太田述正コラム#7203(2014.9.26)
<皆さんとディスカッション(続x2397)>

<太田>(ツイッターより)

 「40歳、「今はまだ結婚の時じゃない」…ジェーン・スーさん…」
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/quindecennial/CO005749/20140925-OYT8T50127.html?cx_text=01&from=ytop_os_txt2
 妻問婚復活!とか、私は無性愛者でーす、とか言わないところを見ると、まだまだ、スーちゃん、勉強が足らないねえ。
 ま、専業主婦で子供も作らない女性よりかははるかに上等だわ。

 北朝鮮が拉致問題を先送りしたことを不快に思った中共が日朝会談が瀋陽で開催されるべく取り計らったとし、先般の習近平の北朝鮮より先の韓国訪問、先週、北朝鮮政治局員の姜錫柱が訪欧の行きと帰りに北京で乗り継いだ際、慣例を破って誰も出迎えなかったことと併せ、中朝関係の悪化募る、とCSモニターが報じた。
http://www.csmonitor.com/World/Asia-Pacific/2014/0925/China-extends-Japan-a-helping-hand-to-resolve-North-Korea-abductions
 なるほどそういう見方もできるかも。
 とまれ、我々の想像を超えた速度で習政権の対日戦略第二フェーズが展開されている、と思った方がよさそうだわ。
 このところの日中「接近」について、韓国政府は、さぞ焦りまくってることだろうて。

<QOHev4oY>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

≫真正である可能性のある自称イスラム教徒は、57%x0.35=19.95%に減っちまう。さて、他方で、・・・真正イスラム教徒は、16.3X19.95/35.95=9.05%となる。だから、Muslimane sunite(スンニ派イスラム教徒) (9,43%)http://ja.scribd.com/doc/15738681/Feja-ne-Shqiperi1という数字は、(ドンピシャで気味が悪いくらいだが、)信頼性が高い、ということになるわけ。≪(コラム#7201。太田)

 19.95%では数が合わないから、「自称イスラム教徒」扱い。
 2段階の想定を重ねた9.05%は「真正イスラム教徒」扱い。
 したがって、9,43%は「信頼性が高い」、ですか。
 典拠の質に拘っていた人が、怪文書でもOK宣言するとは残念でなりません。
 そして、トンデモ、陰謀論者になってないか、心配もしています。
 こういうのは自覚症状はないでしょうから、太田さんに面識ある人、よろしくお願いします。

<TA>

>典拠の質に拘っていた人が、怪文書でもOK宣言するとは残念でなりません。そして、トンデモ、陰謀論者になってないか、心配もしています。こういうのは自覚症状はないでしょうから、太田さんに面識ある人、よろしくお願いします。

 オフ会に何度か出席もした私は「面識ある人」なのでしょうから、「よろしくお願い」されましたよ(^^)。

 コラム#7195からのあなたと太田さんとのやり取り、英語がわからない私にはさっぱりわかりませんが、そもそも「イスラム教徒」の定義(認識)に、あなたと太田さんでズレがあるのではないでしょうか。
 発端となったコラム#7195、まず太田さんは、

 「イスラム教徒は、六信を信じ、五行を実践すればよい・・・ところ、六信はその表明という外形的行為で充足され、五行は外形的行為そのものによって充足されるので、単純明快であり、信仰心を本当に持っているか、とか、その信仰の内容はいかなるものか、などといったことは問題にならない・・・。」

と述べています。これは、あらかじめ「イスラム教徒」の定義を明らかにした、と読めるはずです。その上での「<アルバニアの>イスラム教徒は9%強に過ぎない」という主張ではないのでしょうか。
 ウィキペディアの「ムスリム」の項には、こんなことが書いてありますね。↓

 「ムスリム<(イスラム教徒)>になるためには、証人となるムスリムの前で信仰告白の手続きを取ることが必要である。ムスリムは、神(アッラーフ)を常に身近に感じるように、五行を実践することが建前である。 父親がムスリムであるものは自動的にムスリムとなるとされている。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%A0

 これを読んでの素朴な疑問として、「父親がムスリムであるものは自動的にムスリムとなるとされている」のなら、「証人となるムスリムの前で信仰告白の手続きを取」らず「五行を実践」していなくてもイスラム教徒として認められるの?、というのが浮かびました。

⇒「父親」すなわち(男性絶対的優位のイスラム社会においては)「自分の家」がイスラム教徒である人物は自動的にイスラム教徒と見なされ、5行を実践しなきゃ、棄教であって、シャリーア上死刑宣告されるってことですよ。(太田)

