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防衛省不祥事報道に思う(続x3)
防衛省不祥事報道に思う(続々)
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防衛省不祥事報道に思う
報道の自由「後進国」の日本・再訪(続)

山田洋行の記事一覧

2007年10月23日
太田述正コラム#2141(2007.10.23)
<防衛省不祥事報道に思う(続x3)>

1 始めに

 テレ朝(関東では10チャンネル)での昨夜の録画撮りの冒頭、私はインタビュー相手の記者にこう言いました。
 「テレ朝だって日本の癒着構造の一端を担っています。本日のインタビューの編集は心してやってください。私の発言のどの部分を、どんな形で取り上げるのか、私の元々の発言に照らし、後で私のブログで採点しますよ」と。
 本日の防衛省不祥事報道コラムは、まずここから始めましょう。

2 テレ朝

 本日朝のテレ朝「スーパーモーニング」で守屋問題がとりあげられ、私の発言がその中で紹介されました。
 視聴しただけなので正確ではないけれど、次のような感じでした。

 ナレーション:「癒着はこれにとどまらないといいます。」
 太田:「防衛省<キャリア>・・は狭い分野の仕事しかしていない」「防衛省のキャリアは全員守屋なのです。」「守屋はこれからも次々に生まれてくるでしょう。」

 さて、私の元々の発言は、「全省庁が業者と癒着関係にあります。(それに更に自民党系の政治家がたかっています。)守屋の場合、それが余りにカリカチュア的な癒着であったために世間を騒がせてしまったというだけのことです。問題はどうしてそんな形のヘマを守屋がやらかしたか、です。防衛省キャリアが世の中の動きが分かっていないからです。分からないのは、彼らが世の中から切り離されており、かつ狭い分野の仕事しかしていないからです。」といった趣旨のものであり、比べるとその違いは明らかですよね。
 まあ、テレ朝が可哀想だから採点は止めておきますが、同じ番組の中で、旧大蔵省出身の伊吹自民党幹事長の「<守屋氏は>本当に困った人だ」というコメントが紹介されていました。 
 この意味するところはお分かりですよね。

3 新聞
 
 (1)民主党

 「民主党の小沢一郎代表の二つの政治団体が、防衛省の守屋武昌・前事務次官との不透明な関係が明らかになった防衛専門商社「山田洋行」(東京都港区)から寄付を受けていた問題で、両団体の事務所は22日、総額が600万円であることを明らかにした。事務所担当者は毎日新聞の取材に「山田洋行と特別な関係があるわけではないが、誤解のないようすべて返金する」と話している。」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071023k0000m010145000c.html
(10月23日アクセス。以下同じ)

→キタキタ! 
 だからこそ自民党がすんなり守屋喚問を認めたわけです。東元自由党衆議院議員を山田洋行に顧問として「天下り」をさせたのも小沢さんのようですね。どう考えても小沢さんは「山田洋行と特別な関係がある」としか思えませんねえ。
 小沢さんと山田洋行を結びつけた人物も大体想像がつきます。
 民主党が防衛省不祥事を知っていて半年以上にわたって取り上げようとしなかった理由もこれでほぼはっきりしました。
 民主党の心ある人々に向かって早く小沢おろしをやれ、と私がこのコラムで呼びかけていたのに聞かないからこんな窮地に立たされるのです。
 そもそも、旧自由党は、自民党の中の最もダーティーな人々が棲息していた政党です。 どうしてこんな自由党と合併したのよ。
 これじゃ、自民党壊滅の前に民主党壊滅かもね。
 民主党よ。せめて、自民党を道連れにして壊滅してください。
 
 (2)米国

 「新たに不正経理疑惑が浮上しているのは、山田洋行の米国現地法人「ヤマダインターナショナルコーポレーション」。米ワシントンに本社を置き、 ニューヨークやロサンゼルスにも支店がある。同社の元社長(70)は、元専務の側近と言われる。元専務が昨年6月に山田洋行を辞めた後、元社長も退任し、元専務が設立した「日本ミライズ」(港区)の米国本社「日本ミライズUSA」(ロサンゼルス)の代表取締役に就任した。複数の山田洋行関係者は、「ヤマダインターナショナルは、元社長の在任中、不正な経理操作で数億円の裏金を捻出し、その一部を米国に出張した旧防衛庁幹部や米国の防衛関連企業幹部らの接待に使っていた疑いが強い」と指摘。また、ヤマダインターナショナルにプールされていた資金のうち 約1億円は、元社長がミライズ側に移籍後、行方が分からなくなっているという。」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071023it01.htm?from=top

→なるほど。GE等の米国企業にとって商社を介在させるメリットがこんなところにもあったのですね。GE幹部もタダメシ・タダゴルフのご相伴にあずかっていたわけです。そのほぼすべての原資が日本国民の税金から出ている、というのは何ともしゃくに障りますが・・。

 (3)防衛省への便宜供与

 「防衛専門商社「山田洋行」(東京都港区)が、自衛隊の将官クラスを含む旧防衛庁幹部OBの天下りを継続的に受け入れていたことが、・・明らかになった。現在、所属している天下りOBは計八人。多い時には十数人の再就職を受け入れていた。過去五年間に同社が防衛省から受注した契約高は計百七十四億円。守屋武昌前防衛事務次官(63)へのゴルフ接待が明らかになった同社の元専務(69)が、OBの受け入れを積極的に働きかけていた。巨額受注の 見返りに、同社が天下りを受け入れていた実態が浮かび上がった。・・防衛省からの受注で上位を占める三菱重工業や川崎重工業など大手メーカーも、同様に同省OBの天下りを受け入れている。しかし、他のメーカーなどと比べると、社員約百二十人の山田洋行の天下り受け入れ率は際立っているという。OB以外にも、同省職員の家族も採用していた。同社に現在、天下りしているのは陸自三人、空自三人、海自一人、旧防衛庁本庁一人の計八人で元陸将や空将もいる。肩書は顧問や相談役。このうち自衛官OBの主な業務は、自衛隊の記念式典の際、自分が所属していた部署に顔を出したり、同社の社員が防衛省にあいさつに行く際、口添えをしたりする程度だが、年収は七百万−八百万円に上るという。」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007102302058474.html

