太田述正コラム#7042(2014.7.7)
<皆さんとディスカッション(続x2317)>

<太田>(ツイッターより)

 「… 大韓民国は今、重大な岐路に立たされている。今回の習主席の来韓と日本による北朝鮮への接近により、韓半島を取り巻く周辺国の覇権争いは遠い未来のことではなく、われわれの目の前で展開される現実のものとなりつつある。120年前にわれわれの先祖たちは国際情勢への無知と度重なる判断ミスにより、国を失うというつらい事態を招いた。われわれは今まさにこのつらい歴史を思い起こさざるを得ない状況に直面しているのだ。…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/07/05/2014070500919.html?ent_rank_news
という一昨日の社説に続き、「… 日本は最近、集団的自衛権を積極的に支持すると表明したオーストラリア政府と防衛装備品の共同開発に関する政府間協定を結ぶことで合意した。また、日本国内で一時的に活動するオーストラリア軍の法的地位を定め、発生が予見される法的問題をあらかじめ解消する「訪問部隊地位協定(VFA)」の締結も初めて推進される見通しが強まっている。仮想敵は…中国だ。…フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイは第2次世界大戦当時に日本の侵略を経験しながら、集団的自衛権に代表される安倍首相の「新軍備路線」を支持した。… 安倍首相の反中回廊構想は、今年に入りASEAN以外の隣接国にも拡大された。…」という記事を載せていた。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/07/07/2014070700764.html
 見落とすところだったので紹介しておく。
 フレーフレー、朝鮮日報!
 僕の心はキミ達と共にあるだよ。

<太田>

 関連記事だ。

 「日韓観光:「怒られっぱなしでは…」訪韓日本人客が急減・・・」
http://mainichi.jp/select/news/20140707k0000m020016000c.html

<KKjt3UMY>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

 <BjRiG8jYクン(コラム#7040)の>気持ちがめっちゃ解る。
 <昨日>のディスカッションで太田さんがあれだけ懇切丁寧に説明してくれてるのに話が頭の中で整理しきれないよ俺。
 でも質問OKって言ってくれてるし、お互い出来るだけ自力で勉強して、それでも解らないところは質問させて貰おうよ。

<5ozghg2Y>(同上)

≫上述したことを踏まえれば、「武力行使との一体化」論は、まさに、「安全保障の常識に」合致しているからだ。≪(コラム#7040。太田)

 細<谷>先生の典拠は↓ですって。

「いくつか、補足をさせて頂きます。まず「後方支援」についてですが、「後方支援」は「集団的自衛権」における「武力行使」とは分けて考えるべきだとみなしています。
これは、国際法上の一般的理解でもあり、実際には両者が明確には区分できない場合があることを前提としながらも、ケンブリッジ大学教授でこの分野の権威であるクリスティーヌ・グレイは、
「in theory there is a distinction between collective self-defence and assistance in reply to an invitation by a government to respond to external intervention against that government」と記しています。(Christine Gray, International Law and the Use of Force, 3rd edition, p.168)。」
http://blog.livedoor.jp/hosoyayuichi/archives/1865635.html

⇒原典にあたらずにこの引用文だけで云々するのは危険ではあるが、引用文を一瞥しただけでも、assistance(援助)に、logistic(s) support(兵站支援=後方支援)が含まれてないことは明白だな。
 細谷センセ自身、ホントに原典ちゃんと読んでるのか疑っちゃうけど、彼に関しては、安全保障についてまともに勉強したのかどうかを問う以前に、厳しい言い方すれば、そもそも、基礎的な英語力あんのか疑問符をつけざるをえないね。
 だけど、彼が書いてる内閣法制局論のくだりは岡目八目だが(だからこそ?)オモロかったよ。
 ああ、ついでに、「石破茂自民党幹事長は、『日本人のための「集団的自衛権」入門』(新潮新書)のなかで、集団的自衛権をめぐる政府解釈は、6段階 を経て変更されてきたと正しく指摘しています。」って話も書いてあったけど、この本のこの箇所だけでいいから、誰か、コピーしてメール添付ででもボクに送ってくれないかなあ。(太田)

<fKuB9/A.>(同上)

 太田さんの赤ペン先生ツッコミを見て、結局、今回の閣議決定の持つ意味を具体的に理解している人は、それなりの専門家とおぼしき人の中にも少ないってことがわかったw。
 (自分も含めた)一般市民にわかるわけないぜよ。
 わからないなりにコツコツ勉強していくつもりだけど、、、。

<太田>

 集団的自衛権とは何で、どうして行使できるようにすべきなのかは、既に拙著『防衛庁再生宣言』(2001年)で書き尽くしてると思うよ。
 完全に行使できるようにするための第一歩を踏み出した今回の閣議決定・・もともと自民党案がウソ、歪曲だらけだったところに公明党との妥協が加わった結果の文章なんだから、「玄人」だろうが「藤四郎」だろうが、分かるワケない・・をあんまし詮索してみてもしょーがないで。

<g4pN.uBY>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

≫「家庭内で旦那が搾取されているという論」ってナニ?そんな「論」って話に出てきたっけ?≪(コラム#7038。2Sjd0x8A)

 家庭内で旦那が搾取されていると言及されているのは、ここら辺でてす。

 戦後日本では結婚制度は妻による夫搾取制度であり〜 (※1)
 婚姻関係にある男女のうち〜 (※2)

