太田述正コラム#8289(2016.3.22)
<皆さんとディスカッション(続x2940)>

<太田>(ツイッターより)

 「…熊本からやってき高卒のDJが、本屋で適当に買った本の受け売りで行った講演と、ハーバードのMBAを取得してマッキンゼーに雇われた本物のコンサルタントのプレゼンテーションの違いを、テレビ局のプロデューサーも、大企業の重役も、東大の教授連中も誰もわからなかったのだ。…」
 この コラムで紹介されている、ショーンKの最近の講演タイトル抜粋は必読。
 意図せざる結果としてであれ、現在の日本の文系エリート全般における、かくも深刻な知的劣化状況を白日の下に晒してくれたショーンの功績はどれだけ称えても称えきれるもんじゃない。
 振り込め詐欺にひっかかる高齢者達を嗤えんぞ。
http://blogos.com/article/167932/

<YUNO-METAL>(同上)

 深い。

<supply2525>(同上)

 ショーンKと違って、日比谷→東大法→スタンフォードのおおたんすげーよ。

<太田>

 エー、英国防大学をお忘れなく。

 関連記事だ。

 経営コンサルタントの川崎隆夫・・「1979年 早稲田大学法学部卒。2008年 産業能率大学大学院経営情報学研究科MBA修了。経営情報学修士。」
http://www.dual-i.co.jp/staff.html・・
は、米国のMBAのコースは、基本的に標準化されていて、専攻の違いなどあってなきがごとしであることを知らないらしい。
 また、この人は、米国でも、MBA保持者は、有名校のMBAコースを修了してた場合といえども、(タテマエはともかく、実態においては、)身に付けたもので評価されてんじゃなく、2年間の厳しい勉学と試験に耐えたことで評価されてるってことも知らないらしい。
 このようなボロを10年以上出さなかっただけでも、(「経営コンサルタント」という肩書の下のTVコメンテーターとしての言動じゃなく、)「経営コンサルタント」としての経営そのものがらみの言動に関し、ショーンKの方が川崎よりも段違いに優秀だったってこと、が分かる。↓
 
 「・・・川上氏の学歴詐称が長い間露呈しなかったひとつの原因として、我々が川上氏のハーバードビジネススクール(HBS)を卒業した、という事実だけに注目し、HBS在籍時の学習内容などに大きな関心を示さなかった点が挙げられます。・・・
 <もっとも、>川上氏自身は、独学でMBAホルダーにもひけをとらないほどの経営知識を習得されているのは事実のよう<です。>・・・
 <全く余計なことだよ。むしろ、川崎こそ、米国のMBAに入って「学習」すべきだろうね。↓>
 そこで余計なことかもしれませんが、川上氏が再びビジネス領域での仕事で復活を希望されるのであれば、充電期間中に大学や大学院等で学習し、独学で習得した知識を体系的に整理されることは、極めて有益なことだろうと考えられます。・・・」
http://blogos.com/article/168008/

 小田嶋隆は、「早稲田大学教育学部社会科社会科学専修卒業・・・大学卒業後には味の素ゼネラルフーヅに就職したが、入社翌年の1981年(昭和56年)には退職し、小学校事務員見習い、ラジオ局AD(アシスタントディレクター)、ロックバンド座付き作詞家などを経て、テクニカルライターとなった。1988年(昭和63年)、コンピュータに関連する事項を軽妙に描いたコラム集 『我が心はICにあらず』以降はコンピュータ関係にとどまらず、様々な事物を辛口に論じるコラムニストとなった。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E7%94%B0%E5%B6%8B%E9%9A%86
という人物だが、全般的には、面白い角度から本事案に切り込んでいて、その「評論」力は評価するが、TV視聴者は、一般に、私を含め、ショーンKの「経営コンサルタント」という肩書しか知らないんだろうし、かつ、彼は、上出の川崎隆夫なんかより、日本の「経営コンサルタント」としては段違いに優秀なんだから、下掲のくだりは、あらゆる意味でナンセンスだ。↓

 「・・・<彼については、>最初の学歴からはじまって、留学経験、MBA資格から、経営コンサルタントとしての業務実態、年商、オフィスの住所、本名、出自に至るまでの一通りの要素が「ウソ」であったことが既に明らかになって<いる。>・・・
 私がこの際強調しておきたいのは、コメンテーターがフェイクな肩書きを名乗ったのは、われわれ聴き手の側が、コメンテーターの言葉よりも、彼の肩書きを重視していたことの当然の帰結なのではなかろうかということだったりする。
 つまり、お互い様だということだ。・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/174784/031700036/?P=1