→平均年収750万円として、8人で年6,000万円のヤミ年金が国民の税金から支払われている勘定です。もっとも、これ以外に「天下り」でない防衛省OB・・元専務も元自衛官です・・山田洋行や日本ミライズに多数勤務しているとも言われており、このほか、防衛省職員の家族も働いていると言うことなので、この両社を併せて年1億円以上防衛省に貢いでいると考えて良いのではないでしょうか。(東元議員に支払われている顧問料はカウントしていません。)(太田)

 「元専務から受けたゴルフ接待は1997年ごろから2005年までに二百数十回に上る・・関連会社の運営するゴルフ場のプレー代は、ビジター料金で1人あたり2万5000円程度。守屋氏夫妻は会員権を持っていなかったが、元専務の取り計らいで、ゴルフ場側は1人8000円の会員料金にしていたという。ビジター料金との差額は、数百万円に上る。また、倫理規程が定められた00年以降、ゴルフ場の利用者台帳には、守屋氏夫妻は「佐浦丈政」「松本明子」という偽名で記載されていたという。」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071023i101.htm?from=main1

→仮にこの計算を認めたとしても、・・というのは、私はゴルフ代は守屋(夫妻)が全額払っていたとみなすべきだと考えているからです・・タダ酒・タダメシや娘さんへの便宜供与等を含めて全部をカネに換算して、ゴルフ代:(15,000円-8000円)x2人x250回=850万円、それにプラスアルファで1000万円にはならないのではないでしょうか。
 しかも、これは10年間くらいにわたっての話ですから、一年あたり100万円です。
 要するに、山田洋行(日本ミライズを含む)による防衛省に対する便宜供与総額のうち、守屋氏の取り分は、どう大きく見積もっても100分の1内外にしか過ぎないということになります。
 ですから、守屋氏への便宜供与より以上に問題にすべきなのは、防衛省の山田洋行への天下りの方なのです。
 そして更に言えば、本当に問題にすべきは、すべての防衛関係企業への防衛省OBの天下りの方であり、全省庁におけるOBの関係企業への天下りの方なのであり、それにたかっている自民党系政治家達なのです。(太田)

 (海自の、いわゆるデータ隠し(20万ガロン/80万ガロン)問題を次回取り上げます。)
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 有料版のコラム#2142(2007.10.23)「あの英帝国を興し滅ぼした米国(その2)」のさわりの部分をご紹介しておきます。
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 (コラム#2141のうっかりミス・・10年分の話を1年の話として誤記した・・をブログで訂正してあります。)

3 大英帝国の終焉

 いつ大英帝国が終焉を迎えたかについて、英国内では様々な意見があります。
 ・・
 ・・私に言わせれば、・・大英帝国の終焉の時期は、日本軍による1942年2月のシンガポール陥落か、1944年3月のインパール作戦発動に伴う英領インド侵攻か、そのどちらか一方を選ぶべきなのです。
 ・・
 ただ、・・終焉の時期については様々説がありえても、既に大英帝国が存在していないことはみんな知っています。
 それではどうして大英帝国は終焉を迎えることになったのでしょうか。
 ブレンドンは、これについて、今一つ腑に落ちない以下のような趣旨のことを記しています。

 1897年のビクトリア女王就任60周年の記念日・・の時期の前後に、英国人の間で帝国終焉の予感が生じ始めたのだ。
 ・・
 そしてこれらの予感は的中した。
 第一次世界大戦でたくさんの帝国が姿を消し、英国もほとんど破産状態に陥った。
 その後にやってきた戦間期には、英国中に悲観論が充ち満ちた。
 しかし、信じがたいことに1939年に至っても、なお大英帝国は屹立しているかのように見えた。
 ・・
 しかし、実際のところ、大英帝国は既に名存実亡状態だったのだ。

 これに対し、書評子の一人であるマックラム(Robert McCrum)は、ブレンドンは米国が英国の衰亡に果たした役割に十分注意を向けていない、と批判しています。
 ・・
 私見では、大英帝国を終焉に導いたのは米国です。
 では、米国はいかにしてそれを成し遂げたのでしょうか。
 そして、日本は大英帝国の終焉に、単に猿回しの猿として関与した、というだけのことだったのでしょうか。
 このあたりのことは、機会を見て、改めて論じたいと思います。
(完)

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2007年10月22日
太田述正コラム#2139(2007.10.22)
<防衛省不祥事報道に思う(続々)>

1 始めに

 22日の朝までの報道の要点と、今後の課題をまとめてみました。

2 報道の要点

 (1)ゴルフ以外の接待疑惑

 「<守屋前次官の>次女が受験しようとした大学院は、米国のニューヨーク州にある。この大学院を運営する大学は93年、山田洋行のオーナーから寄付された100万ドルをもとに奨学金制度を発足させた。日本人留学生は山田洋行の選考などを経たうえで、優先して奨学金を支給される仕組みになっている。・・この寄付が縁となり、元専務は大学の幹部らと親しくなった。そうした関係もあって、元専務は、次女のために推薦状を書いたという。 次女が受験に備えて渡米したのは、2年近く前だという。このとき、元専務は部下とともに空港へ出迎え、次女を同大学のキャンパスに案内した。レストランで食事のもてなしもしたという。ただ、大学院に行く前に英語力を高める必要があるとして、次女はまず語学学校に行くことになった。この時も同社の関係者らが日用品の買い物を手伝ったという。前次官による元専務への依頼は、自衛隊員倫理規程に違反する疑いがある。同規程によると、自衛隊員が利害関係者から無償で役務の提供を受けることや供応接待を受けることを禁じているだけでなく、第三者のために、そうした行為を利害関係者にさせることも禁じている。」
http://www.asahi.com/national/update/1021/TKY200710210170.html
(10月22日アクセス。以下同じ)

