太田述正コラム#7175(2014.9.12)
<皆さんとディスカッション(続x2383)>

<太田>(ツイッターより)

 「…日本の若者は小さいころから人間性のある教育や、無数の文化的な薫陶も受けてきた。大事なのは集団に服従することではなく、心の声に従い愉快に生きることなのだ。
 冬でも子どもに短いズボンやスカートを履かせることを除けば、日本人は子どもの天性を十分に尊重し、自由な成長を奨励している。
 これにより、子どもの幸福感が大きく増すだけでなく、次世代の想像力、創造力が十分に確保される…」
http://www.xinhua.jp/socioeconomy/photonews/394620/
 「きっと思い出すだろう・・と帰国間近の中国人留学生が日本生活を回想…」
http://www.xinhua.jp/socioeconomy/economic_exchange/394839/
 人間主義の輪を広げてね。

 「…いわゆる“吉田調書”をめぐる一連の報道について…「命令違反で撤退」の表現を取り消し、慰安婦報道検証の第三者委員会立ち上げ-朝日新聞社…」
http://blogos.com/article/94295/
 朝日崩壊の始まりかそれとも再生の一歩か。
 誰か、日本の高級紙を新たに創刊しないもんかねえ。

<D8DOOI.E>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

 <朝日新聞>吉田調書の報道で誤り認める…社長、引責辞任へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140911-00000068-mai-soci

 吉田調書より慰安婦の問題のほうがはるかに大きいにもかかわらず、吉田調書で辞任する形を取るあたりが、いかにも姑息なやり方であるわな。

<65FM.ijk>(同上)

 太田さんは朝日に期待しすぎ。

 朝日新聞会見詳報(6)慰安婦報道、それでも「広い意味での強制性あった」再度主張
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140911-00000585-san-soci

 この新聞には「日本は悪い」という認識しかないのでまともになりようがない。

⇒産経新聞は「中国は悪い」「韓国は悪い」「自民党はいい」という認識なので、もっとまともになりようがない。
 (両紙とも、「アメリカはいい」という点じゃ同じだけどな。)
 いずれにせよ、記者や記事の質が相対的に高い、つまりはより高級紙である朝日に期待せざるを得ない。
 しかし、その朝日の記者や記事の質が低下してきている。
 よって、新しい高級紙創刊に期待・・ということなんだけどね。(太田)

<lUTtEKh.>(同上)

 慰安婦問題に関しては、朝日新聞はNYTと提携している事もあり、欧米の主要な論調に依拠している。
 視野狭窄に陥っているのは、自民党と彼らの支持者ではないか。
 そもそも欧米人の思考の特色は物事をカテゴライズする事にあり、戦前の日本は欧米人の人種偏見を加えてナチスと同等の悪徳国家であり、これを変更させる努力には意味がない。
 日本人は欧米人の人種偏見を予め認識する必要がありチェスをする様に外交をすべきではないかすなわち、現在の世界政治のヘゲモニーを握る欧米に表面上追随し、核武装を含めた独自路線の確立である。
 この点は 太田コラムの読者には説明はいらないが。

⇒一、「物事をカテゴライズする事」や「人種偏見」を含むところのキリスト教的偏見であること、二、「欧米に表面上追随し」てるんじゃなく、心底追随している日本人が大部分であること、そして、三、日中印の人間主義連合が、結果としてだけど、「欧米に表面上追随し」つつも、事実上、形成されつつあること、に注意して欲しいね。(太田)

<PmojuUS.>(同上)

 慰安婦問題は朝日新聞が言い出したことであり、NYTとの提携なんて関係ないぜ。

<lUTtEKh.>(同上)

 慰安婦問題は氷山の一角だから、朝日新聞は事実上アメリカのマスコミ論調が基盤だから、もういい加減慰安婦問題に触るのはやめないか?
 小林よしのり、元外務省の東郷も同意見だろ。
 気持ちはわかるが、外交は虚々実々の駆け引きであって、真実などは関係ない。

⇒四、「外交は虚々実々の駆け引きであって」なーんて、日本が「独立」してから言ってくれー。(太田)

