太田述正コラム#7183(2014.9.16)
<皆さんとディスカッション(続x2387)>

<太田>(ツイッターより)

 「… 日本のおばさんたちはなぜ広場舞を踊らないのだろうか。中国では高齢の女性は働かないのが常だが、少子化で苦しむ日本ではそうはいかないようだ。今やおばさんは日本のサービス業にとっては欠かせない労働力。コンビニやスーパー、レストランなどいたるところで見かけることができる。…」
http://j.people.com.cn/n/2014/0915/c204149-8782626.html
 一ひねりしているが、要は自国のおばさん達に日本を見習えと言ってるわけだ。
 「山口淑子さんは… 1944年、黎錦光氏の作詞作曲による名曲「夜来香」が上海で発売され、後世に伝わる大ヒット作となり、「7大女流歌手」の仲間入りを果たした。
 翌1945年…上海グランドシアター…で初のソロリサイタルを開いた。…」
http://j.people.com.cn/n/2014/0915/c94473-8782817.html
 彼女の戦中の支那での活躍を好意的に描くとともに、「傀儡」汪兆銘政権下の支那の平和と繁栄を示唆しており、思い切った記事だと言ってよいのではなかろうか。

「…<米国では>抗うつ薬の服用者が人口の10人に1人<で、>…40代から50代の女性に限定すると…4人に1人…それは…対人関係では暗い表情をしていてはいけないという…米国文化<からくる>…潜在的ストレス<という背景による。>…」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41723
 そりゃイエス・アンド・ノーだ、ということが太田コラム読者ならお分かりだろう。
 「米国文化」の背後に、米国に蔓延るところの、キリスト教原理主義者やとりわけリベラルキリスト教徒は双極性障害的にならざるをえないという事情がある。
 迷える子羊達よ、世俗化せよ、さすれば汝らは救われん、じゃよ。

<まとめ79>(「経った一人の反乱(避難所)」より)

≫『ガーディアン』とかの世界のクオリティペーパーの誤報集も欲しいね≪(コラム#7179。I5E.x6t.)

 「sex slaves」「comfort women」で検索してヒットした英字紙の記事はほとんど誤報。
 NORIMITSU ONISHI の署名があれば鉄板で誤報。
 やたら具体的な数字が踊っている記事はまず間違いなく誤報。

 最近では「ほとんどの歴史家が慰安婦の存在を認めている」なーんて言って既成事実化したかの物言いだからね。
 戦時売春婦は世界中どこにでもいたのに、したり顔でのたまうからな。
 誤報でも気づかないんじゃないかな?
 高級紙に期待しちゃいかんよ。

<陳>

≫ここで、不二一元論を含め、ヒンドゥー教についておさらいをした上で、上記インタビューに登場したハリス批判を行っておこう。≪(コラム#7175。太田)

 英米欧の人達にヒンドゥー教が受けるのは、実は当然の事なのかもしれません。
 と言うのも、フリーメイソンの思想の根底にあるのが理神論だからです。↓

 「教会の教理に真っ向から矛盾する自然主義的な理神論を唱えていることから、カトリック教会によるメイソン批判がなされてきた。・・・
 フリーメイソンリーに対する正教会の論評は、「フリーメイソンリーはそれが神秘主義や秘密主義、あるいは理神論を信奉する秘密結社である限りにおいて、キリスト教とあらゆる点において、共存することができない。」とするカトリック教会やプロテスタントの従来の主張を支持している・・・
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%82%BD%E3%83%B3

 理神論の行き着く先は必然的に不二一元論です。↓

 理神論
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%90%86%E7%A5%9E%E8%AB%96

 「古くからヤハウェの名は、「存在」を意味する語根と関連づけて解釈されてきた。
 これは『出エジプト記』第3章第14節で、ヤハウェがモーセに応えて「私は在りて在るものである」と名乗った事に由来する。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%A7

 ウィキの解説に「理神論はカントの手によって一度は殺されて、彼自身の手で復活させられたわけである」と書かれていますが、神が理性、即ち思考によって捉えられないのは当然として、「意志によって要請される存在」であるならば、それは旧約聖書で根源神がモーセに語った神の名前であり、その本質である「私は在る」に他ならない。そして「私は在る」は思考、即ち自我が一切無い人間の意識状態である以上、人間は神に等しいものである。人間意識は神の意識に他ならない。世界はその「私は在る」というレンズを通して意識の光によって現れた3Dバーチャルリアリティ映像である、という結論に至ります。
 同じ様に、シャンカラが体系化した不ニ一元論では、神は個人の意識そのものであるとしています。↓