→守屋氏は、カネさえもらわなければ、業者からどんな便宜供与を受けてもよい、という感覚のようですね。1971年にわれわれが役所に入った頃の時代にタイムスリップしたようです。時代が変わったことは知っていても、どうして変わったのかが分かっていないと見えます。
 なお、山田洋行のオーナーの100万ドルの原資の大部分は防衛省(庁)経由で手にした国民の税金でしょうが、せめて国内の教育施設か福祉施設に還元して欲しかったですね。(太田)

 (2)業者への便宜供与

 「守屋前次官・・は七月上旬・・防衛省の次期輸送機(CX)のエンジン納入をめぐり、・・元専務寄りの発言をした・・。部下から入札手続きの説明を受けると、かなり強い口調で「どうして日本ミライズではいけないんだ」という趣旨の発言をしたという。当時の防衛省幹部は「以前は、代理店が一社ならば、随意契約を結ぶのは当たり前だった。守屋前次官は入札方式の変更をよく理解していなかったのではないか」とし、「日本ミライズと随意契約を結べばよいと言ったととられても仕方がない発言だった」と語る。入札の参加条件は(1)営業年数や売上高などの実績に基づく格付けがA〜Cランク(2)GEの代理店であること−の二点で、八月に二回入札があったが、条件の両方を満たす業者はなく、二回とも不調に終わった。その後防衛省は、DランクでGEの代理店だった日本ミライズと随意契約する方針を決めたが、前次官の退職後は、契約に関する手続きは止まっている。・・防衛省が開発を進めるCXの試作機用エンジンは米国メーカー製。納入予定は計6基で、すでに5基は、日本での販売代理店を務めていた山田洋行と約39億円で随意契約した。・・ 守屋前次官は共同通信の取材に「(元専務が)独立の際には相談を受けたが、どのエンジンを選ぶか口を出したりはしない」と話している。」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007102290070627.html
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007102201000041.html

→守屋氏は、随意契約を極力避けるべき時代になったことは知っていても、どうしてそうなったかがやはり分かっていないようですね。
 それにしても、「相談を受けた」と請託があったことをあっさり認めてますが、これは呆れるべきか誉めるべきか。恐らく守屋氏は、この請託を受けた時点以降に、元専務ないし日本ミライズから便宜供与を受けていないし、日本ミライズのために便宜も図っていない(不正な行為ないし相当な行為をしていない)ので収賄罪でつかまることはないと思っているのでしょう。(太田)

 「敵のレーダーなどをかく乱させる自衛隊の装備品納入をめぐり、米国メーカーの代理店だった防衛・航空分野の専門商社「山田洋行」(東京都港区)が6年前、約1億8000万円の過大請求をし、旧防衛庁が調査していた・・。調査の最中、当時同庁防衛局長で担当外だった守屋・・前・・次官・・に対し、山田洋行側が直接経緯を報告していたことも判明。・・過大請求していたのは、防衛庁と山田洋行が2001年3月に契約した「チャフ・フレア・ディスペンサー」計24セット(契約金額約8億1000万円)。契約後、米国に駐在している防衛庁職員が別契約の同じ装備品と比較したところ、単価に開きがあったため、01年12月に直接、米国メーカーに問い合わせた。その結果、本来契約前に山田洋行を通して防衛庁に提出されるはずのメーカー作成の見積書が提出されず、山田洋行がメーカーの用紙を勝手に使って見積書を作成し、防衛庁に提出していたことが分かった。」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007102101000452.html

→「米国に駐在している防衛庁職員」は、過大請求そのものを問題視したのではなく、本質的なことには目をつぶってもっぱら形式的な瑕疵を追及することを旨としている、日本会計検査院が指摘することを懼れただけだと思ってください。
 本件では、仮に山田洋行の請託が証明されたとしても、守屋氏は職務権限がなかったと言い逃れできますし、第一もう時効にかかっています。それにしても、本件がその後どうなったのか、追及すべきですね。(太田)

 「前次官が在任中の今年6月、 元専務が独立して設立した商社の資金繰りのため重機メーカー会長に数億円の巨額融資を依頼した宴席に同席していたことが・・分かった。元 専務は前次官の影響力を利用しようとしたとみられる。守屋前次官は業者側の接待を受けただけではなく、業者同士の巨額の交渉にも同席していたことになる。<ただし、>交渉は不調に終わった・・。」
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20071022AT1G2101621102007.html

→コメントの要はないでしょう。(太田)

 (3)調達のやり方

 「石破茂防衛相は・・、(防衛省は)いろいろなものを調達するが、必ず商社が入る。こういう国はそんなにない。 調達のやり方自体に相当問題がある」と述べ、商社が介在する装備品調達の仕組みを抜本的に見直す考えを示した。」 
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=321261&media_id=4

→かつて防衛庁長官であった頃には、「こういう国はそんなにない」ことを知らなかったのか、知っていて改革に取り組まなかったのか、石破氏は明らかにする責任があります。
 石破さん。商社を介在させる理由が、防衛省(庁)幹部の天下り先を確保するとともに、防衛省(庁)幹部が各種便宜供与を受けるためであること、そしてそこに政治家がからんでいる場合がほとんどであることくらいはお気づきだと思いますが、自民党政府の閣僚を勤めていてこの政官業癒着体制そのものにメスを入れられるわけがないでしょう。

