太田述正コラム#7002(2014.6.17)
<皆さんとディスカッション(続x2297)>

<太田>(ツイッターより)

Isis、北方、西方に加えて東北方からもバグダードに向け進撃中。
 また、イランの軍事介入ぶりも腰が引けているニュアンス。
http://edition.cnn.com/2014/06/16/world/meast/iraq-unrest/index.html?hpt=hp_t1
 このところ、BBCの楽観論に対するにCNNの悲観論という印象だが、どうやら後者の方が正しそうだ。
 旧宗主国、衰えたり。

<太田>

 関連記事だ。

 ドローンは、そもそも艦艇からは運用できないってハナシ。↓

 <湾岸諸国にも米軍基地はあるが、受入国がIsis攻撃に基地を使うのを受け入れないだろうって。↓>
 ・・・An inability to use the gulf bases would make it difficult for the Pentagon to deploy armed drones over Iraq. Predator and Reaper drones cannot take off from ships and lack the range to be effective from U.S. bases in Afghanistan.
 The U.S. military has fighter aircraft and unarmed drones in Turkey, including a handful of Predators that have conducted surveillance flights over northern Iraq since 2011.
 <トルコにも米軍基地があるが、2003年の対イラク戦の際には同国政府はこの基地の使用を拒否したところ、今回は(自国領事館員がIsisの捕虜になっていることもあり)使用を認めるかもしれないって。↓>
 The Turkish government denied permission to use its bases for the 2003 invasion of Iraq, a lingering source of resentment in the Pentagon. More recently, relations have cooled between Washington and Ankara as Prime Minister Recep Tayyip Erdogan has cracked down on political opponents.
 But Turkey may have stronger incentive to cooperate with the U.S. military this time. Last week, ISIS insurgents overran the Turkish Consulate in the Iraqi city of Mosul and took scores of Turks hostage.・・・
http://www.washingtonpost.com/world/national-security/conducting-us-airstrikes-in-iraq-would-be-complicated-former-military-officers-say/2014/06/16/5d3e4a02-f583-11e3-a3a5-42be35962a52_story.html?hpid=z1

<hXoe/95Q>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

 「米艦で邦人救出」想定、過去に米は拒否 集団的自衛権・・・
朝鮮半島での有事(戦争)で「避難する日本人を乗せた米艦を自衛隊が守る」との想定が、注目を集めている。しかし、過去の日米交渉で米側はこの場合の日本人救出を断っていた。」
http://www.asahi.com/articles/ASG6G1FCYG6FUTIL06L.html

 (半島)有事の際の想定が間違いなんだから、交渉になるわけないと思います。

<太田>

 「朝鮮半島での有事(戦争)で・・・避難する日本人」という想定は正しい、というかありうるのであって、キミが何を言いたいのかよー分からんで。

<太田>

 <セミナーの1回目に用いた>横井小南の言に関する2枚のスライドのどちらにも「馬頭」という地名らしきものが出てくるのが気になっています。
 私自身は、ウラジオストックあたりのことだろうと思っていたのですが、少しネットであたった限りでは、そうではなさそうです。
 何かの折に、「解明」していただければ幸いです。
 (そもそも、「ばとう」と読ませるのか「めづ」と読ませるのかも判然としません。)

<US>

 「黒竜江の地を借り馬頭を開き」ですが、おそらく指している場所は、ニコラエフスク・ナ・アムーレと思います。
 ただ、馬頭とは、中国語で、埠頭、波止場の意味のようなので、訳としては、「黒竜江の地を借り波止場を開き」が正しいと思います。

 横井が国是三論を著した1860年当時、アムール川流域の開港済みの軍港となるとニコラエフスク・ナ・アムーレしか見つけられませんでした。
 当時の日本でも知名度の高い街と思われます。
 1661年には函館奉行より貿易目的のための施設団が送られたのですが、その際、海軍施設等の見学もしています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%82%A8%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%83%AC

 一方、ウラジオストックですが、1860年に測量が開始されたばかりで、ロシア海軍の不凍港の地位を得るのは、1878年です。
 よって、「馬頭」がウラジオストックとするのは誤りです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%AF

