太田述正コラム#8416(2016.5.24)
<一財務官僚の先の大戦観(その35)/私の現在の事情(続x78)>(2016.9.24公開)

 「我が国の対米輸入超過は、盧溝橋事件以降、軍事物資の輸入増から恒常化し、その決済は対米金塊現送によって行われていた。
 政府は、盧溝橋事件が起こった後の昭和12年12月には、金確保のために工業用・医薬用を除く禁制品の製造を原則禁止としたが、昭和13年に「円元パー」政策が採用されて国内正貨(金)の蒋介石政権への流出が増大すると、不足には一層の拍車がかかった。
 そこで政府は、金資金特別会計を設け、「決済に充当する現金金塊確保のために産金奨励・退蔵金回収・金消費抑制についてほとんどあらゆる方策が動員」されることになった(柴田善雅[戦時日本の特別会計』)。
 まず行われたのが金貨の鋳潰しで、昭和13年に金貨鋳潰し禁止が解除され、昭和16年末までに765万円(時価2200万円)分の金貨が買い上げて鋳潰された。
 国民運動としては、昭和13年に新聞社が窓口となる第一次金献納運動が、昭和14年には地方長官が率先しての第二次金献納運動が展開された。
 「小倉庫次侍従日記」(『文藝春秋』2007年4月号)は、昭和14年6月「聖上、皇后宮、御用品中、金製品並に金を主とする御装身具等すべて御下渡あり。恐懼に堪えず」と記しており、金の献納運動は現人神とされていた天皇も率先する形で行われた。

⇒松元は、天皇が「当時」現人神とされていた、という趣旨なのでしょうが、明治憲法制定・・第3条において「天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」と定める・・や戦後のいわゆる「人間宣言」があろうとなかろうと、天皇が、少なくとも万葉集の時代から現人神であり続けてきたことに変わりはないのであって、現に、「神道の教義上では現在も天皇は皇祖神と一体化した存在として認識されており、天皇が神社に拝礼することは「参拝」ではなく「親拝」(注58)と呼んでいる。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8F%BE%E4%BA%BA%E7%A5%9E
ところです。(太田)

 (注58)「天皇陛下が自ら礼拝することを「御親拝」という。但しこの語は、伊勢神宮(天照大神が祀られている)や、橿原神宮(神武天皇が祀られている)のように、皇室の祖である社である場合に、使われる。それ以外の神社でも使われるようであるが、分ける場合は、それ以外の社は「行幸」という語を使う。例えば、靖国神社、護国神社といった神社の祭神は臣民(人間)であり、天皇にとっては臣下であるので、この場合は親拝ではなく行幸というのが適切だとされている。しかし、靖国神社や護国神社の場合でも、親拝という語はよく使われている。」
http://www.wdic.org/w/CUL/%E8%A6%AA%E6%8B%9D

 米国から日米通商航海条約の破棄を通告された昭和14年7月には金徴発のための予備調査が行われ、米国と「経済的な交戦国」と異ならなくなった昭和15年の10月には、政府直接の市中からの退蔵金回収が開始された。
 様々な形で行われた政府による金の確保は、昭和12年から昭和16年までの累計で341トンとなり対米現送された金の累計の324トンとほぼ見合っていた(合計12億円の対外収支尻の決済に相当)、日銀勘定による金塊現送(66.2トン)や、銀の現送(4600万円分)も行われた。
 昭和16年7月、日本軍の仏印進駐が米国の対日資産凍結を招いた後には、貿易の縮小から対米金現送の必要はなくなったが、金資金特別会計の金塊はタイや仏印向けの決済のための正金(横浜正金銀行)への金売却、占領地政策を行うための中国などへの現送に活用された。
 昭和16年12月の日米開戦以降は、ドイツからの戦略物資の輸入決済のためにも活用された。
 昭和18年2月、10月と2回にわたって2トンずつの金塊現送が日独の潜水艦によって行われたが、両作戦は、昭和19年3月の3回目が米軍の攻撃を受けて沈没して失敗し最後となった。
 なお、このようにして戦時下の金を管理した金資金特別会計は、保有金銀の受払いを管理する管理会計としての性格だけでなく、産金業等への猶子会計、更には、外国為替資金特別会計としての性格も併せ持っていた。
 そして、財源が金塊時価再評価益であったことを理由に歳計外とされ、議会による予算統制は全く行われなかった。」(111〜112)

⇒ようやく、「金の献納運動」なるものの説明が松元によってなされたところ、目新しい内容だったのでほぼ全部転載しました。
 ドイツへの金塊輸送の話は、遣独潜水艦作戦・・ドイツ側の遣日潜水艦作戦を含む・・に関する日本語ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%A3%E7%8B%AC%E6%BD%9C%E6%B0%B4%E8%89%A6%E4%BD%9C%E6%88%A6
にも全く登場しません。
 松元が、「金の献納運動」の日本語ウィキペディアの執筆を行ってくれることを期待しています。(太田)

(続く)
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 --私の現在の事情(続x78)--

昨夜、そろそろ使用を終えようかという頃合いに、レイコップ(コラム#6367、7784、7984)が故障してしまいました。
 買ったのは2013年8月3日であり、2年10ヵ月近くもった・・ただし、1週〜2週に一度の使用頻度・・のが長いのか短いのかは知らないけれど、実は買って間もなくモーターが故障してしまい、保証期間中だったので無償修理してもらったのはいいのだけれど、今度は、起動に手間取るようになり、いつ起動しなくなるかヒヤヒヤしながらだましだまし使ってきていたところ、昨夜は、起動が珍しく順調にできたのに、モーターが再び故障してしまったのです。
 韓国製の電気製品を買ったのは、これが初めてであり、別段、韓国云々に偏見は持っていませんでしたし、初めてダニ駆除を謳った布団掃除機を開発したことに敬意すら抱いていたのですが、今後、しばらくは、韓国製の電気製品は敬遠することになりそうです。
 さっそく、本日午前、ヨドバシカメラのサイトで代わりの製品を探し、今度は台湾企業になったばかりのシャープ・・やっぱり値下がりしてました・・のEC-HX150-Wを購入し、夕刻に入手しました。
 まだ、使っていないけれど、レイコップよりやや軽い感じだし、デザインも気に入っています。
 今度は故障することなく、少なくとも3年以上もってくれることを期待しているのですが、どうなりますか。
 ところで、かなり前にオシャカになっているアイスクリームメーカー(コラム#8170)は、まだ代わりの製品を買っていないのですが、夏の訪れも近く、そろそろ製品を決めなくては、と思っています。