3 今後の課題

 私自身もできる限り戦いますが、日本のミニコミ紙や直販誌や独立系週刊誌等はぜひ以下の課題に取り組んでください。

 ・主要マスコミが何ヶ月も本件を報道しなかった理由の追及
 ・民主党が何ヶ月も本件を追及しようとしなかった理由の追及・・日本共産党、出番ですよ!
 ・検察が、昨年来捜査を続けているというのに、いまだに具体的な立件への動きを示さない理由の追及・・日米関係ないし自民党政権への配慮から、主要マスコミを巧みに誘導してついに主要マスコミに報道させることに成功した?後は日米関係ないし自民党政権がどうなろうと、それは主要マスコミや野党の責任であり、検察はよけいな心配をしないで立件に取り組めるし、野党が関係者を証人として国会喚問してくれれば偽証罪でも本件に切り込めて助かると思っている?
 ・本件の「黒幕」であるGEの追及
 ・時代感覚がかくも欠如しており、脇もすこぶるつきに甘い守屋氏がトップになれる防衛省の構造的退廃の原因究明と是正
 ・自民党系の政治家の防衛利権寄生状況の究明
 ・防衛省、ひいては全省庁の天下り構造の一層の解明
等々
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太田述正コラム#2140(2007.10.22)
<私のTV出演>
→完全非公開です。



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2007年10月21日
太田述正コラム#2137(2007.10.21)
<防衛省不祥事報道に思う(続)>

1 始めに

 将棋の世界に後の先という言葉があります。
 朝日と産経に先駆けを許した毎日が、本日付で詳細に防衛省不祥事を報じました。
 よくこれだけ取材をしたな、よくこれだけ現時点で書く決断を下したなと思います。
 朝日も産経も、そして毎日に至ってはサンデー毎日と本体と別個に私が取材された相手であり、感慨深いものがあります。

2 毎日の報道内容

 (1)ゴルフ以外の接待疑惑

 「防衛省の守屋武昌・前事務次官(63)と頻繁にゴルフをしていた防衛専門商社「山田洋行」(東京都港区)の元専務(69)が数年前、前次官の次女 を米国で飲食接待していたことが分かった。取材に元専務が認めたもので、米国の語学学校への進学を決めた次女の「激励会」だったという。元専務によると、次女は米国の大学院への進学を目指し、英語力を上げるため現地の語学学校に入学した。その際、ニューヨーク州のステーキハウスで 次女の激励会を開き、元専務が代金を支払ったという。これに先立ち次女が渡米する際にも、同社現地法人の関係者が住居探しや生活用品の購入などを手伝った。」

→コメントしようがありません。(太田)

 「山田洋行・・が90年ごろから、高級牛肉やカニなどを、防衛庁(当時)の多数の職員に一斉に送り付けていたことが分かった。(69)が5年間に100回以上、前次官とゴルフを していたことが既に判明。贈答品攻勢の開始は、・・<守屋前次官と>元専務2人がゴルフを始めたとされる時期と重なっており、同社が多額の交際費を使い、庁全体を取り込もうとした姿勢が鮮明になった。」

→贈答品を送り返した防衛庁職員もいたようです(毎日)が、エライ!。(太田)

 (2)天下り疑惑

 「150人程度の社員数(05年当時)に対し、多い時には8人前後の同省OBを顧問として受け入れていた。別の商社幹部は「規模に比べOB採用数は多い」と言う。同社に天下りした複数の同省OBによると、通常は退官時と同程度かそれ以上の給与が支払われ、将官クラスなら個室もある。大半は週2、3回の出勤 で、業務はほとんどないが、同省が導入予定の装備品に関する情報入手や、同省に営業をかける際のアドバイスを求められるという。同社顧問を務める同省OBは「会社の仕事には直接はタッチしない。出勤したらパソコンでメールをチェックする程度」と話し、別の元顧問は「個室に電話もコンピューターもあるので、好きな時に好きなことをしていた」と明かした。OB採用は、グループ会社でも行われ、元専務は同省幹部の家族ら親族の採用も指示。元社員は「お金を渡すと贈収賄になるが、身内の採用は問題な い。貸しを作っていたように見えた」と語る。一方、元専務は「受け入れはお付き合い。OBには役所にあいさつに行く時、口添えしてもらう程度」と説明した。」

→これは山田洋行に限らず、どこの防衛関係企業でも見られることです。更に申し上げれば、どこの役所の関係企業でも・・。
 要するに、役所のOBに対し、税金から法外なヤミ年金が支払われているということです。有権者・・あなたもそうです・・もそれを見て見ぬふりをしてきたわけです。(太田)

 (3)政治家コネクション疑惑

 「山田洋行<は>・・民主党の東祥 三・元衆議院議員(56)も顧問として採用しており、高額の受注を維持してきた裏で行われた政官界対策の一端が浮かんだ。東元議員は、政治家の紹介で10年ほど前に顧問に就任。・・取材に「政治活動の報告や世界情勢の分析が私の仕事。将来、私が力を持てば便宜を図ってもらいたいという企業家心理はあると思う」と話した。東元議員は元国連職員。90年に公明党から衆院選(旧東京6区)に出馬・当選し、4期(4期目は自由党、後に民主党)を務めたが03年、05年の衆院選で落選した。」

→自民党系でない元議員が防衛関係企業の顧問になるのは極めて異例です。
 東元議員を山田洋行に紹介した、というより事実上採用を強いたのは、自民党有力議員でないとすれば、元自民党の現役有力議員でしょう。現民主党の大物である可能性が高いですね。
 そう考えると、小池対守屋の騒動の時に民主党が沈黙を保ったことや、民主党による守屋国会喚問要求の際、最初、防衛省不祥事疑惑への言及がなかったことの説明がつくのですが、そんなこと考えたくもないですね。(太田)

 「沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題では、95年末に防衛審議官に任命され、翌年発足した橋本内閣では交渉役となり、しばしば沖縄入りし強い影響力を持つようになった。小泉内閣では特に重用された。当時の飯島勲首相秘書官とパイプがあり、時に政治家以上の発言力を持った。昨年の訪米時では閣僚に近い厚遇を受け、安倍内閣では同庁念願の省昇格を実現させた。」