 馬頭という単語ですが、中国語では碼頭と書きます。
 実際、横井の原文を見ていませんが、同時代の文書「航米日録」(玉虫左太夫 1860)
http://wikimatome.com/wiki/%E8%88%AA%E7%B1%B3%E6%97%A5%E9%8C%B2
にもこの「馬頭」という言葉が施設名称として頻繁に登場すること、また、同時に当時の中国の地図上にも頻繁に登場するそうです。(『航米日録』における施設語彙をめぐって - 立命館大学 
https://www.google.co.jp/search?q=%E8%88%AA%E7%B1%B3%E6%97%A5%E9%8C%B2+%E9%A6%AC%E9%A0%AD&ie=utf-8&oe=utf-8&aq=t&rls=org.mozilla:en-US:official&client=firefox-a&gfe_rd=cr&ei=bM6fU8u6M8zU8gfz4YD4BQ
)

 よって、馬頭は、中国語の碼頭(波止場、埠頭)を意味するものと結論付けました。
 なお、広辞苑には以下記述があります。

 はと【波戸・波止】
(「はと」は、中国語の馬頭・?頭・埠頭などからか。一説に、ハテ(泊)の転)海中に細長く土石を突き出した構築物。波を防ぎ、また、荷物の揚卸しにも用いる。はとば。埠頭(ふとう)。防波堤。

 馬頭が、ニコラエフスク・ナ・アムーレ であるならば、横井が後述する 「黒竜江はわが北蝦夷のサハリンに隣れば」の一節にもうまくつながります。

追伸:「議すでに決して黒竜江より都府ペテルブルグに到って七千余里火輪車の鉄道を造り畢<(おわ)>るといえり。」は、ガセです。
 1860年段階では、モスクワ・サンクトペテルブルグ鉄道(全長650km)のみが開通しているだけです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%99%E3%83%AA%E3%82%A2%E9%89%84%E9%81%93
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AF%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%9A%E3%83%86%E3%83%AB%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%AF%E9%89%84%E9%81%93

<太田>

 さっそく調べていただき、ありがとうございました。

<K.K>

 USBからのバックアップ方法と、リカバリ方法を送付します。

 SSDの使用量がわからないので、正確なことは言えませんが、バックアップとリカバリそれぞれとも、小一時間かかるかもしれません。
 また、バックアップファイルにエラーがあった場合、USBからリカバリしなくてはならなくなるのですが、その方法については今回書いてありません。
 ですから、リカバリを行う時間を選んでください。夜にリカバリを行えば、万が一Windowsが起動しなくなってしまっても、連絡をいただければ翌日の朝にUSBからのリカバリ方法を送付できるのではないかなと思います。(大丈夫だとは思いますが。)

 リカバリを行って、3・4日障害が発生しないか様子を見てください。
 障害が発生しないようであれば、正式なシステムバックアップとデータバックアップを設定するという方向になると思います。

 <添付文書:省略(太田)>

<太田>

 1階のピアノ部屋に置いてあるもう一つの携帯パソコンのマカフィーが契約切れとの誤ったエラー表示が3週間前から出ており、昨日、同社サポートに問い合わせ、マカフィーの再インストール手順を書いたメールが送られてきているので、こちらからまず取りかかります。
 よって、Epsonパソコンへのお示しの対処が本日できるかどうかは不明です。


