太田述正コラム#7167(2014.9.8)
<皆さんとディスカッション(続x2379)>

<太田>(ツイッターより)

 日本の要養護児童中、養父母に預けられている者の割合が10%と先進国中最低であることが、国連によって問題視されていることを報じる記事
http://www.bbc.com/news/world-asia-28636008 で、日本には養子に対する禁忌があるみたいなことを書いているが、これもまた誤解だ。
 確かに日本の養子縁組数の対人口比は日本は世界の中でかけ離れて低いが、それは、日本で要養護児童が極めて少ないために児童養護施設だけで対処できるからに過ぎない。
http://globe.asahi.com/feature/111106/02_1.html
 要養護児童数の少なさは、「…1993〜97年5年平均を取<ると、>…15歳未満児<の>…虐待死<数は>…週平均では、ドイツ、イギリスで2人、フランスで3人、日本では4人、アメリカでは27人…」
http://www008.upp.so-net.ne.jp/shshinya/ShukanShahoChildPoverty11.pdf
から明らかだろう。
 児童虐待死の対人口比で日本は独英並で、米はもとより仏よりも少ない。
 ちゅうことは、日本以外は、養父母に預ける(養子縁組を含む)ことによって虐待を防止せざるをえないってことさ。

 「安倍晋三首相を含む19人の閣僚のうち15人が、改憲・右翼団体「日本会議国会議員懇談会」(日本会議議連)に加盟している第2次安倍改造内閣…」
http://blogos.com/article/93995/
 紹介されている同会議の主張と私の主張が一見真逆なのは男女共同参画の所だけだが、実は・・。

<Ru4J2Gfn>

 2ページ目が特に面白いですw
http://togetter.com/li/715998?page=1
http://togetter.com/li/715998?page=2

<太田>

 日本通で日本シンパのガイジンでさえ、いかに日本文明が分かってないかってことですねえ。
 文化の相対性も文明には優劣があるってことも分かってるつもりなくせに、アングロサクソン文明が最優だって観念から逃れられないんだよね。
 それより優位の文明が世界にあったとしたら、という思考実験が連中にはできないんだよ。
 カワイソーとしか言いようがないが、碌な発信をしてこなかった日本の知識人、とりわけ戦後の日本の知識人の罪は大きい。
 それにしても、そんな連中が世界中の人々のタテマエ上の性意識等を規定してるんだからいやんなるね。

 関連だ。
 だからどうした?
 慰安婦も慰安所も、立派な職業であり職場なんだよ。
 但し、「右」も「左」も本件について間違ってる、という点についてはその通りだ。↓

 「・・・『初級作戦給養百題』。昭和16年に陸軍主計団記事発行部が発行した、いわば経理将校のための教科書<の>・・・表紙はハードカバーで、「日本将校ノ外閲覧ヲ禁ス」という文字。その9ページ目、第一章総説に、師団規模の部隊が作戦する際に経理将校が担当する15項目の「作戦給養業務」が解説されているのだが、その最後の項目「其他」の解説に以下の任務が列挙されてい<る>。
1 酒保ノ開設
2 慰安所ノ設置、慰問団ノ招致、演藝會ノ開催
3 恤兵品ノ補給及分配
4 商人ノ監視
 ようするに、陸軍の経理将校向け教科書に任務として「慰安所ノ設置」が掲載されていたのである。軍が関与したのは衛生面の管理だけという保守派の主張が、明らかな嘘だということがよくわかるだろう。・・・
 保守系メディアはこうした事実を知っていながらそれをネグり、あらかじめ強制連行の定義を「軍が銃剣を慰安婦に直接突きつけて連行した」という非常に狭いものに限定し、それを否定することで、巧妙に情報を誘導してきたのである。朝日が歴史を捏造したというなら、産経をはじめとする保守メディアもまったく同罪なのだ。
 しかも、中曽根首相、・・・鹿内信隆フジサンケイグループ元議長の<かつての>発言<から>・・・はっきりしたことがある。それは、彼らが従軍慰安婦に対していささかも自責の念を抱いていない事だ。それどころか、まるで笑い話のように、「慰安所をつくってやった」「女の耐久度とか消耗度、それにどこの女がいいとか悪いとかまで決めなきゃならない」と語っている。
 狂気のるつぼだった戦中ならともかく、戦後20年以上たってもこんな発言を嬉々としてでき<た>というのは、そのベースに「女性はセックスのための使い捨ての道具」という差別意識が横たわっているという事に他ならない。そして、このメンタリティは、従軍慰安婦像に紙袋をかぶせるような性差別ギャグを嬉々としてほめたたえる今の右派メディアや嫌韓本、百田尚樹などの右派言論人にもしっかりと引き継がれている。・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/9228553/