 最初はそうなのかなって思うてたんけど、ふと生涯未婚率が上昇している事と家の中とは真逆の決定権の遍在を思い出して、どうもしっくり来なくなり、最初の書き込み (※3) に至ったわけです。

※1 http://blog.ohtan.net/archives/52202082.html
※2 http://blog.ohtan.net/archives/52204239.html
※3 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/news/5681/1355755329/992

<太田>

 既に説明したで。
 「自分が何を主張したいのか(相手(太田さんor私)のどういう主張に異論があるのか)を整理し」(2Sjd0x8A)てチョーダイ。


 それでは、その他の記事の紹介です。

 (何度も私が指摘していることだが)日本型政治経済体制の「下」が戦略情報を共有した「下剋上」性が、改めて説かれている。↓

「・・・誰かが非常に明確なリーダーシップを持って率いているわけではなく、なぜかコーディネーションがなされて結果を生み出していく。そうしたところが日本の国レベルにもあり、企業レベルにもある。・・・
 ユーザーイノベーション的なものの背景にもう1つあるのは、オペレーションズマネジメントと人材マネジメントの完全な相乗効果だと思います。・・・
 海外のように経営と現場が基本的に分離されていて、だから経営なんだという考え方の持ち主たちからすると、現場でまさに経営の情報が共有されていて、それが実践されているのはまさに驚きです。経営の判断と実践が至るところで、特に現場で起きている。しかも現場の人たちがそれについて誇りを持って議論に参加している。・・・
 ビジネススクールの学生にとっては就職先として全くレーダーのスクリーンの中に入っていない。ですが、日本の中ではむしろ・・・サービス業に従事している人たちがすごく意気揚々として誇りを持って仕事に取り組んでいる。・・・
 <つまり、>日本の企業の中には欧米にはない新しい経営のパラダイムがある・・・<繰り返せば、>それは全員経営。要するにマネジメントとオペレーションの間に壁をつくらない。いわば全員一体型の経営です。・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140704/268139/?n_cid=nbpnbo_mlp

 北京の一般の人5人が、中韓関係について記者から質問されて答えたことは?
 全員が一致していたこと・・南北朝鮮が今度戦った時には、中共は中立を維持するだろう。↓ 
http://blogs.wsj.com/korearealtime/2014/07/07/heard-in-the-hutong-the-chinese-view-of-south-korea/?mod=WSJBlog&mod=WSJ_korearealtimeRealTime

 停戦後、新大統領が攻撃再開を命じてからのウクライナ軍は見違えるような戦いぶりを示している。
 (長年の軍事放置に加えて、同じウクライナ人を殺すことへの躊躇いとロシア軍介入への恐怖、を克服しつつあるって説明だが、軍民に戦う意思があり、米国等の援助もあれば、習うより慣れるってことだろな。それにしても、クリミアやとりわけウクライナ東部でのロシアの作戦、誰が考えたのか知らないが、画期的な革新だったねえ。(太田))↓

 When pro-Russian rebels first fanned out across eastern Ukraine in April, seizing public buildings, ousting local officials and blockading streets and highways, the government’s security forces — a ragtag lot of poorly equipped and understaffed military and police units — were largely paralyzed by dysfunction and defection. They seemed to remain so for months.
 In the past week, however, after President Petro O. Poroshenko called off a cease-fire and ordered his troops to end the rebellion by force, an entirely different Ukrainian military appeared to arrive at the front・・・
http://www.nytimes.com/2014/07/07/world/europe/ukraine-military-finds-its-footing-against-pro-russian-rebels.html?ref=world

 イスラエルが、パレスティナ人男児を焼殺した容疑者6人(イスラエル人)を逮捕した。↓

 6 Israelis Held Over the Killing of Palestinian・・・
 <ネタニヤフ首相は、テロリストは(イスラエル人だろうがパレスティナ人だろうが)容赦しないと語る。↓>
  “We do not differentiate between terrorists, and we will respond to all of them,”・・・ Mr. Netanyahu・・・said.・・・
 <イスラエル人少年(16歳)3名を殺害した容疑者達は、ガザからやってきてガザに帰ったからこのガザを実効支配しているハマスに責任があるとさ。
 (なるほどそういうことか。ハマス当局が手を下したと言ってるわけじゃあないんだ。(太田))↓>
 “The murderers came from the territory controlled by the Palestinian Authority; they returned to territory controlled by the Palestinian Authority,” he said. “Therefore, the Palestinian Authority is obliged to do everything in its power to find them, just as we did, just as our security forces located the suspects in the murder of Muhammad Abu Khdeir within a matter of days.”・・・
http://www.nytimes.com/2014/07/07/world/middleeast/israel-palestinians-muhammad-abu-khdeir.html?ref=world

 英国における10の都市伝説が紹介されている。
 中には、読んでも意味が分からなかったものもあったが・・。トホホ。↓
http://www.theguardian.com/childrens-books-site/2014/jul/06/top-10-urban-legends-myths-james-dawson 

 人は何に後悔するのか、後悔を克服するにはどうしたらよいか、が科学的に説明されている。
 結論:後悔することを恐れず、挑戦せよ。↓
http://time.com/2951093/how-to-overcome-regret-and-seize-the-day-scientifically/
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太田述正コラム#7043(2014.7.7)
<欧州文明の成立(続)(その9)>

→非公開