 「宇宙の根本原理であるブラフマン(梵)と個体の本質であるアートマン(我)とは本来は同一である」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%A9#.E6.80.9D.E6.83.B3

 余談ですが、だからフリーメイソンは世界統一を目指している陰謀組織だと言われるわけです。
 個人は幻で存在しないのだから、国も幻、民族も幻ではありませんか。そんなものは取っ払ってしまえ、という思想なわけです。

<太田>

 有料読者じゃないと私の関連コラム全部を読んでおられないかもしれないけれど、私の考えは以下の通り。

 理神論≒無神論だが、欧米の理神論者は、往々にして、リベラルキリスト教徒になってしまったり、キリスト教の代替全体主義イデオロギーの信徒になってしまったりする。
 もちろん、理神論経由ではなく、まともな無神論者になる人もいれば、理神論経由で、または無神論経由で、もしくは直接、人間主義的なものに関心を抱き始める人もいる。
 しかし、人間主義的なものに関心を抱き始めた欧米人には、チベット仏教に関心を持ったり、ヒンドゥー教における瞑想やヨガに関心を持ったりはしても、(日本の社会とまでは行かなくても)日本の禅に関心を持つ人は殆んどいない。
 しかし、これは私には解せない。
 なぜなら、瞑想を一番早く欧米に伝えたのは日本の禅者達であることは欧米の知識人なら知っているはずだし、少し日本の歴史を勉強すれば、武士の間でかつて禅宗が流行したことも知るところとなるはずだ。
 その日本は、欧米の上位並の経済発展を遂げている。
 つまり、日本では瞑想文化と戦士文化がオーバーラップしながら共生してきたと考えられるだけではなく、瞑想文化と経済発展もまた共生してきたらしいことに思い至るはずだ。
 だとすれば、戦士文化とも経済発展とも共生ができずに現在に至っているところの、(漢人に支配され、少なからぬ人々が亡命を余儀なくされていて、経済発展からも取り残されている)チベット(チベット仏教)や(イスラム勢力やイギリスの支配をずっと受け、貧困に満ちている)インド(ヒンドゥー教)なんぞではなく、(戦いに強かった過去を持ち経済も発展している)日本(禅宗)に目を向けてしかるべきだ。
 ところが、彼らはそうしていない。

 このような私の見解に対してコメントするなり批判するなりをしたいのであれば、実態が必ずしも明らかでないメイソンの話を持ち出す必要はないのであって、私の見解に即したより直截的なアプローチをした方が建設的では?

<太田>

 それでは、その他の記事の紹介です。

 山口淑子は、戦後、ハリウッド安映画やミュージカルにShirley Yamaguchiとして出演、第一の夫は日系米人イサム・ノグチ、次いで日本の外交官、そして、自民党田中派(ハト派)の参議院議員。
 常に、時代時代の最強者の引き立て役となることを選ばされた/選んだ、華麗で見事な人生であったと言えよう。↓

 <彼女が戦後に出た最初の米映画では、米兵の妻という役を演じた。(戦前・戦中は日本兵の愛人の役)↓>
 ・・・A few years later, under the name Shirley Yamaguchi, she began acting in low-budget Hollywood films and was one of the first native Japanese actresses to have a leading role in American movies. Opposite Don Taylor, she played the Japanese wife of an American soldier in “Japanese War Bride” (1952), directed by King Vidor. ・・・
 That same year, her marriage to Japanese-American sculptor Isamu Noguchi ended in divorce. In 1958, she married Japanese diplomat Hiroshi Otaka, returned to Asia and retired from movies. Otaka died in 2001.・・・
 First, she was the face of the Japanese imperialism in China, then the face of Japanese reconciliation with the Americans, and lastly the face of Japanese reconciliation with China and the Third World. She lent her image to all these political changes.・・・
http://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/yoshiko-shirley-yamaguchi-actress-dies-at-94/2014/09/15/68171634-3ce6-11e4-b0ea-8141703bbf6f_story.html

 中共当局は、公式には、田中派時代の山口を称揚するコメントを出した。

 「・・・中国外務省の洪磊副報道局長は15日の定例会見で「戦後、中日友好平和事業の促進のために積極的な貢献をした。死去に際し、哀悼の意を表する」とコメントした。」
http://www.asahi.com/articles/ASG9H658YG9HUHBI33T.html?iref=comtop_list_int_n03

