太田述正コラム#6846(2014.3.31)
<皆さんとディスカッション(続x2219)>

<太田>(ツイッターより)

 「…日本維新の会に所属する中山成彬・衆議院議員は講演で「日本の女性は自らが慰安婦だったという事実について誰も口にしない。恥ずかしいからだ。韓国の女性はそうではない。人種が異なるとしか言いようがない」と述べた。…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/03/30/2014033000287.html?ent_rank_news
 初耳だが、ホントなんだろ。
 間違った恥ずかしい発言をした中山議員に代わって遺憾の意を表したい。
 だって、話は逆であり、日本人慰安婦は、自分達が(強制されたはずもない上、)恥ずかしいことをしたなんてそもそも思ってないから口にしてないんだからね。
 こんなイカレた亭主に中山恭子サン、よく我慢してるもんだわ。

 「集団的自衛権:憲法解釈変更「反対」64% 毎日世論調査…」
http://mainichi.jp/select/news/20140331k0000m010105000c.html
 習近平閣下、ここは一つ正攻法に立ち戻っていただき、最精鋭の部隊を投入し、偶発的武力紛争の生起の回避を期しつつ、乾坤一擲、尖閣への軍事大攻勢をかましてくだしゃんせ。

<TA>

≫朝鮮半島で事前協議にノーと言うことは、対米約束違反だし、そもそも、「属国」の分際でそんなことできるワケないだろ。≪(コラム#6844。太田)

 このことをおっしゃっているのですよね?↓

 「現状においては、日米安保条約の下での事前協議制度が仮に実効性を伴うものであったとしても、この制度は、いわゆる朝鮮国連軍として行動する、米軍を含む・・・国連軍地位協定・・・締結国の軍隊には適用されない。つまり、「朝鮮半島有事」にあたって、米軍等は在日米軍基地を自由に出撃基地として使用することができ、これに日本政府はなんら口を挟めない。言葉を換えて言えば、日本にとって、日本有事の次に深刻な「朝鮮半島有事」に関し、日米安全保障条約のもとでの在日米軍に関する事前協議制度は適用除外になっている。これでは事前協議制度はないに等しく、日本の主権が損なわれている。」(コラム#3873、6584。太田(『防衛庁再生宣言』86頁))

<太田>

 直接的には違います。
 この話も以前に触れたことがあるんじゃないかと思いますが、下掲の記事の話です。↓

 「日米、「朝鮮半島有事で基地使用」合意 60年に事前協議・・・」      
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDE30002_Q3A131C1MM8000/

 ただし、国連軍地位協定(国連憲章)にはそもそも事前協議なんてものはないので、上記「合意」は、単に、そのことを確認しただけの趣旨だと思いますよ。

<1YWuqc/z>

 太田様、<皆さんとディスカッション(続x2212)>内の「・・・韓国外交部「容認できない」・・・」のリンク、間違っておられないでしょうか?

<太田>

 サンキュー。
 ブログを直しておきました。


 それでは、その他の記事の紹介です。

 もちろん、属国日本の自民党も維新もみんなもこんな話には何の関心もない。↓

 「・・・ドイツ週刊誌シュピーゲルは、米情報機関の盗聴行為などの是非を判断する米秘密裁判所「外国情報監視裁判所」が、国家安全保障局(NSA)に対し、日本を監視対象とすることを許可していたと報じた。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140330/amr14033022310003-n1.htm

 宗主国として、かつて歯舞色丹だけで手を打つことにダメ出しをしておいて、今更いらだつなってんだ。↓

 「対ロ制裁、動き鈍い日本にいらだつ米・・・」
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO69125780R30C14A3SHA000/?dg=1

 習近平閣下が、一見整合性のない対日戦略を展開しているのはどうしてか、米国政府も少しは頭を働かせろってんだ。↓

 「中国・国際観艦式、海自だけ招待せず・・・
 米国は中国の対応に不満を示し、海自艦を招待しない場合には観艦式への米艦派遣を見送ることを含めて検討している。
 この国際観艦式は中国海軍創設65周年を記念したもの。シンポジウムには、日本からも海自の河野克俊海上幕僚長が参加することになっている。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/world/20140329-OYT1T00697.html?from=ytop_ylist

 支那の、麗しき一族郎党命主義、いまだ健在。↓

 「中国、周永康氏の部下・親族300人も拘束 利権一族、1・5兆円差し押さえ・・・」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140331/chn14033108120002-n1.htm