 あなたと太田さんの議論、何年の誰が行った世論調査だか国勢調査だか知りませんが、仮に、「父親がムスリム」というだけでイスラム教徒を名乗っている者を加えるか加えないかで異なった集計をしているとすると、結果は全く違ってくるのではないでしょうか。
 (太田さんの、「つまり、自分達がイスラム教徒だと答えた人々の大部分が、自分の家がかつてイスラム教徒だったという趣旨でそう答えたって、彼らが知ってるからだ、と見るのが常識的だろ。」(コラム#7197)を読むに、私の「仮に」は荒唐無稽ではなさそうです)

 さて、「父親がムスリム」というだけでイスラム教徒を名乗っている者を加えた世論調査だか国勢調査だかがあったとして、それに意味(有用性、実態に即しているか否か)があるのでしょうか。信頼性があると言えるのでしょうか(居酒屋でビールを注文して泡が9割の「ビール」が出てきたら、そんなものはビールとは言えないでしょう)。

 なお、あなたの、太田さんを「心配もしています」との言、私は本心だと受け止めています。

<太田>

 本件に限らないが、外国のことを理解するためには、それなりの知識、そして土地勘が必要だってこと。
 本件に関してだが、コーランを読んだことがない人、イスラム教環境で生活したことがない人、特に、イスラム教徒・・真正と非真正双方・・とつきあったことのない人、が、いきなりイスラム教に係るウィキペディアの記述を読んだって、正しい理解はできない。
 僕の場合、たまたまだけど、4年近くイスラム教環境で生活させられたし、1988年の英国留学の際も、1年間、イスラム教徒たる同僚6人と付き合ったことから、更には、これはたまたまじゃないけど、折にふれてコーランを流し読みしてきたことから、イスラム教について、それなりの知識、土地勘を持ってる。
 (アルバニアそのものについての、知識はあんましないし、土地勘は全くないけどね。)
 ソクラテスを持ち出すまでもなく、自分の無知を知ることが、自分の知的リテラシーを高めるイロハのイであるという自覚を、みんな、ぜひ持って欲しいな。

 ところで、GwoErekgクン(コラム#7201)は納得してくれたようだが、引用し忘れた記事があったので、下に掲げておく。
 共産党政権下で、処刑されたのはカトリックの聖職者だけのようだし、壊されたり転用された宗教施設は、キリスト教の教会が約2,000に対してモスクは「たくさん(many)」ときてるもんね。
 アルバニアの宗教弾圧って、事実上元から無宗教だった多数派による、キリスト教の迫害だったってことが良く分かるぜ。↓ 

 ・・・A number of Catholic priests were executed and some 2,000 churches and many mosques were either destroyed or turned into cinemas or dance halls during Hoxha's rule, which lasted for more than 40 years until his death in 1985.・・・
http://www.bbc.com/news/world-europe-29300209

<MH>

≫イギリスのような、経験論的でかつ(小さな苦悩しかない)幸せな社会には、文学はともかく、クラシック音楽はそぐわないってことです。≪(コラム#7201。太田)

 太田さんに伺いたいのですが、一般論でムーアみたいな英国(北アイルランド)人は「自分は英国人(女王の臣下)と思ってるんでしょうか?それともアイルランド(ダブリン)に帰属すると思ってるんでしょうか?カトリックとプロテスタントで違うのか、既出かも知れませんが教えてくださると幸いです。

<太田>

 「2001年に行われた調査では北アイルランドの住民の内45.5%がプロテスタントであった。この中には長老派、アイルランド聖公会、メソジストなどが含まれている。それに対してカトリック教徒は40.3%であった」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89
ところ、以下全て基本的にということですが、カトリック教徒はアイルランド人だと思い、長老派教徒はスコットランド人だと思い、アイルランド聖公会教徒はイギリス人だと思ってる、と考えていいでしょうね。
 で、後の2者は、王制廃止論者を除き、女王の臣下だとは思ってるでしょうが、スコットランド人だと思ってる人の中には、(スコットランドでの今回の住民投票を見ても、)英国人だとは思ってない人がかなりいる、ということになりそうです。
 ムーアの場合、北アイルランドで生まれ、ダブリンで活躍を始めたってんでカトリック系臭いけれど、イギリスに住み着いたってので、私は、カトリック系かプロテスタント系か断定できなかったわけです。
彼、あえて、カトリック系かプロテスタント系かなんて違いを超越した生きざまを実践してみせたのかもしれませんね。

<MH>

 さてレインボーの武道館1984年日本公演(ラストライブで、この後解散)で新日本フィルハーモニーと共演したビデオをやっと見つけましたので紹介します。

 RAINBOW Spotlight Kid [LIVE IN JAPAN 1984]
http://www.youtube.com/watch?v=lwEcAN2SZs0
 Rainbow - Difficult to Cure
 (新日本フィルとベートーベン第9を共演)
http://www.youtube.com/watch?v=8yzvZAtC5h4

