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太田述正コラム#1838(2007.6.27)
<太田述正・有料メルマガ更新時期です!(続)>

 (PR版です。即時公開します。)

1 始めに

 本日1230過ぎの時点で、次期会費納入者は76名で、うち1名は第1期だけの有料読者、8名は新規の方ですから、今期(第2期)の有料読者122名中、更新された方は、依然半分に達していません。納入期限を1日延長し29日までとします。残り2日間での皆さんの会費納入で少なくとも有料会員数を100名の大台に乗せましょう。何卒よろしくお願いします。
 女性の有料会員が1名次期会費を納入されましたので、昨日(コラム#1836で)ご紹介した方を含めれば、女性会員2名を確保できそうです。
 また、6月12日に三菱東京UFJ銀行の私の口座にに10,000円入金された「トサ コウジ」様、メルアドをお教えいただけませんか。コラムを配信させていただきたいので・・。
 なお、いただいたカンパは32名48口(240,000円)に達しました。今後もカンパを受け付けます。

2 太田述正コラム有料講読のメリット

 コラム#1635で、私のコラムは、「国内外情勢を的確に把握したい方、特に海外情勢をリアルタイムで的確に把握したい方、そしてついでに欧米史等の教養を身につけたい方」にはお奨めだと申し上げましたが、実利派の方に、私のコラムのもう一つのメリットを訴えたいと思います。
 それは、株で儲けることができる、ということです。
 最近の具体的な事例を一つ挙げましょう。

 6月26日、米司法省が英国最大の軍需会社のBAEによるサウディアラビアの王子への贈賄疑惑の捜査に着手していることが明らかになり、同社の株価は、一時11%も暴落しました。場合によっては、BAEが米国政府との契約から閉め出され、同社の経営者が最大5年の刑に服し、同社に最大200万ドルの罰金が科される懼れがあるのですから、当然と言えば当然です。
 最終的には8%の暴落で引けましたが、それでもBAEの資産価値が1日で10億ポンド分吹き飛んだ格好です
 (以上、
http://www.guardian.co.uk/baefiles/story/0,,2111662,00.html
(6月27日アクセス)による。)
 なお、米国のSEC(Securities and Exchange Commission)も捜査に着手しているようです(
http://www.ft.com/cms/s/0788c448-23ad-11dc-8ee2-000b5df10621.html
。6月27日アクセス)による。)

 さて、思い出してください。
 私は、BAEのこの不祥事を6月8日、9日、10日と3日連続して「英サウディ不祥事」シリーズでとりあげ、10日には、「米国にはもともと、外国の公務員への贈賄を禁じる「外国腐敗行為法・・」があり、BAEは2000年にこの法律を守ると誓約しています。本件が露見した以上、米国の議会が調査を始める可能性があります。民主党が米上下両院で多数を占めており、バンダルが共和党のブッシュ一家のお友達であることを考えればなおさらです。しかもBAEは、米国向けの売り上げが総売り上げの42%も占めており、また現在、米国のフロリダ州の重要な軍需会社を20億英ポンドで買収する話が進行中であり、買収には米国政府の許可を得なければならないのです。米国務省は、既に英外務省に対し、SFOの捜査が中止されたことは輸出に伴う腐敗を撲滅するというグローバルな努力を阻害する、として抗議しています。ですから、米国の出方によっては、本件の全貌が明らかになる可能性があるのです。」(コラム#1801)と申し上げたところです。
 この時点で海外株に投資していた方なら、BAEの株価が下がっていないことに気付かれたはずです。
 6月14日にはダメ押し的に、「米国では、アングロサクソン本家たる英国のこのような病理を糾弾する動きが出てきています。ニューヨークタイムスは、6月14日付の社説で、英サウディ不祥事の捜査を拒むブレア首相を非難しました」(コラム#1809)といよいよ米国で火の手が上がったことに注意を喚起しました。
 私のコラムで、そのものズバリの、米司法省による捜査着手必至と記したガーディアンの14日付けの記事(http://www.guardian.co.uk/baefiles/story/0,,2102558,00.html
)をキャリーしなかったのは残念ですが、これだけ注意を喚起しておれば十分でしょう。
 しかし、その時点でも、まだBAEの株価は下がりませんでした。
 (以上、BAEの株価情報は最初に引用したガーディアン記事による。)

 これは、一般投資家が、BAEの不祥事は英国政府が完全に隠蔽するであろうと考え(
http://www.ft.com/cms/s/dba0cb9c-240a-11dc-8ee2-000b5df10621.html
。6月27日アクセス)、また、緊密な英米関係やBAE製品の米軍にとっての不可欠性から、米国政府もBAEの捜査には容易に乗り出せないとふんでいたからでしょう。
 BAEによる上述の米国の軍需会社・・イラクで米軍が使用している装甲車の装甲を製造している会社・・の買収を米国政府が承認する手続きが順調に進んでいた(FT記事上掲))ことも、一般投資家の安心材料であったと思われます。

 私が言いたいのは、日本の投資家が、私の書いたことを信じて、10日直後、あるいは14日直後にBAE株を空売りしておれば、その人は、26日にこの株を買い戻すことによって大儲けできていたはずだ、ということです。 
 私は、日本のメディアがどの程度この不祥事を報道していたのかよく知らないのですが、米国が捜査に乗り出す可能性が高いことにまで言及したメディアはなかったのではないかと思います。
 しかも、仮に言及していたとしても、報道の中で具体的な典拠を開示することまではしないでしょうから、その情報の確度を、典拠に当たって自分で確かめようとしても、容易なことではなかったはずです。
 確かに、こういった話は時事的な話なので、早くも1ヶ月後には無料読者にも公開されます。
 しかし、1ヶ月後ではもはや儲けることは不可能です。
 なるほど、コラムのさわりは即時に公開されますが、論旨の骨格しか示されていないし、何と言っても典拠がすべてはずされているのが致命的です。それでは安心して大金を投じるわけにはいかないでしょう。
 つまり、儲けたいのなら、有料読者にならなきゃダメなわけです。
 分かりましたね。

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