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太田述正コラム#1811(2007.6.15)
<防衛庁再生宣言の記述をめぐって(続x4)>

1 始めに

 JSFさんが、一つ前の私のコラム(#1808)に反論を寄せられました。
 一読して、議論の体裁をなしていないので、大変残念に思いました。
 しかし、軍事に関する知識が特に豊富であるとお見受けするJSFさんを切り捨てるのは忍びないので、私の「脚注」や「全般的コメント」をつける形で、この反論をコラム仕立てにさせていただきました。

2 JSFさんの投稿と私の脚注

>私は<この一連のやりとりを>エンジョイしたし、ほとんど時間はとられていません。(太田)

 それは凄いですね。私は忙しい中で寝る時間を削って書かざるを得ませんでした。遅筆なんですよ(注1)。

 (注1)率直に申し上げて、遅筆過ぎます。私なら、JSFさんのこの投稿、30分もかけずに書いて、昨夜中に投稿できていたでしょう。そうしていただいておれば、本日既に配信した私のコラム(#1810)に反映できたのに、残念です。(太田)

 それでは反論の纏めをとりあえず此処に書いておきます。

>自衛隊に保管機がないからといって、それはないでしょう。(太田)

 いや、F-4ファントム12機がモスボールされていると説明している筈ですが。予備機の話もしましたよね? (注2)
http://obiekt.seesaa.net/article/44754397.html

 (注2)ミリバラの数字が間違っていると言われてしまうと、そこで私との議論は終わりです。そもそも、そんな話は、私にせずにミリバラにしてください。(太田)

>第一、そんな「戦闘機」の定義では、自衛隊のF-1だって戦闘機に入らなくなってしまいかねませんよ。(太田)

 ええ、あれ「支援戦闘機」ですから。本当ならジャギュアやハリアー、トーネードGR.4も同じ様なものです。 純粋な意味でのイギリス軍の戦闘機はトーネードF.3だけで、100機程度しかありません、って解説しましたよね。
http://obiekt.seesaa.net/article/44474371.html

 その上で対戦闘機戦が何とか出来そうな機体も含めて「戦闘機」扱いしています。するとジャギュアやF-1は何とか含められますが、練習機ホークT.1Aでは対戦闘機戦闘は無理なので、除外します(注3)。

 (注3)ホークを「戦闘機」から除外する理由がJSFさんの一方的見解だけでは話しになりません。ホークT1.A(或いはT1)が、ミリバラの定義による「戦闘機」、すなわち「空中戦のための兵器・アビオニクス・性能に係る能力を備えた航空機」にあたらない理由をきちんと説明しなければダメです。(太田)

>自衛隊は、331機変わらず、であり (太田)

 ですからそれ、予備機を含んでいない数値です。F-15が170機って全保有数じゃないことくらい、理解できていますよね? 一方でイギリス軍は予備機を含めた全保有数をカウントしている。 それは全く比較になっていません(注4)。

 (注4)ここでも、ミリバラの数字が間違っている、或いは平仄があっていない、とおっしゃっているわけで、私との議論はそこで終わりです。繰り返しますが、こんな議論はミリバラとしてください。(太田)

3 太田の全般的コメント

 JSFさんは、ミリバラがいかに信頼が置けないか、という主張をされているわけです。
 仮にJSFさんが、できるだけ英文典拠に基づき、ミリバラにおける「戦闘機」等の定義の不適切性を論証し、日本の自衛隊と英軍についての説明や数字の誤りを指摘した論文を執筆することができたとしたら、まず、僭越ながら私のブログにでも掲載させていただいた上で、翻訳者を募るなりして英語に翻訳した上で、ミリバラの発行元であるIISSに公開質問状形式で送付するに値します。
 本当にそれが実現した暁には、JSFさんの令名は世界にとどろくでしょう。
 やってみませんか。
 ただし、そのためにも、遅筆を克服されるとともに、議論の仕方(論文の書き方)を大幅に改善される必要がありますね。

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