→小泉元首相の化けの皮が剥がれつつあります。それにしても、選挙の心配がなかった小泉氏がどうして?(太田)

 「久間章生、小池百合子両元防衛相との間で確執を深めた。久間氏は9月の省再編で、退官させる狙いだったが自らの原爆投下「しょうがない」発言で辞任。後任の小池氏も退官を迫ったものの、対立が長引いた結果、小池氏は次期次官に警察庁OBを起用する構想を断念。生え抜きの増田好平氏が次官となった。高村正彦前防衛相とも不協和音が生じた。守屋氏が高村氏に相談せず常勤顧問に就任する動きをみせたためだ。高村氏が激怒し、就任を撤回している。・・ 小池氏は・・、前次官の退官について、業者との不明朗な関係も理由の一つだったと示唆した。つまり、省内では今回の問題が以前から取りざたされていたということだ。石破茂防衛相は前次官から直接、事情聴取するという・・。」

→久間氏の守屋氏との確執の原因は、守屋氏が山田洋行から分裂した日本ミライズ・・要するに例の元専務・・を、久間氏が(残った方の)山田洋行を推したからだ、と巷間噂されています。そうだとしたら、まことに次元の低い確執であったわけです。
 小池、高村、そして小池・守屋騒動で小池氏の側に立ち、現在は守屋氏の喚問にも前向きの姿勢を見せている石破防衛相(毎日)(以前、守屋氏が次官だった時に防衛庁長官を勤めている)を除く、すべての(守屋氏と関わった)元防衛庁長官・防衛大臣はスネに傷を持つ身であると考えた方がいいでしょう。
 守屋氏に毅然と対処できた長官・大臣は、おおむね、選挙のことを心配する必要がなく、従ってカネに飢えていない政治家ばかりであることにお気づきでしょうか。(小池氏はTVキャスター出身、高村、石破両氏は2世議員です。)(太田)

 「これまで政治の側が非力で「次官の独走」を許してきたといってよかろう。同省ではこの数年、防衛施設庁の官製談合事件など不祥事が相次いでいる。組織としてどこに欠陥があるのか。福田内閣は早急に点検する必要がある。」

→「政治の側が非力」であったのではなく、自民党と役所が構造的な癒着関係にあり、不祥事を互いにかばい合う関係にある、ということです。私に言わせれば、主要マスコミもこの癒着関係の一端を担っているのです。

 (4)その他

 「前次官と元専務が知り合ったのは、前次官が戦闘機調達などを担当する航空機課長に就任した90年7月ごろ。ゴルフは間もなく始ま<った>。」

→今回問題になっているCX用エンジンのメーカーであるGE・・かつての山田洋行、そして現在の日本ミライズは同社の代理店・・の日本支社の日本人幹部の依頼に応じて、その幹部を初めて守屋氏に紹介し、六本木で昼食を共にしたのは私です。当時確か守屋氏は航空機課長で私は人事第2課長でした。このGE幹部はスタンフォード・ビジネススクールの先輩、守屋氏は私の同期という関係にありました。当時倫理規定は厳しくはなかったというものの、今となっては寝覚めが良くないですね。(太田)

 「前次官は、問題が発覚した19日早朝から報道陣の前に姿を見せなかったが、20日夜、車で自宅に戻った。毎日新聞などの取材に「近いうちにお話しします」「きちんと説明します」とだけ落ち着いた口調で繰り返した。」

→守屋君。ありのままにすべて話せよ。
 そうすれば、自民党は壊滅し、政界大再編が起き、日本再生へのきっかけとなるだろう。
 そうでもしない限り、君は防衛省大不祥事の主としてだけ歴史に名をとどめることになる。それでは、あなたの奥さん・・元防衛庁職員の旧姓松本さん・・もお子さんも浮かばれないはずだ。(太田)

 (以上、
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20071021k0000m040113000c.html
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071020ddm002010032000c.html
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071020ddm001010004000c.html
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20071021k0000m070124000c.html
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071020k0000m010158000c.html
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071019dde001010073000c.html
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071021k0000m040128000c.html
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071021k0000m040127000c.html
(いずれも10月21日)による。)
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 ・・
 英国が米独立戦争で直面した状況は、現在米国がイラクで直面している状況と極めて似通ったものがありました。
 すなわち、英国は、十分でない兵力を北米植民地に送り込み、植民地の独立派のゲリラ戦術に悩まされたのです。しかも、私に言わせれば、独立派の多くは宗教原理主義者だったのです。
 独立派はこのゲリラ戦術を、インディアンとの戦いを通じて習得しました。
 インディアンが英領植民地人に対して行った待ち伏せ攻撃、ヒットアンドラン作戦、機動的戦略、テロや拷問、女性や子供や老人の殺戮、村の破壊や食糧の焼き討ち、を独立派は今度は英軍や英軍への協力者に対して行ったのです。
 当然英軍も独立派の兵士達に対して残虐な行為でお返しをしました。
 捕虜になった独立派の兵士は、手や足を切り落とされ、頭蓋骨を粉砕され、動脈を切開され、或いは騎兵によって首を切り落とされ、馬で踏みにじられて虐殺され、銃剣で腹を切り裂かれました(注1)。

 (注1)これは日本軍が支那事変の際に支那でやったとされていることを彷彿とさせる。ゲリラまたはゲリラ的に戦う正規軍とれっきとした正規軍が戦うと、どこでも似たようなことが起きる、ということではないか。

 しかし、1781年に至って、バージニア植民地のヨークタウン・・でコーウォリス・・卿率いる英軍が手ひどい敗北を喫した時点で、当時の英国の野党であったホイッグ党のロッキンガム・・卿党首以下が、独立を認めるように英国王のジョージ3世・・及びその閣僚達を説得し、英国は13の北米植民地からの撤退を決断するのです。
 ・・
 ・・後になって振り返れば、この時英国が13北米植民地から撤退していなかったならば、第2次英帝国、すなわちあの大英帝国が築かれることはありえ<なかった>・・ことでしょう。・・
 ・・
(続く)

