目指すことも可能だ。45歳と若く、しかもキャリアが浅いからこそそれができるのだ。他方、ヒラリー・クリントンもマッケインもそうはいかない。
 (以上、Dによる。)

 なお、11月13日付のロサンゼルスタイムス電子版に、民主党乗りの諸君は間違っている、共和党のマッケインこそ本命だ、というニール・ファーガソンのコラム(
http://www.latimes.com/news/opinion/la-oe-ferguson13nov13,0,4538247.column?coll=la-opinion-center
。11月14日アクセス)が載っていました。

6 補足:オバマについて

 オバマは、ハワイのホノルルで、ハワイ大学の東西センターの学生同士だったケニア人の父とカンサス州出身の米国人の母(白人)との間に生まれます。
 オバマが2歳の時に両親が離婚し、父親はケニアに戻り、母親はインドネシア人学生と再婚し、オバマは6歳の時に両親と一緒にジャカルタに移ります。そして、その4年後にオバマはハワイに戻り、母方の祖父母と一緒に暮らします。
 やがて彼は、コロンビア大学で政治学を専攻して1983年に卒業し、一旦シカゴで就職した後、今度はハーバード大学ロースクールに入学し、1991年に優等の成績で卒業し、シカゴに戻って弁護士事務所に勤務するとともに、シカゴ大学ロースクールで憲法を教えます。
 1992年に勤務先の弁護士事務所の同僚と結婚します。(現在二人の女の子の父。)
 1996年にはイリノイ州上院議員に当選し、2000年には連邦下院議員選挙の民主党予備選に立候補しますが、敗れます。
 そして、2004には今度は連邦上院議員選挙に立候補し、選挙運動のさなか、民主党全国大会であの有名な基調演説を行います。更に2004年11月に連邦上院議員に当選し現在に至る、というわけです。
 今年の10月27??29日に米国で実施された世論調査によると、2008年の大統領選における民主党の候補者に誰がなると思うか、という質問に対し、28%の人がヒラリー・クリントンと答え、17%のオバマがそれに続きました。
 (以上、
http://en.wikipedia.org/wiki/Barack_Obama
(11月14日アクセス)による。)

6 感想

 日本のヒラリー・クリントン・・女性の有力政治家・・よ出でよ、日本のオバマ・・混血ないし外国系の有力政治家・・よ出でよ、と叫びたくなるほど、日本の現在の「有力」政治家は小粒で凡庸な二世、三世議員ばかりですね。

(完)

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