 欧米人は日本人の悪徳にしか興味がない。
 だから、日本は粛々とそれを提供すればよい。

⇒退嬰的、自虐的な奴ちゃ。(太田)

<lrkPjGM.>(同上)

 そもそも慰安婦問題は論点が海外(米国・国連・韓国)とズレてるんだから理解も糞もなかろうよ。(コラム#7113、17)

<太田>

 lUTtEKh.クン、米国においてさえ、こういう状況なんだぞ。↓

 Sam Harris is a neuroscientist・・・
 <有神宗教よさようなら、瞑想よこんにちは。↓>
 In two previous books, “The End of Faith” and “Letter to a Christian Nation,” Harris argued that theistic religion has no place in a world of science. In his latest book, “Waking Up,” his thought takes a new direction. While still rejecting theism, Harris nonetheless makes a case for the value of “spirituality,” which he bases on his experiences in meditation. ・・・
 <アブラハム系宗教は我(魂)の実在と区分性を信じているが、仏教とヒンドゥー教では我の幻性を前提としているところ、後者が正しいことは瞑想をすれば誰でも直観できる。↓>
 Along with Jews and Muslims, Christians are committed to the belief that the self (soul) really exists as a separate entity and that the path forward is to worship a really existing God. Granted, Buddhism and Hinduism have very crowded pantheons, and a fair number of spooky and unsupportable doctrines, but the core insight into the illusoriness of the self can be found there in a way that it can’t in the Abrahamic tradition. And cutting through this illusion does not require faith in anything.・・・
 <仏教は上記のことを素直に述べているがヒンドゥー教では分かりにくい。↓>
  Buddhists tend to emphasize what the mind isn’t — using words like selfless, unborn, unconditioned, empty, and so forth. Hindus tend to describe the experience of self-transcendence in positive terms — using terms such as bliss, wisdom, being, and even “capital-S” Self. However, in a tradition like Advaita Vedanta, they are definitely talking about cutting through the illusion of the self.・・・
http://opinionator.blogs.nytimes.com/2014/09/07/sam-harriss-vanishing-self/?ref=opinion

 ここで、不二一元論を含め、ヒンドゥー教についておさらいをした上で、上記インタビューに登場したハリス批判を行っておこう。

 「不二一元論(ふにいちげんろん、advaitavāda, アドヴァイタヴァーダ)とは、ヒンドゥー教ヴェーダーンタ学派において、8世紀のシャンカラによって唱えられた学説。これはヴェーダンタ学派における最有力の学説となり、この学説に則る哲学や学派をアドヴァイタ・ヴェーダーンタ(advaita vedanta)と呼ぶ。
 不二一元論は、ウパニシャッドの梵我一如思想を徹底したものであり、[人格や属性を持たない・・・ブラフマン・・・」のみが実在するという[・・・無神論的一元論・・・]である。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E4%BA%8C%E4%B8%80%E5%85%83%E8%AB%96
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%A5%E3%83%BC%E6%95%99 ([]内)
 このシャンカラ(Adi Shankara。700?〜750?年)「の教えは、原因を必要とせず存立するところのブラフマン(梵)と、アートマン(我)は同一であるという主張に基づいている。・・・歴史的にみれば、彼は仏教哲学をヴェーダーンタ哲学に吸収する役割を担った」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%A9
 なお、「ヴェーダーンタ学派<は>・・・ヴェーダとウパニシャッドの研究を行う。古代よりインド哲学の主流であった。「ヴェーダンタ」の語源は veda と anta (終わり)を掛け合わせたもので、ヴェーダの最終的な教説を意味し、ウパニシャッドの別名でもある。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%BF%E5%AD%A6%E6%B4%BE
 「ウパニシャッド<とは、>・・・約200以上ある書物の総称である。各ウパニシャッドは仏教以前から存在したものから、16世紀に作られたものまであり、成立時期もまちまちである。もっとも、ウパニシャッドの最も独創的要素は、」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%91%E3%83%8B%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%89

⇒アドヴァイタ・ヴェーダーンタは、ヒンドゥー教を仏教的に再編したもの。(太田)