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2007年10月20日
太田述正コラム#2135(2007.10.20)
<防衛省不祥事報道に思う>

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<コラム#2133の脚注の続き>

10月19日(続):
 午後、今まで取材を受けていなかったTV局から本日夜のニュースで防衛省不祥事をとりあげたいので、録画撮りをさせて欲しい(出演して欲しい?)という電話がありました。
 そこで、朝の局に対してと同様、以下のようにやんわりとお断りしました。

 業者にただで、もしくは安くゴルフをやらせてもらった、あるいはごちそうになった、ということが悪いことであることは誰にでも分かる。
 そんなことを言うために私がTVに出ても意味はない。
 守屋氏がその業者に何か便宜を図ったというのならより深刻な問題だが、その類の話はまだ報道には出てきていない。
 なお、仮に便宜を図ったとしても、守屋氏がゴルフとごちそうの見返りに業者に便宜を図るような矮小な男だとは思わない。
 私自身は、守屋氏が、防衛省全体のためになると信じてその業者のために便宜を図った可能性はあると思っているが、それが例えば天下り先の確保、といったことであったのかどうか、そのことを推測させるような事実もまだ一切新聞報道がなされていない。
 このような現状では、しゃべりようがないではないか、と・・。
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1 始めに

 防衛省不祥事のその後の報道を見ていると二つの疑問が湧いてきます。
 どうして守屋氏がかくも脇が甘かったのか、どうして主要メディアが私が知ってからだけでも3ヶ月もこの不祥事を報道しなかったのか、という疑問です。
 
2 守屋氏の脇の甘さ

 現時点では、基本的に守屋氏(前防衛事務次官)の山田洋行によるゴルフ接待疑惑(注2)だけが報じられていますが、それが事実だとすれば、守屋氏が官房長を務めていた2000年に施行された倫理規定(注3)では受注業者とのゴルフが禁じられているにもかかわらず、自らこの倫理規定を踏みにじっていたことになります。

 (注1)山田洋行は、老舗防衛専門商社であり、昨年度までの5年間に同省から装備品約170億円分を受注している。同省地方機関発注分を除く山田洋行の受注額は、2001〜2005年度、毎年約25億〜50億円にのぼり、商社やメーカーなど同省の全受注業者のうち、2003年度を除き上位40位前後(受注額ベース)に食い込んでいた。ちなみに、上位20社は大手メーカーと大手総合商社が占めており、専門商社の中では常にトップクラスだった。
 (注2)接待ゴルフは、山田洋行のグループ会社が経営する千葉県いすみ市や埼玉県寄居町のゴルフ場で行われており、回数は計100回以上に上るとみられ、多いときで毎週末行われることもあったという。守屋氏は、この業者の社員が運転する車で送迎を受けており、妻と2人でゴルフ接待を受けることもあり、ゴルフ場の受付でプレーヤーの名前を記載する際には、夫婦ともに実名を使わず、偽名が使われていたという。接待ゴルフが行われた回数は計100回以上に上るとみられ、多いときで毎週末、行われることもあったという。業者は交際費等として経費を計上していたという。
 (注3)1996年に発覚した厚生省次官による汚職事件を受けて、制定された。

 分からないのは、どうして守屋氏がそんなばかなことを続けてきたのか、です。
 守屋氏が毎週のようにゴルフがやりたかったのであれば、防衛省の幹部クラスが準会員扱いで使える、東京近郊の3〜4箇所の米軍のゴルフ場を使えばよかったのです。
 接待ゴルフの際、1万円出す時もあったというのですから、米軍のゴルフ場のメンバー・フィーを払った場合とちょぼちょぼです。(交通費やメシ代は持ち出しになりますが・・。)
 そうすれば、偽名を使う必要もなかったわけです。
 それでも、奥さんの話は救いようがありませんが・・。
 絶対にばれないと思っていたのかもしれませんが、20年来の知り合いで守屋氏の接待ゴルフに常に同行していたらしい山田洋行の専務が昨年同社を退職して競合する商社「日本ミライズ」を設立し、あまつさえ、山田洋行とこの元専務の間で訴訟沙汰が起こっており、山田洋行サイドから情報がリークされる可能性が出てきたというのに、守屋氏はこの日本ミライズに便宜を図った疑惑(注4)すら取り沙汰されており、彼の余りの脇の甘さに呆れてしまいます。

 (注4)航空自衛隊の次期輸送機CXのGE製エンジン(1基)の2007年度発注先が、これまでの山田洋行から日本ミライズに変更になった。なお、守屋氏自身は、「職権を特定の人のために行使したことはない」と在任中の記者会見で語っている。

3 主要メディアの報道「自粛」

 さて、ゴルフ接待疑惑は、防衛省不祥事疑惑の全貌のほんの入り口に過ぎないと言われています。
 そうだとしても、朝日が本当に、「自衛隊は約25万人からなる実力組織だ。少しのミスで隊員の命を失わせ、外部にも損害を与えかねない。こうした組織を運営するには、厳しい規律とルールの順守こそが求められる。その規律とルールをトップが自ら破ったのだから、罪は深い。」(同紙の20日付社説)と思っているのなら、どうして10月19日に報じるまで何ヶ月もかかったのでしょうか。
 上述のように情報が、交際費の記録等を持っているであろう山田洋行サイドからリークされていると思われる上、この情報のウラをとるのも、ゴルフ場の係員等から取材すればむつかしくないと思われるだけに、大変不思議です。
 朝日は防衛記者クラブ会員であることから、干されることを懼れて守屋氏の事務次官在任中は報道を自粛していた可能性があります。
 そうだとしても依然分からないのは、どうして守屋氏の退任後1ヶ月半も待ったのか、です。
 名誉毀損で守屋氏に訴えられるのを懼れ、検察が確実にゴルフ接待疑惑を含む防衛省不祥事を立件するという心証が得られるまで待ったという可能性ぐらいしか考えられません。
 私が録画撮りを行った某TV局が、15日の時点でそのような心証を得ていたこと、かつ19日に産経新聞も、本件を報道したことから、その可能性は高いのではないでしょうか。
 だとしたら、これも大変深刻な問題です。
 名誉毀損をめぐる裁判所の判断が、情報発信者に厳しくなりすぎているのだとすれば、何とかしなければならないのではないでしょうか。

