太田述正コラム#1737(2007.4.18)
<バージニア工科大学乱射事件(その1)>

 (本篇は、後で情報屋台に公開します。)

1 始めに

 16日に米バージニア工科大学(Virginia Plytechnic Institute)で32人を射殺し、自らも自殺したチョ・スンヒ(Cho Seung-Hui)は、米国の永住権を持つ23歳の同大学英文科4年生であり、両親とお姉さんとともに1992年に8歳の時、米国にわたってきたものです(注1)。
 (以上、
http://www.nytimes.com/2007/04/17/us/17cnd-virginia.html?_r=1&hp=&oref=slogin&pagewanted=print  
(4月18日アクセス)による。)

 (注1)これは米国史上最も死者の多数出た乱射事件だ。学校のキャンパス内での乱射事件でこれまで最も死者の多かったのは1966年のテキサス大学での事件であり、16人が犯人によって射殺され、犯人は警察によって射殺されている。また、これまで最も死者の多かった乱射事件は、1991年のテキサスのキリーン(Killeen)での事件であり、22人が射殺され、犯人が自殺している。

 今回の事件は、韓国と米国の特異性を浮き彫りにした事件であると言えるでしょう。
 以下、それを見ていくことにしましょう。

2 韓国の特異性 

 韓国では、ノ・ムヒョン政権発足以来、高賃金・政府規制・労使紛争に悩まされる企業がどんどん海外に脱出しています。
 また、あいも変わらぬ受験戦争下の詰め込み教育が生徒と保護者を、雇用不振が青壮年を、政権の高所得者に厳しい税制が「持てる者」を、それぞれ海外に脱出させています(注2)。

 (注2)韓国の自殺率がOECD加盟国30カ国中最高である(
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/6380305.stm。2月21日アクセス)ことも、これらのことと無関係であるとは思えない。

 中でも、人気が最も高いのは米国であり、2005年に米国の永住権を取得した韓国人は約2万5000人と、史上最高を記録し、そのうち、就職移民は1万6167人にのぼり、前年度の2倍を記録しています。また、10万??30万ドルを投資し、店を買い上げる方式で投資ビザを取得した人も2005年に2169人と、1997年の2倍に増えています。
 (以上、特に断っていない限り
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/09/25/20060925000001.html
(2006年9月25日アクセス)による。)

 米国への留学も過熱しています。
 米国の学校への留学生のうち、韓国出身者は昨年末で9万3728人と留学生全体の14.9%を占め、第一位です。韓国人留学生は2004年末には7万3272人でしたが、2005年末には8万3854人に増え、昨年9万人を超え、10万人を超えるのも目前です。
 韓国に続いてはインドが7万6708人で2位、次いで中国(6万850人)、日本(4万5820人)、台湾(3万3651人)、カナダ(3万1234人)、メキシコ(1万4453人)の順になっています。
 韓国は、人口大国のインドと中国を上回っているだけでなく、人口で約3倍で韓国よりはるかに豊かな日本よりも数多くの留学生を米国に送り出しているわけです。
ちなみに、韓国人の米国留学生は、大学生が3万9365人で最も多く、大学院生が3万6835人となっています。
 (以上、
http://www.chosunonline.com/article/20070406000015
(4月6日アクセス)

 今回の事件の犯人であるチョが、どうして米国の大学に在籍することとなったか、お分かりになったでしょうか。
 ドライクリーニング業を営み、ワシントン郊外の中流階級の上の方の人々の住む地域に住めるようになったチョの両親も、そして米国の名門プリンストン大学を卒業したチョのお姉さんも、そして有名公立高校を卒業してバージニア州の名門バージニア工科大学に入学し、入学後、経営学科から英文科(作家志望者向けコース)に転じたチョ自身も、それぞれ相当無理を重ねてきていたと思われるのです。
 (以上、チョの素性については、
http://www.time.com/time/nation/article/0,8599,1611569,00.html
http://www.guardian.co.uk/usguns/Story/0,,2059726,00.html
http://www.cnn.com/2007/US/04/17/vatech.writings/index.html
http://www.cnn.com/2007/US/04/17/cho.profile/index.html  
(いずれも2007.4.18アクセス)