 山口淑子ほどじゃないが、ここにも華麗で見事な人生を生き切った女性が・・。↓

 「「よこはま・たそがれ」作詞、直木賞作家・山口洋子さん死去・・・」
http://www.hochi.co.jp/entertainment/20140916-OHT1T50031.html?from=ytop_ymag

 彼女の作詞した曲にど演歌が多いのが残念だ。
 私の言うクラシック的歌謡曲としては、北の旅人(コラム#5279、5779、6674)は既に紹介済みだが、ブランデーグラスはまだだったので、この際、紹介しておこう。↓
https://www.youtube.com/watch?v=d3U5eILAGww

 そうなんだよねえ。
 欧米の連中の言う文化の相対性なんて口先だけだし、そもそも、健康・衛生志向が日本人に比べて薄弱だからなあ。↓

 「・・・日本人はご飯を口の中に含んでから、濃いめに味付けされたおかずも口の中に運んで……という食べ方をしますが、こちらの人々はそのような食べ方をしません。だからご飯とおかずが別々に盛られた日本食を出すと、ご飯はご飯だけで食べて『味が薄い!』と驚いたり、おかずはおかずだけで食べて『何でこんなに塩辛いんだ!』と怒ったりするんですよ・・・
 また西洋の人々にはご飯=主食という考え自体が存在しない<ので、・・・『>・・・何で白米の量がこんなに多くて魚がこんなに小さいんだ!』と怒る人もいますね。・・・
 日本の料理には砂糖で甘みをつけるものが多いですが、それも彼らには信じられないみたいです。しょうゆを使った煮物や、酸味の強い酢の物なども不評ですね。だから『何か日本の料理を食べたい』と言われたら、から揚げ、カレー、ハンバーグなど、日本の子供が喜ぶような料理を出すといいでしょう。・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/9256253/

 シリアに穏健派武装勢力など存在しないとさ。
 で、Isisと戦うのなら、アサド政権やヒズボラ(ひいてはイラン)・・どちらも非スンニ派・・と協力しなきゃダメだとさ。
 確かにそうかもね。↓

 ・・・The alleged moderates have never put together a convincing national program or offered a viable alternative to Mr. Assad. The truth is that there are no “armed moderates” (or “moderate terrorists”) in the Arab world — and precious few beyond. The genuine “moderates” won’t take up arms, and those who do are not truly moderates.・・・
 ・・・ in the absence of any large-scale Western or regional commitment to deploy troops, the only real “boots on the ground” capable of destroying ISIS are the Syrian Army and its local allies, including Hezbollah.・・・
http://www.nytimes.com/2014/09/16/opinion/to-crush-isis-make-a-deal-with-assad-.html?ref=world&_r=0

 タイミングよく下掲の書評が出ていた。
 ま、アメちゃんが劣等感を抱く旧宗主国の動向に、ポップス面を含めて強い関心を抱くのは当然だが、ビートルズによるフィードバックは、結局、一人の、ないしは一組のビートルズも米国に生み出すことはなかったというワケさ。↓

 「・・・ロック誕生前の英国で流行していたのは、ジャズ、ブルース、R&Bなど米国から入ってきた黒人音楽。これに熱狂していた若者が自分たちの音を追い求めて英国発のロックが生まれた。ビートルズも、ローリング・ストーンズも。そして斬新なビートルズサウンドは米国で大ヒットして世界に羽ばたいた。当時、米国ではエルビス・プレスリーなどロックンロールの流行に陰りが出ていた。そこに台頭してきたのが英国のロックだったのだ。
 これに対して米国勢も黙ってはいなかった。ボブ・ディランはギターをエレキギターに持ち替え、ジミ・ヘンドリックスは英国に向かう。
 こうして英・米のミュージシャンが互いに刺激しあい、時には統合し、ロックの源流を形成したという。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20140909-OYT8T50199.html?cx_text=10&from=ytop_os_txt2

 日本人以外の幼児もおなじなのか、大人になってからの国際比較ではどうなのか、知りたいな。↓

 「1歳児、すでに「教えたがり」 九大実験で判明・・・」
http://www.asahi.com/articles/ASG9C43TBG9CTIPE019.html?iref=comtop_list_edu_n01
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太田述正コラム#7184(2014.9.16)
<新しい人類史?(その9)>

→非公開