 銀座の、ある寿司店のオーナーシェフについての好意的記事だ。↓
http://www.bbc.com/news/world-asia-26762408

 なかなか読ませるコラムだ。↓

 「米ヘビー級ボクサー、なぜ勝てなくなったか ・・・」
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO69111790Q4A330C1000000/?dg=1

 プーチンのウクライナ侵略の背景にあるものの第一弾を昨日説明したが、本日は、第二弾として、その「思想」的背景を説明しよう。↓

 「「我々が遭遇しているのは冷戦の再来ではない。」とオバマ大統領はブリュッセルで水曜日に述べた。・・・「結局のところ、ソ連とは違って、ロシアは諸国圏を率いてはいないし、全球的イデオロギーを率いてもいない」と。・・・
 <しかし、少なくともロシアはそうは思っていない。>
 ロシアは、自ら・・・、反欧米世界の指導者たるべく変貌(remaking oneself)中なのだ。・・・
 昨年12月の、ロシア議会における一般教書演説において、プーチンはこのイデオロギーを宣明した。・・・
 「いわゆる寛容」こそ、欧米文明の中心的様相であると言及しつつ、・・・それは、不道徳性への堕落以外のなにものでもないとした。
 何よりも、それは同性愛を含んでおり、だからこそ、寛容は「不毛かつ中性化」として描写された。
 「今日、多くの国が自分の道徳的諸価値や倫理的諸規範を修正し、民族的諸伝統や人々・諸文化の間の違いが損なわれつつある」とプーチンは続けた。
 「社会は、全員の良心、政治的見解、及びプライバシーの自由、の権利を認めることを求められるだけでなく、奇妙にも、意味において正反対の諸概念であるところの、善と悪、の同等性をも疑問を差し挟むことなく認めることを求められているのだ」と。
 その上で、プーチンは、今こそ、欧米から忍び込んできているところの、この寛容と多様性なる災難に抗う時である、と述べた。
 「伝統的諸価値を擁護する我々の立場を支持する人が世界でどんどん増えていることを我々は知っている」と彼は主張した。
 ロシアの役割は、「混沌とした暗闇へ、そして未開状態へ復帰する、後退と下降の動きを防止する」ことだ、と。
 要するに、プーチンは、世界を欧米から救うことを意図しているのだ。
 彼はこれをクリミアから始めたのだ。
 彼が、ウクライナのロシア人を守ると言う時、彼は、欧米からやってくる、たくさんのひどい諸々の事柄から彼らを守る、ということを意味しているのだ。・・・
 今のところは、少なくとも、ロシアは、この新しい反欧米十字軍の諸国圏を率いているわけではない。
 しかし、「伝統的諸価値」への希求において、ロシアが一人ぼっちでないこともまた確かだ。
 ロシアは、既に非公式の「伝統的諸価値」圏を国連の中で結集してきた。
 国連の人権委員会は、過去3年間にわたって、ロシアが提案した、同性愛者の諸権利に反対する諸決議を採択してきている。
 これらの諸決議を採択するにあたってロシアの同盟諸国となったのは、旧ソ連圏の隣国群だけでなく、中共、エクアドル、マレーシア、及び、その他10数か国もいるのだ。」
http://www.washingtonpost.com/opinions/russia-is-remaking-itself-as-the-leader-of-the-anti-western-world/2014/03/30/8461f548-b681-11e3-8cc3-d4bf596577eb_story.html

⇒要するに、プーチンは、全体主義(集団主義)/反自由主義、反同性愛、そして恐らくは、反妊娠中絶、反ユダヤ人、女性差別、階級制、等を掲げることで、ロシアをかつての欧州文明復権の旗手に仕立てあげようとしているのであり、これは、まさに、スターリン主義を看板だけすげ替えて復活させようとするものである、と言ってよいでしょう。
 この「プーチン主義」によって洗脳される可能性が一番あるのが、イスラム世界であり、反米の中南米であり、そして、欧州の右翼であるところ、既に、プーチンはそれに部分的に成功しつつあるわけです。
 彼が、アサド政権やイランを擁護し続けるのはそのためでしょう。
 しかし、中共は、ロシアに面従腹背なのであり、内心、(このプーチン主義などではなく、)日本文明にぞっこんである、ということはご存知の通りであり、スターリン主義以上に、プーチン主義の失敗は早期に明らかになることでしょう。
 しかし、それまでの間に、ウクライナを含む数カ国は、ロシアに吸収されて消滅する可能性が大ありであることを、我々は覚悟しておいた方がよいでしょう。(太田) 
---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

太田述正コラム#6847(2014.3.31)
<網野史観と第一次弥生モード(その16)>

→非公開