太田述正コラム#8297(2016.3.26)
<2016.3.26東京オフ会次第>(2016.7.27公開)

1 始めに

 同じ大学に入学が決まったばかりの3人を含め、12人が出席し、私を含めて13人、と10名超によるオフ会になったのは久しぶりです。
 shihouenさん差し入れの発泡清酒は、紙コップ一杯100円で「販売」し、「売り上げ」はオフ会基金に繰り入れることにしました。(開けたのは2本中の1本。)
 なお、夕食後の二次会の冒頭、私から、ツイッター攻勢「事件」のその後と、「事件」についての、新仮説を説明しました。
 みんな、あっけにとられ、異口同音に、到底信じられない、という反応でしたが、私からは、国際情勢分析と同じであり、それ以外の仮説よりも、全てのことが、より矛盾なく説明できる仮説であれば、その仮説を、とりあえずは、正しいものとみなすべきだ、と答えておきました。

2 オフ会次第

 「講演」終了後は、一次会、二次会とも、演題の「天皇制」がらみのディスカッションが余りなされず、話題は多岐にわたりましたが、残った人が少なくなってから私が行った話の記憶が鮮明なので、その内容を、とりあえずご紹介しておきます。


 中共の対日戦略について私が指摘しているところのものは、ベーシックな部分とそれ以外の部分に分かれる。
 前者については、(それを私のように。「日本文明総体の継受」と形容すべきかどうかはともかく、)中共当局が、人民に対して、日本からあらゆることを学ぶよう促しており、それに関連して、日本訪問を奨励している、ということだ。
 後者については、日本に、再軍備/米国からの「独立」、をさせようと、東シナ海や南シナ海で対日ないし日本を念頭に置いた軍事攻勢をかけてきている、ということであり、これに関連して、北朝鮮の核開発や軍事挑発を黙認し経済制裁も手抜きをしている、ということだ。
 私がかねてから不思議に思っているのは、日本の国際政治学者でこれらの指摘を行っている人がいない、というか、発見できていないことだ。
 日本のマスコミがこれらの指摘を行っていないことについては、(英米の一流マスコミに比して日本のマスコミが質において遜色があることはさておき、)読者、視聴者のニーズに合致していない、つまりは、売れないからだ、と見ればいいのかもしれないが、国際政治学者に関しては、中共の対日関係を含め、国際情報に接し、疑問を抱き、その疑問を、更に情報を収集した上で解明する、というのが商売のはずなのに、どうしてこれを行わないのだろうか?
 何が楽しくて彼らは生きているのか、と言いたくなるくらいだ。
 上記の指摘中の後者に関しては、軍事素養がないと情報に接しても疑問を抱かないままで終わってしまう、ということはありうるだろう。
 (もちろん、国際政治学者が、必須の素養と言うべき軍事素養を身に着けようとしなかったことは、決して褒められたことではないが・・。)
 しかし、上記の指摘中の前者、すなわち、ベーシックな部分、に関しては、(中共の対日関係の動向に関心を持っていない日本の国際政治学者などまずいないはずと考えられるところ、)国際政治学者が関連情報に接し、疑問を抱かないはずがないし、疑問を抱けば、更に情報収集して分析することで、私の指摘と同じ結論に達しないはずがない、と思うのだ。
 それなのに、誰もそのような結論に達していないとすれば、一体それはどうしてなのか、ということになる。
 (英語圏のマスコミ外信記者や国際政治学者についても、私と同じ結論に達している者はいなさそうだが、彼らに関しては、中共の対日関係の情報は、中共の対外関係の情報全体の中のほんの一部分であり、そこまで目配りができていないのだろう、と見ているが、日本の国際政治学者であれば、中共の対外関係の情報は注視するはずだ(し、たとえ、漢語ができない者であっても、人民網日本語版やサーチナといった日本語媒体に目を通しておれば、その中の中共の対日関係の情報は注視するだろう)から、同じ結論に達するはずだ、と思うのだが・・。)
 ところが、いまだに、その理由についての仮説らしきものが、何一つとして、私には思い浮かばない。
 ツイッター攻勢「事件」は、私にとって、これまで遭遇した最難問だと思ってたのだが、つらつら考えてみると、こちらの方が更に難問だ、と、たった今気付いた。
 で、これも今思い付いたのだが、鯨馬さんに、彼の見解をぜひ聞いてみたい。

 というわけで、鯨馬さん、日本の国際政治学者の中で私と同じ結論に達している人はいない、という私の理解で正しいのか、それが正しいとして、どうしてそんな状況なのか、について、ご見解をお聞かせいただければ幸いです。