4 終わりに

 民主党は、守屋前次官を国会に証人として喚問して本件を含め問い質すべきだとしており、喚問が実現しない場合は週明けから審議拒否も辞さない構えです。
 もはや、インド洋で海自補給艦による給油活動が、近い将来に再開できる可能性はゼロになったと言っていいでしょう。
 守屋前次官は、その責任をどうとるつもりなのか、注視したいと思います。

 (以上、米軍のゴルフ場の箇所を除き、事実関係は下掲のほか、部分的に一部TV報道によった。
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007102090071125.html
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007101901000645.html
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007101901000589.html
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2007102002057753.html
(いずれも10月20日アクセス)
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 有料版のコラム#2136(2007.10.20)「中台軍事バランスの変化をめぐって」のさわりの部分をご紹介しておきます。
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 ・・
 9月の末に、在日米軍司令官のライト空軍中将(Bruce Wright)(注1)は、中共の防空能力が向上し、米国がアジアに配備しているF-15やF-16では中共を攻撃することがほとんど不可能になったと語りました。
 
 (注1)私が旧防衛施設庁で在日米軍との折衝の総括責任者になった時、その実質的カウンターパートたる在日米軍司令部第3部長だったのがライト大佐(当時)だった。彼はすぐ代わってしまったが、率直に言ってやや傲慢な印象を受けた。今度岩国で起きた、米海兵隊員による19歳の日本人女性集団暴行事件でも、彼には恐らく機敏な対応はできないだろうし、またその意思もなかろう。
 (注2)中共を攻撃するためには、ステルス能力(レーダーに探知されない能力)があるF-22かF-35が必要だが、F-35はまだ就役しておらず、12機のF-22が今年初めに沖縄に配備されたが、臨時配備に過ぎず、恒久的配備の計画はない。

 そして中将は、米軍のF-15の製造後の年数の平均は約24年、空中給油機のKC-135は46年であるのに対し、中共はロシア製のスホーイSu-27(フランカー)やSu-30、それに今年就役したばかりの国産のJ-10(コラム#1627)の新造機をどんどん配備しており、史上初めて、米国は他国、すなわち中共、に戦闘機の製造後年数で下回られてしまった、述べたのです。
 中将は言及しませんでしたが、中共の防空レーダー網の能力も最近、先進国のレベルにほぼ到達したと中共の空軍幹部が軍事雑誌に書いています。
 中共の防空ミサイルも充実してきています。

<中略>

 中台軍事バランスの変化や、このところの米国の台湾の安全保障に係る腰が引けた姿勢が、日本のメディアの電子版ではほとんど報じられていないので、日本の皆さんに警鐘を鳴らすつもりで本篇を執筆しました。

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2007年10月19日
太田述正コラム#2133(2007.10.19)
<報道の自由「後進国」の日本・再訪(続)>

<友人K2>

 “報道の自由、広報の自由、情報開示の「後進国」の日本・・”についてため息の出るようなことが江戸川区の方で起こっています。
 江戸川区では無所属議員は一年間に一度20分間だけ議場での質問が許されるのだそうですが、そこで(以前コラム#751を寄稿したことがある)上田令子議員が5分間だけ触れたことが前代未聞のことだったそうで蜂の巣を突いた様な大騒ぎとなっており、役人からは総ボイコット、仲間の筈の議員達からも非難轟々の状況だそうです。
 上田議員は平気でいるようですが、近くスキャンダルでもデッチ上げられて議員生命もそう長くはないかも知れません。
 江戸川区では長年野党も含め区長に楯突いたものは一人も居らず、質問の冒頭では区長の業績を褒め称える言葉から始まり、野党議員は行政府の役人に依頼事項をお願いする演説をするものだったのだそうです。
 ましてや、区政の決定権が区議に有ることなど夢にも思っていないそうです。
 同議員の初めての一般質問演説です。
http://www.gikaitv.net/dvl-edogawa/2.html
 全てを見る必要などありません、12分目からの5分間と最後の2分間だけ見れば十分です
 私の目には何の変哲もないただの質問演説に過ぎないように見えるのですが、江戸川区では巷では醜聞が囁かれながら誰一人としてその点について質問をする者は居らず、そもそも執行部の役人が既に決めている事に口を差し挟むことなどあり得ないことなのだそうです。
 これが田舎の村会ではなく、都内23区の一区での実態の様です。
 大臣が答弁に詰まって次官を振り返ったとき、或いはその次官が振り返ったとき、急場の回答を考えねばならぬ立場にあった太田さんにはまた別の感想がおありのことでしょうね。

<太田>

 上田議員の江戸川区長との質疑を聞かせていただきました。
 区と区議会関係者との癒着疑惑を勇をふるって追及された議員に敬意を表します。
 それ以外の部分ですが、江戸川区がゼロ歳児を対象とする保育ママ制度をとっていることを初めて知りました。
 23区それぞれ、結構個性のある行政ができるのですね。

 ところで、コラム#2132(概要のみ既公開)では防衛省不祥事として防衛装備品調達をめぐる疑惑だけを挙げましたが、次官任免をめぐる騒動も挙げるべきでしたね。
 私のこのコラムを読んだかのように、本日朝日新聞と産経新聞が防衛省不祥事を報じました。
http://www.asahi.com/national/update/1018/TKY200710180380.html
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071019/crm0710190804003-n1.htm

