太田述正コラム#7513(2015.2.28)
<皆さんとディスカッション(続x2552)>

<太田>(ツイッターより)

「…中国の「素養教育」はまだ大きく推進されるべきだろう。中国の学校は学生に試験で高得点をとる方法を教えるだけでなく、<日本の学校のように、>学生に人としてどのようにあるべきかを教えなければならない。」
http://j.peopledaily.com.cn/n/2015/0227/c94661-8854715.html
という結論の記事を書くために、人民日報の記者がどれだけ必死になって、取材をし、「日本の学生が卒業後中国の学生に届けたある啓示」(タイトル)という論旨をひねり出したか、忖度するだけで頭が下がる。
それだけ、中共当局の人民の人間主義化のための情宣活動にかける意気込みが強く、記者のノルマも重いのだろうが・・。

 米国で、白人と黒人の家計資産格差が広がっている。ここまでは驚かないが、ヒスパニックと黒人の家計資産が同じ位で白人に比べてわずか約1割と極端に低く、当然のことながら、白人とヒスパニックの家計資産格差も広がっていることには驚いた。
http://www.slate.com/blogs/moneybox/2015/02/26/the_black_white_wealth_gap_it_s_enormous_and_getting_wider.html

<きよきよ>

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150227-00000007-jct-soci
 「首に致命傷となる大きな切り傷」
 「結束バンドも付近から見つかり」
 「ひざまず(づ)かされたうえで殺された」
 isisに中途半端な憧れをいだき、けれども腹の底では未成年だから厳罰に処されないだろうというしたたかな計算をした、悪質きまわりない犯罪といえるのではないでしょうか。

<太田>

 Isis模倣犯という見方は以前から出てましたね。↓

 「・・・こうした惨状に、「人間がやることではない」と捜査幹部が漏らしたとも報じられている。・・・週刊誌などでは、過激派組織「イスラム国」の処刑をマネしたのではといった見方すら出ているほどだ。・・・」
http://www.j-cast.com/2015/02/27229114.html

 確かに形の上でそうであるだけでなく、実質的にも、背教者≒グループ脱退希望者、を処刑する、という点でもそうじゃないでしょうか。
 「人間がやることではない」という批判だって、Isis批判の常套文句そっくりであるところが興味深いですねえ。
 お分かりだと思いますが、この類の批判はナンセンスです。
 だって、動物は、餌にするためか自己(含む縄張り)防衛のために必要最小限の暴力しか使わないのであって、不必要な暴力行使を行うのは人間だからこそですからね。
 同様、「息子はそこまでワルじゃない」と思いこんでいるらしい、18歳「少年」の両親も、気持ちは分かるけど間違ってます。
 Isis構成員の殆んど全員の両親だって、「息子は<首切りや焼殺を行えるような>ワルじゃない」と思いこんでいると思われますからねえ。↓

 「捜査本部が置かれている川崎署。逮捕された少年は午前8時45分ごろ、タクシーで署に到着した。口をマスクで覆い、白の上着姿。母親とみられる女性と弁護士が付き添い、ややうつむき加減で足早に署内に入った。・・・」
http://mainichi.jp/select/news/20150227k0000e040218000c.html
 「・・・上村君の事件につきましてはあってはならないことであり、ご遺族の気持ちはいかばかりかと察してあまりあります。また、犯人には事件相応の罪を受けてほしいと思っております。これを前提に、息子は上村君の殺害とは無関係です。ただ、上村君と息子とは面識がなかったわけではないので、事件の真相解明に協力できることがあれば協力したいと思っております。」
http://www.sankei.com/affairs/news/150227/afr1502270051-n1.html

 以上だけからでも、下掲のような「専門家」のコメントは、少なくとも本件に関しては的外れだ、ということになりそうです。↓

 「・・・1対1では大きな事件に発展しなくても、複数になると『お前もやれよ』と集団心理が働いて暴力に歯止めがきかなくなる・・・
 中高生ぐらいだと、集団の心理で、1人では起こさないようなことも『みんなやっている』『仲間の証し』と考えて実行してしまう。今回は罪悪感がまひして、暴力がエスカレートした可能性がある・・・」
http://www.sankei.com/west/news/150227/wst1502270055-n1.htm

 現段階で断定するのは危険ですが、この殺人が(呼び出しとか連行とか拘束とか殴打ないしカッターナイフによる傷害はともかくとして)単独犯に近い形で行われた可能性が高い以上、なおさらです。↓

