太田述正コラム#6901(2014.4.27)
<2014.4.46東京オフ会次第(続)>

 (前回から続く。)

K:先の大戦は、マクロ的に見れば、東西衝突だったと思う。
O:確かにそうであって、先の大戦では日本が単独で戦ったけれど、現在では、(熱戦の形ではないものの、)支那が日本と共に戦い始めている、という見方もできるだろう。
 それにしても、人民網の日本ヨイショ記事のオンパレードを、どうして私以外の日本人が注目しないのか、理解できない。
K:中共が、戦後一貫して、ソ連/ロシア、北朝鮮と並ぶ、日本の潜在敵国とされ、中共向けの作戦計画も策定されてきたとのことだが、中共に日本と事を構える考えがないというのに、今後とも中共の潜在敵国扱いを続けるべきなのか。
O:自衛隊を整備・維持するための(それがたとえフィクションであろうと)前提が必要であり、そういう意味で、(ソ連等と共に)中共が一貫して潜在敵国とされてきたこと自体はおかしくはなかった。
 (中共には、これまで日本と事を構える能力がなかったわけだが、それに加えて、意思すらないことがはっきりした現在においても、更には、)将来も、中共が、自由民主主義国にならない限り、これを変更することにはならないだろう。
K:「自由民主主義国にならない限り」とおっしゃるが、米国は、同じ自由民主主義国であるカナダを、戦前まで、潜在敵国視し、作戦計画を持ち、それに基づく演習まで行っていたではないか。
O:((これに対して答えていなかったと思うので、ここで私の考えを記しておく。)
 米国も参加したシベリア出兵のことはさておき、米国は、ソ連に対して、基本的に警戒感を抱かず、また、1933年にドイツにナチス政権が樹立されても当初はさしたる警戒感を抱かなかったことから、当時は、まだ、日米英仏等の自由民主主義国が結束して対抗すべき共通の敵が存在しなかった、ということだ。)
K:イスラム教徒を除いて、大量移民の導入を、というのが太田さんの考えだが、韓国人や支那人の移民受け入れには抵抗感がある。
O:イスラム教徒は入れないという趣旨は、(いい加減なイスラム教徒もいるわけだが、)特定のイデオロギーに凝り固まった人々は、人間主義化が容易ではないのでご遠慮願うということであり、韓国人や支那人の場合、そういう人は少ないので、受け入れて構わないのではないか。
 それにしても、日本には米軍基地もあるというのに、イスラム過激派によるテロが1件も起きていないのは不思議だ。
L:日本のようなぬるい社会では、テロを決行する気持ちが萎えてしまうのでは?
E:かつて村上春樹の作品は随分読んでいたのだが、太田さんの村上論に接し、その通りだなと思った。
 太田さんは、彼は、平均的日本人をターゲットに小説を書いており、だからこそ、ベストセラーを連発しているところ、先の大戦で日本はオウム真理教のような状態だった、という趣旨のことをずっと彼が書いてきたが、最近の日本人は、先の大戦が遠い昔のことになるにつれて、そのような先の大戦認識が薄れてきており、だから、最近では、村上はその趣旨のことを書かなくなった、と指摘したのだ。
O:そのことを殆んど覚えていない。
L:欧米の本は、しばしば、エジプト、ユダヤ、ギリシャ/ローマの話から始まるが・・。
O:それが、彼らの限界であり、英米人はもとより、潜在的には欧州人も、アングロサクソン文明の至上性を当然視しているところ、欧米・中近東以外における、(仏教や)日本における人間主義を直視することも、実は日本文明にも(その至上性を認める認めない以前に)普遍性があること、等に、彼らが気付くことはありえないわけだ。
K:第一次世界大戦はどう見るべきなのか。
O:当時、ロシアが自由民主主義を志向しているように見えていた・・仮に帝政ロシアが亡くならなかったとしても、ソ連崩壊後のロシア同様、期待は裏切られただろうが・・だけに、英国としては、伝統的な、反露戦略(グレート・ゲーム)を続けるべきかどうか、悩ましいところであったことは認めるが、少なくとも、ロシア側に与してドイツと戦うなどという愚行は避けるべきだったのに、そうしなかった。
 その結果、ドイツ人の恨みを買って第二次世界大戦の生起は必然化し、(日本を(今度は敵国として)引っ張り込むということまでやらかした結果、)大英帝国の過早な崩壊を招いてしまった。