 学歴を含む経歴でウソをつくことはもちろんあってはならない悪いことだが、私は、彼がTVでコメンテーターを務めていたこと自体は問題視などしていないのに対し、彼が、経営問題で(経営学に関する学歴も経営者としての経験もないのに)講演で講師を務めてきた・・大学/大学院で経営学を教えてきたことに等しい・・のは問題視しているんだよな。
 ちゅうか、彼自身というよりも、講師を務めさせてきた側の退廃を、私は問題視してるんだよ。

<太田>(ツィッターより)

 「…トランプ氏<は、>…日本や韓国に米軍基地を置いていることが米国にとって利益となるかどうかについて…「米国はとても強く豊かな国だったが、今は貧しい国だ。債務超過国だ」とし、多額の費用をかけてアジア太平洋地域に米軍のプレゼンスを維持するのは割に合わないとの考えを示した。…」
http://blogos.com/article/168057/
 そして、韓国(や日本)は、米軍に引き続き駐留して欲しいのなら、米軍駐留費(人件費を除く経常経費)を100%負担すべきだ、と述べた。
https://www.washingtonpost.com/blogs/post-partisan/wp/2016/03/21/a-transcript-of-donald-trumps-meeting-with-the-washington-post-editorial-board/?hpid=hp_hp-top-table-main_trump-1012pm%3Ahomepage%2Fstory
 私が米国人だったら無条件でトランプに票入れるな。

<太田>

 関連記事だ。

 トランプの考えは、対NATO政策に関しては、戦後米国のコンセンサスに挑戦するものだ、とさ。
 (ブッシュも就任直後はNATO派遣米軍の規模縮小を唱えていた、とこの記者も指摘してるし、オバマは、アジアに再志向というウソをつきつつ、初期ブッシュの「遺志」を実行してきたんだから、既にコンセンサスは崩れてたんだよ。(太田))↓

 ・・・His comments mark a radical departure from the foreign policy consensus in Washington towards Nato since the end of the second world war. While George W Bush proposed downsizing the US military presence in Europe early during his administration, no mainstream presidential candidate has ever suggested withdrawing from Nato.
 <そんなことしたら、露・中の天下になる、だなんて言ってる「識者」がいるんだね。
 彼、トランプ等に比して、度し難いほどのバカだな。(太田)↓>
 “Trump is proposing nothing less than the liquidation of the liberal world order,” said Thomas Wright, a foreign policy expert at the Brookings Institution. “It would be a dream come true for Russia and China. Within a year they could achieve what they thought was impossible — an end to the US alliance system in Europe and Asia.”・・・
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/2695854c-efaf-11e5-a609-e9f2438ee05b.html#axzz43afNab00

<ZfFT747g>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

≫例によって、「儒学をはじめ」の部分に西沢は実例や典拠をあげていません。繰り返しますが、私は疑っています。≪(コラム#8074。太田)

 一例をもって西沢の「儒学をはじめ」について反論するわけではないのですが、外交使節に対する対応一つで儒学の影響なんて実は然程ないと分かるかと『・・・宝永6(1709)年に将軍綱吉が没し、家宣が将軍となったことを祝賀することだった。将軍の代替わりのたびに、こうした大規模な使節団が送り込まれていたのである。・・・新井白石と雨森芳洲は、ともに江戸の儒学者・木下順庵(じゅんあん)の許で学んだ兄弟弟子であった。白石の方が11歳年長で、門下の中心人物であった。さらにこの時点で、白石は天下の将軍の侍講であり、かたや芳洲は辺境の小藩の一官僚に過ぎなかった。それにも関わらず、芳洲は通信使接遇に関する白石の改革案に異を唱えたのである。』

・白石の使節への対応

 「日本に送られてくる通信使は、日本向けには将軍の襲位祝賀をうたいながら、朝鮮の文献を読んで見ると、敵情探索を名目としている。・・・大体、朝鮮は信義のない国であって、(JOG注:文禄・慶長の役で朝鮮側を助けて出兵した)明が清に攻められた時も一人の援兵も送ろうとはしなかったではないか。[1,p130] 」

→要は相手を見下してたわけです。

・芳洲の対応
 『・・・芳洲は白石の改革案に悩まされながらも、礼の失するところのないよう苦労していることを通信使の一行はよく見ていた。また、一行の中には詩文を作ることを任務とする製述官までいて、芳洲とは特に親しく交わり、こんな一編を残している。
______
 酒をくみ、かにをつまんで実にいい気分。
 夜寒にろうそくの火がゆれている。
 君の宿は禅庵の近くだって。
 明日になったらまた一杯やろう。』

