太田述正コラム#7812(2015.7.27)
<2015.7.25東京オフ会次第(その3)>(2015.11.11公開)

 そもそも徴兵制なんて必要性がない、と安倍首相が国会で答弁したのは、憲法問題で旗幟を明らかにするのを回避するためであったはずだ。
 さもなきゃ、単に、徴兵制は違憲であって、それ以外に解釈のしようはありません、と答えりゃいいんで、それで、ジ・エンドだったはず。
 それなのに、安倍サン、言っちゃいけないことを対談で言っちゃった。
 (前から指摘していることだが、自民党にとどまり続け(ることに耐えられ)た安倍は、当然吉田ドクトリン信奉者であってその中の「タカ」に過ぎないはずであるところ、今回の対談で、そのことが完全に裏付けられたと言えよう。
 だって、主権を守る営みを苦役だと彼は心底思ってる、と考えざるをえないのだから・・。
 安倍にとって、今回の安保法制は、主権を預けた宗主国サマのご機嫌をとって、中共の「脅威」に対処していただくためのものだってこと。
 但し、今次安保法制は、客観的には、そんな一首相の思惑を超えるものであって、自民党政権を超えて生き続け、発展していくべきものであること、を我々は忘れてはならない。) 
G:ソフトバンクにヘッドハントされたアローラ(コラム#7784等)のグーグルへの移籍事情を含め、彼の昔の活躍ぶりをインターネット上で相当調べたのだけれど、何も出てこなかった。
H:グーグル当時に、職権を使って、全部消したんじゃないか。
O:学歴がないに等しいのに大変な出世をした彼の秘密は結局は分からないってことか。
 MBAとかMBAの格とが米国で重視されるのは、それが企業が本来行うべき、採用時のスクリーニングを代行しているからだ。
 MBAとして身に着けた中身・・確かに経営とは無関係な内容ではないが・・が問題なのではない。
 私がスタンフォード・ビジネス(GSB)に行った1974年、同スクールは、それまで日本人は毎年3〜4名だったのに、一挙に採用人数を9名に増やした。
 ところが、翌1975年には、昔の採用数に戻ってしまった。
 我々日本人中、米国の大学を出ていて米国人化していた女性1名を除く8名の姿勢が問われたのだと思われる。
 私以外の7人は、みんな、ビジネスのプロだった。
 それぞれ、得意分野においては、それこそGSBの先生を上回る、実務的知識、能力を持っていたと言ってもいいのではないか。
 そんな彼らが異口同音に言っていたのは、易し過ぎるし何の役にも立たないことを教えられている、ということだった。
 これでは、彼らが真面目に授業に臨むわけがなく、そんな態度は教師にはすぐ分かってしまう。
 経済学を除いては、他の全ての科目が私にとっては初めてだったので、私には面白かったけれど、易し過ぎるということに関しては、私は大学の教養課程と学部課程でそれぞれ経済学を取っていたので分かるのだが、明らかに、日本の教養課程レベルの内容だった。
 (しかも、組織行動論の内容に典型的に表れていたように、(何回か指摘したことがあると思うが、)共有される士気(モラール)なんてものは経営においてどうでもいいのであって、個人への金銭的/ポスト的処遇が全てだ、といった非人間主義的なトンデモ内容だった。)
 私自身、上記の7名の仲間達のうちの3〜4名のところと、別途GSB博士課程に在籍していた日本人1名のところを、試験直前に回って勘所を教えてもらって一夜漬けで試験に対処できたこともあり、政治学科の方に力を入れるようになり、結局、不真面目なMBA学生になってしまった。
G:スタンフォードですらそんな有様であったとすると、アローラのノースイースタンがゴミだ、と太田さんが言った意味がよく分かるというものだ。
O:繰り返すが、GSBに入学することからして容易なことではなく、そこでまず最初のクリーニングがなされ、教養課程の内容でしかなくしかも役に立たなくたって、試験をやれば自ずから成績が付き、卒業時には、総合成績で上位10%に入れば優等とされる、等、スクリーニングだけは完璧になされるってわけだ。
G:ところで、東芝の「不適切」会計問題は、私はウェスティングハウス買収問題だと思っている。

(続く)