K:日本が第一次世界大戦に参戦し、地中海に軍艦まで派遣したことはどうだったのか。
O:英国の強い要請を受けて同大戦に日本は参戦したわけだが、英国にとって、参戦は愚行だったのだから、日本にとっても愚行であった、ということにならざるをえまい。
K:太田さんは対イラク戦に賛成したが、最近の米国の学者は殆んどあれは愚行だったと言っている。
O:私は、今でも、対イラク戦はやらざるをえなかったと考えている。
 一番の問題は、米国が、フセイン政権打倒後のことを碌に考えていなかったことだ。
K:それにしても、日本が集団的自衛権を行使できるようになれば、対イラク戦のようなものにも参戦させられるのだろうか。
O:集団的自衛権を行使できるということと、個別具体的なケースにおいて、集団的自衛権を発動して自衛隊を派遣するかどうかとは、全く違う話だ。
B:日本ほどいい国はない。
L:全くその通りだ。
O:コラムでも書いたが、「良い国」とか「暮らしやすい国」指標で、日本の順位が低く出過ぎるのは問題だ。
 そもそも、人口1千万人にも達しないような、都市国家ないしそれに毛が生えた程度の「国」を序列の中に入れるのはおかしいのだが、それはともかく、女性差別や自殺率の高さは、他国とは全く異なった文脈の中でのことなのに、こういった数値も指標の計算の際に用いられてしまっている。
 日本では、女性差別はむしろ男性差別であるわけだし、自殺率の高さは自殺に対する禁忌がないからだし、そもそも、平均寿命の数値が計算に用いられている以上、ダブルカウントだ。
 ただし、穿った言い方をすれば、日本の順位が低く・・といっても10位以内には概ね収まっている・・表示されることで、他国、とりわけ欧米諸国が日本の、ひいては日本文明の至上性に気付かず、従って、日本文明を継受しようなどとは考えないおかげで、日本は、欧米諸国に対する優位を長きにわたって維持できるのかもしれない。
 なお、欧米諸国と違って、既に日本文明の至上性を認め、その継受に努力している中共当局であるわけだが、彼らだって、一朝一夕に継受できると思っているわけではあるまい。
 これも、穿った言い方をすれば、200年、300年はかかると思っているかもしれず、その間、中国共産党が権力を独占する状態を続けられる、いや、続けるためにこそ日本文明の継受に努力している可能性すら否定できない。
B:安倍・オバマ寿司屋「会談」に同席した谷内正太郎国家安全保障局長と佐々江健一郎駐米大使を以前、佐藤優がけちょんけちょんに批判していた。
 もっとも、その佐藤優を太田さんはけちょんけちょんだが。
O:あなたも時々自分の読んだ本を私に提供してくれるが、当時、IT支援をしてくれていた読者が、佐藤の本を提供してくれたので読み、彼の書いていることは全く評価しなかったが、ノンキャリの彼が、ロシアで人脈を形成し、「活躍」できたことが面白いと思って、私の考えを書いたという経緯だ。
 神学を学んだ彼は、ロシアで珍重され、人脈が形成されたけれど、神学なんぞに何の興味もない英国じゃあ、勤務当時に全く人脈が形成されなかったのではないか、といったことを書いたと思う。
 関連だが、だから、キャメロンの英国はキリスト教国家発言は異常なのであり、英国がいかに(英国らしくなくなって)落ちぶれたか、ということにあいなるわけだ。
M:どうせだったら、小保方さん、クリミアの検事総長くらい美人だったらもっと面白かったのに。
O:理研の調査委員長が、小保方さんの「捏造」二つのうちの一つと類似した「捏造」を過去にやっていて、委員長を辞任したこと等からすると、小保方さん一人を、しかも自分達も部分的であれやっているような「微罪」だけで悪者にしたのは、件のNature論文に載せたレシピがそもそも「間違って」おり、後で理研がより詳細だけど、細部において少し違ったレシピを公表した時点で、・・第三者が誰も再現実験に(途中まですら)成功しないこともあり、・・理研当局は、STAP細胞は、・・その存在の有無はともかく、・・理研ではつくれていない可能性が高いと判断し、ことをうやむやにするのが目的だったんじゃないか、と私は勘繰りつつある。