 『・・またハングルで書かれた小説を自ら書き写して、ハングルを覚えた。朝鮮の知識人は幼い頃から漢文を学び、ハングルは女子供、下層階級が使うもの、という通念があった。しかし、芳洲は、朝鮮には輸入された漢文文明の基底に民族固有の文化があり、それを深く理解するには、朝鮮語とハングルを学ばなければならない、と考えた。
 国と国との交際を担当する外交官は、相手国の文化を深く理解する必要がある、という近代的な考え方を芳洲は持っていた。
 同時に、相手国の文化を良く知るには、まずは自国の文化、歴史伝統を深く理解していなければならない。白石の「日本国王」という称号を国体論から堂々と批判したように、芳洲は日本の国柄についても、深い学識を持っていた。』
http://m.webry.info/d/blog.jog-net.jp/201303/article_6.htm

→同じ儒学を学んでもこれ程違いがあるのだから、所謂江戸の名代官も儒学云々は対して影響はないのでは。因みに芳洲は合計16冊の教科書を作り、そのうちの一冊は、明治初年に外国語学校での教科書の原型ともなっています。

<太田>

 それでは、その他の記事の紹介です。

 では、本日の、中共当局の日本礼賛記事をどーぞ。↓

 「・・・生命時報が伝えた。・・・
 日本人自身は不要なものを断ち、必要最低限の生活用品だけを留めるという人が多く、必要最低限のもので最大限の幸福を手に入れるという理念で暮らしており、物への執着から離れるというスローガンを打ち出している。
 ・・・日本人も数十年前は今の中国のような「爆買い」の生活スタイルが流行り、冷蔵庫いっぱいに食材が詰まっていないと不安になるという人がいるように、多くのものに囲まれていないと安心できないという人は多くいたようだ。
 その後、日本は数回の経済危機に見舞われ、そうした生き方を反省する人が増えた。近藤麻理恵という名の若い女性が部屋を片付けることを通じて暮らしの環境と調和を整え、人生に福を呼び込むという「片付け術」を提唱すると、そうした発想は瞬く間に世間の注目をあびた。しかし、どれほど綺麗な部屋でも絶えず新しいものが入ってきては乱雑した暮らしに後戻りしてしまう。そこで現れたのが山下英子の「断舎離」と佐々木典士の「ミニマリスト(極簡主義・最小限主義)」であり、不要なものを断って部屋と暮らしの「負担」を減らすよう呼びかけられた。
 「断舎離」では、不必要なものと完全に「縁を断つ」ことで、思考を鮮明かつシンプルにし、「必要最低限」のものだけを残すことが強調されている。例を挙げると、寝室はベッドと机だけ。書籍や衣類、生活用品といったものは寝室の中には入れないといったものだ。山下氏と佐々木氏は「ものを買わないあるいは買う量を減らす」など、ものへの欲求も最小範囲内に抑え、衝動買いの後から来る罪悪感や物の浪費を避けるよう呼びかけており、そうして暮らしの環境と人生をシンプルにしてこそ、他の有意義なことをする時間が生まれるとしている。
 ・・・日本の友人宅にお邪魔してみると、確かに部屋は清潔で広々とし、物寂しささえ感じることがある。そうした多くの日本人が、物質欲を抑えることで、後にそれを処分する煩わしさも減り、暮らしの意義ある時間も増えたと話している。」
http://j.people.com.cn/n3/2016/0322/c94473-9033389.html

 内戦にサウディアラビア等が参戦しているイエメンから、イスラエルがユダヤ教徒救出作戦を密かに敢行。↓

 In secret mission, 17 Yemeni Jews escape civil war for new life in Israel・・・
https://www.washingtonpost.com/world/in-secret-mission-17-yemeni-jews-escape-civil-war-for-new-life-in-israel/2016/03/21/bb434f40-d872-4a57-8520-ba7388a648b1_story.html
 <実は、イスラム教生誕ちょっと前のイエメン/南サウディアラビア地域には、自発的にユダヤ教徒に改宗したと思われる人々による王国があったところ、彼らは、その末裔達でまだこの地域に残っていた人々である、と考えられる。↓>
 Before Islam: When Saudi Arabia Was a Jewish Kingdom・・・
http://www.haaretz.com/jewish/archaeology/.premium-1.709010

 数日念的瞑想をやっただけで、人は痛みに強くなることが分かった。↓

 After just four days of meditation training, people reported feeling 21% less pain・・・
http://time.com/4263383/mindfulness-meditation-pain/?xid=homepage
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太田述正コラム#8290(2016.3.22)
<神聖ローマ帝国史(その3)>

→非公開