 ちなみに、「ヒンドゥー教<は>・・・輪廻や解脱といった独特な概念を有し、四住期に代表される生活様式、・・・カースト制等を特徴とする宗教である。・・・
 四住期(アーシュラマ)とは・・・最終目標の解脱に向かって人生を4つの住期に分け、それぞれの段階ごとに異なる目標と義務を設定したもの。なお四住期は、・・・バラモン、クシャトリア、ヴァイシャにのみ適用され、シュードラ及び女性には適用されない。・・・
 ヒンドゥー教の複雑さ・分かりにくさの一例として、たくさんの神々を崇める多神教としての姿、シヴァまたはヴィシュヌを至高の神とする一神教的な姿、教理を哲学的に極めた不二一元論のような無神教としての姿のすべてを内在している点が挙げられる。・・・
 ヒンドゥー教の修行としてヨーガが挙げられる。ヨーガは『心身の鍛錬によって肉体を制御し、精神を統一して人生究極の目的である「解脱」に至ろうとする伝統的宗教的行方のひとつである。』」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%A5%E3%83%BC%E6%95%99 前掲

⇒ヒンドゥー教が、有神論や輪廻/カーストといった謬見を捨て去り、ヨーガの「心身の鍛錬」を「結跏趺坐」へと純化させることによって、釈迦の思想化できれば、現在その大部分がヒンドゥー教徒であるインド人をまとめて人間主義化することが可能なのだが・・。(太田)

 で、ハリスの言ってることは、仏教については正しいが、ヒンドゥー教については無理がある。
 しかし、一種の方便としてハリス的言辞を弄することで、日印の戦略的提携を図ったり、インド人の人間主義化を促したりするのは有効かもね。

<qR51nSXg>(同上)

 <zFTbO4.cクン(コラム#7173)、>核武装の人が逮捕されたっていう情報源のリンクが切れてんだけどソースとしてありなのかこれ?

<globalyst>

≫地球温暖化の進行を少しでも遅らせるためには≪(コラム#7173。太田)

 温暖化の進行は、止まったかどうかは明らかではありませんが、少なくとも当初の予想よりも遅くなっている(高止まりしている)と言えそうです。
 特に、日経ビジネスのグラフを見ると良く分かると思います。

 「熱をため込む温室効果ガスの大気中の濃度は確実に上がり続けているにもかかわらず、地球の表面温度が上昇するスピードは1990年代に比べると鈍くなっている。」
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20140822005

 「下のグラフのように、気候モデルによるシミュレーションでは1960年から2030年まで一貫して気温は上昇すると予測しています。しかし、2000年ごろまでは実際に観測される気温の長期変化をよく再現していましたが、最近10年ほどは温暖化傾向を過大に再現してしまっています。それ以前の10年間に比べて88%も誤差が大きくなっているのです。」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140115/258188/?rt=nocnt

 上記2つの説は別々の研究者によるもので、大西洋(ナショジオ:ワシントン大学の董家杰(Tung Ka-kit)、中国海洋大学の陳顕尭(Chen Xianyao))や太平洋(日経ビジネス:東京大学大気海洋研究所・渡部雅浩准教授)の深海に吸熱されているとしている。

 これは
 「ここ数年、一部の研究者の予想を覆す温度上昇のスローダウンは、主に海が熱を吸収する“地球温暖化の休止”、“停滞(ハイエイタス)”のおかげだと考えられている。」
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20140910002
そうです。

<太田>

 温暖化のスピードが問題なのではなく、温暖化傾向が続いていることが問題なんですよ。


 それでは、その他の記事の紹介です。

 こういうコラムこそヘイトスピーチという。↓

 「エグゼクティブ狙う中国人スパイのハニートラップ繰り返される中国崩壊の歴史、これから起こる若者と農民の殺し合い〜河添恵子氏
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41711
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%B3%E6%B7%BB%E6%81%B5%E5%AD%90

 このコラムが言ってるところの、中共では昨年も反日の映画とTVが市場(ってなあに?)の7割を占めてるって話は大げさだとしても、これだけ習近平政権が反日ドラマに力を入れ続けてるってことは、そして、その一方で人民を積極的に日本に(人間主義に目覚めさせるべく)旅行に行かせ、かつ、人民網等で日本の人間主義ヨイショに大わらわであるっちゅうことは、一、とにかく人民を日本に目を向けさせる、二、反日そのものが(その根っこにある中共的戦前史観を含め、)フィクションであることをその人民に気付かせる、のが目的である、と考えないと(同政権が統合失調症であるはずがないんだから)辻褄が合わんわな。↓