 それでは、その他の記事の紹介です。

 例によって、中共人民の日本ヨイショぶりをどーぞ。↓

 「・・・日中男子テニスの差は、日中海軍の力の差のようだ・・・テニスの王子様にキャプテン翼…日本のアニメの影響力はすごいな・・・」
http://www.xinhua.jp/socioeconomy/photonews/394615/
 「・・・私が最も震撼したのは店頭に無造作に商品が並べられ、それを誰も監視していないことだった。・・・」
http://www.recordchina.co.jp/a93619.html
 「・・・この日本という「敵国」で、私は知らぬ間に、礼儀正しく、謙虚で、きれい好きで、ルールを守る人間になっていった。」
http://www.recordchina.co.jp/a93066.html

 「・・・梶山氏は小説『李朝残影』や『族譜』などを通じ、日本に支配されていた時代の朝鮮人虐殺やその苦痛などを描いた。この2編の小説は韓国語にも翻訳され、それぞれ申相玉(シン・サンオク)監督と林権沢(イム・クォンテク)監督により映画化されている。梶山氏は1965年4月8日付の東亜日報を通じ「わたしは(日本の)過ちを贖罪●【(しょくざい)】するという思いも込めて『李朝残影』や『族譜』などの小説を書いた。わたしは小説家として日本が韓国に犯した事実を作品化し、これを伝える義務があると思っている」と自らの考えを明かした。・・・
 放送作家の故・韓雲史(ハン・ウンサ)氏(1923−2009)が韓国を訪問した梶山氏に会った時の逸話だ。韓氏は梶山氏に「日本はこの地でひどいことをした。日本人を代表して謝罪してくれないか」と語り掛けた。すると梶山氏はひざまずき、額が地に付くほど頭をかがめ「あの時は本当に間違ったことをしました。日本人を代表して謝罪します」と言った。・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/09/08/2014090800137.html

⇒朝鮮日報よお、フィクションを、そしてフィクション作家が言うことを、真に受けちゃダメでしょが。
 (「『わが鎮魂歌』は<梶山の>自伝的長編小説で、高等師範時代から『新思潮』の時期が舞台。ただし死後に夫人により、多くの"換骨奪胎"があったことが明かされている。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A2%B6%E5%B1%B1%E5%AD%A3%E4%B9%8B )
 なお、上掲朝鮮日報記事の最後のあたりは、産経記事に対するひでー中傷だな。(ボノボはよくってチンパンジーはダメなんかい?)(太田)

 朝鮮日報は、日本に関して、こういうまともな記事だけを載せなさい!↓

 「・・・「日本は落ち目」「韓国は日本をとっくに追い抜いた」というような認識は危険極まりない、と本書は語る。「韓国人は、日本人が韓国を理解しているほどには日本のことを知らない」と指摘する。日本の「ハードパワー」はもたついてしまったが、その間にソフトパワーは周到綿密に勢力を拡大した。・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/09/08/2014090800080.html

 米国の著名な戯作者が、米国はもうオワであると語る。
 よー分かっててよろしい。↓

 ・・・The situation,・・・the influential playwright・・・Sam Shepard・・・believes, is irredeemable. "We're on our way out," he says of America. "Anybody that doesn't realise that is looking like it's Christmas or something. We're on our way out, as a culture. America doesn't make anything anymore! The Chinese make it! Detroit's a great example. All of those cities that used to be something. If you go to a truck stop in Sallisaw, Oklahoma, you'll probably see the face of America. How desperate we are. Really desperate. Just raw."・・・
http://www.theguardian.com/stage/2014/sep/07/sam-shepard-true-west-philip-seymour-hoffman-robin-williams-observer-interview

 対露経済制裁なんて、まるっきし効いてないとさ。
 (戦前の日本と違って現在の露は天然資源も食糧もあるからなあ。(太田))↓

 ・・・For all the attention to wider sanctions, which the United States and the European Union threatened to impose after a NATO meeting last week, the scope of Russian investment and influence across Europe is expansive and much of it not affected・・・
http://www.nytimes.com/2014/09/08/world/europe/despite-sanctions-cash-keeps-flowing-at-playground-for-russias-rich.html?action=click&contentCollection=Europe®ion=Footer&module=MoreInSection&pgtype=article
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太田述正コラム#7168(2014.9.8)
<インド文明の起源(その4)>

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