 新日本フィルの演奏が全然良くてリッチーは押され気味に見えます。
 まあそこはイングヴェイみたくは早弾き出来ないのもありますが・・・・。
 イングヴェイ自身は上と下のプレイをくっ付けたのをやりたくて、ああなった訳ですね。

<太田>

 「クラシック音楽のロック的編曲」の可能性をいかんなく感じさせてくれる名演奏ですねえ。
 納得。

<melody-ohshima>

 <コラム#7203ですが、>いや〜すごい卓見ですね。以前にイギリスの作曲家はエルガーぐらいなものだという事を知ってから、作曲行為には経験論、合理論が影響しているのかなぁ〜と漠然と考えていましたが、太田様のご見解を読ませてもらいスッキリいたしました。ありがとうございます。
 私が音楽でメロディを重視するのは、私だけの主観かもしれませんが、他の2要素はイギリス文学を創作する難易度で何とか作れるのではないでしょうか。
 美しいメロディこそはご見解のような過酷なストレス下で生み出されるのではないのでしょうか。(STAP細胞ではないですが)
 音楽にオッカム、マッハのシンプルイズベストを適用する必要はないですが、やはり残るのはメロディかなっと。
 初期の携帯の着メロがそうですが、主旋律単線だけでも琴線に触れるのはすごいメロディだと思います。
 2ちゃんねるに、たまに目を通す面白いスレッドがあります。
 太田コラムのレベルからみたら、低レベルで不毛な議論ですが。

 メロ+コード進行付だけで作曲って馬鹿だなwその3
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/compose/1381542736/

<太田>

 具体例で説明しましょう。
 例えば、私が、弾いていて死んでもいいと思う名曲の名箇所のいくつかが、下掲の4:49〜5:55あたりと7:50〜8:17あたりです。

 ショパン バラード1番
https://www.youtube.com/watch?v=7bTAeOhIoJI

 この曲、全曲が美しいメロディーの連続なんだけど、死ぬほどの感動を覚えるのは、左手だけでなく、右手でも(メロディーとともに)奏でられるハーモニーの妙が付加された箇所なのであって、メロディーだけだったならば、ちょっと気の抜けたサイダーみたいなもんで、人を「殺す」ほどの迫力は生み出しえないって気がしてきませんか?

<太田>

 それでは、その他の記事の紹介です。

 Isisの石油収入の殆んどは原油密輸によるものなので、製油所を米国等が爆撃してもIsisの打撃にはあんましならないってさ。↓

 ・・・the Islamic State makes most of its money from crude oil, not from fuel refined from the oil. So the latest airstrikes will not be enough to shut down the flow of Islamic State oil・・・
http://www.washingtonpost.com/world/us-led-airstrikes-could-open-new-fronts-for-syrian-battles-against-islamic-state/2014/09/25/bedc3176-449c-11e4-b437-1a7368204804_story.html

 Isisが女性の教育及び医療職以外への就労を禁じた。
 (ま、これも、当然のことだけどね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%81%A8%E5%A5%B3%E6%80%A7 (太田))
 ・・・New rules ban women from working in jobs other than health care and education, where they are deemed necessary to treat and teach other females.
A regulation requiring all women to fully veil their faces was initially unenforced. But now, breaking that rule can trigger heavy penalties, including beatings.・・・
http://www.washingtonpost.com/world/middle_east/islamic-state-executes-female-human-rights-lawyer-by-firing-squad-after-facebook-post/2014/09/25/c44b0a38-44f6-11e4-9a15-137aa0153527_story.html

 ファタがガザの行政の一定部分を担う、という合意がハマスとの間で成立した。↓

  The two main Palestinian factions, the Islamist movement Hamas and its rival, Fatah, announced Thursday that they have reached an agreement to allow the Palestinian Authority to return to the Gaza Strip and run the government there for the first time in seven years.・・・
http://www.washingtonpost.com/world/middle_east/hamas-agrees-to-cede-some-power-in-gaza-to-fatah-for-the-first-time-in-seven-years/2014/09/25/d46855a7-fb29-41c9-8be6-a1f0eb171c82_story.html

 ノーコメントにしておこ。↓

 「・・・DNAは単なる設計図にすぎず、それも環境によって書き換え可能な設計図である。従って、生命はDNAに支配されていなかった。それでは、生命を支配しているのは脳か? そうではない。
 脳は、前に述べたように情報の受信装置のようなものであり、受信装置そのものが歌ったり、考えたり、ドラマを制作したりするものではない。
 真の制作者は、DNAや脳ではなく「人間の意識」であると考えざるを得ない。そして、生命の真の創造者は、人間の意識をも超えた大自然の偉大な働き「サムシング・グレート」だといえる。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/science/news/140926/scn14092605020002-n1.htm
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太田述正コラム#7204(2014.9.26)
<中東イスラム文明の成立(その10)>

→非公開