 電子版を読んだ限りでは、産経の方が踏み込んでおり、朝日が守屋前次官のゴルフ接待疑惑だけを取り上げているのに対し、産経は、昨年6月に商社の山田洋行を退職し、他の同社社員達と一緒に日本ミライズという商社をつくった元山田洋行専務の山田洋行時代の特別背任容疑での検察の動きを報じるとともに、「元専務は山田洋行在職時に、米国の防衛重機メーカーや旧防衛庁(現防衛省)に対する営業活動や政界工作で中心的な役割を担っていた。守屋武昌前防衛事務次官ら防衛省幹部とも近い関係にあり、十数年にわたり、ゴルフや飲食接待を行っていたという。不正支出の一部はこうした接待の原資になった疑いもあるという。」と記しています。
 これは私が12日夜に録画撮りした某TV局(脚注)の記者が話していた検察の動きの予想通りの記事ですが、天下りの話が全く記されていない点に不満が残ります。
 遅きに失したとはいえ、やっと報道がなされたことにひとまず安堵しました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 (脚注)
 コラム#2043に記した以降の取材状況(Mixiコミュニティ既掲載)を日記風に紹介しておく。
 9月6日:本日、別のTV局の取材を受けました。本日聞いた話で興味深かったのは、検察は、政治家について、旧防衛施設庁がらみの案件で依然捜査を続けているようだ、という点です。
 9月10日:本日、三つ目のTV局の取材を受けました。記者は、検察は、世上流布している話と全く違う話(旧施設庁がらみの案件?それとも山田洋行以外の会社がらみの案件?)で政治家を狙っているに違いないという気がする、と言っていました。    
 9月11日:本日、以前一度取材を受けた新聞社の別の記者の取材を受けました。本日の記者は、検察が動くとしたら、テロ特措法の動向がはっきりする11月1日以降だろうと言っていました。
 9月18日:本日、また新たな新聞社の記者の取材を受けました。この記者も、検察が向かっている方向が分からない、とぼやいていました。私からは、これだけ長々と捜査をしていれば、証拠隠滅されてしまうではないか、との率直な気持ちを話しておきました。
 9月26日:本日、またまた新たなTV局の取材を受けました。検察は、接待だけしか固めきれておらず、何とかカネの収受を裏付けられないか、苦労している様子だというのです。私からは、接待だけでの立件を躊躇するのは、検事だって接待を受けているからだろう、と茶々を入れ、カネは動いていないのではないか、天下りの話を追求すべきだ、と話しておきました。
 9月28日:本日、前に取材を受けた記者からのメールに、「防衛省関連、引き続き取材しております。今週は、別件の、表参道の一等地の詐欺事件で東京地検特捜部が立件しましたが、防衛省関連も着々と進んでいるようです。」とありました。ホントかなあ?ホントだったらいいけど・・。
 10月11日:本日、また新しい新聞社の取材を受けました。検察よ。これだけ多くの人々の時間と労力を無にするようなことはないでしょうな。
 10月12日:本日、某TV局の前取材を受けた記者から、いよいよ検察が動きそうだとの連絡がありました。大団円が目前のようです。
 10月16日:上記TV局で夜録画撮りをしました。私が話したことの要旨をコラム#2126(未公開)に記しました。
 10月19日:以前取材を受けたTV局の別の記者から取材を兼ねて録画撮りの打診がありましたが、天下りの話が出ていない現状では話しづらいと答えておきました。今度もまた、自分の局の別の記者が本件で私を取材していることをこの記者は知りませんでした。
 これで、私を取材した記者(録画撮りの際にインタビューした記者を含む)は計14名となり、新聞社が5社、TV局が4局です。
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 有料版のコラム#2134(2007.10.19)「有色人種差別の国・米国」のさわりの部分をご紹介しておきます。
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1 始めに

 米国における有色人種差別の最たるものは黒人差別ですが、今回とりあげるのはそれ以外の有色人種差別のうち、ヒスパニック以外に対する差別、とりわけ日本人ないし日系米国人に対する差別です。
 
2 日本人ないし日系米国人等に対する差別

 (1)前置き

 かつての支那系米国人に対する差別や先の大戦前から大戦中にかけての日本人ないし日系米人に対する差別は過去の話ということになっていますが、決してそんなことはありません。
 日系米人・・のムラ・・とカバノー・・の語るところに耳を傾けましょう。
 ・・

 (2)ムラの言

 1980年代には米国で反日感情が燃えさかった。
 ・・
 思うに、この米国という国は、心理的にも政治的にも国内大衆の目をそらすための敵を次々と創り出す必要があり、その敵は有色人種・・であることが望ましいのだ。
 日本人の次は支那人が敵にされそうになった。
 ・・
 ところが、そこに2001年の9.11同時多発テロが起こったため、今度はイスラム世界が敵視されるようになり、現在に至っている。
 ・・

 (3)カバノーの言

 対日ヒステリーが1980年代末から1990年代初めにかけて米国で亢進した。
 ・・
 黄禍論的要素がそこにはあったのだ。
 ・・
 やがてヒステリーの対象が日本から支那に移っていった。

3 コメント

 このように有色人種差別意識が、米国を牛耳っているワスプを中心とする白人達の間で現在もなお生き続けていることからすれば、それが戦前から先の大戦の頃にはどんなに強い意識であったか、容易に想像できるというものです。
 そんな米国が、当時どんなに歪んだ目で日本を見、東アジアを見ていたか、考えただけでも慄然としますね。
 1980年代から90年代にかけての米国における日本人差別意識は幸い生身の日本人や日系米国人の命を一人も奪うことはなかったけれど、1930年代から40年代にかけての米国における日本人差別意識は数百万人の日本人を死に至らしめたのです。

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