 それでは、その他の記事の紹介です。

 若山センセによって、小保方嬢の「犯罪」はほぼ証明された。
 後は、この悲喜劇、どんなエピローグを鑑賞できるか、だな。↓

 「・・・STAP細胞の有無について、若山氏は「絶対にないと証明することはできない」と明言しなかったが、「これまでにSTAP細胞があることを示す証拠はない。前提は崩れている」と述べた。胚性幹細胞(ES細胞)が混入した可能性についても回答を避けたものの、若山研に当時いた学生が小保方氏にES細胞を渡したと証言したことなどを挙げ、「ES細胞を自由に使える環境だった」と説明した。・・・」
http://mainichi.jp/select/news/20140617k0000m040108000c.html
 「・・・捏造(ねつぞう)行為があったとしたら税金の無駄遣いをしたことになる。・・・」
http://mainichi.jp/select/news/20140615k0000e040155000c.html
 「・・・小保方氏から「若山氏が責任著者となり、若山氏の指導の下で作った」と指摘された「レター」と呼ばれる論文について、「笹井氏が執筆し、自分自身も理解できないような難しい内容になり、再現実験も成功できなかった。このため、昨年8月に責任著者から外してほしいと笹井氏に伝えた」と話した。笹井氏が引き留め、自身も「少し魅力を感じて」残ることになったという。
 小保方氏の実験のずさんさをチェックできなかったことには、「僕が最初にSTAP細胞が何かということを確認し、うのみにせずに実験ノートを確認していれば防げたと思う」と後悔の言葉を繰り返した。小保方氏を「チャールズ・バカンティ米ハーバード大教授の右腕という触れ込み」で紹介されたことなどから、「ノートを見せなさいとは言えなかった」と釈明した。公開された小保方氏の実験ノートの感想を問われると、「実験ノートは研究者にとって命の次に大事なもの。細かい情報が書かれていないのは信じられない」と不信感をあらわにした。
 小保方氏がSTAP細胞を「200回作った」と発言したことについては「200回やるなら、マウスが1000匹くらい必要だが、僕の研究室で提供できる数ではなかった。小保方さんはマウスに詳しくなかったので、そういう発言をしたのだと思う」と言葉を選びながら分析した。・・・」
http://mainichi.jp/select/news/20140617k0000m040110000c.html
 「会見資料】STAP細胞:「あることを示す証拠はない」若山教授・・・」
http://mainichi.jp/graph/2014/06/16/20140616k0000e040170000c/002.html
 若山照彦(1967年〜)。「神奈川県横須賀市出身。小さいころから学校の成績は悪く、小学校の成績は5段階評価でほとんどが2だった。小学校6年間で理科に4が1つついたのみだった。 高校では数学は1位となったものの、他の科目の成績は悪いままだった。地元の公立高校から1浪して、受験科目に英語のなかった茨城大学農学部に進学。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8B%A5%E5%B1%B1%E7%85%A7%E5%BD%A6

 ヨックモックの次はセブンイレブンかあ。↓

 「セブンイレブン、15年夏ドバイに進出 日系で中東初・・・」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ160G9_W4A610C1MM8000/?dg=1

 今頃?
 米国は、ある意味、ひでー発展途上国だな。↓

 「「DORAEMON」全米で放映・・・
 焼き芋はポップコーン、箸はフォークに 習慣に合わせ映像変更・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/culture/tv/tnews/20140610-OYT8T50159.html?cx_text=11&from=ytop_os_txt2

 人民日報報道ベースで中共の人々を最も傷つけたこととされている「国」は、日本、米国、NATO。
 じゃ、「古い友人」は?
 日本人、米国人・・の順だが、日本人の数は米国人の倍以上。
 ここにも、中共当局の日本に対するねじれ戦略がうかがえるな。↓

 ・・・In 2008, when I’d just become a graduate student, I wrote a blog about which countries have hurt the feelings of Chinese people. The blog was shared widely. At the time, I’d used the People’s Daily database to search, and to see in what kind of context people were considered to have “hurt the feelings of the Chinese people.” Those most frequently raised were Japan, America and NATO. I thought this strategy was pretty good, as the paper is the party’s mouthpiece, so it’s a pretty authoritative source. When it came to which people were officially considered “old Chinese friends,” I used the same method. There were 601 people who were considered China’s old friends.・・・
 The country that produced the most ‘old friends’ for China was Japan, followed by the United States, though the U.S. didn’t have even half so many as Japan.・・・
http://blogs.wsj.com/chinarealtime/2014/06/17/from-doctors-to-kings-who-are-chinas-old-friends/?mod=WSJBlog&mod=chinablog

 中途半端な断片的知識しかない者がこの種のコラムを書いてはダメだといういい例だねえ。↓

 「中韓の外交を狂わせる「愚民政治」の伝統日本は儒教国家とは分かり合えない・・・」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40976

 ムガールのバーブルはインドに攻め込んだのはいいけれど、インドが嫌いだった(って話は前にもしたことあるとおもうけど)。
 これは、インド亜大陸の累次の征服者達に共通の感情。
 ここからカースト制度の必然性を導き出せるか、考え中。↓

 ・・・ the Mughal warlord Babur was equally negative about the country, calling Hindustan “a place of little charm” without beauty, nobility, grace or good horses, but he acknowledged a quality that made it attractive to conquerors from central Asia and later Europe. “The one nice aspect of Hindustan is that it is a large country with lots of gold and money,” said Babur.・・・
http://www.ft.com/intl/cms/s/2/d5c5e5c0-efca-11e3-9b4c-00144feabdc0.html#axzz34l8QfRRT

 座ってる時間が長いと、運動しても追いつかないくらい、癌に罹る可能性が高まるんだって。↓

 Sitting Can Increase Your Risk of Cancer By Up to 66%・・・
http://time.com/2884953/sitting-can-increase-your-risk-of-cancer-by-up-to-66/
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太田述正コラム#7003(2014.6.17)
<中東イスラム世界の成り立ち(その4)>

→非公開