 「・・・18歳の少年は終始うつむき、「そのことについては何も言いたくない」と供述。この少年の弁護士は県警に対し、「(少年は)事件当時は自宅にいた」と関与を否定した・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150227-OYT1T50135.html?from=ytop_main4
 「・・・17歳の少年2人が上村さんと4人で河川敷に向かったことを認めた上で、そのうちの1人が、「河川敷に着いて、18歳の少年からどこかに行ってろと言われた。戻ってくると、18歳の少年が上村さんを刺し、上村さんは首から血を流していた」と話していることがわかった。
 また、もう1人の少年も「自分は現場にいただけで、殺していない。やったのは18歳の少年だ」と話しているという。・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/9835382/

 上に出てきた、決して貧しくはない家庭環境と、下掲の事情、↓

 「・・・少年は祖母と両親らと暮らしているとみられ、・・・最近、とび職見習として同区内の建築会社に通うようになった。・・・」
http://mainichi.jp/select/news/20150228k0000m040074000c.html
 「・・・18歳の少年の一家は、10年以上前に川崎市の一戸建てに引っ越してきた。50代の父はトラック運転手で、フィリピン出身の母親と共働きだった。姉と妹がいるという。<しかし、>母親は2、3年前に事故に遭い、現在はつえをついても歩行が困難で、<現在、>仕事はしていないという。
 少年は地元の中学校を卒業後、定時制高校に進学したが、学校にはほとんど行かず、土木作業やコンビニ店員などをしていた・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/9834816/
こと、からすると、容疑者の、プロフィール、家庭環境、家族構成、動機・・(「剣道」、「グループ」といった)自分の心の唯一の拠り所を否定されたと思いこんだ?・・等の点で、和歌山小5殺人事件↓と似てますね。

 「・・・工業高校を中退。・・・その後は仕事をする様子もなく自宅で過ごしていた・・・
 森田君殺害への関与を認める供述を始め、動機について、森田君にからかわれたからやったという趣旨の供述もしている・・・
 父親は県内の私立大学で教授を務めている・・・」
http://matome.naver.jp/odai/2142326098249531001
 「・・・容疑者<は>・・・姉2人の3人兄弟との事です。姉の1人は有名大学に進学し卒業した後は超一流企業に就職。そして重役になるほどのエリート!・・・
 もう一人の姉は施設に入れられていたそうで、父親本然氏の厳しい教育でストレスをため精神疾患を患ってしまったんだとか!・・・」
http://shoooon0902.blog.so-net.ne.jp/2015-02-09-1

 それでは、その他の記事の紹介です。

 力作記事だな。↓

 「憎しみのキリスト教徒参戦 対「イスラム国」 欧米から義勇兵続々・・・」
http://www.sankei.com/premium/news/150228/prm1502280004-n1.html

 近藤麻理恵本の英訳、米国でベストセラーになってんだね。
 整理整頓に努力しつつも挫折したフランクリンにひっかけて、この本について論じているコラムだ。↓
http://www.washingtonpost.com/blogs/style-blog/wp/2015/02/27/the-life-changing-magic-of-tidying-up-vs-ben-franklin/
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一人題名のない音楽会です。
 予定を変えて、ピアニストの河村尚子の特集を3回に分けてお送りすることにしました。
 この記事
http://www.yomiuri.co.jp/culture/classic/clnews/01/20150210-OYT8T50143.html?from=ytop_ymag
(2月20日アクセス)に触発されたものです。
 この記事に、河村(1981年〜)は、ハノーファー音楽演劇大学で学び、07年にクララ・ハスキル国際ピアノコンクールで1位、昨年秋に長女を出産、とあります。
 (これらの肝心なことが彼女のウィキペディアには出てこない!。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%B3%E6%9D%91%E5%B0%9A%E5%AD%90 )

 アルゲリッチを思わせるような、ガタイのいい、大物女性ピアニスト、という印象ですね。

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 指揮:アレクサンドル・ラザレフ オケ:日本フィルハーモニー交響楽団
https://www.youtube.com/watch?v=x7b66wrO0u8
https://www.youtube.com/watch?v=iBYaIOsVg5U
https://www.youtube.com/watch?v=jtUXx8kJLes

(続く)
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太田述正コラム#7514(2015.2.28)
<映画評論45:ベイマックス(その3)>

→非公開