 ・・・About 100 anti-Japan films and nearly 70 TV programs were produced in 2013, according to Reuters, which estimates that the genre holds as much as 70 percent of the market. ・・・
http://www.nytimes.com/2014/09/12/opinion/chinas-tv-war-on-japan.html?ref=opinion

 ハリウッド映画の人種主義性を糾弾するコラムだ。↓

 <聖書を題材にとった映画で主人公やその取り巻きは白人、悪人や奴隷は非白人と相場が決まっているとさ。↓>
 ・・・Exodus” features Christian Bale as Moses, Aaron Paul as Joshua, Joel Edgerton as Pharaoh Rhamses II, John Turturro as Pharaoh Seti I and Sigourney Weaver as the Egyptian queen Tuya -- all white actors cast in nonwhite roles. Worse still, while the film features many actors of color, they’ve been largely relegated to roles as slaves, thieves and servants.・・・
 Is this a product of their own overt or covert racism? Or is this based on the marketing belief that Caucasians will not turn out to see a movie with such demographics?・・・
 Depictions of white only Biblical figures (including prophets, angels, Jesus, etc.) were intentionally used to subconsciously indoctrinate the false belief of white divinity (and therefore superiority) upon the minds of the oppressed and conquered.・・・
 <これは、ハリウッド映画が、神は白人を嘉されている、という世界観を刷り込んでるって言われても仕方がない、と。
 (キリスト教/聖書は選民思想で貫かれていて、人種主義とは親和性があるのであり、ハリウッド映画がキリスト教徒達を主たる観客として想定している以上、そんなこと言うだけ野暮ってもんだぜ。(太田))↓>
 ・・・when religious narratives are entrusted to the creative powers in Hollywood, those powers have an obligation to produce inclusive images. Because when those images fail to represent the racial and ethnic diversity of the audience, “the message that is then conveyed is that people of color exist outside of God’s spiritual imagination, that God is not available to them, that they are not seen as loved or cherished by God.・・・
http://op-talk.blogs.nytimes.com/2014/09/11/are-biblical-epics-epically-racist/?_php=true&_type=blogs&hp&action=click&pgtype=Homepage&module=c-column-top-span-region®ion=c-column-top-span-region&WT.nav=c-column-top-span-region&_r=0

 アメちゃん・・筆者はポーランド系米国人たる女性
http://hannakozlowska.org/
・・には、どうしてスコットランドが独立を叫んでるのか分からないようだね。ま、当然と言えば当然だが・・。↓

 <ブレイブハート(Braveheart。コラム#624、4569、4570、4572)的史観がフィクションであることはみんな知っているとさ。↓>
 ・・・But what exactly is the national Scottish identity? Is it a fierce sense of independence, fueled by the memory of medieval battles against an imperial oppressor? Is it kilts, bagpipes and Braveheart,・・・
 ・・・the Braveheart image of Scotland is a “fictitious” one・・・
 <イギリス流特権/不平等への反発が真の理由だと。↓>
 So what then is today’s Scottish identity?
 ・・・Scottish values include “scorn of privilege” and “pursuit of fairness.”・・・
 <その感情に火をつけたのはサッチャリズムだとさ。
 (もっと根深い、文明の衝突に決まってんだろ!(太田))↓>
 The reason Scottish identity so closely allied with left-of-centre politics, a sense of social justice and inclusion is because of the mauling Scotland perceived itself to get during the Thatcherite years,・・・
http://op-talk.blogs.nytimes.com/2014/09/11/what-does-it-mean-to-be-scottish/?_php=true&_type=blogs&ref=opinion&_r=0

 初の水陸両生の、しかも最大の、肉食恐竜かね。かっちょいーね。↓

 Spinosaurus fossil: 'Giant swimming dinosaur' unearthed・・・
http://www.bbc.com/news/science-environment-29143096
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太田述正コラム#7176(2014.9.12)
<新しい人類史?(その5)>

→非公開