(続く)
  (本篇は、後で情報屋台に公開します。)

1 始めに

 16日に米バージニア工科大学(Virginia Plytechnic Institute)で32人を射殺し、自らも自殺したチョ・スンヒ(Cho Seung-Hui)は、米国の永住権を持つ23歳の同大学英文科4年生であり、両親とお姉さんとともに1992年に8歳の時、米国にわたってきたものです(注1)。
 (以上、
http://www.nytimes.com/2007/04/17/us/17cnd-virginia.html?_r=1&hp=&oref=slogin&pagewanted=print  
(4月18日アクセス)による。)

 (注1)これは米国史上最も死者の多数出た乱射事件だ。学校のキャンパス内での乱射事件でこれまで最も死者の多かったのは1966年のテキサス大学での事件であり、16人が犯人によって射殺され、犯人は警察によって射殺されている。また、これまで最も死者の多かった乱射事件は、1991年のテキサスのキリーン(Killeen)での事件であり、22人が射殺され、犯人が自殺している。

 今回の事件は、韓国と米国の特異性を浮き彫りにした事件であると言えるでしょう。
 以下、それを見ていくことにしましょう。

2 韓国の特異性 

 韓国では、ノ・ムヒョン政権発足以来、高賃金・政府規制・労使紛争に悩まされる企業がどんどん海外に脱出しています。
 また、あいも変わらぬ受験戦争下の詰め込み教育が生徒と保護者を、雇用不振が青壮年を、政権の高所得者に厳しい税制が「持てる者」を、それぞれ海外に脱出させています(注2)。

 (注2)韓国の自殺率がOECD加盟国30カ国中最高である(
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/6380305.stm。2月21日アクセス)ことも、これらのことと無関係であるとは思えない。

 中でも、人気が最も高いのは米国であり、2005年に米国の永住権を取得した韓国人は約2万5000人と、史上最高を記録し、そのうち、就職移民は1万6167人にのぼり、前年度の2倍を記録しています。また、10万??30万ドルを投資し、店を買い上げる方式で投資ビザを取得した人も2005年に2169人と、1997年の2倍に増えています。
 (以上、特に断っていない限り
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/09/25/20060925000001.html
(2006年9月25日アクセス)による。)

 米国への留学も過熱しています。
 米国の学校への留学生のうち、韓国出身者は昨年末で9万3728人と留学生全体の14.9%を占め、第一位です。韓国人留学生は2004年末には7万3272人でしたが、2005年末には8万3854人に増え、昨年9万人を超え、10万人を超えるのも目前です。
 韓国に続いてはインドが7万6708人で2位、次いで中国(6万850人)、日本(4万5820人)、台湾(3万3651人)、カナダ(3万1234人)、メキシコ(1万4453人)の順になっています。
 韓国は、人口大国のインドと中国を上回っているだけでなく、人口で約3倍で韓国よりはるかに豊かな日本よりも数多くの留学生を米国に送り出しているわけです。
ちなみに、韓国人の米国留学生は、大学生が3万9365人で最も多く、大学院生が3万6835人となっています。
 (以上、
http://www.chosunonline.com/article/20070406000015
(4月6日アクセス)

 今回の事件の犯人であるチョが、どうして米国の大学に在籍することとなったか、お分かりになったでしょうか。
 ドライクリーニング業を営み、ワシントン郊外の中流階級の上の方の人々の住む地域に住めるようになったチョの両親も、そして米国の名門プリンストン大学を卒業したチョのお姉さんも、そして有名公立高校を卒業してバージニア州の名門バージニア工科大学に入学し、入学後、経営学科から英文科(作家志望者向けコース)に転じたチョ自身も、それぞれ相当無理を重ねてきていたと思われるのです。
 (以上、チョの素性については、
http://www.time.com/time/nation/article/0,8599,1611569,00.html
http://www.guardian.co.uk/usguns/Story/0,,2059726,00.html
http://www.cnn.com/2007/US/04/17/vatech.writings/index.html
http://www.cnn.com/2007/US/04/17/cho.profile/index.html  
(いずれも2007.4.18アクセス)

(続く)

太田述正ブログは移転しました 。
www.ohtan.net
www.ohtan.net/blog/