太田述正コラム#8849(2017.1.12)
<米支関係史(その4)>(2017.4.28公開)

 この二つの国が、1970年代に相互に再発見をした時、米国人達のこの中華王国に対する同情的見方が再点火され、米国は、再び支那を強くするために動いた。

⇒米国が、赤子の手をひねるように中共当局に利用されてしまった、というだけのことです。(太田)

 以来、いかなる他国も、支那の興隆に米国ほど重要であった国はない。
 米国の開かれた諸市場、そして開かれた社会、は、支那の偉大さへの復帰の鍵となったところの、外国の諸駆動機器(drivers)として役立った(served)。

⇒比較のベースとなるものをはっきりさせなければなりませんが、それは、直感的には、間違いなく、米国ではなく日本でしょう。(太田)

 他方、支那は、米国人達の想像力の中における地位(claim)を新たにし、<その製品群は、>至る所に姿を現す「支那製」という三字熟語でもって、全ての家庭に闖入した。
 この本を支那で読んでいる人々の側では、この中華王国の米国における名前であるところの、美国(Meiguo)・・美しい国・・との諸絆を再評価する潮時となっている。
 中共の歴史書群は、米国の200年に及ぶ支那との関わり(association)の物語を歪めて<描いて>きた。
 <両国>関係の初期においては、米国は、古き欧州、及び、日本さえ<と比較して>、よりマシではない形で、支那の植民地化を企んだ、と支那人達は言い聞かされた。

⇒支那と目と鼻の先のフィリピンを、米国は無茶苦茶な形で植民地化したのですから、そう言われても致し方ありますまい。(太田)

 彼らは、米国の慈善は釣り(trick)である、と教えられた。

⇒まさに、図星でしょう。(太田)

 支那版の第二次世界大戦史では、話の中から米国が払った諸犠牲はぼかされている。

⇒人命の犠牲という点では、米国が払った「犠牲」など相対的に物の数には入らないことは確かです。(太田)

 米国ではなく、支那が日本を破った、と支那人達は学ぶ。

⇒そもそも、私のように、米国は、戦争目的に照らせば太平洋戦争に勝ったのではなく負けた、と見ることすらできるのですから、こういう解釈だって当然アリでしょう。(太田)

 朝鮮戦争に関しては、今日に至るまで、支那の教科書群は、米国の後ろ盾の下、韓国があの大火災を引き起こした、と主張している。
 真実は、ヨシフ・スターリンと毛に支援されて北朝鮮が引き起こしたというのに・・。

⇒米国は、参戦後、北朝鮮を韓国に併合しようとしたわけであり、機会があれば併合を狙ったという意味では、目糞鼻糞を笑うです。
 それに、そもそも、この戦争の根本原因であるところの、朝鮮半島の南北分断は、米国が、愚か極まることに、すぐ後に仇敵となる、ソ連の対日参戦に最後までこだわった結果もたらされたのなのですから何をいわんやです。(太田)

 過去50年間にわたって、これらの同じ教科書群は、米国は支那を抑え付けようとしてきた、と主張してきた。

⇒かつて米国内で燃え盛った、支那人の抑圧・追い出しに照らせば、そう言われても致し方ありますまい。(太田)

 それでも、共産党はそれを公的には認めないけれど、多くの支那人達は、内輪の席では、支那の地位向上(ascent)、及び、米国とその同盟諸国によって第二次世界大戦後に構築された、パックスアメリカーナ・・自由貿易システム、安全な諸水路、そして、全球化した金融諸市場・・、によって、支那は、他のいかなる国よりも恐らく裨益した、という事実、を認めている。・・・

⇒まともな典拠のないことは主張するわけにはいきません。
 それに、「パックスアメリカーナ」の具体的中身は、前から私が指摘しているように、戦前、日本が求め続けたものであり、戦後これらが実現したことは、日本が太平洋戦争に、戦争目的に照らせば勝利した、と言える証左の一つであるわけです。(太田)

 <但し、>支那が世界最大のキリスト教国家になるという、米国人宣教師達の幻想、及び、米国が自分達の国を欧州の帝国主義諸国及び日本による支那政府の官僚達の諸略奪行為(depredations)への盾になってくれるとの値踏み、は、どちらも実現しなかった。・・・」(D)

⇒後者は前に指摘したように米国人達の妄想以外の何物でもなく、結局のところ、全ては米国人達の独り相撲的幻想でしかなかった、と言ってよいでしょう。(太田)

(続く)